サジェストキーワードとは、検索エンジンの検索窓で特定のキーワードを入力した際に表示される検索ワードの候補です。普段、ユーザーはGoogleなどのWeb上のサービスを利用するにあたって、何かしらの提案を受けながら作業効率化の恩恵を受けています。サジェストキーワードその機能の1つです。
さらに、サジェストキーワードはSEO対策上で重要な役割を担っています。サジェストキーワードを基にしてコンテンツ作成を行うことで、よりユーザーニーズを捉えた情報発信・価値提供が可能です。
本記事ではサジェストキーワードの概要と、SEOにおける重要性を解説します。「トピッククラスター」の考え方にも言及しつつ、体系的なコンテンツ制作について論考しますので、ぜひ参考にしてください。
サジェストキーワードとは「検索エンジンによって提案される検索候補」のことです。インターネット検索ではGoogleやYahoo!、bing(Microsoft)などを使用するのが一般的でしょう。さらには、サジェストキーワードはYouTubeのような動画配信プラットフォームでも採用されています。
検索エンジンの検索窓に何かしらのキーワードを入力すると、それに応じた検索候補がリスト形式で表示される機能があります。そうして表示された検索候補がサジェストキーワードです(下の画像ではChromeのシークレットモードを使用しているため、検索履歴は反映されていません)。
各検索エンジンには、異なる点が多々あります。それぞれについてまとめると、以下のとおりです。
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Yahoo! |
bing |
YouTube |
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表示される検索候補の数 |
8個 |
10個 |
8個 |
14個 |
検索候補 (Google+〇〇) |
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Google、Yahoo!、bingは、それぞれ表示されるサジェストキーワードが類似する傾向があります。検索エンジンが違うからといってユーザーの検索傾向が大きく変わるわけではないからだと考えられるでしょう。
YouTubeに関しては動画プラットフォームとしての特性から、時事性や商標キーワード、お悩みキーワードが重視されると推測できます。
SEO対策をしていく中で、サジェストキーワード関連で最も意識すべきなのは「Googleサジェスト」でしょう。Googleサジェストは、Google検索エンジンの検索ボックスにキーワードを入力している最中に、それに関連する検索キーワードやフレーズを自動的に提案するサジェスト機能です。
検索エンジンの世界市場において、Googleは85%以上のシェアを誇っており、必然的にコンテンツマーケティングにおいても、最優先で対策するべきプラットフォームとして挙げられます。
そのようなGoogleで用いられているサジェスト機能は、ユーザーの実際の検索クエリを反映しているため、「ユーザーが実際にどのようなニーズを持っているのか」を理解するのに役立つのです。
ただし、後述するGoogleサジェストの仕組みを知れば明らかなのですが、Googleサジェストは必ずしもユーザー全体のニーズを正確に表しているわけではありません。とはいえ、自社のコンテンツ作成における方向性を定義する上では、とても重要な要素です。
日本における検索エンジンのシェアはGoogleが大半を占めており、Yahoo!、bingと続いています。
(出典:「statcounter」Desktop Search Engine Market Share Japan Oct 2020 - Sept 2021)
実は、Yahoo!は検索エンジンのアルゴリズムにGoogle製が取り入れられているため「ほぼGoogleと同じ仕様」といえるでしょう。しかし、bingはMicrosoftが独自に開発している検索エンジンであるため、GoogleやYahoo!とは違った特徴があります。例えば「中古車 z」と入力すると、Googleとbingとでは次のような違いがあります。
Googleで「中古車 z」と入力すると「z」で始まる日本語キーワードがサジェストとして表示されるのに対し、bingでは「z」をローマ字認識でサジェストが表われています。つまり、Googleの方が曖昧性に対して高い認識機能が備わっているのです。
では、Googleサジェストにはどのような仕組みがあるのでしょうか? 代表的なものを挙げると、以下のとおりです。
ここからは、それぞれについて解説します。
Googleのサジェストキーワードは、Google上で実行された検索結果を反映する仕組みになっています。WIREDに投稿された記事によると、Googleが1日に処理している検索数は30億回とのこと。
「 The statistics remain staggering.
Google accepts over 3 billion search queries a day.」
「驚異的な統計が続いています。Googleが1日に受け入れる検索クエリは30億回を超えているのです(筆者訳)」
(出典:WIRED「How Google Search Dealt With Mobile」)
これは、2015年の情報ですので、現在はさらに多くの検索回数を処理していると推察できます。Gogoleサジェストは、世界中の検索を反映して「入力されたキーワードに対して最も検索率の高い別のキーワードを組み合わせる」のが基本的な仕組みなのです。
サジェストキーワードを表示するためには、ユーザーごとの検索履歴データも参考にされます。これは単に、検索履歴を表示するということではありません。サジェスト機能として表示するキーワードを、ユーザーごとにカスタマイズしているのです。
例えば、以下のGoogleサジェストのスクリーンショットは「日頃使用しているChromeブラウザ」上で「Google」と入力した結果です。
Googleサジェスト関連のキーワードが多いのは、当記事を執筆するにあたり、Googleサジェストに関するキーワードを多く入力したためです。
対して、普段使用しないSafariブラウザにて、Googleの検索窓に「Google」と入力した際に表示されたGoogleサジェストは以下のようなものが検出されます。
上記をみれば、Googleサジェスト関連のキーワードが1つもないとわかるでしょう。これは「検索履歴データがほとんどゼロに近い状態」でGoogl検索を使用したためです。
Googleサジェストはユーザーの検索履歴データを反映しているので、ユーザーによって表示されるキーワードが異なります。
仕組み2の「ユーザーの検索キーワード」に加えて、ユーザーごとにカスタマイズされているのが「使用言語」と「居住地」です。
例えば、仕組み2でも登場した「Google」と検索した場合のサジェストキーワードは、英字を入力しているにも関わらず、日本語キーワードを組み合わせたものが多分に含まれています。これはGoogleがユーザーの使用言語に合わせて、表示するキーワードを変更しているためです。
ユーザーの居住地に関しても、Googleは情報を収集した上でサジェストキーワードに反映させています。例えば、東京在住の筆者がGoogleの検索窓に「SEO会社」と入力すると、以下のように地域名を含むサジェストキーワードが表示されました。
上記は、普段使用しないSafariブラウザで検索した場合の結果であり、居住地情報に関しては特にGoogle検索を利用しなくても収集される仕組みになっているのです。これは、端末ごとに振り分けられたIPアドレスから特定していると推察できます。
このように、Googleでは検索履歴のデータに加えて、使用言語や居住地などの情報を反映させながらユーザーごとに最適化されたサジェストキーワードを構築しています。
Googleサジェストにおける、もう1つの重要な仕組みが「ポリシー違反に該当するサジェストを表示させない」ことです。主なポリシー違反は、以下のとおり。
(出典:Google Search Help「How Google autocomplete works in Search」)
Googleサジェストには、上記のポリシー違反を排除する機能が組み込まれていますが、完璧ではありません。時折、不適切なサジェストが表示されることもあります。
万一、適切でないサジェストが表示された場合は、Googleサジェストに右下に表示されている「不適切な検索候補の報告」をクリックしましょう。
当該ボタンを選択すると、上記のようなポップアップが表示されますので、不適切と判断したサジェストを選びその理由にチェックを入れることで違反報告を行えます。
Googleサジェストは、一般的には以下の用途で使用されます。
次項より、それぞれ個別にみていきましょう。
前述したように、Googleは、全ユーザーごとの検索キーワード・属性情報を反映させて、検索候補となる「最大公約数的な」サジェストを表示しています。つまり、Googleサジェストを確認すれば「直近での検索者のニーズを推定すること」が可能です。
例えば、2023年5月時点のホットトピックの1つである「インボイス制度」について、後述するデバイス使用者の検索履歴の影響を受けない「シークレットモード」で調べてみましょう。Googleの検索窓に「インボイス制度」と入力すると、「フリーランス」「いつから」などが組み合わさったサジェストキーワードが並んでいます。
上記のサジェストキーワードを見る限り、当該キーワードの検索者はフリーランスの割合が多く「制度に関する概要を詳しく知りたい」ニーズが高いようです。このようにすれば、Googleサジェストは検索ユーザーのニーズの推定に役立てられます。
ただし、前述のとおり上記は筆者自身の検索履歴が反映されたものです。ユーザーごとのパーソナライゼーションを反映させない検索方法は後ほどご紹介しますので、Googleサジェスト活用の際にはお役立てください。
Googleサジェストにて上位表示されるキーワードの組み合わせは「比較的検索ニーズが高いキーワードである」と考えられます。
SEO対策やコンテンツマーケティングでは「ロングテールSEO」と呼ばれるテクニックがあります。
ロングテールSEOとは、検索ボリュームが多い「ビッグキーワード」で自社コンテンツの上位表示を狙うのではなく、複数の検索キーワードを組み合わせた「ミドルキーワード」「スモールキーワード」と呼ばれるロングテールキーワードを充実させて上位表示を狙い、自社サイトへの流入増を図る施策です。
BtoB、SaaS系企業のSEOは「そもそも狙うべきビッグキーワードの数が少ない。あるいは存在しない」というケースも多々あるため、ロングテールSEOが有用な選択肢として挙がります。
BtoBやSaaS系企業のマーケティング戦略につながるミドル/スモールキーワードを探す上でも、Googleサジェストが役立ちます。例えばGoogle検索で「PEST分析」と入力すると、次のようなGoogleサジェストが表示されます。
この結果をみれば「PEST分析の意味や目的、具体的な事例」「PEST分析とSWOT分析の違い」などについてのニーズがあると分析できます。
さらに「PEST分析 2023」と入力すると、別のGoogleサジェストが確認できます。
これをみると「PEAST分析 2023」というキーワードは、製造業の方や政治に関心があるユーザーが検索しているようです。
もし、自社ビジネスが製造業を見込み客としていないのであれば、「PEAST分析 2023」でのコンテンツ作成はスコープアウトとなるでしょう。
このようにして、Googleサジェストを活用すれば「検索ニーズの有無」に加え、ロングテールSEOを戦略的に実行する際に必要な「効果的なコンテンツの見極め」も可能なのです。
SEO対策やコンテンツマーケティングにおける一般的な用途からは少し逸れますが、サジェストキーワードは「サジェスト汚染の調査」にも役立ちます。
サジェスト汚染とは「商標 + ネガティブキーワード」で構成されるGoogleサジェストのこと。例えば、特定の企業名をGooge検索で入力すると、以下のようなサジェストキーワードが表示されるケースがあります。
上記に表示されている「やばい」「ブラック企業大賞」はネガティブなキーワードであり、明らかに「サジェストが汚染されている」といえるでしょう。
自社の商標でサジェスト汚染が確認される場合、対策として前述の「不適切な検索候補の報告」にてGoogleサジェストの削除要請を行うという選択肢があります。
しかし、Googleサジェストのポリシーに違反していない限り削除はされないため、必ずしも要請が通るわけではありません。
とはいえ、サジェスト汚染は、販促活動や採用活動など、商標イメージが重要な取り組みの効果を著しく下げる可能性が高いため、なるべく削除要請を行いましょう。
サジェストキーワードの活用例としては、以上のとおりです。では、なぜサジェストキーワードの活用は、コンテンツ制作において重要なのでしょうか。
まず、SEO対策・コンテンツマーケティングで最も重視すべきなのは「ユーザーにとって有益な情報か否か」です。これはGoogle自身が長年提唱している理念であり、ユーザーに有益な情報を盛り込んだコンテンツこそが検索結果上位に表示されるべきだと表明されています。
しかしながら、「自分が考える有益な情報」と「ユーザーが考える有益な情報」が必ずしも一致するとは限りません。
企業やSEO担当者とユーザーの間には少なからず「価値観の違い」が存在します。そのギャップを認識しながらコンテンツ制作に当たらなければ「こんなに有益な情報を発信しているにもかかわらず、自社サイトへのアクセス数が思ったよりも伸びない」といった結果につながりかねません。
サジェストキーワードは、そういった問題を回避する上で大いに役立ちます。
サジェストキーワードを活用する際、意識すべき事柄があります。それが「トピッククラスター」と呼ばれる体系的なコンテンツ制作方法です。以下より、具体的にみていきましょう。
トピッククラスターはコンテンツ全体の「 幹」”となる「ピラーコンテンツ」に加え、それを取り囲む「房」の役割を持つ「クラスターコンテンツ」。幹と房をつなぐ「枝 」となる「ハイパーリンク」によって構造化された、体系的なコンテンツ制作方法のことです。
SEO対策を行う際には一般的な考え方ではありますが、トピッククラスターの考え方で構造化されていないWebサイトが大変多く散見されます。
多くのWebサイトでは次のような構造でコンテンツが制作されており、故にSEO効果を最大限高められないのが現状。以下のイラストは、トピッククラスターで構造化されていないWebサイトの例です。
上記のとおり、多くのWebサイトでは、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツが乱雑であり、かつピラーとクラスターごとのハイパーリンクが無いためコンテンツ全体が構造化されていません。これではWebサイト全体のテーマ性と専門性が薄れ、SEO効果が薄れてしまうでしょう。
一方、トピッククラスターの考え方に従って構造化されたコンテンツは次のような強い関連性を持っています。
コンテンツ間のつながりが強まることにより、Webサイト全体のテーマ性も深まり、Googleから専門性の高いWebサイトおよびコンテンツと評価される可能性が高まるのが、トピッククラスター戦略の強みといえます。
トピッククラスターにサジェストキーワードを取り入れることは、決して難しい作業ではありません。例えば「キャンプ バーベキュー」のキーワードでコンテンツを構造化する際、サジェストキーワードを使ってトピッククラスターを作り上げていきます。
まずは検索エンジンに「キャンプ バーベキュー」と入力してサジェストキーワードを調査しましょう。
次に表示されたサジェストキーワードを元に、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツを構成していきます。
「キャンプ バーベキュー」の検索ボリュームは月間2,000件弱ですので、上記のトピッククラスターに従ってコンテンツ制作を行えばテーマ性が深まり、Googleから高い評価を得られる可能性があります。
コンテンツが上手く上位表示されれば、月間2,000件ほどのアクセスが見込めるでしょう。しかも、具体的なキーワード検索による確度の高いリードを獲得できる可能性があります。このようにサジェストキーワードを取り入れると、トピッククラスターの精度を上げられるのです。
では、サジェストキーワードはどのように調査すればよいのでしょうか。具体的には、3つの方法が考えられます。
以下より、個別にみていきましょう。
まずは手動でGoogleサジェストを取得する方法です。Googleの検索窓に特定のキーワードを入力し、そこに表示されるGoogleサジェストを確認しましょう。
ただし、前述のとおり普段使っているブラウザを使用すると、自身の検索履歴が反映されますので「シークレットモード(プライベートブラウザ)」の使用が推奨されます。シークレットモードは、ブラウザを起動したら、以下のショートカットキーを入力すれば起動可能です。
すると次のようなウインドウが表示されます。
シークレットモードでは、検索履歴などのカスタマイズデータが反映されないため、純粋なGoogleサジェストを調査できます。ただし、1つずつキーワードを入力しなければならないため、手間がかかるという点には留意しましょう。
Googleサジェストを手動で検索する方法は、実は非効率な手法です。そのため、短時間かつ確実にサジェストを取得したいなら、専用ツールを活用しましょう。例えば、Googleが提供する無料ツール「Googleキーワードプランナー」などです。
キーワードプランナーは、Google広告を出稿するためのツールですが、Googleサジェスト調査にも利用可能。Googleキーワードプランナーにアクセスしたら、「新しいキーワード見つける」をクリックしましょう。
次に、調査したい検索キーワードを入力し「検索」をクリックします。すると以下のようにGoogleサジェストキーワードの一覧と、大まかな月間平均検索ボリュームがなどが表示されます。
ただし、これらのGoogleサジェストは「Google広告を利用する上で最適化された一覧」という点には留意しましょう。つまり、手動で取得した場合のGoogleサジェストと結果が異なるのです。
以上のとおり、Googleが提供しているキーワードプランナーでは、SEO対策やコンテンツマーケティングで役立つサジェストキーワードを正確に取得できません。そこで選択肢となるのが「外部のツールを利用する」という方法です。
サジェストキーワードの調査ツールは、さまざまな企業により無料・有料を問わず提供されています。具体的には、後述する「ラッコキーワード」や「Ubersuggest」などの専用ツールを活用すれば、Googleサジェストの一覧データを取得可能です。
ここからは、前述した「方法3:外部のツールを利用する」で用いるための無償ツール・有償ツールをそれぞれ以下の3種類ずつ紹介します。
<無償ツール>
<有償ツール>
SEO初心者やWebサイト運営によるマーケティングを始めたばかりという企業では、基本的に無償ツールを活用しましょう。無償ツールは機能面で劣り、コンテンツ制作にかかるデータ収集のためには別ツールの併用も必要ですが、調査精度は有償ツールと遜色ありません。
継続的にコンテンツ制作に取り組む体制が整っていない段階で有償ツールを導入すると、機能を持て余しROI(投資対効果)を悪化させる原因になります。まずは無償ツールを活用するか、手動調査を行って、コンテンツ作成の体制を整えていくのが効率的です。
ラッコキーワードは、国産のサジェストキーワード調査ツールです。1日に調査できる上限回数は5回までですが、メールアドレスを登録すると無償のままで調査回数が無制限になります。
(出典:ラッコキーワード)
サジェストキーワードごとの検索ボリュームは表示されないものの、サジェストキーワードを一挙に「全キーワードコピー(重複除去)」「CSVダウンロード」できる使い勝手のよさがメリットです。メインキーワードを軸にユーザーがどのように検索を行なっているのかを、総合的に分析することに適しているといえるでしょう。
なお、サジェストキーワードの検索ボリュームを知りたい場合は、前述したキーワードプランナーも活用すれば、以下の手順で行えます
Ubersuggestは、無償ツールながら上位30件のサジェストキーワードの検索ボリュームまで表示してくれるツールです。加えて、対象キーワードで検索した際のトップコンテンツも表示してくれる優秀なツールといえます。
(出典:Ubersuggest)
サジェストキーワードの調査に合わせて競合分析も行いたい際に最適な無償ツールです。ただし、無償で使えるのは1日3回まで。ラッコキーワードのように「メールアドレス登録で調査回数無制限」といった条件もないので、無制限に使いたい場合は有償版へアップグレードする必要があります。
Keyword Toolは、登録不要で使える無償ツールです。Keyword Toolにアクセスしたら特定のキーワードを入力して、検索ボタンをクリックするだけでサジェストキーワードを調査できます。
(出典:Keyword Tool)
Google以外にもbing、YouTube、Amazon、さらにInstagramやTwitterなどの検索エンジンにも対応しているのが特徴。コンテンツマーケティングだけでなく動画マーケティングやSNSマーケティングでも活用できるでしょう。
上位5つのサジェストキーワードは検索ボリュームも表示されますので、前述したピッククラスターにも役立てられます。
SEMRUSHは「オールインワン競合分析ツール」を謳っている有償ツールです。Forbes、Apple、TESLAなどが顧客として名を連ねていることから、SEOを行う上で有用なツールであることがわかります。
(出典:SEMRUSH)
サジェストキーワードの調査はもちろん、さまざまなSEO対策機能を「月額119.95ドル(約1万3400円)~」で利用できます。主な機能は、以下のとおり。
決して安価なツールではありませんが、やはりWebサイト運営が軌道に乗ってから検討すべきツールといえるでしょう。
KWFinderは日本語未対応ですが、「月額29.90ドル(約3350円)~」とSEMRUSHより安価に利用できるSEO対策ツールです。
(出典:KWFinder)
サジェストキーワード調査はもちろん、ロングテールSEOに有効的なキーワードの探索などをシンプルなインターフェース上で行えます。KWFinderは、「関連キーワード」「検索ボリューム」「検索上位の競合サイト」などのキーワード選定で必要な項目が1つの画面内に収まっているため、シンプルな使い勝手なのが特徴。
日本語は未対応であるものの、英語に苦手意識のない方は、積極的に採用を検討しましょう。
料金はSEMRUSHより若干安く、日本語対応のサジェストキーワード調査に役立つツールがahrefsです。外部サイトからの被リンクをリアルタイムに追跡できるという特徴があり、日本のマーケターの中にも愛用している人が多い有償ツールでもあります。
(出典:ahrefs)
同ツールに蓄積された被リンクのデータ量は、4020億のページURLを網羅した26.9兆もの巨大なもの。膨大なデータベースに裏付けされた、精度の高い分析が期待できます。
被リンクはSEO対策における重要項目です。他サイトからの被リンクが増えるほどSEO効果が高まり、Webサイトとコンテンツの評価が上がります。
ただし、「被リンクを買う」といったブラックハット的なSEO対策は厳禁。
被リンクの購入とは、他のWebサイトに自社サイトへのリンクを掲載してもらうために金銭を支払う行為です。この行為は、Googleのウェブマスターガイドラインでは明確に禁止されているため、発覚した場合、自社サイトの大幅なマイナス評価や、最悪の場合、インデックスから完全に削除されるというペナルティを受ける可能性があります。
以上を踏まえて、純粋に「コンテンツの質の高さ」から、自然に獲得できるホワイトな被リンクを狙っていきましょう。
SEO対策にはさまざまな手法やテクニックがあります。なかでも、サジェストキーワード活用は基本的な技術の1つです。
サジェストキーワードからユーザーの検索意図を正しく汲み取り、かつトピッククラスターの考え方に従ってコンテンツ制作を行えれば「SEO初心者から脱却した」といえるでしょう。
ただし「サジェストキーワードが全て」と考えるのは禁物です。上位コンテンツの分析などコンテンツ制作にあたり「やるべきこと」「分析すべきデータ」は、さまざまなものが存在し、サジェストキーワードはあくまでそのうちの1つに過ぎません。
以上を念頭におき、無償ツールを上手く活用しながらサジェストキーワード調査によるSEO効果の向上を目指しましょう。