潜在ニーズの見つけ方とマーケティングの手法

2021/03/02
BtoBマーケティング 潜在ニーズの見つけ方 潜在ニーズの見つけ方とマーケティングの手法

まだ顕在化されていない潜在ニーズにアプローチできれば、顧客の心を動かせる可能性があります。とはいえ、そもそも潜在ニーズをどのように見つければ良いのか、またアプローチ方法に迷われる方も多いでしょう。

そんな方に向けてこの記事では、マーケティング・営業部門それぞれの潜在ニーズの見つけ方や、潜在ニーズに対するマーケティング手法について紹介していきます。

潜在ニーズの見つけ方

まずは潜在ニーズの見つけ方について、マーケティング部門・営業部門それぞれの方法を紹介していきます。

マーケティング部門の潜在ニーズの見つけ方

見込み客獲得のためにマーケティングを行うといっても、ターゲットとなるユーザー像を明確にしなければ、適切なアプローチは実現できません。ユーザー像が明確になると、そこから潜在ニーズの推測に繋がるでしょう。

では、ユーザー像を明確にする方法は何かというと、ペルソナの設定とカスタマージャーニーの明確化が挙げられます。

まずペルソナとは、ターゲットとなるユーザー代表の一人を、詳細に記述したもの。従来のユーザー設定は「20代の独身男性」「趣味は旅行」など、見込み客の属性を「群」として捉えるのが一般的でしたが、ペルソナは特定の一人にまで人物像を絞っていきます。

ターゲットを詳細にすることで、思考や行動がイメージしやすくなり、見込み客が抱えている困りごとや問題点などの潜在ニーズも発見しやすくなるでしょう。

ペルソナを絞り込む方法としては次の3つとなります。

  1. 既存の顧客から理想的なカスタマーを抽出
  2. カスタマーにインタビューを実施する
  3. 顧客と直接接している営業担当者にインタビューする

1については、一般的に売上の大部分を占める上位2割の顧客が理想的なカスタマーと言われています。そのため上得意客と同じような属性を持つ見込み客を、ペルソナに設定しましょう。

2はその名の通り、既存の顧客にインタビューを実施します。とはいえ大人数にインタビューをする必要はなく、目安として1つのペルソナ設定に付き3〜5人から情報を集めましょう。

最後の3については、直接顧客と接している営業担当者の意見を聞く方法です。「お客様は〇〇と言うが、実際には△△を求めている」など、顧客自身が気づいていないニーズを、営業担当者には考えてもらいましょう。

ここまでの情報をもとに、BtoB企業の場合は最初に以下の項目を設定していきます。

  • 事業規模(売上500億円以上の大企業、売上20〜50億円の中小企業など)
  • 従業員数
  • 業種(銀行、通信、化学など)
  • 社歴
  • 購買関与者(財務担当部門、経理担当部門、営業担当部門など)

そのうえであくまでも一例ですが、次のような項目に沿って、ペルソナ像を書き出して、その人のストーリーを書き出しましょう。

 

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次にカスタマージャーニーとは、ペルソナの行動や思考、感情といった動きを認知から購買に至るまで時系列で見える化したものです。見込み客が必要としている情報を認知から購買に至るまで明確化することで、どういったコンテンツを届ければ良いのか把握する際に役立てます。

 

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カスタマージャーニーを作成すると、どのような順序でどういった種類のコンテンツを届けたら良いのか、ユーザーの視点で確認できます。製品やサービスによって購買までのプロセスを何段階にするかは異なりますが、既存顧客や見込み客へのインタビューなどをもとに、以下の要素を言語化していくのが一般的です。

  • 状況:見込み客が各段階で置かれている状況
  • マインド:購買プロセスの各段階における、見込み客の心理
  • 情報ニーズ:見込み客が知りたい情報のニーズ
  • 行動:必要な情報を得るために、見込み客がどういう行動を取るのか
  • コンテンツ:各段階の情報ニーズに答えられるコンテンツ
  • 媒体・フォーマット:各情報を伝達する手段

上記はあくまでも一例となるため、各企業が提供する製品やサービスに合わせてカスタマージャーニーもカスタマイズしていく必要があるでしょう。

このようにペルソナとカスタマージャーニーが明確になると、そこから見込み客の潜在ニーズも推測しやすくなるといえます。

営業部門の潜在ニーズの見つけ方

続いて、見込み客と実際に対面することになる営業部門の潜在ニーズの見つけ方について、顧客と対峙するときに有効なフレームワークをいくつか紹介していきます。

SPIN営業術

「SPIN営業術」とは以下のように、S・P・I・Nそれぞれの頭文字に始まる4つの質問で構成されています。

  • Situation Question(状況質問)
  • Problem Question(問題質問)
  • Implication Question(示唆質問)
  • Need-payoff Question(解決質問)

これら4つの質問を順番に行うことで、顧客が潜在的に抱えている課題を引き出していきます。

最初のコンタクトで、いきなりセールストークに入ることはないでしょう。まずは顧客を理解するために、相手がどのような状況に置かれているか「Situation Question(状況質問)」を投げかけます。

例えば「現在、どういった方法で顧客管理を行っていますか?」などの質問を通じて、現状を把握していきましょう。

次に「Problem Question(問題質問)」を行い、顧客が抱えている問題を掘り起こしていきます。「手動での顧客管理に、結構時間がかかってませんか?」など、問題を認識してもらうための質問です。

さらに、製品の必要性に気づいてもらうためにも「Implication Question(示唆質問)」を投げかけ、問題の解決が必要だと顧客に認識させましょう。

例えば「同じような顧客情報が乱立し、どの情報が最新かわからなくなっていませんか」など。問題質問とも似ていますが、ここでは顧客に問題の解決が早急に必要だと思わせる質問が大切だといえます。

最後に、解決案を提示するために「Need-payoff Question(解決質問)」を投げかけましょう。「顧客情報が一元化できたり、常に最新の情報を保てたりするツールを導入したほうが業務の効率化につながりませんか」といったイメージです。

BANT(バント)情報

「BANT情報」もSPIN営業術と同様に質問のフレームワークのことで、次の4つの要素で構成されます。

  • Budget(予算)
  • Authority(決定権)
  • Need(必要性)
  • Timeline(期限)

Budget(予算)では、まず相手の予算を確認しましょう。予算に合わせて、提案するプランなども変わってくるためです。

Authority(決定権)では、営業先担当者の権限や決済権を聞きます。どれだけ気合いを入れて営業をしたとしても、その担当者が決済権を持っておらず、決済者がわからない場合、進展が難しくなるためです。担当者は好反応だったとしても、決済者がNGを出すケースもあります。

Need(必要性)では先方のビジネス上の課題を聞き出します。なぜ課題が解決できていないのか、原因まで深堀りしてみましょう。

そしてTimeline(期限)では注文時期や導入時期を聞きます。導入時期が具体的に決まっているかどうかで、顧客は提案した製品の導入を、どの程度本気で検討しているかを探ることができるでしょう。

GPCTBA/C&I

前述したBANT情報の発展型とも呼ばれるフレームワーク「GPCTBA/C&I」は、次の要素で構成されます。

  • Goals(目標)
  • Plans(計画)
  • Challenges(課題)
  • Timeline(期限)
  • Budget(予算)
  • Authority(決定権)
  • Negative Consequences(否定的結果)
  • Positive Implications(肯定的結論)

Goals(目標)は、その名の通り顧客の目標。どのような目標・目的があるのかを質問し、そのゴールに沿った提案を行うことが狙いです。

Plans(計画)では、顧客が目標を実現するために必要な計画について明確化していきます。顧客がすでに計画を作成しているようであれば、共有してもらえるか聞いてみましょう。

Challenges(課題)では、見込み客の課題を明確にし、これまでの先方の取り組みが成果につながっていないことまで強調します。課題解決には外部リソースを用いるなど、助けが必要であることを認識させましょう。

Timeline(タイムライン)とBudget(予算)、Authority(決定権)についてはBANT情報の部分で説明した通りです。

Negative Consequences(否定的な結果)では、目標を計画通りに実行する際、どのようなネガティブな結果が起こるかまで共有します。良いことばかりを言う営業提案は、逆に信頼を損ねてしまいます。

そのため、事前に起こりうるリスクなども共有しておくと、リスクに対する顧客の意見から思わぬ潜在ニーズが引き出せる可能性もあるでしょう。

最後にPositive Implications(肯定的な結論)で、目標を計画通りに進めることでどのようなポジティブな結果が生まれるのか、相手の意見を聞き出したり、想定できる成果をこちらから伝えたりします。

GPCTBA/C&Iを実行できれば、見込み客に関する膨大な情報を得られるため、潜在ニーズの発掘にも大いに役立つでしょう。とはいえ、自社で取り扱う製品の価格によってはここまでのリソースは避けないという場合もあるでしょうから、あくまでも継続した利用が前提となる高額な製品の営業に限られる手法といえます。

MEDDIC

最後に「MEDDIC」というフレームワークは、次の6つの項目から構成されています。

  • Metrics(測定指標)
  • Economic Buyer(決裁権限者)
  • Decision Criteria(意思決定基準)
  • Decision Process(意思決定プロセス)
  • Identify Pain(課題)
  • Champion(擁護者)

Metrics(測定指標)は、顧客が自社製品の導入に期待する効果や利益などを定量化するための指標です。つまり自社製品を導入することで、どのような効果を期待しているのか確認しましょう。

Economic Buyer(決裁権限者)は、製品やサービスの導入における最終決裁者です。複雑な決裁プロセスを経てようやく最終決裁にたどり着けても、最後に否決されると、それまでの営業活動が無駄になってしまいます。一方で最終決裁者に直接アプローチを実施できれば、複雑な決裁プロセスを省くことができるかもしれません。

Decision Criteria(意思決定基準)は、製品やサービス導入時の選定基準です。例えば選定基準として「ツールの導入費用は〇〇円まで」といった予算が決まっているかどうかを確認しておきましょう。

Decision Process(意思決定プロセス)は、製品やサービスの導入にいたるまでのルート。高額なBtoB製品の場合、購買を判断するための関係者が複数介在し、顧客は稟議を上げて決裁を取るなどの意思決定プロセスが発生します。どういったプロセスを経て導入に至るのか、質問してみましょう。

Identify Pain(課題)は顧客が現在抱えており、製品やサービスを導入することで解決できる課題のことです。この課題を顧客へ提示する際には、自社の製品やサービスを導入した場合と導入しなかった場合とでどう効果は変わるのか、比較できるようにしておきましょう。

Champion(擁護者)は顧客企業のなかで、決裁権限者に対する影響力があり、自社の課題も認識している人です。決裁権限者が最終的な導入の決断を行うとしても、例えばその上司に直接アプローチできると、成約に対して味方になってくれる可能性があります。

潜在ニーズに対するマーケティング手法

マーケティングには主に「アウトバウンド」と「インバウンド」のアプローチがあります。アウトバウンドは買い手のコンテキストを尊重せずに売り手側から見込み客に対して売り込むアプローチ方法で、代表的な手法にテレビCMや電話営業などがあります。

一方でブログやソーシャルメディアなどでユーザーの課題を解決するような有益な情報を発信し、検索などで買い手(見込み客)の意思で短期的、中長期的に自社の利益につながる可能性のある情報(コンテンツ)を見つけてもらうのは「インバウンド」のアプローチです。

ここでは、特にインバウンドのマーケティング手法について紹介していきます。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングと聞くと、SEOの手段と捉える人もいるかもしれません。しかしコンテンツマーケティングに関する最大の団体「コンテンツマーケティングインスティチュート」によると、定義は次の通り。

コンテンツマーケティングとは、適切で価値あるコンテンツを作り、それを伝達することにフォーカスした、戦略的なマーケティングの考え方。見込み客として明確に定義された読者を引き寄せ、関係者を維持し、最終的には利益に結びつく行動を促すことを目的とする

 
Content Marketing Instituteのウェブサイト

(参照元:コンテンツマーケティングインスティチュート

 

つまりこの定義によれば、メディアや伝達手段が定義されているわけではありません。要するに動画や文章に限らず、明確に定義されたペルソナに対して、適切なコンテンツを届ける手段であるといえます。

確かに、コンテンツマーケティングで作られるコンテンツの一つにコンテンツSEO的な役割の形もありますが、あくまでそれは一部。SNSでバズる様な面白コンテンツ、顧客との信頼関係を構築するエジュケーション型、広告と連動するコンテンツであるネイティブ広告型なども存在します。

また、コンテンツマーケティングは主に「集客」と「育成」の2つ、異なる顧客価値を生み出します。集客の手段としては、後述しますがブログやSNSがあります。

ブログでは、自社製品に関連した幅広いテーマでコンテンツを用意し、困りごとが発生して漠然と解決策を検索しているユーザーに向けて、最適な記事を提供していきます。

例えばMAツールを提供している会社であれば、Webマーケティングをそもそもどうやってやれば良いのかわからない方に向けて「Webマーケティング 手法」と検索したときに、ユーザーの困りごとを解決するような記事を投稿します。

その結果、Webマーケティングを効率化するためにはMAツールの導入が必要だとわかると、MAツールの比較記事や、導入事例などより詳しい情報を知りたくなるでしょう。

そして、絞り込んだ数点のなかで製品のより詳しい情報を知りたい方に向けて、詳細な製品情報やデモ、無料お試しなどのコンテンツを用意し、潜在見込み客から見込み客に育てていきます。

このように集客から育成までを支えるのが、コンテンツマーケティングの役割を言えるでしょう。

例えばCRM(顧客関係管理)の世界最大手である「セールスフォース・ドットコム」では、マーケティングや営業活動を支援する実用的な情報やトレンドを幅広く配信しています。

 

Salesforceのウェブサイト

(参照元:セールスフォース ブログ

 

メディアの大カテゴリーは「トレンド」「営業」「中小企業」「マーケティング」「カスタマーサービズ」の5つ。

「ビッグデータ」や「IoT」「地方創生」といった旬の話題を盛り込みながら、営業・マーケティングに携わるビジネスパーソンの関心を引く記事コンテンツを展開しています。

こちらのコンテンツは、一般的に信じられている”SEO”コンテンツとは異なり、よりエデュケーション型であることがわかります。

コンテンツとしては例えば「為末大氏に学ぶ!マインドセットを変え、結果を出すための極意」や「地方創生、持続可能なまちづくりのヒント」、「ビッグデータから顧客の空気を読む」など、集客を目的に幅広いテーマを用意。

 

Salesforceのウェブサイト

(参照元:為末大氏に学ぶ!マインドセットを変え、結果を出すための極意

 

メディアの上部には「資料ダウンロード」や「無料メルマガ登録」のボタンを設けることで、ホワイトペーパーのダウンロードや見込み客情報の取得につなげているようです。

ソーシャルメディアマーケティング

BtoB企業においても、SNSを活用する動きが広がりつつあります。特に企業が活用するSNSとしてはTwitter、Facebook、LINE、Instagramの主に4つ。「必ず見込み客獲得ができるBtoBマーケティングの打ち手」の記事でも紹介しましたが、改めてこちらの記事でもそれぞれのSNSの特徴を以下でまとめてみました。

 

 

Twitter

Facebook

LINE

Instagram

メディア特性

瞬間的な拡散力

リアルタイムな情報

実名性

つながりのリアルさ

興味関心に紐づくアルゴリズム

1to1のコミュニケーション

ダイレクトマーケティング

画像や動画を使ったコミュニケーション

MAU

4500万人

2600万人

8300万人

3300万人

ユーザーの求める情報

ネタ

アニメ/エンタメ

趣味関連情報の流し見

ビジネス

友人の状況

興味関心ごと/イベント

お得情報

企業サービスの活用

フード/インテリア/コスメ

エンタメ

旅行/おでかけ

ビジネス有効活用度

×

(参照元:デジタル時代の基礎知識『BtoBマーケティング』

 

ご想像の通り、Twitterには瞬間的な拡散力があり、リアルタイムで最新情報を発信するのに向いています。一方でInstagramはビジュアルコミュニケーションが主となるため、ファッションや旅行のように、魅せる表現が大事な場合には適しているでしょう。

LINEは1to1のコミュニケーションが得意で、すでにサービスを知っている、もしくは現在活用しているユーザーに向けて製品の活用方法などを紹介する際に向いています。

そしてFacebookは、実名性やつながりのリアルさが特徴。ビジネスパーソンの利用者も多く、ビジネス系の情報を求めている人に向けたFacebook広告などは有効な方法の1つです。

なお、前述したコンテンツマーケティングにおいても、作成したコンテンツをSNSでシェアしてもらう工夫が大切。コンテンツのシェアを促すためにも、記事の最初と最後に「ソーシャルシェアボタン」を配置しておきましょう。

とはいえ、あまりに多くのボタンを並べても、ユーザーはどのSNSでシェアすれば良いのか迷ってしまいます。そのためあくまでも潜在見込み客の属性に合わせて、SNSを絞る必要があるでしょう。

BtoB企業においては、基本的に瞬間的なコンテンツの拡散力が期待できるTwitterと、ビジネスパーソンの利用者が多いFacebookの2つを活用したほうが良いといえそうです(あくまでペルソナ次第なのですが)。

例えばfreeeでは「たった5分でよくわかる!動画で見るfreee」と題し、クラウド会計ソフト『freee』でできることを5分でまとめたFacebook広告を展開。

 
freeeのFacebook広告

(参照:freeeのFacebookページ

 

テキストやイラストなどの手段にこだわらずとも、動画コンテンツをFacebook広告として配信する手段もあります。

ブログマーケティング

コンテンツマーケティングにおける集客の手段でもありますが、まだ自社製品の名前を知らない潜在見込み客にアプローチするためには、ブログが比較的始めやすいのではないでしょうか。作成した記事がネット上で上位表示されれば、多くの潜在見込み客にアプローチできる可能性があります。

ブログ記事の内容としては、ニュース性のあるものよりは継続的に読まれる可能性の高いノウハウ系の記事が有効です。

なお記事の書き方については基本的に、以下の構成で組み立てましょう。

  • 記事タイトル
  • リード文
  • 本文
  • まとめ
  • 執筆者プロフィール

記事タイトルは検索したときに何が書いてあるのか把握されやすいように、「35文字以内」が目安。特にその記事で伝えたいキーワードをタイトルの前に持ってくるのが、ポイントです。ただ、煽りタイトルのようにあまりにも内容とタイトルが乖離してしまうと、逆に記事の信頼性を損ねてしまう可能性があるため注意しましょう。

リードでは、この記事で「何について話すのか」を200文字程度で記述します。本文が長くなる場合は、冒頭に目次を挿入すると、読者にとってはどこにどんな情報があるのか、ざっくりと把握する際に役立ちます。

なお、本文については文字だけで記事を読ませるのはハードルが高いため、図解や画像などを適宜挿入して文章を補足してあげると、読者の理解度が高まる可能性があるでしょう。

なお、ブログは記事を上位表示させることが目的ではありません。ブログ記事で興味・関心を持ってもらい、より詳しい情報を知ってもらうためにホワイトペーパーのダウンロードなど出口を設けることで、最終的に見込み客の獲得につなげるのが目的です

CMS プラットフォーム「Movable Type」を提供する「シックス・アパート」では「Six Apart ブログ」と言って、オウンドメディアを通じて情報を発信していきたい人に役立つ記事を中心にしたブログを展開。オウンドメディアの運営ノウハウなどをテーマに、外部からの寄稿も積極的に行っています。

 

Six Apart ブログ

(参照元:Six Apart ブログ

記事の下部にはメールマガジンの登録フォームを設けており、ここで見込み客の情報を獲得していることが予想できます。

 
Six Apart ブログ

(参照:Six Apart ブログ

 

また、ブログ運営と平行して「オウンドメディア勉強会」というグループも主催。オンライン上だけでなく、リアルな場での情報提供にもつなげています。

フィールドマーケティング

イベントやセミナーなどのフィールド(リアルな場)で行うマーケティングを「フィールドマーケティング」と呼びます。展示会やエクスポ、複数社共催のカンファレンスなどが該当するでしょう。

自社をすでに知っている人というよりも、参加者が自社のことを個別認識していないようなイベントを対象にしていることが多いといえます。

一番の目的は、大量の名刺獲得機会という意味合いが大きいでしょう。例えば東京ビッグサイトや幕張メッセなど、大規模な会場で開催されるイベントへの出展は来場者も10万人程度の規模となるため、大量に名刺獲得機会となり得ます。

名刺情報の管理やアンケート項目の設計、CRMやMAなどとの連携準備を行っていれば、かなり有用なBtoBマーケティングの見込み客獲得施策になるのではないでしょうか。

例えばオンライン営業システム「ベルフェイス」は、ベルフェイスの体験がその場でできる展示会に力を入れているといいます

 

ベスフェイスの展示会

(参照元:ベスフェイス

 

ブース内にはその場で商談ができるセットを15個程度用意。写した画面は、ブース上の大きいモニターに映るようにしています。これにより来場者の興味関心を引き、実際の体験へと誘導しているようです。

そして展示会で獲得した見込み客には、非ターゲットの会社であろうとすべて電話を行うといいます。名刺だけを集めて終わりのではなく、電話をかけてアプローチするまでを徹底しているそうです。

なお、コロナウィルスなどの影響で外出が制限されるなか、オンライン型のセミナーを開催する機会も増えています。会場への移動時間が削減されるほか、当日受付の準備・対応などにかかる人員を削減できる点は運営企業側にとって大きなメリット。

特に数百人規模の会場を借りるイベントなどは、半日あたり300万円以上かかるのが一般的のため、ウェビナーはマーケティングコストを大きく削減できるでしょう。

まとめ

潜在ニーズを把握する方法は、マーケティング部門の場合、ペルソナカスタマージャーニーから推測する方法が挙げられます。見込み客と実際に対面することになる営業は、SPIN営業術やBANT情報、GPCTBA/C&IやMEDDICなどのフレームワークを用いながら潜在ニーズを把握していきたいところ。

潜在ニーズへのアプローチはブログ記事やSNS、また展示会などオンライン施策はもちろんオフライン施策にも力を入れていきましょう。

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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