いまさら聞けないマーケティングフレームワークとは?マクロフレームワークから順番にご紹介!

2022/08/19
マーケティング戦略 マーケティング マーケティングフレームワーク いまさら聞けないマーケティングフレームワークとは?マクロフレームワークから順番にご紹介!

マーケティング担当者にとって、マーケティングフレームワークとは、思考を深めたりアイデアを広げたり、あるいは緻密にしてくれるツールです。また、同時に不要な時間も避けられるアイテムということができるでしょう。

一つのフレームワークを知るだけで多角的に自社の事業を見たり、成果に直結した方法を考えることができたりします。そのため、優れたマーケティングフレームワークを知っているかどうかで、マーケターの仕事の効率や成果は大きく変わると言えるでしょう。


しかし、フレームワークは多すぎるため、何を使っていいか迷うこともあるかもしれません。そこで本記事では、マーケティング担当者が知っておくべき基本フレームワーク20選を紹介します。

マーケティングフレームワークとは

マーケティングフレームワークとは、マーケティングを進める上での有用な考え方、マーケティングの進め方を構造化して視覚的に表現したものです。

発展の背景

マーケティングフレームワークは数多く存在します。研究者が開発したものもあれば、いつのまにか多くの人が使っており起源不明のものもあります。

ここでは、主要フレームワークの歴史を簡単な年表にまとめました。

主要フレームワークの歴史

このように、マーケティングフレームワークは時代ごとのマーケティング課題を解決するために生まれ、進化し続けています。

マクロ環境分析のためのフレームワーク

マーケティングでフレームワークを活用する場合、順番が重要です。
まず、マクロ環境分析フレームワーク、次にミクロ環境分析、そして各マーケティング施策用のフレームワークを活用します。

マーケティングフレームワークの使用ステップ

それでは、マクロ環境分析を2種類紹介します。

PEST分析

PEST分析

PEST分析とは、政治、経済、社会、テクノロジーなど4つのマクロ環境を分析するフレームワークです。

  • Politics(政治):政治体制、規制の強化・緩和、税制
  • Economy(経済):為替、金利、GDP、インフレ率
  • Society(社会):人口動態、自然災害、ライフスタイルの変化
  • Technology(技術):インフラ、技術トレンド、革新的テクノロジー

主な用途:新規市場参入、既存事業の方向性の判断、マーケティング戦略等

活用のメリット:昨今のウクライナの問題、コロナパンデミックによる経済界への影響、EVの普及による自動車業界の激変を見ればイメージできるかと思いますが、マクロ環境の変化は市場を変え、大きなチャンス、あるいは大きな危機を生み出します。
PEST分析をすることでメガトレンドを理解し、ビジネス施策に活かすことが大切です。

提唱者:米国の一般管理学者 Francis Aguilar(フランシス・アギラー)氏の研究がベースと言われています。

5 Forces分析

5forces

5Forces(ファイブフォース)分析とは、業界、市場を分析するマクロ環境分析フレームワークです。以下の5項目を分析します。

  • Entry(他業界からの新規参入)
  • Rivalry(競合企業の脅威)
  • Substitutes(代替品の脅威)
  • Suppliers(供給者の脅威)
  • Buyers(購入者・顧客の力)

主な用途:シェア拡大のための戦略構築、新規参入業界の成長性把握、自社の成功可能性の分析等。

活用のメリット:

多くの企業はライバル企業の分析は行うものの、ベンダーや顧客の変化、業界外の勢力まで目が及ばない傾向があります。5Forces分析をすることで、業界のポテンシャルや自社の成長性、その業界で儲けられるかをより正確に捉えられます。

提唱者:米国の経営学者   Michael E. Porter(マイケル・ポーター)氏

ミクロ環境分析のためのフレームワーク

次にミクロ環境分析のためのフレームワークを解説します。

SWOT分析

SWOT分析

SWOT分析は、自社の外部環境(機会と脅威)と内部環境(自社の強みと弱み)を分析するフレームワークです。以下の4つの項目を分析します。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

主な用途:経営戦略方針の決定、マーケティング戦略、製品の開発の方向性、営業戦略、アライメント先の策定、競合他社分析と対策、事後の検証にも活用可能。

活用のメリット:企業の強みと弱み、企業をとりまく環境の機会と脅威を1フレームワークだけで分析できる使い勝手の良さ、結果のわかりやすさがメリットです。

提唱者:米国のハーバード・ビジネス・スクールにて現在普及しているSWOTが確立。ただし、それ以前から活用されており起源に複数の見解があります。

マーケティングミックス

「マーケティングミックス」は複数の視点、手段でマーケティング成果を出すフレームワークです。

1960年代に生まれた「4P」を筆頭に「5P」「6P」「7P」「8P」「4C」などさまざまなマーケティングミックスが存在します。ここでは代表的な4Pと4Cを説明します。

 

マーケティングの「4P」分析

 

4P

 

マーケティングミックスの代表格「4P」は、製品・サービスを市場へ送り出すにあたり製品の性能、価格、宣伝方法、チャネルをどのように組み合わせればベストかを考えるマーケティング戦略フレームワークです。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Placement(場所)
  • Promotion(プロモーション)

主な用途:製品企画、マーケテイング戦略。

活用のメリット:
4Pを活用すると、価格や製品の内容、プロモーション、販売場所などをバランスよく考えられます。一つひとつ検討するときに起こりやすい価格と機能のアンバランスさ、プロモーションのコンセプトのずれなどが避けられます。

提唱者:
米国のマーケティング学者Edmund Jerome McCarthy(E.ジェローム・マッカーシー)氏

 

マーケティングの「4C」分析

4C (1)

マーケティングミックス4C」は、4Pの要素を顧客視点で捉えるフレームワークで、以下4項目を分析します。

  • Customer Value(顧客価値)
  • Cost(顧客のコスト)
  • Convenience(顧客にとっての利便性)
  • Communication(顧客とのコミュニケーション)

主な用途:マーケティング施策

活用のメリット:
「4P分析」は1960年代に生まれた、やや企業視点よりのフレームワークなので、4Cを組み合わせると、現代のような顧客の求めるレベルが高くなった時代にマッチしたマーケティング施策が立てられます。

提唱者:米国の経済学者  Robert  Lauterborn(ロバート・ラウターボーン)

 

4Pと4Cの比較

4Cと4Pの比較表

企業視点も顧客視点も大事なので両方活用するのがベストです。海外ではまずは4Pを考え、その上で4C(顧客視点からの分析)もするのが一般的です。

自社と顧客戦略・分析のためのフレームワーク

前述のように、自社をとりまくマクロ環境、ミクロ環境を分析してからはじめて具体的なマーケティング戦略を策定します。ここから、自社と顧客戦略のためのフレームワークを紹介します。

STP分析

1.

(引用元:https://digimarl.com/syllabus/stp_analysis/

STP分析とは、市場での自社の優位なポジションを探すためのフレームワークです。以下の3ステップで分析していきます。

  1. Segmentaion(セグメンテーション):市場を細分化する
  2. Targeting(ターゲティング):狙う市場を決める
  3. Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置を明確にする

主な用途:新規市場参入、新規商品・サービスの開発等

活用のメリット:
シンプルなフレームワークなので専門知識は不要。誰でも情報を書き出しながら分析を進められます。汎用的なフレームワークなので、あらゆる業界・業種の企業で活用できます。

提唱者:マーケティングの神様  Philip Kotler(フィリップ・コトラー)氏

クラスター分析

クラスター分析

クラスター分析とは、混在したデータを客観的な数値の基準、類型性で集団(クラスター)に分けるデータマイニング手法のひとつです。大量のデータから似たもの同士のグループを見い出せます。「階層クラスター分析」と「非階層クラスター分析」の2手法があります。

  1. 階層クラスター分析:すべてのデータ間の類似度を算出してから、一定の基準で自動的にクラスター形成
  2. 非階層クラスター分析:事前にクラスター数を設定してグループ分け

主な用途:顧客層を分類してパーソナライズなマーケティングをしたい際に活かせます。また、新しい顧客層の発見ができることもあります。

活用のメリット・デメリット:

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マーケティング担当者は、雑多なデータからグループを抽出するために非階層クラスター分析を使いたいケースが多いと思いますが、それぞれのメリット、デメリットを理解しておきましょう。

RFM分析

RFM分析

RFM分析とは、以下3つの指標で顧客データを分析しランクづけするフレームワークです。

  • Recency(リーセンシー):直近の購入
  • Frequency(フリークエンシー):購入の頻度
  • Monetary(マネタリー):使っている金額

主な用途:ロイヤル顧客の特定、顧客層を複数にカテゴライズ(米国では4~10グループに分ける場合もあり)

活用のメリット:
売上げ実績だけでなく「R(直近)」と「F(頻度)」の指標もあるため、ABC分析よりも顧客の最近の状況をより正しく分析できます。パーソナライズされたマーケティング戦略を立てる際に役立ちます。

提唱者:米国の通信販売会社。カタログを発送する顧客を選別するために導入。

顧客理解のためのフレームワーク・考え方

マーケティング担当者は顧客理解が重要です。しかし、営業担当者のように直接顧客と接する時間もあまりないので、顧客理解のためのフレームワークを活用することが大切です。

ペルソナ

マーケティングのマリー

ペルソナとは、自社の顧客像の思考パターン、行動パターンを反映する架空の人物モデルです。一般に半架空の理想の顧客像のペルソナを作成しますが、よりマーケティング成果を上げたい際にはアンチペルソナを作ることもできます。

主な用途:マーケティング企画立案、製品開発等。

活用のメリット:
マーケターや開発者が無意識のうちに自分たちのメンタルモデルをユーザーに投影することを防ぎ、本当にメッセージを届けたい見込み客、顧客に向けた企画を立てられるメリットがあります。チームメンバーがばらばらの顧客像で仕事をせず、共通のペルソナを持つので、マーケティングに一貫性も生まれます。

提唱者:不明

 

カスタマージャーニー

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カスタマージャーニーとは、顧客の購買行動のパターンを旅のように時系列に可視化したものです。最初に商品・サービスを知ってから情報を集め、検討し、購入決定するまでをひとつの線でとらえます。一連の動きを「カスタマージャーニーマップ(CJM)」というシートにまとめます。

主な用途:マーケティング施策を具体的に計画する際

活用のメリット:
見込み客が初めて商品・サービスを知る時点から購入までの心理、行動パターンを可視化できるため、それにあわせたストーリーでマーケティング施策を立てられます。適切なタイミング、手段でメッセージを発信できます。図にすることで、マーケティングプランを俯瞰して見れるメリットもあります。

提唱者:不明

 

AIDMA(アイドマ)

AIDMAの法則(AC) (1)

AIDMA(アイドマ)とは、消費者の購買心理を以下の5プロセスで説明したフレームワークです。

  • Attention(認知)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

主な用途:マーケティング戦略、広告・CM制作等

活用のメリット:
一連のマーケティング施策を、顧客の心理の変化にあわせて計画できます。ひとつの広告シリーズのキャッチ(コピーorデザイン)、ボディコピー、しめくくりのコピーを考える際の設計にも有用で、広告効果を高めてくれるフレームワークです。

開発者:米国の広告宣伝の実務家、Samuel Roland Hall(サミュエル・ローランド・ホール氏)

 

AISAS(アイサス)

AISAS

AISAS(アイサス)とは、インターネット登場以降の顧客の購買心理パターンを可視化したフレームワークです。以下の5プロセスで顧客心理を説明しています。

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Search(検索)
  • Action(行動、購入)
  • Share(共有、商品評価をネットでシェア)

主な用途:マーケティング戦略

活用のメリット:
インターネット時代、SNS社会においては「何で検索するか? 」という視点は必須です。また「シェア(拡散)されるか」どうかで売上げが大きく異なります。「Search(検索)」「Share(共有)」が入っているため、現在の顧客の動きにマッチしたマーケティング戦略を描けます。

提唱者:株式会社電通

自社戦略・分析のためのフレームワーク

ここでは、自社の戦略を立案する際に役立つフレームワークを紹介します。

競争の戦略

マイケルポーターの3つの基本戦略

(参照:saylor.org

ハーバード大学教授のマイケルポーター氏が、著書「競争の戦略」で提唱した経営における3つの基本戦略は、世界中の企業が活用してきた実績のあるフレームワークです。ポーター氏は、企業が競争優位を獲得する戦略として、以下の3つの戦略を提唱しています。

  1. コストリーダーシップ戦略
  2. 差別化戦略
  3. 集中戦略

コスト・リーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略とは、業界で最も低コストで事業運営を行い競争優位に立つ戦略です。コストリーダーになると他社よりも低コストで商品・サービスを提供できるため、利幅が大きくなり経営が安定します。例:ユニクロ

メリット:
多くの顧客に買ってもらいやすくなります。コストをおさえた分だけ利益率があがるため、規模の経済によって収益が上がります。ライバル企業との価格競争に強く、市場で圧倒的なシェアを持てる可能性が高まるメリットがあります。

差別化戦略

差別化戦略とは、他社にない独自の価値を提供し市場にポジションを築く戦略です。製品、原材料、特許、技術力、人材、ブランディングなど何か他社で提供できない魅力を打ち出しブランディングを行います。例:Apple

メリット:
他社にない価値を提供しているので、高価格でも販売しやすくかつ価格競争に巻き込まれにくいメリットがあります。ロイヤルティの高い顧客が増えると経営が安定します。

集中戦略

集中戦略とは、特定の市場に特化して商品・サービスを投入する戦略です。以下2種類の集中戦略があります。

  1. 低コスト集中戦略
    「低コスト集中戦略」とは、ニッチな市場に集中してコストリーダーシップ戦略をとり、市場で優位なポジションを確立する手法です。

  2. 差別化集中戦略
    「差別化集中戦略」とは、特定のニッチな市場に対して独自性の高い商品・サービスを打ち出す戦略です。

メリット:ニッチな市場、ニッチな地域にのみに集中して商品・サービスを提供することで、中小企業であってもその領域でポジションを確立しやすい戦略です。

提唱者:米国の経営学者 Michael E. Porter(マイケル・ポーター)氏

製品戦略・分析のためのフレームワーク

ここでは、製品戦略のためのフレームワークを解説します。

ホールプロダクト理論

ホールプロダクトの概念図

ホールプロダクト理論とは、企業が初期に提供する製品・サービスの価値と、顧客の期待にはギャップがあるので埋めていく必要があるという考え方で、以下の4層に分けてプロダクトを説明するフレームワークです。

  • コアプロダクト:一番最初に市場に出すシンプルなセット。
  • 期待プロダクト:初期の顧客が、製品・サービスを購入したときにイメージしていた製品の基本セット。
  • 拡張プロダクト:自社サービスを拡張して、他社サービスと連携し顧客のニーズにより応えられるようになった段階。
  •  理想プロダクト:自社の関連サービス、サードパーティの連携サービスなどが増え、素晴らしい顧客体験を提供できる状態。

主な用途:製品戦略

活用のメリット:
商品・サービスを進化させ続ける意識を持つことで、プロダクトの品質がアップし、顧客からの信頼度も向上。その結果、プロダクトの寿命を延ばし、売上げ向上につながるメリットがあります。

提唱:米国のハーバード大学大学院教授Theodore Levitt(セオドア・レビット)

プロダクトライフサイクル 

プロダクトライフサイクルの図

プロダクトライフサイクル理論(PLC)とは、製品・サービスを売り出してから市場撤退するまでの期間を、導入期、成長期 、成熟期 、衰退期の4つに分けて悦明するフレームワークです。

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

主な用途:営業戦略、マーケティング戦略、製品戦略

活用のメリット:
市場投入初期の段階、成長期、市場が成熟した段階など、そのステージに合わせたマーケティング戦略を考える際に役立ちます。

提唱者:米国の経済学者 Raymond Vernon(レイモンド・バーノン)氏

事業戦略・分析のためのフレームワーク

ここでは、事業戦略のためのフレームワークを紹介します。

アンゾフマトリクス

マトリクス-1

(出典:経済産業省

アンゾフマトリクスは、事業の成長戦略を以下の4種類に分類するフレームワークで、「成長マトリクス」「事業拡大マトリクス」とも呼ばれます。

  1. 新規製品×新規市場=多角化戦略
  2. 新規製品×既存市場=新製品開発戦略
  3. 既存製品×新規市場=新規市開拓戦略
  4. 既存製品×既存市場=市場浸透化戦略

主な用途:事業の多角化、新製品・サービスの開発、新規市場参入等

活用のメリット:
事業拡大戦略を「既存市場と新規事業」と「新規製品と既存製品」の掛け合わせでわかりやすく4分類しているため、難易度の高い事業戦略企画のスタートラインにつきやすく、かつ現実的に自社のとれる戦略が見えやすくなるメリットがあります。

提唱者:米国の経営学者H. Igor Ansoff(H.イゴール・アンゾフ)

プロダクトポートフォリオマネジメント(BCGマトリクス)

BCGマトリクスの図-1

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)」とは、米国のボストンコンサルティンググループが作成したフレームワークで「BCGマトリクス」とも呼ばれます。
「相対的市場シェア」と「市場成長性」の2指標で、事業を以下4象限に分類します。

  • 花形(STAR):市場が伸びており、製品・サービスのシェアも高い
  • 金のなる木(cash cow):市場成熟期。成長率は低いが収益が上げられる
  • 問題児:市場は大きく伸びているのに、シェアは低い
  • 負け犬:市場の成長率も低く、シェアが低い状態

主な用途:事業戦略(リソースの配分、投資・廃止の検討等)

活用のメリット:
シンプルでわかりやすく、事業の成長性を思い込みに影響されずに、ある程度客観的に判断できるメリットがあります。

提唱者:戦略コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ (Boston Consulting Group)

GEビジネススクリーン

GEビジネススクリーンの図

GEビジネススクリーンとは、世界最大級のコングロマリット企業GE(ゼネラルエレクトリックス)社とマッキンゼーアンドカンパニー社が開発したフレームワークです。「業界の魅力」と「ビジネスユニットの競争力」の(高、中、小)を指標に、3×3の9象限に事業を分類するので「9ボックスマトリックス」とも呼ばれます。

主な用途:大手企業や事業部の多い企業が、各ビジネスユニット(事業)の戦略性を理解し、投資の優先順位をつける際に活用。

活用のメリット:
どの事業に大きく投資すべきか、どの事業を維持すべきか、売却すべきかなどを可視化でき、それぞれの事業に適した戦略立案に生かせるフレームワークです。分析担当者が指標を選択できるので、業界に最適化した分析が行えるメリットがあります。

開発者:米国のゼネラルエレクトリックス(GE)社の依頼により、戦略コンサルティングファームマッキンゼーアンドカンパニー社が開発。

以上、20のフレームワークをコンパクトにまとめましたが、具体的な分析方法などを知りたい際は、詳細記事をそれぞれの記事の冒頭にリンクしてありますので、あわせてご覧ください。

フレームワーク活用のポイント

フレームワークは数多くあり、中には内容がかなり重複している場合もあります。フレームワークは難解であればよいというものではなく、基本的に分析の目的と、自分が使いやすいかどうかで選んで問題ありません。

ただ、必ずマクロ環境分析、ミクロ環境分析は行ってから、施策を決める際のフレームワークを活用しましょう。以下の表を参考にしてください。基本的にひとつのフレームワークですべて分析できないことが多いので、組み合わせて使うことをおすすめします。

フレームワーク活用のポイント

まとめ

フレームワークはコロンブスの卵のようなもので、自分ではなかなか考えられず迷いがちなことをすっきり解決してくれます。知ってしまえば「な~んだ」という感じがするのも同じかもしれません。

もちろん、すべては仮説であり100%成功するものではありませんが、自分の仕事のレベルを上げるために、自分の時間を短縮するために実に役立ちます。

正解が見えない世界で日々仕事をしなければならないマーケティング担当者にとって、マーケティングフレームワークは強い武器。施策の成果を上げるだけでなく、上司やチームメンバーへの説得の際にも役立ちます。

それぞれの担当者の課題は異なるので、自分に役立ちそうなフレームワークを見つけたら、まず使ってみて、使い慣れていきましょう。

 

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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