SDRとBDRの違いとは?インサイドセールスにおけるそれぞれの役割と仕事内容を解説

2024/09/07
インサイドセールス BDR SDR SDRとBDRの違いとは?インサイドセールスにおけるそれぞれの役割と仕事内容を解説

THE MODEL型と呼ばれる分業型営業組織の普及に従い、昨今特にSaaS業界で注目を集めている「インサイドセールス」ですが、このインサイドセールスにも「SDR」「BDR」と分類される種類があるのをご存知でしょうか?

「SDR」と「BDR」は同じインサイドセールスでも、ターゲットとする対象やアプローチの仕方が全く異なります。この記事では両者の性質や役割の違いから、BtoBのSaaS企業における具体的な仕事内容や導入のポイントについて詳しく解説します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議ツールなどを使い、非対面で見込み客にアプローチする営業活動のことです。多くの見込み客と効率的に関係を構築し、地理的な制約を受けずにアプローチを行うことが可能です。特に、リードの育成やアポイント取得に焦点を当て、対面営業であるフィールドセールスと連携することで、互いの業務領域を活かしたよりよい営業活動が実現します。

たとえば、インサイドセールスは問い合わせなどを寄せてきた見込み客に対して、電話やオンラインツールを活用して迅速にコンタクトを取ります。悩みやニーズを深堀りして、自社製品・サービスへの関心度合いを高めるアプローチができることが強みです。

そのため、フィールドセールスでの商談では、製品・サービスの使用感といった魅力を伝えやすく、成約獲得の後押しとなります。インサイドセールスは企業にとって、現代のリモートワークの普及に伴って重要性が増しています

SDRとBDRとは?

従来の営業の役割を分業したうちのひとつであるインサイドセールスは、さらにその業務内容によって「SDR」と「BDR」に細分化されます。

SDR(Sales Development Representative)

SDRとは、「Sales Development Representative」を略したもので、一般に「反響型」と呼ばれるインサイドセールスのスタイルです。

インバウンド型のインサイドセールスとも呼ばれ、マーケティング部門が集めたリードを育成・選別し確度の高いもの(ホットリード)のみをフィールドセールスへ引き継ぐことが主な役割です。日本で一般的に「インサイドセールス」として認識されているものの多くは、このSDRを指します。

SDRが引き継ぐリードは、インバウンドマーケティングによりリード側が既に何かしらのアクション(問い合わせ、資料請求など)を起こしており、スタート時点で購入意欲が比較的高いことが多いとされます。反面、熱が冷める前にスピーディにコンタクトを行う必要があるため、大量のリードを効率よく捌く、という印象が強いスタイルでしょう。

BDR(Business Development Representative)

BDRとは、「Business Development Representative」の略で、一般に「新規開拓型」と呼ばれるアウトバウンド重視のインサイドセールスのスタイルです。リードからのアクションを待たず、自社がターゲットとする企業に対して積極的にアプローチを行います。

不特定多数のリードから高確度の見込み客を探すのではなく、自社が取引を望む企業へ直接アプローチをかけるため、受注したときのリターンはより大きなものとなります。

反面、ターゲットの購入意欲が低い段階(コールドリード)からのスタートとなるため、受注確率や難易度が高くなりやすく、担当者のスキル依存度や戦略的なアプローチの必要性が高いといった特徴があります。

SDRとBDRの定義と違い

SDRとBDRが注目を浴びる背景

インターネットの普及で買い手・売り手ともに情報収集力が著しく向上したことにより、それを逆手に取るインバウンド型のマーケティングやセールスに注目が集まるようになりました。

日本国内でもTHE MODEL型と呼ばれる分業型営業組織についての記事をよく見かけるようになっており、インバウンドマーケティングで大量に取得したリードに対してSDRがコンタクトを行う、といったスタイルはSaaS企業を中心に新たなトレンドとなっているようです。

一方でインバウンドにリードを収集するスタイルは、デメリットも多く見つかってきているのが事実です。後述しますが、対象が個人やSMB(中小企業)に偏ってしまいがちな傾向があります。また、SMB企業は売上げの規模や安定性に難があり、SaaS企業の多くが採用しているサブスクリプションモデルの解約率も高くなりがち、といった特性があります。

これらのデメリットをカバーするためには、ターゲットをより売上げ規模が大きく解約率の低い契約を結べるエンタープライズ(大企業)層へ移行することが必要です。

後述するBDRおよびABM戦略は、そのような特定の企業をターゲットとした営業活動を得意とするインサイドセールスですので、日本でも今後一層注目度が高くなっていくことが予想できます。

SDRとBDRの違い

「良質なリードを次工程(フィールドセールス)へできるだけ多く引き継ぎ、営業全体の売上げ向上を図る」という点で、ゴールとする出口は同じと言えるSDRとBDRですが、組織の営業活動全体の中で見ると、果たすべき役割は互いに少し異なります。5つの切り口からそれぞれの違いを深堀りしてみましょう。

求められる責任の違い

まず、職務を通して求められる責任が互いに異なります。

SDRは、営業プロセスの初期段階に専念します。見込み客に対して電話やオンラインツールを使ってアプローチを行い、製品・サービスの詳細な情報を提供して相手の熱(製品・サービスへの関心度合い)を高めたうえで、商談へと誘導するのが特徴です。つまりSDRの主な役割は、リードの品質確保やアポイントメントの設定にあります。

一方でBDR は、自社がビジネスを新たに開拓していくことができるよう、新規ビジネスのチャンス発掘が専門領域です。具体的には、市場調査やターゲットリストの作成をして、潜在顧客との関係構築を進めます。つまりBDRは、潜在顧客の発掘から初回コンタクトの実施をして、SDRにリードを引き渡す役割を担っています。

つまり、SDRは「特定のリードを深掘りする」、BDRは「新規のビジネス機会を広範に捉える」といった違いがあるといえるでしょう。どちらの役割も重要ですが、SDRは主に受動的アプローチ、BDRは能動的アプローチを行い、最終的には売上拡大に貢献するという共通のゴールを持っています。

リードとの関係構築の深さの違い

リードとの関係構築の深さにも違いがあるといえます。

SDRは、見込み客を成約に近づけるためのアプローチを行います。見込み客一人ひとりの興味関心を考慮した提案を行い、次のセールスステージ(=商談)へ進めることが役割です。コミュニケーションの重点は、短期間でリードの興味を引き出し、取引成立への道筋をつけることにあります。

一方でBDRは、潜在顧客との初期の関係構築に深く関わります。潜在顧客のニーズを詳細に理解し、悩みを聞き出して解決策を提示するなど、長期的なパートナーシップを目指してコンサルティング的なアプローチを取るのが特徴です。つまりBDRのコミュニケーションは、長期的な信頼関係の構築に重点を置くことを目指しています。

  • SDR=取引成立に向け、リードとの効率的なコミュニケーションに焦点がある
  • BDR=深い関係構築・信頼形成に焦点がある

両者の役割は異なるものの、最終的には顧客獲得を目指して連携し合うことが重要です。

アプローチ方法の違い

SDRとBDRは、それぞれ異なるリードに焦点を当ててアプローチを実施します。

SDRは、インバウンドリード、すなわち企業のマーケティング活動から得られるリードを主に担当するのが役割です。たとえば、Webサイト経由の問い合わせや、広告を見て興味を持って資料請求をしてきた見込み客に対してアプローチを行い、製品・サービスに対する検討度合い向上を試みます。そして、商談のアポイントメント獲得など、短期的な目標達成に向けたコミュニケーションを展開します。

一方、BDRはアウトバウンドリードに重点を置き、コールドコール(まったくの新規で営業電話をかけること)やメールを通じて新規顧客を獲得する活動に取り組みます。

SDRはリード一件ごとの検討度合いを短期的に向上させようと試みるのに対して、BDRは会社の長期的なビジネス目標に沿って新たな市場を切り開くことができるよう、戦略的なアプローチを取ります。たとえば市場の動向を捉え、自社のポジショニングを考慮しながら、新たなビジネス機会を発掘する、といった取り組みです。

ターゲットの違い

SDRとBDRはその性質上、ターゲットとする対象が異なります。SDRが得意とするターゲット対象は主にSMB(中小企業)です。

『2020年版中小企業白書』によると、日本における企業の99.7%が中小企業、大企業は残り0.3%ですから、SMB層をターゲットとすると案件数を稼ぎやすく、受注の総数も自ずと多くなります。ただし、SMB層は資金力が低いことが多く、一件ごとの受注単価や継続率は低くなりがちなのがデメリットです。

BDRは主にエンタープライズ(大企業)層へターゲットを絞ります。大企業は数が非常に少なく、その分案件数・受注数も少なくなりがちです。しかし大企業は一件ごとの受注単価・継続率が高く、一件でも受注できたら安定した大きな利益が見込めるのがメリットです。

SDRの役割と仕事内容

SDRには、どのようなことが求められるのでしょうか? ここでは、SDRの役割と仕事内容について解説します。

SDRの主な役割は、マーケティング部門が集めたインバウンドリードを効率的に整理・育成し、フィールドセールス部門に引き渡すことです。SDRは、リードに対する初回アプローチを担当し、電話・メールなどを通じて見込み客と接触します。そして、リードの検討度合いや、自社商材がニーズに合っているかどうかを判断し、確度の高いリードを選別して、フィールドセールスに引き継ぎます。

リードの数が多ければ多いほど、SDRにはスピードと効率性が求められます。特に、リードの熱(製品・サービスに対する関心度合い)が冷める前に迅速に対応することが重要です。CRMツールやIP電話ツールといったITツールを活用し、時間効率を最大化することが求められます。

BDRの役割と仕事内容

一方、BDRに求められるのはどのような要素でしょうか? ここでは、BDRの役割と具体的な仕事内容について解説します。

BDRの主な役割は、新規顧客獲得と商談の創出にあります。具体的には、ターゲット企業(主にエンタープライズ)に関する情報収集をして、相手の組織構造や決裁者(キーマン)の特定を行い、これらに基づいた戦略的なアプローチを実施する流れです。

MAツールを活用して、潜在顧客の興味関心を考慮し、潜在顧客の検討段階に合わせてパーソナライズしたコンテンツを配信し、DMやコールによるフォローアップを通じて商談機会を創出します。また、既存顧客に対するアップセルやクロスセルの機会も探り、売上げの最大化を図ります。

BDRは、新規顧客の獲得を目指してアウトバウンド活動を展開します。そのため、ターゲット企業に関する情報収集力や、自社製品・サービスの魅力を適切に訴求できる会話力が求められます。

そしてSDR同様に、案件を効率よく管理するため、CRM、MA、SFAといったツールを使いこなすITリテラシーも必須だといえるでしょう。

SDRとBDRを設置することのメリット

ここからは、自社のインサイドセールス部門内にSDRとBDRを設置するメリットを詳しく掘り下げていきましょう。

SDRを設置することのメリット

まずは、SDRを設置するメリットを紹介します。以下3点が挙げられます。

見込み客との関係構築ができる

SDRを設置することで、営業プロセスの初期段階において見込み客との関係を深めることができます。

SDRは、迅速にアプローチすべき(=既に興味を示してくれている)リードを特定し、その相手とのコミュニケーションを深める役割を担います。一件一件のリード別のニーズや関心を理解することで、成約に向けて適切なアプローチを展開できるようになり、その結果として見込み客からの信頼獲得に貢献します。後続の商談プロセスをスムーズに進める土台を築くことができれば、成約率が向上するでしょう。

リードナーチャリングの実現

SDRは、リードナーチャリングを実施する重要な役割を果たします。リードナーチャリングとは、見込み客との関係を継続的に育むプロセスのことです。

SDRがリードと定期的に接触して、価値ある情報(セミナー・ウェビナーの開催情報や、新サービスに関する情報など)や、フォローアップを提供することで、見込み客の関心を高め、購買意欲を育成します。

このプロセスによって、見込み客は製品・サービスに対する理解を深め、フィールドセールスがアプローチする際に、より高い関心を持った状態で対話できるようになります。その結果として、成約の可能性が高まるといえるでしょう。

インバウンドリードの対応ができる

SDRは、インバウンドリードの対応を専門に行うことができ、迅速かつ適切な対応が可能です。インバウンドリードとは、自社のマーケティング活動(広告施策や、コンテンツマーケティング施策など)に反応して自らアプローチしてきた見込み客のことです。

SDRは、これらのリードに対して迅速にアプローチし、興味やニーズに応じた情報提供やフォローアップを行います。見込み客が抱えている疑問・不安を早期に解消できれば、スムーズに商談へと誘導できるなど、営業プロセスを効率的に進めることができます。

BDRを設置することのメリット

続いて、BDRを設置するメリットについて深堀りして見てみましょう。以下2点が挙げられます。

市場ニーズの把握

BDRを設置することで、市場ニーズの把握が可能になります。

BDRの役割は、市場や顧客のニーズに関する情報収集を進めて、ビジネスの新規開拓を専門に行うことです。活動を通して得られた情報を元に、自社の製品・サービスをどのように改善するか、または新たなビジネスチャンスをどのように開発するかを戦略的に考えることができるようになります。

市場のトレンドや、潜在顧客のニーズを理解することで、より市場に求められる営業戦略を立案できるようになり、自社の競争優位性を高めることができるでしょう。

見込み客の精査ができる

BDRはアウトバウンドリードを綿密に評価し、自社のペルソナとの整合性を確認します。たとえば、予算、権限、ニーズ、BANTなどの要素を評価することで、顧客へ転換できる可能性が高いリードにリソースを集中させることが可能です。この評価プロセスにより、フィールドセールスチームは成約確度の高いリードに的を絞って営業活動を展開できるようになるでしょう。

このように、見込み客のクオリティを十分に精査してから営業活動を進めることで、営業プロセス全体の合理化が進み、成約率の向上が期待できます。

ペルソナ例

(出典:ペルソナとは? ビジネスを成功に導くペルソナの設定例とその項目を解説

SDRとBDRどちらを置く(あるいは強める)べきか

SDRとBDRのどちらを強化するか、または両方を置くべきかは、企業の戦略や営業プロセスによります。

SDRは主にインバウンドリードの対応や、リードナーチャリングに重点を置き、見込み客との関係構築や、関心度合いを短期的に向上させる役割を担います。一方、BDRはアウトバウンドリードの評価と市場ニーズの把握に注力し、新規ビジネスの機会を探索するのが役割です。

理想的には、両方の役割を設置し、それぞれの強みを活かすことのできる環境を構築することですが、どちらにより重きを置き、人員を厚く配置すべきかは、企業の営業戦略によって異なるといえます。

例えば、インバウンドマーケティングが主な戦略の場合にはSDRに重点を置き、アウトバウンドセールスを強化したい場合はBDRに力を入れるといった具合です。各企業の状況に応じた最適なバランスを見つけることが、営業活動の成功に繋がるといえます。

SDRとBDRのキャリアパスでの順番

SDRとBDRの2種類のインサイドセールスへ人材を配置する上で、BtoBのSaaS企業が考慮すべき点のひとつとして、キャリアパスがあるでしょう。どのような順番でSDRとBDRのキャリアパスを設定すべきか、企業によって考え方はさまざまでしょうが、参考としてSalesforce社が設定するキャリアパスを紹介します。

salesforce社が設定するキャリアパス

(出典:Salesforce)

Salesforce社では、SDR→BDR→フィールドセールス→マネージャーという順番で人材を育成しています。これはSDRに比べBDRの方が臨機応変なスキルを必要とするという側面に加え、実際の営業プロセスの順番に沿って部署を移ることで、営業組織全体に対する理解度を深めるという意図もあります。

Inside Sales Team

(出典: kalungi)

SDRとBDRが使いこなすべきテクノロジー

SDRとBDRの両方に必要不可欠となるのが、ITツールの活用です。膨大なデータの管理や複雑な分析などを自動的に行ってくれるITツールはインサイドセールスのみならず、デジタルセールスには欠かせないものとなっています。

ここではSDRとBDRの業務効率化を助けるツールを紹介します。

名刺管理ツール

社員が獲得した名刺データを一括管理し、社内外の人脈を可視化することができるツールです。ターゲット企業のキーマンの情報を組織構造とともに把握することができ、ターゲットに向けた詳細な戦略立案の手助けとなるでしょう。

獲得した名刺データを社内で一括管理「Sansan

sansan

(出典:Sansan

名刺管理ツール「Sansan」は、SDRやBDRの活動に有効です。名刺データをデジタル化し、CRMシステムと連携することで、リードに関する細かな情報(役職者情報、異動情報、接触履歴など)を迅速に整理・活用できます。

SDRはインバウンドリードのフォローアップを効率化でき、BDRは市場調査や見込み客の精査をスムーズに行えるため、営業活動の精度と効率が向上するでしょう。

CRM・SFAツール

インサイドセールスが案件化したリードを、実際に商談のクロージングを行うフィールドセールスに引き継ぐ際には、リードに関する情報が正確に管理されている必要があります。CRM・SFAツールを使用して見込み顧客に関するさまざまな情報を案件ごと、商談のフェーズごとに管理することは、営業チーム全体の売上拡大を図る上で大きな助けとなるでしょう。

世界シェアNo.1 CRM・SFAツール。顧客・案件データを一括管理「Sales Cloud

salescloud

(出典:Sales Cloud

Sales Cloudは、営業チームの効率と成果を最大化するための多機能なCRMツールです。

主な機能として、顧客情報や商談データの一元管理、リードの追跡、営業プロセスの可視化などが挙げられます。また、AIを活用した売上予測機能や、柔軟にカスタマイズ可能なダッシュボードも搭載し、営業活動をより効率的に進められるようにサポートします。

世界中で数多くの導入実績があるので、情報セキュリティの観点でも安心して導入できるツールだといえるでしょう。

「使いやすいCRM」マーケティング・営業データと連携された顧客管理「HubSpot

Hubspot

(出典:HubSpot

HubSpotは無料から使い始められる使いやすいCRMツールです。マーケティングおよび営業データと連携させることで、SDR・BDR活動の効率化を後押しします。

顧客情報を一元管理でき、リード一件一件について「いつ、どんなコンタクトをとったか」「いつ、どんな購買が発生したか」といった追跡ができるようになります。そして、MAツールの機能を使えば一度獲得したリードに対するフォローアップも自動化できます。

わかりやすく操作しやすいインターフェースと、豊富なレポート機能も魅力です。

IP電話ツール

大量のリードに対してコールをかける際、一件コールが終わるごとに通話内容を手動で記録していては時間がかかってしまい、インサイドセールスの業務効率を最大化することはできません。IP電話ツールを使えば、通話内容を連携するCRMやSFAに自動的に記録してくれます。

また、通話データを一括管理・分析することができるものもあり、チーム全体のコールレベルを引き上げる手助けにもなるでしょう。

CRM・SFAツールとの連携も可能。AI音声解析で通話をスコアリング「MiiTel

MiiTel

(出典:MiiTel

Miitelは、電話やWeb会議システムなどの音声解析ができるクラウド型IP電話ツールです。

通話のリアルタイム録音、分析をしてデータ化し、そのデータをCRM・SFAと連携させることができ、営業チームのパフォーマンスを向上させます。

蓄積されたデータから、通電しやすい曜日・時間帯が分かるため、通電率の向上に貢献できるほか、トップ営業の話し方を記録・分析してチーム内で共有することで、工数をかけることなく効率的に教育コンテンツ化でき、業務効率化にも貢献します。

音声認識で通話をテキスト化、CRMやSFAに自動入力「pickupon

pikupon

(出典:pickupon

Pickuponは、音声認識技術を活用して通話内容をテキスト化し、CRMやSFAシステムに自動入力してくれるIP電話ツールです。

通話内容を迅速に記録・整理でき、また、会話の詳細なテキストを基にリードの評価や分析を行いやすくなります。

パソコン、Webブラウザ(Chrome)とヘッドセットさえあれば、申し込み後に最短即日で利用開始できます。SalesforceやHubSpotなどCRM・SFAを開いている画面上からでもワンクリックで架電ができるので、業務効率化とコミュニケーションの質の向上に貢献してくれるでしょう。

ABMマーケティングツール

ABMマーケティングツールは、特にBDR業務を遂行する上で大きな助けとなるツールです。取り込んだ顧客データを分析し、自社と親和性が高く受注確度の高い企業を抽出してくれます。新規開拓のためのターゲット特定に大きな助けとなるでしょう。

BtoB事業特化、顧客データから確度の高い企業を自動抽出「スピーダ

スピーダ

(出典:スピーダ

スピーダは、BtoB事業に特化したABMマーケティングツールです。

「市場調査を効率化したい」「競合の動きを把握したい」「セールストークの質を上げたい」と考えている企業におすすめです。

信用調査にも用いられる、質の高い企業データ(主にエンタープライズ、非上場企業にも拡充中)にアクセスでき、調査・分析・ターゲティングなどのプロセスを効率化してくれます。

たとえば、高確度な企業を自動的に抽出、BDRはターゲット企業の選定を迅速かつ精度高く行えるので、営業効率の向上に貢献してくれるでしょう。

営業活動の入り口になるBDRがマーケティングと緊密に働くべき理由

SDRとBDR

(出典:Liskul)

SDRとBDRは、見込み客の獲得方法という営業活動の入り口にあたる部分が異なります。主にマーケティング部門がインバウンドで収集してきたリードを引き継ぐSDRに対し、アウトバウンド型のBDRは自らがターゲットを選定し新規の見込み客獲得のために動きます。

しかし入り口が異なるこの2つの型は、最終的に案件をフィールドセールスに引き継ぎ商談のクロージングを委ねるという点で出口部分が共通します。マーケティングからインサイドセールスへ引き継がれるリード(MQL)、インサイドセールスからフィールドセールスへ引き継がれるリード(SQL)の判定基準が2つの型でバラバラだと、次工程で混乱が起きかねません。

営業プロセス全体での業務の整合性を取るためには、BDRはマーケティングと営業をつなぐ架け橋の役割も担うということを意識し、マーケティング部隊と緊密にコミュニケーションを取り合い、お互いに連携する必要があるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 日本ではインサイドセールスというとインバウンド型のSDRが広く認識されていますが、SaaS企業が継続的に売上げを拡大していくためには、インバウンド型だけでなく自社と親和性の高い企業に向けて積極的に新規開拓を行うアウトバウンド型の営業も重要となります。

BDRは求められる役割や必要となるスキルも多く、人材獲得や育成の難易度はSDRに比べて高くなりがちです。ただ、強いBDR部隊を組織することができれば、エンタープライズの新規開拓から安定した収益を獲得し、SaaSビジネスで発生しがちなSMB市場での頭打ちを避けることができるかもしれません。この機会に検討されてみてはいかがでしょうか?

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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