意味のあるBtoB問い合わせフォームの作り方とは?活用できるデータ取得方法もお届け

2021/08/19
BtoBマーケティング 意味のあるBtoB問い合わせフォームの作り方とは?活用できるデータ取得方法もお届け

昨今は、ビジネスのデジタル化が進み各社オンラインマーケティングの施策に注力しています。オウンドメディア、ウェビナー、SNSなど多様なチャネルを活用し見込み客を獲得するために、コンテンツ作成にも力を入れています。

ところが、相当な努力をしながらも、なぜか見込み客が企業に問い合わせる窓口の「問い合わせフォーム」の構造を軽視している企業が多々あります。実は、問い合わせフォームの入力中の離脱率は非常に高く、米国の調査では約8割がここで問い合わせをあきらめてしまいます。

 

ウェブ入力フォームを諦める人のデータ(出典:THE MANIFEST

 

また、問い合わせフォームの入力内容はマーケティング活動、営業活動に役立つ情報が得られるべきなのですが、そこまで想定していないフォーマットしか用意しておらず、入力してもらったデータを活用できない企業が少なくありません。

問い合わせフォームとは?

問い合わせフォームとは、製品・サービスに興味を持った見込み客が、企業により深い情報を問い合わせたり、見積もりを依頼したり、営業マンとのコンタクトを依頼するためのフォームです。オンライン経由のリードジェネレーションを実行するために、非常に重要な存在です。

BtoBにおける問い合わせフォームの存在意義

問い合わせフォームは、マーケティング活動の出口であり営業活動の入口でもあります。

さまざまなコンテンツをきっかけに製品・サービスに興味を持って問い合わせをしてみたいと思った見込み客に対して、最後に「こちらにどうぞ」としっかり誘導する役割を果たします。

見込み客は、問い合わせフォームがないとメールアドレスや電話番号を探す余分な時間を使います。一般的に企業に問い合わせするのは心理的ハードルがあるので、この段階で少しでも煩わしさがあると、問い合わせ自体をあきらめる人が少なくありません。

問い合わせフォームには見込み客の「問い合わせたい」という意欲、最後の決断を後押しする意義があります。また、企業にとってマーケティング活動、営業活動に生かせるデータを獲得できる意義があります。

最近は広告経由で見込み客を獲得する際に、各プラットフォーム上のフォームにて見込み客情報を獲得できるようになりました。しかし依然、広告経由で見込み客情報を獲得する際に自社が準備したフォームを利用することが大半です。

問い合わせフォームというのは、さまざまなマーケティング活動の終着点となる箇所のため、コンタクトフォームからスムーズにプラットフォームにつなげられるよう、利用しているプラットフォームのフォームを活用しましょう。

力完了率が高いだけの問い合わせフォームに意味はない

問い合わせフォームで入力された内容に対し、企業は速やかに返答することが望ましいです。製品についての問い合わせであれば、見込み客の関心度合を見極めて適切な回答を提供し、見込み客の関心度に応じたアプローチをしなければなりません。

そのため、問い合わせフォームは、見込み客の属性(所属企業の規模、担当部署、連絡先他)や検討度合(情報収集段階、今すぐ検討、来年以降検討など)を把握できる様式にする必要があり、この設計が曖昧の状態でフォーム運用をしている企業が多く見られます。

たとえば、自由入力欄に期待していると多くの場合、散漫な内容、少なすぎる情報に頭を悩ませることになり、その後のマーケティングオートメーション(MA)にてスコアリングを行うにせよ、シナリオメールを配信するにせよ、自由記入形式ですと分類分けやスコアを付与することが困難になります。

何を問い合わせたいかを明確に伝えてもらうようにドロップダウン等で問い合わせの種類を選べるようにしておくことが望ましく、それらの項目も営業部門と話をした上できちんと設計することが重要です。

不必要なデータを集めてもあとあと活用できません。入力完了率の高さではなく、必要な項目を用意しておくことが大事です。

価値あるデータを取得する問い合わせフォームの作り方のステップとは?

それでは、マーケティング部門や営業部門にとって価値あるデータを取得するためにはどのようなフォームを用意すればよいでしょうか?

ステップ1:営業にとって有益な情報を理解する

まず、問い合わせフォームの形式を決める前に営業部門からヒアリングをしましょう。問い合わせフォームは営業活動の入口です。営業部門にとっては、あくまでインバウンドのリード獲得のために存在しています(広告経由もあり得ます)。

多忙な営業マンたちが速やかに問い合わせに対するアクションを決められるように、見込み客の関心度合を見極められる項目、連絡がとれる電話番号ほか、営業部門にどのような情報が必要か優先順位をまず理解します。

もちろん、フォームの項目数が多いと入力する見込み客に負荷がかかるので、極力絞り込む必要もあります。両部門で話し合って項目の優先順位を明確に打合せたあとに、SLAを取り交わすことがベターです。

SLAのサンプル

(画像引用:Free Tempate - SLA Tempate for Sales & Marketing - HubSpot

ステップ2:データ設計とデータマネージメント

問い合わせフォームは、データマネジメントの一プロセスでもあります。問い合わせてすぐ商談にならなかった見込み客、資料提供だけに終わった見込み客であっても、潜在的なニーズを持っている可能性は高いので、しっかりフォローしていくことが大切です。

問い合わせ段階での「リード」と「MQL」とのデータの定義を決めておきます。この違いが大変重要で、見込み客によってはまだ準備ができていない人たちもおり、マーケティング側で役に立つ情報を提供し、購買に関心を強めてもらう必要あります。

そのような状態の見込み客を一般的にマーケティング部門では「リード」と呼び、購買関心度合いが高く営業に引き渡しても良い人たちを「MQL(Marketing Qualified Lead)」とよびます。MQLは「問い合わせ」や「それに準ずる購買行動をとっている見込み客、もしくは「とってもおかしくない見込み客」と定義されることが多くあります。

つまり、マーケティング部門内でもデータの定義を、リードやMQLによって差をつけて定義づける必要があるということで、価値のある情報を提供し、そのデータの差を埋めるためにマーケティングオートメーション(MA)などを活用することになります。

また、マーケティング部門で取得している情報が営業部門で必要とされない場合もあり、逆も然りです。それゆえ、マーケティング側のシステム(MAなど)と営業部門のシステム(CRMなど)で同期すべきデータと同期しないデータも決めることが、各部門の活動を簡素化し効率化することにもつながります。

ステップ3:マーケティングツールへの実装を前提に設定

問い合わせフォームのデータは、必ず各システムへ実装します。そのため、問い合わせフォームはその後のデータをどのように活用するかを前提に、ドロップダウン、選択式、複数選択、単行テキスト、複行テキストにするかフォーマットを決める必要があります。

たとえば、日本企業の複雑な役職名、部署名をなるべく正確に分類してもらうにはドロップダウンロード選択式にすることがおすすめです。マーケティング部門であればその情報で問題はないかと思います。

また、営業部門は見込み客と1対1でのやりとりが必要になるので、正確な役職や部署名が必要です。そのような場合は、営業担当者たちにメールや電話で直接ヒアリングしてもらう方が望ましいでしょう。

メールフォームの作成方法にはHTMLとPHP、 JavaScritp などのコードを使って問い合わせフォームを作成する方法と既存のフォーム作成ツールを使う方法があります。

コードを使うと自社独自の入力形式のフォームを作成可能ですが、自作できない場合は入力支援機能があるフォーム(英数字の半角全角が自動反映されたり、郵便番号を入力すると町名まで即自動入力される)と、使う側にとってストレスがかからず離脱する人を減らせるでしょう。

ステップ4:問い合わせフォームの設置箇所を見極める

問い合わせフォームは設置個所も重要です。問い合わせフォームの設置は、見込み客と接点を持つためですので、見込み客が訪問している場所に設置する必要があります。

つまり、トラフィックが存在していない離小島にフォーム設置してもしょうがないので、Google Analyticsなどでトラフィックがきている 、かつきているトラフィックのコンテキスト(製品サービスを検討していると思われる)があっていると思われる箇所にフォーム設置をしたランディングページ(問い合わせページ)へ誘導するためのCTA(Call To Action)を設置しましょう。

また、どのページを開いても視認性の高い右上に必ず問い合わせフォームへのリンクを貼るのはBtoBサイトでは定石と言えるかもしれません。

 

BtoB企業のグローバルナビの例

 

ステップ5:トラフィックを誘導する

問い合わせフォームのあるページにフォームだけでなく、そのページに対して見込み客やウェブ訪問者を誘導することを忘れないようにしましょう。

多くの企業で、問い合わせフォームを設置したランディングページ(問い合わせページ)に対して何も施策を打たないことがあります。これは非常にもったいなく、MQLに近しい人をハウスリストから抽出し、役立つ情報の配信と同時にランディングページへの誘導リンクを挿入しておく、などの打ち手もあります。

また「企業名×問い合わせ」のような広告出稿を行っておくこともランディングページ(問い合わせページ)を設置してインデックスされるまでの間は有効です。

このように、様々なマーケティングチャネルを活用して問い合わせページに対してトラフィックを誘導する努力を欠かさないようにしましょう。

ステップ6:改善箇所を見つける

問い合わせ率を上げるためには、まず現在の問い合わせフォームの最適化を行います。

例えば、以下の点をチェックしてみましょう。


  • 入力しなければならない項目が多くないか?
  • 住所をすべて入力させていないか?
  • 入力する人が迷うような設問はないか?
  • 送信ボタンはわかりやすい位置にあるか?

項目数とコンバージョン率については米国のデータがあります。少ないほど高いのですが、本当に必要な情報を得るためには、項目がただ少なければばよいわけではありません。自社が何を優先するかにもとづきフォームの項目数をきめましょう。

 

フォーム入力数と獲得コストの関係性(参照:Komarketing

 

問い合わせフォームとは区別すべき”問い合わせ”フォーム一覧

コンテンツ施策がよほど明確になっていない限り、Webサイトを訪問してくれる人たちの状態やタイプを制限することは非常に難しく、多くのウェブサイトにはいろいろな方が訪れます。

メディアの取材依頼もあればアライアンスの相談、競合企業の従業員、最近は問い合わせフォーム経由への営業も増加していると感じている人もいるのではないでしょか。なかには、すでに検討が進みいきなり無料デモを依頼したい見込み客も存在します。

このように様々なウェブ訪問者の方達と最適な接点を持つために、問い合わせフォームを分類して設けておくことが、見込み客にとっても親切であり、企業側としても対応が効率的になります。

ここでは「問い合わせ」以外でも企業が保有しておくべき鉄板フォームの種類を解説します。

資料請求フォーム

資料請求は、見込み客の濃度がばらばらです。すぐ検討したい人もいれば来年で検討している人もいるでしょう。検討の最初の段階なのでわざわざ問い合わせをしなくても資料提供できるようにフォームを分けたほうが、見込み客にとっても気軽に請求できますし、企業側にとっても関心度が測れて便利です。

一般的に資料には、企業の製品サービス情報、企業情報、顧客の事例などを盛り込んでいることが多く、資料請求フォームを入力した見込み客に対して、登録メールへメールを自動配信し、フォーム入力者の手元に資料を届けるようにします。

トライアルフォーム

トライアルフォームは、一般的には競合との検討が進んだ見込み客が興味を持つフォームで、SaaS企業によく見られるフォームです。SaaSは使ってみないと操作性がわかりにくい製品・サービスであるため、自社に合うかどうか試してみたい見込み客用に無料トライアルフォームを用意しておくと親切です。

この段階の見込み客はベンダーから積極的な営業をされたくありません。気軽にトライアルができればリードは増えるでしょう。ベンダーの自信と余裕も感じさせます。

入力項目に予算や企業規模、検討段階などを聞いても問題ない段階なので、別個フォームを用意して適切な項目を設定しましょう。

 

HubSpotの例:

 

HubSpotの無料トライアルフォーム

 

(出典:HubSpot

 

 

Salesforceの例:

 

セールスフォースの無料トライアルフォーム

(出典:Salesforce.com

 

しかしながら、筆者の体験上トライアルが企業の(最終的に有償顧客に転換する)プロセスに影響を与えることは、あまりありませんでした。

一方で、有償ツールをすでに利用しており、アップグレードや別の製品群の検討をしている人たちには極めて有効でした。このようにコンテキストの違いによってトライアルフォームの効果が異なることも理解しておくことが大切です。

協業問い合わせフォーム

アライアンスを希望する企業からの問い合わせもあります。こちらも営業活動には関係ないため、別個フォームを用意します。もちろん、アライアンスから大きくビジネスが発展する場合もあるので企業名、規模、担当者名、協業の目的などをしっかり書いてもらえるようにしましょう。

協業問い合わせフォームを別途設置する理由は明確で、製品サービスを新しくリリースしたり、定期的に情報を発信している企業だと協業の連絡がしばしば発生します。通常問い合わせフォームしか存在していない場合、営業対象の情報として営業部門が誤認してしまうリスクがあるので、新しいビジネス機会拡大のためにも、このような協業問い合わせフォームを別途設置しましょう。また、ビジネスアライアンスチームの担当者やチームのメールアドレスなどに通知を飛ばすようにするなどし、通常の営業プロセスに載せないようにすることが大切です。

営業問い合わせフォーム

問い合わせフォームをひとつにしておくと、さまざまな業界の営業担当者からの営業メッセージがきてしまいます。こちらも別個用意します。自動返信メールにてメールへのお礼と可能な場合返信する旨を書いておくと対応に追われずに済みます。

問い合わせフォーム最適化(EFO)とは?

問い合わせフォームの最適化(Entry Form Optimization )とは、入力する人が入力しやすく途中で離脱せず問い合わせを完了でき、かつ企業も必要十分な情報を入手できるようなフォームを構築することです。コンバージョン率を上げるために行います。

ただし、ここまで書いてきたように各フォームの区別とフォームに必要なデータの定義が社内でできていないと何の意味もありません。残念ながら多くの企業が、事前準備なしにEFOを繰り返し、せっかく入力したデータを活用できていません。

もちろん、前述の内容ができた上でのEFOは重要です。一般的に、問い合わせする直前に人は迷うものなので、問い合わせしようという気持ちに水を指すようなフォームではなく、快適に入力できる問い合わせフォームを作る必要があります。

冒頭で紹介したように、THE MANIFEST社の調査によるとコンテンツからエントリーフォームまで到達したにもかかわらず、最終的にエントリーフォームの入力を完了させるユーザーは約20%しかいないと言われています。

つまり、80%はフォーム入力中に気が変わったか、何かの事情で中断してももう1回入力しようという意欲がわいていないことを意味します(BtoC含むデータ)

もともと見込みが甘かったといわれればそれまでですが、以下の原因が考えられます。

  • 入力項目が多く完了までに時間がかかる
  • 入力完了したのにエラーコードが出て面倒になった
  • 不必要な情報を要求されていると感じた
  • 設問の意図がわかりにくく回答しづらい
  • 郵便番号、電話番号、メールアドレスの入力ルールがわかりづらい

基本的に入力は面倒なものなので、できるだけ考えずに入力できる、選べることがベターです。
ちなみに弊社では、以下のように記載例もだしてサクサク入力できるようにしています。

 

入力しやすい問い合わせフォームの例

(出典:Leapt

EFO最適化のポイント

自分の名前、住所をわからない人はいません。それでも一から住所入力するのは面倒なものです。できるだけ自動入力できる親切なフォームを作成しましょう。

項目数は多すぎるほど離脱率は高くなりますか、最低限必要な情報は入手しなくてはなりません。何を優先するか、もっといえばどのような人に問い合わせてほしいかを明確にして、自社にとって最適な項目数にすることが大切です。

基本的なポイント:

  • 入力項目はできるだけ少なくする
  • 住所は郵便番号を入力すれば自動反映
  • 半角・全角は自動変換できるようにする
  • 入力よりドロップダウンで選択する項目を増やす
  • 必須項目は目立たせておく
  • 個人情報の扱いについて明記しておく
  • 送信ボタンを目立たせる

まとめ

問い合わせフォームは、コンバージョン率を大きく左右します。また、そのあとの営業活動の成果に大きく影響します。問い合わせフォームはマーケティング活動の集大成の場であり、営業部門がスタートダッシュを切れるかを決めるポイントなので、十分に検討を重ねた上で、必要なデータの内容、項目数などを決めていきましょう。

問い合わせフォームに入力された情報を実際に活用する営業部門の意見を十分反映した問い合わせフォームを構築することがポイントです。

戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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