3分でわかるセグメンテーションとは?混同されがちなペルソナとの違いも解説

2021/10/07
BtoBマーケティング セグメンテーション 3分でわかるセグメンテーションとは?混同されがちなペルソナとの違いも解説

ビジネスの成功は、どの市場にフォーカスするかで成否がわかれるといっても過言ではありません。特に近年は、顧客の価値観が多様化しています。いかに市場をセグメンテーションして、自社の価値を伝える先を明確に絞り込むかが重要です。

とはいえ、市場をセグメンテーションするのは結構大変です。対象があまり大きいと、製品・サービスのコンセプトはあいまいになり、競合他社の商品がひしめく市場で目を引くことすら難しくなるでしょう。

その一方であまりにもセグメンテーションしすぎると、市場が小さくなりすぎ、売上げは限定的となります。

本記事ではセグメンテーションの手法や、混同されがちなペルソナの違いを解説します。

どのような手法があるかを理解すれば、目的に応じて見込み企業を絞り込めるようになり、マーケティング戦略の効果をより高められるでしょう。

セグメンテーションとは?

セグメンテーション(Segmentation)とは、直訳すると「区分、分割」という意味です。マーケティング領域では、市場(顧客)を共通する特徴で分類・細分化する手法を指します。

セグメンテーションは、製品・サービスを開発するときやマーケティング戦略をたてるときに、対象とする市場(顧客層)を明確に設定するために行われます。

セグメンテーションのイメージ

セグメンテーションを行う意味と目的

セグメンテーションを行う目的は、製品・サービスを販売する顧客層を絞り込むこと、自社にとって有望な市場を発見することにあります。

たとえば新しい製品・サービスの市場を「30代の男性、ビジネスマン層」と設定しても、そのカテゴリー内にはさまざまな個性、価値観、趣味を持った人がいます。年収が高い人から低い人までさまざまでしょう。いろいろな角度から市場をセグメンテーションし、理想的な顧客層に絞り込むことで、よりコンセプトのはっきりした製品・サービスを企画できます。

顧客層が明確になれば、機能も顧客ニーズに合わせられます。マーケティング戦略も的を射たものになり、買う人にメッセージが届きやすいでしょう。その結果、市場での競争優位性が増し売上げも伸びていくため、限りある経営資源を効率よく活用できます。

セグメンテーション、セグメント、ペルソナの違い

セグメンテーションの目的を知ると、ペルソナと似ていてわかりにくいと感じるかもしれません。この2つはマーケティング戦略上で、顧客を理解する共通の目的をもっているため、よく混同されて使われているからです。ここで、用語の意味を押さえておきましょう。

  • セグメンテーション:顧客層を明確にするための分類手法
  • セグメント:セグメンテーションされたグループ
  • ペルソナ:半架空の一人の顧客理想像

マーケティング戦略を行う初期で市場をセグメンテーションすることで、対象とする見込み客企業層の市場規模、全体的な傾向 、予算感を予測しやすくなります。セグメンテーションした結果、どのセグメントに力を入れるべきかどうかも判断できるのです。

セグメントのイメージ

(出典:Tutor2u.net

一方でペルソナは、架空とはいえ個人のプロファイルであり、顧客のが解像度がまったく異なります。ペルソナは、顧客の感情や行動パターンをリアリティをもって推測するのに役立つツールです。マーケティングのチャネル選択、コンテンツ作成など具体的な施策の効果を高めます。

ペルソナ例:マーケティングのマリー

ペルソナのマリー

(出典:HubSpot

この2つを併用することで、企業がどのような顧客にマーケティング施策を行うべきか、また顧客の関心を引いた後、どのような顧客の要望やニーズに応えのがベストなのかイメージを描きやすくなります。

ペルソナがあることで、マーケティング部門のスタッフ間で顧客像が統一できるため、施策に一貫性も生まれます。

・ペルソナ作成については、以下の記事もご覧ください。

セグメンテーションの分類

市場をセグメンテーションする手法は、以下の5種類が代表的です。

  1. デモグラフィック・セグメンテーション
  2. サイコグラフィック・セグメンテーション
  3. ジオグラフィック・セグメンテーション
  4. ビヘイビア・セグメンテーション
  5. ファーモグラフィック・セグメンテーション

Demographic segmentation(デモグラフィック・セグメンテーション)

デモグラフィック・セグメンテーション とは、人口統計学的な分類手法です。性別、年齢、収入、教育レベル、職業上の地位などで分類します。

例えば、ある製品サービスの特徴を「男性、日本人、ミドルマネジメント、年収1000万円以上」と条件づけることによって、顧客になりうる潜在層を絞り込めます。

  • 年齢
  • 性別
  • 民族性
  • 収入
  • 教育水準
  • 宗教
  • 職業/会社での役割

デモグラフィックセグメンテーション

(出典:Your Free Templates

Psychographic segmentation(サイコグラフィック・セグメンテーション)

Psychographic(サイコグラフィック)とは、心理的属性を指します。サイコグラフィック・セグメンテーションとは、顧客のパーソナリティ、心理的傾向、価値観、趣味嗜好によってセグメンテーションすることです。

昨今は、SNS上などで多くの人が自分の価値観、趣味や所属しているコミュニティを公開しているため、ある程度の把握が可能です。また、自社の顧客にアンケート調査を行いセグメンテーションしてもよいでしょう。

顧客の心理傾向を押さえたマーケティングプロモーションは、相手に「まるで私のために生まれたような商品」と感じてもらえる可能性が高まります。

  • 性格の特徴
  • 趣味
  • 人生の目標
  • 価値観
  • 信念
  • 生活スタイル

Geographic segmentation(ジオグラフィック・セグメンテーション)

ジオグラフィック・セグメンテーションとは、地理的要因でのセグメンテーションです。都市部か地方都市か過疎地かによって顧客の傾向はまったく異なります。

日本国内でも北海道と沖縄はまったく違う気候、ライフスタイルです。世界に目を向ければ先進国と新興国ではニーズのある製品・サービスがかなり違うでしょう。

地理的要因は、国、都市など大きくセグメンテーションするのも可能です。最近はスマートフォンの位置情報をもとにしたデジタル広告出稿も可能なように、エリアを細かくセグメンテーションして、マーケティングに活かすこともできます。

  • 都道府県
  • 市町村
  • 郵便番号

ジオグラフィック・セグメンテーション

(出典:Your Free Templates

Behavioral segmentation(ビヘイビア・セグメンテーション)

ビヘイビア(行動)セグメンテーションとは、顧客の購買行動や製品・サービスへのエンゲージメント(愛着・思い入れ)などを示す行動を指します。

たとえば、リピート状況、Webサイト上の行動、顧客アンケート調査、NPSの結果などからセグメンテーションできます。

  • リピート状況
  • 購買習慣
  • Webサイトのセッション数
  • 訪れたページの内容
  • サイト内での滞在時間
  • NPS(ネットプロータースコア)

Firmographic segmentation(ファーモグラフィック・セグメンテーション)

ファーモグラフィック・セグメンテーションとは、企業統計に基づくセグメンテーションであり、B2B企業にとって重要な分類方法です。主に以下の指標でセグメンテーションします。

Firmographic_Variables

(出典:Wiglafjournal.com

  • 業界
    自社の製品・サービスを必要とする業界や、これから成長する業界の分類
  • 位置
    どのエリア(国、都市、地域)の企業を市場とするか
  • 企業規模(売上高・従業員数)
    企業規模は売上げの目安にも、課題把握のヒントにもなります。企業規模によって持っている予算感をイメージしやすくなるでしょう。
  • ステータス(株式会社、非公開企業、有限会社)
    一般に大手企業、ベンチャー・スタートアップ、中堅・中小企業かで、持っているニーズ、製品・サービスに求める機能や保証が異なります。同じ上場企業でも東証1部、東証2部、マザーズは企業の成熟度、信頼度、成長可能性が違います。
  • 役員の肩書(CEO、COO、部長等)
    商談する決裁者をCEOに絞るか、部門長に絞るかなどを決めます。
  • パフォーマンス

    パフォーマンス(従業員の増加状況、売上高や利益の増減)も重要です。業績が好調もしくは資金力があり、従業員を積極採用している企業は、優秀な人材を採用したい課題があるかもしれません。逆に業績低迷な企業は、リストラクチャリングの支援を欲している可能性があります。
  • セールスサイクル
    見込み客が、どのような購買ステージの位置にいるかです。パーチェスファネルでいう「認知」「興味関心」「検討」のどの購買ステージいるかで顧客層をセグメンテーションすることで、顧客の欲している情報を提供しやすくなります。

パーチャスファネルの図

ファーモグラフィック・セグメンテーションという名称を知らなくても、多くの企業が上記のような分類をある程度して営業・マーケティング施策を実施していると思います。

ただ、何となく分類するよりもフレームワークなどを活用してセグメンテーションすると、より適切な見込み客層特定ができるでしょう。特に、セールスサイクルなどは見落とされがちなセグメンテーションなので留意しましょう。

まとめ

セグメンテーションはマーケティングの初期工程に位置し、その後のマーケティング施策の方向性を決める重要な役割を持ちます。

自社製品・サービスを買ってくれそうな顧客がどのような市場に多いかは、あいまいなイメージではなく、さまざまな統計データや意識調査に基づきセグメンテーションすることによってわかってきます。

いろいろな切り口でセグメンテーションして、有望市場を見つけましょう。

戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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