近年は、多くの企業が自社でオウンドメディアをもちコンテンツを作成しています。BtoBであっても、先進的な大手企業ではオウンドメディア導入率が70.1%を超えるというデータもありますし、中小企業にもかなり認知が広がってきました。
世の中には、さまざまなオウンドメディアのプラットフォームがあります。記事コンテンツだけでなく、映像コンテンツ、音声コンテンツなどコンテンツの表現方法も多彩になっています。こんなに企業が情報を発信しやすい時代はこれまでになく、まさしく百花繚乱という感じです。
しかし、選択肢が多いと人はかえって理解がすすまないもの。また、オウンドメディアもコンテンツも比較的新しいカタカナ英語で、解釈もサイトによって割と違うので「何がどの意味だか今ひとつよくわからない……」という方もいるかもしれません。
そこで、本記事では改めて「オウンドメディア」や「コンテンツ」の意味、それぞれの関係性やさまざまな種類を明確にし、すっきり理解してもらいたいと考えます。
オウンドメディアとは、以下の英単語が語源で「所有しているメディア」という意味です。企業であれば自社運営のメディアです。
メディア(Media)とは「媒体」「媒介物」「手法」など幅広い意味をもつ言葉です。
オウンドメディアブームがビジネスブログから始まったこともあり、オウンドメディア=ブログの印象がありますが、以下のように多彩なオウンドメディアがあります。
オウンドメディアは自社で運営しているので、メッセージを自由に編集できます。また、コンテンツを半永久的に掲載できるので会社の資産になりえます。
一方、広告など他社に費用を払ってコンテンツを掲載するメディアをペイドメディア、SNSのように他社のプラットフォームで口コミや評判を得るメディアをアーンドメディアと呼びます。
ペイドメディア、アーンドメディア、オウンドメディア、このトリプルメディアの定義についてはnoteプロデューサーの徳力基彦(tokurik)さんが解説されているので以下に図を引用させていただきます。円が交差している領域があるように、近年は2つ3つの特徴をあわせもつメディアも増えています。
(引用:「オウンドメディア」の定義について、英語のWikipediaには、ちゃんとオフラインのケースも並んでいたのでご紹介 - 徳力基彦のnote)
次にコンテンツの意味を解説します。コンテンツの語源は以下のとおりで「中身」「内容」といった意味です。
オウンドメディアのコンテンツ=オウンドメディアの内容。つまり、Blogなら記事、SNSなら投稿内容、セミナーならセミナー内容となります。昔から「目次」という意味もあります。
日本では、コンテンツという言葉が1990年代のITブームのころから普及し「デジタル上のコンテンツの保護や普及のための法律」ができた経緯もあって、「著作物」というニュアンスでもよく使われます。
言葉はいろいろな意味を持ちますが、マーケティング領域ではコンテンツ=「内容」「著作物」と押さえておけば、大体の文脈においてスムーズに対話できるでしょう。
オウンドメディアもコンテンツも、まだ新しいカタカナ英語なので、いろいろな勘違いをされています。ここでは、典型的な例を紹介します。
オウンドメディアをビジネスブログのことと誤解している方が多いのですが、ビジネスブログは企業のオウンドメディアのひとつでしかありません。
これは、前述のとおりオウンドメディアという言葉が広まり始めたころ、ブログから始めた企業が多かったためでしょう。また、ナレッジ系のブログなどは既存の紙メディアに近い編集で、全体の目次を見て興味あるページを見るという感じなので、多くの人がメディアと認識しやすかったからかもしれません。
しかし、オウンドメディア=自組織が持っているメディアのこと。ブログだけでなく、ホワイトペーパー、メールマガジン、プレスリリース、広報誌、社内報、会社案内などオウンドメディアは多様です。
コンテンツ=SEOという誤解もありがちです。そもそもSEOとは「Search engine optimization」の略で、検索エンジン最適化、検索エンジン対策という意味であり、さまざまなアプローチがあります。
Googleは、たしかにユーザーにとって良質なコンテンツを提供するサイトを高く評価して上位表示するのですが、日本では多くのSEO支援会社がキーワード重視のコンテンツによるSEO対策に力をいれるようになり、コンテンツ=SEOという誤解が広まったのかと思います。
企業のコンテンツはSEO目的だけに作成されているわけではなく、SEOありきのコンテンツは本来のコンテンツマーケティングの定義とも相容れないものです。
コンテンツマーケティングにおけるコンテンツとは、出会いたい人、自社を理解してもらいたい人に向けた企業からの真摯なメッセージ。コンテンツの内容が優れているから結果としてSEOになるのであり、その逆ではありません。
オウンドメディア、コンテンツともにデジタル領域の言葉という誤解もあります。
リアルのオウンドメディア、コンテンツも存在するのです。
例えば、会社案内や入社案内、広報誌、紙のプレスリリースもオウンドメディア。自社セミナーやイベントなどもオウンドメディアであり、それらの内容はすべてコンテンツです。記事コンテンツ、セミナーコンテンツなどと表現されます。
もっとも法律とは違って、言葉の定義は使う人が多くなると正しい意味として定着します。上記のように誤解する人が多数派であれば、正しい意味として認識される可能性もあるでしょう。しかし、企業側はどちらかというとオウンドメディアやコンテンツの定義を拡張する傾向にあります。
例えば、オウンドメディアに力を入れている大和ハウス工業は、商品カタログや住宅展示場、モデルハウス、建築現場、営業担当者などの「自社が持つすべての顧客接点をオウンドメディアと捉えている」と語っています。「社員一人ひとりがオウンドメディアになるのが理想」と語るパナソニックもしかり。
今後デジタル、リアルの領域においてさまざまなオウンドメディアが登場するのではないかと思います。
オウンドメディア、コンテンツにはさまざまなタイプがあります。デジタル系の事例を紹介することが多いので、今回はデジタル以外のオウンドメディアとコンテンツを中心に紹介します。
まず、デジタル以外のオウンドメディアのタイプには以下があります。
※デジタル系オウンドメディア事例はこちらの記事をご覧ください。
社史は、古くからあるオウンドメディアのひとつです。「社史の聖地」といわれる神奈川県立川崎図書館にはなんと20000冊以上の社史があります。なお、同博物館は社史を日本の文化と考えているそうです。
社史とは、創業からこれまで自社がどのような社会情勢のなか、どんなプロダクトをどんな思いで世に提供してきたか、その裏にはどんな物語があったのかなど、企業のストーリーをあますことなく世に発信できるオウンドメディアです。
社史は、長年勤めている社員や長い付き合いをしている取引企業の人たちにとっては、自分たちの歩みもふり返られるメディアであり、若い社員にとっては、自社が何のために存在しているかという、今風にいえばパーパスを知れるメディアでもあるでしょう。
そのためか、近年は若いベンチャー企業などでもエンゲージメント向上のために社史を作成することがあるそうです。社史はリアルタイムに改変する必要はなく資料として保存する目的もあるので、デジタル社史もありますが、書籍スタイルもいまだ人気です。
以下は大手食品メーカー日清食品の60周年記念の社史。マンガコンテンツです。
日清食品の ハードボイルドコミック社史『SAMURAI NOODLES』
(出典:日清食品)
日清食品の創業者の安藤百福氏は、NHK連続テレビドラマ小説「まんぷく」のモデルになるほどイノベイティブな人であり、日清食品はCMひとつとってもクリエイティブという言葉がぴったりな企業です。ちなみに、CMも基本的にアイデア、コンセプト、スタッフ、全部が社内で切り盛りされているとのこと。
マンガ社史は、楽しみながら手軽にその企業の歴史を知れ、主人公に思い入れももちやすいので、カップラーメンを食べてくれるユーザー層のエンゲージメント醸成に非常に適しているでしょう。
しかし、いかにマンガが日本の誇る文化とはいえ、普通の大手企業が社史にマンガコンテンツをそう採用できるものではありません。このような社史にチャレンジすること自体が「さすが、日清」とイノベイティブな社風を世に知らしめてくれました。
なお、社史は一般に周年事業の際に株主、社員、取引企業などの参加者に配られるだけで書店にはおかれませんが、メルカリなどでは数千円で出品されています。また、前述の神奈川県立川崎図書館で見ることができます。
(出典:神奈川県立川崎図書館)
ペーパーレスの時代、デジタルで大丈夫なものはどんどんデジタルに置きかえられています。しかし、潜在顧客を掘り起こすためのメディア、コンバージョンを促すメディアとして、DMはここぞというシーンで有効活用されています。
以下は米国ダイレクトマーケティング協会の「DMA国際エコー賞」を受賞したフォルクスワーゲン車のDM。制作は英Proximity Londonです。
作成の目的は、購入ポテンシャルが高い見込み客に試乗の申込みをさせること。
Proximity Londonのクリエイティブディレクターは、VW社はeメールマーケティング、CRMを多く提供してきたものの、消費者から求められるメデ ィアは実は触知を感じられるDMであり、自動車業界でダイレクトメールは驚くほど効果があるとコメントしています。
フォルクスワーゲン社DM – 国際エコー賞
(記事参考・画像出典:https://www.jdma.or.jp)
以下は、英国の権威ある「B2B マーケティング アワード 2018 」で、企業の意思決定者を対象としたキャンペーンの最優秀賞を受賞した、英Purple Agency による大手国際旅行特典会社 Avios の「Pick a Card キャンペーン」のDMです。目的はパートナー プログラムの新しいリード獲得でした。
B2B マーケティング アワード 2018 – 受賞DM
(出典:.b2bmarketing.net)
初回の送付先は、売上高1億ポンドを超える小売ブランド数社の 経営幹部100人やロイヤルティ担当者と、かなり対象をしぼりこんだキャンペーンです。
しかし、密閉されたパースペックスボックスと、パーソナライズされたクラシックなオンラインカードのトリックを使用したCardキャンペーンの結果は、届いた 97 個の箱のうち56 個の受手がパーソナライズされた URL を有効にし、ダイレクト メールの応答率は 58% と驚異的でした。
34 件の適格リード、10 件の対面ミーティング、3 件の提案につながり、キャンペーンは最終的に総額 100 万ポンドを超える大成功を収めたそうです。(参考:b2bmarketing.net)
以前、Twitterで株式会社セールスフォース・ジャパンの役員向けDMが話題を呼んだことがあります。大がかりな予算を投じた高級感あるクリエイティブなDMは、慎重でロジカルなBtoBバイヤーの心をもグッと動かす力があるのかもしれません。
米国のBtoBSaaSの最近のDM成功例には、ワインやチョコレートのギフトまであります。日本ではちょっと合わない気がしますが(そのまま送り返されたりしそうなので)、工夫をこらしたDMが、上級職層にアピールするオウンドメディアとして有効であることはうかがえます。
企業ミュージアムとは、企業が運営する博物館や美術館です。日本は世界で企業博物館がもっとも多い国。しかも近年さらに増えつつあり、1000件を超えています。
普通に美術品などを展示しているタイプもありますが、自社の商品やテーマを中心にしたタイプも多く、その面白味からじゃらんやトリップアドバイザーでもしばしば紹介されます。
例:容器ミュージアム
(出典:https://package-museum.jp/)
上記は、BtoBパッケージを提供する東洋製罐株式会社が運営する、自社の容器文化をわかりやすく発信するための「容器ミュージアム」です。
容器包装を「ひらく」というコンセプトに設定し、それを体現する空間デザインとロゴを提供することで、訪問者に「容器のミュージアムに来た」という記憶と体験を残す視覚的コミュニケーションの創出を図っているそうです。
企業ミュージアムの影響力については、2022年に行われたトライベック・ブランド戦略研究所の「企業ミュージアムに関する意識」から引用すると、訪問者はグッズやお土産を喜ぶだけでなく「楽しく企業のことを知ることができた」といった感想を持っています。
企業ミュージアムが認知、エンゲージメント醸成のオウンドメディアとして有用なことがわかります。
ここでは、コンテンツを目的別にタイプ分けして解説します。
いわゆる気付きを与えるコンテンツ、インサイトを与えるコンテンツです。BtoBマーケティングで言えば認知段階によく活用されます。
例えば、先ほどのマンガコンテンツや、ショート動画、クイズなどのインタラクティブコンテンツは、人々の注目を引き、こんなものがあるんだと関心を深める効果、何かしらのインスピレーションを与える効果があるでしょう。
楽しいコンテンツであればユーザーとの心の距離を縮めるため、リレーションシップ、エンゲージメント向上にも寄与します。また、楽しいコンテンツは拡散されやすく多くの人に見てもらえるのもメリットです。知ってもらう段階でのコンテンツに特に適しています。
BtoBのコンテンツ マーケティングの取り組みに多いタイプのコンテンツです。
企業の担当者は常に情報を仕入れ、学ぶことを求められています。今ならDX、AI、AR、このような新しいビジネストレンドをどう活用していけばよいか? 自社と同じような課題を他社はどう解決しているのか? など課題はつきないので、いつも情報収集に余念がありません。学べるコンテンツは定番といってよいほど人気です。
また、専門性の高いBtoBにおいては、ユーザーが自社のプロダクトに興味をもって理解するまで時間もかかるため、きちんと自社を知ってもらうための教育的コンテンツも必要です。その際は、いかに自社が役立つかを合理性に訴えるコンテンツが作られます。
SaaS業界の場合は、導入してから使いこなすまでに学んでもらうことが多いので、チュートリアルやハウツーガイドなどのオンボーディング用教育系コンテンツも必要です。
コンバージョンを目的とするコンテンツとは、アカウント作成、無料プランの申し込み、問合せなど何らかのアクションを読者に起こしてもらうためのコンテンツです。
BtoBの場合は、鉄板コンテンツである ケーススタディ(事例)、顧客のレコメンドなどのコンテンツが代表的ですが、どのようなコンバージョンが目的かによって有効なコンテンツは異なります。
2018年にContent Marketing Instituteが米国のB2Bマーケティング担当者に対して行った調査では、見込み客の購買活動の初期、中期、後期で役立ったコンテンツの型式は、以下のように推移しています。
(参考:buffer.com、Content Marketing Institute)
ここでは、オウンドメディアのコンテンツを作るステップを解説します。
なお前提は、BtoBオウンドメディアで、目的は見込み客の増大と収益の拡大です。
最初に行うことはペルソナ作成です。オウンドメディアを誰に読んで欲しいのか、明確に描く必要があります。オウンドメディアの目的が収益への貢献である場合、ペルソナは自社のロイヤル顧客に近い人物像です。
作成の手順としては、まず自社の優良顧客をインタビューしたり、営業マンやカスタマーサクセス部門からヒアリングしたりして、自社のプロダクトを好む顧客の特徴をピックアップします。
その共通項をベースに架空の人物像を作成します。具体的には年齢、性別、役職や勤めている企業の業界、規模、仕事上の課題、日頃使っているSNSなどをペルソナテンプレートにまとめます。HubSpotの無料のペルソナ自動生成ツールなどを使ってもよいでしょう。
ぼんやりとした人物像ではなく、テンプレートには顔写真や名前もつけ、本当にいそうなペルソナをみなで共有することが大切です。マーケティングチーム全員が誰に読んでもらうためにオウンドメディアのコンテンツを作るか意識できるようになります。
HubSpotの2015年ごろのペルソナのマリーの例
(出典:HubSpot)
次に、ペルソナが課題に気づいてから自社の商品・サービスを知って購入するようになるまでのカスタマージャーニーを作成します。
ペルソナが自然に自社商品を見つけてくれる、なんてことは基本的にありません。作成したペルソナの個性にもとづいて購買心理や行動のパターンをカスタマージャーニーマップに書き込んでいきます。
また、ペルソナが情報収集するメディア、チェックしているSNS、カンファレンス、Googleで検索するときのキーワードなどの情報リソースもかきこみます。これがマーケティング戦略をたてる際の土台になります。
最近の米国の調査で、適切なカスタマージャーニーを作成する企業は、そうでない企業と比較としてマーケティング投資収益率 (ROMI) が 54% 向上するという結果も出ているほど、カスタマージャーニー作成は重要です。
テンプレートにはさまざまな型式がありますが、弊社では以下のように購買のアーリーステージ、ミドルステージ、レイターステージにわけて、ペルソナの課題、行動、情報ニーズを書き込んでいます。
カスタマージャーニーを作成したら、どのチャネルにどのようにコンテンツを展開していくかを決めます。最近はWebサイト、Blog、ウェビナー、メールマガジン、各種SNSアカウント、動画、カンファレンス、紙のメディアなどさまざまなオウンドメディアのチャネルを持てます。
バランスよく有力なチャネルを持つことが理想です。米McKinsey & Companyの2021年の調査では、日本を含む12カ国のBtoB企業は10種類のチャネルを使用しておりその数は2016年から倍増しています。また、7種類のチャネルを設定した企業の72%がシェアを伸ばしており、やはりチャネルの数は成果を押し上げます。
とはいえ、オウンドメディアを初めて立ち上げる方もいらっしゃるでしょうし、企業によって求められる成果も予算、マンパワーも異なります。
あまり知見がない段階はチームメンバーの得意なチャネルを中心にしたり、予算が少なければコストがあまりかからないSNS、メールマガジンなどにする工夫が必要でしょう。ただしその上で、外部パートナーの手もかりながら新しいチャネルを増やしていくことが大切です。
チャネルとオウンドメディアのタイプが決まったら、それぞれにKGIとKPIを設定します。
収益に結びつけるためにオウンドメディアを運営する場合、マーケティング部門のKGIやKPIは「MQL創出数」「リード創出数」などが一般的です。
しかし、このような大きな指標をそのままメンバーに設定すると難易度が高くなりすぎることがほとんどです。以下のようにKPIを構造化し、チームメンバーのスキルにあったKPIを設定することが望ましいでしょう。構造化できていれば三次KPIであっても収益に貢献します。
さらにチャネル別にもKPIを設定します。これは、担当者が得意なチャネルに偏らず、バランスよくチャネルを活用できるようにするためです。
以下は、ビジネスブログのチャネル別KPIの割合の設定例。
Organic(自然検索)、SNS、紹介、メール、有料広告などからどの程度リードを獲得すべきかを可視化しているので、各チャネルから順調にリード獲得できているかが判断しやすくなります。
オウンドメディアと一口に言ってもさまざまなタイプがあり、その運営に必要な人材のスキル、専門性もまた多様です。メディアを運営するというのは知的な営みなので、編集能力に優れた人材も必要です。
紙コンテンツなら紙の編集者+紙系マーケターのスキルがある人材、動画コンテンツのオウンドメディアなら動画編集者+動画に詳しいマーケターといったように、コンビで採用できれば理想的です。外部パートナーの採用も含めて検討しましょう。
正直、日本に多い一人マーケター体制でオウンドメディアを運営するのは、あまりに酷と言えるでしょう。まず、経営層の方々がそれを理解し、社内にしっかりとしたチーム作りが必要です。オウンドメディアチームというよりは、マーケティングチームを作ることをおすすめします。
今後のBtoBマーケティングチームは、製品中心のポジショニング から 会社のストーリーを中心としたポジショニングをとる必要があります。直線的なリードの増加ではなく、SNSの影響を加味した、爆発的・非線形的なリードの増加を考える必要があります。
さらにデータのプロではなく顧客のプロである必要があり、営業担当者などとより連携する必要もあります。自社のマーケティングのスタイルにより、以下のようにチームのPod化を行いましょう。
今さらですが、インターネットは情報を民主化しました。ほんの少し前はメディアを持つというのは非常にハードルが高いことでしたが、今や自分たちで何かを発信しようと思えば、今日からでもオウンドメディアを立ち上げられます。
オウンドメディアにはさまざまなプラットフォームがあり、コンテンツもテキスト、動画、音声など多様です。テクノロジーはどんどん進化していますので、選択肢は豊富になる一方。
今回紹介したようなDMや社史などの古いオウンドメディアもいまだ有用ですし、コンテンツを変えるとむしろ新しさを感じるメディアになります。デジタル領域のオウンドメディアにもいろいろなタイプがあります。オウンドメディアとコンテンツの多様性を知って、マーケティング戦略に活かしましょう。
またオウンドメディアの多様化によって、マーケティングチームに必要な能力・スキルも変わります。オウンドメディアは人材ありきなので自社のマーケティング人材をどう育てるか、外部パートナーも含めてマーケティングチームをどう設計するかを再考していただければ幸いです。