サブスクリプションという言葉が、ここ数年であっという間に世の中に浸透してきました。
動画や音楽配信サービス、ソフトウェア、メディア、電子書籍サービスなどはもちろん、昨今は電気自動車、食事、衣服、変わったところでは山のサブスクリプションなども登場。幅広い領域にサブスクリプション型サービスが普及したため、若い人にとって「サブスク」は、もはや標準的なサービスの在り方かもしれません。
サブスクリプション市場は、米国Zuoraの調査によると2020年までの過去 9 年間で435% 以上成長したそうです。そして、UBS ウェルス・マネジメントの最近のレポートによると、2025 年までに 1 兆 5000 億ドルに達すると推定されています。
まだまだ成長は止まりそうにありません。そこで本記事では、改めてサブスクリプションの意味、サブスクリプション型ビジネスのメリット、デメリットは何かを、企業視点、ユーザー視点でわかりやすく解説してみます。
サブスクリプションとは、英語の「subscription」が語源です。複数の意味がありますが、元々英語圏では、新聞雑誌等の「定期購読」「予約購読」「会費」などの意味でも使われていました。
これが時代とともに、「所有するのではなく一定期間そのサービスを利用することに課金するビジネスモデル」の総称となりました。
まず、ITソフトウェア、映画や音楽の配信サービスなどにサブスクリプションという言葉が使われはじめ、近年はクラウドストレージ、自動車、住宅、食品などの幅広い業界において、サブスクリプション型ビジネスが広がっています。
サブスクリプション型ビジネスとは、デジタル、リアル問わず月単位または年単位など定期的に料金を支払うことで、一定期間そのサービスを利用するビジネスモデルです。
これは、従来のお金を払って商品を所有するビジネスモデル、いわゆる売り切り型ビジネス、買い切り型ビジネスとは異なる発想のビジネスモデルであり、所有vs.利用です。
ユーザーはお金を払って、一定期間その商品やサービスを利用する権利を得て、ユーザーの意志で利用継続を決めることができます。
表面的には、月賦払いと似ていますが、月賦払いはあくまで商品を購入しており、支払金額を分割しているだけです。払い終わったらその商品は完全に顧客のものです。
一方、サブスクリプション型ビジネスは短期間だけ使うこともできる手軽さがある反面、長期間支払い続けても商品を所有することはできません。
そのため、提供企業は顧客が長期間活用し続けると、売り切り型ビジネスよりも大きな収益を上げることができます。
昔から、サブスクリプションと似たビジネスモデルは存在しました。中でも、リカーリングビジネスとサブスクリプションビジネスは非常に似ています。
リカーリングビジネスとは、一定期間の契約を結び、商品やサービスを継続的に売り続けるビジネスモデルであり、例として、電気代や水道代などがあります。
所有ではなく一定期間利用するサービスである点は、サブスクリプションとまったく同じです。
リカーリングは古くからあるビジネスモデルで物理的な商品の自動更新、保守契約、定期的なサービスの提供などに活用される名称。サブスクリプションはインターネット環境が整備されたことに伴い、IT業界で出てきたビジネスモデルという由来の違いがあるだけで、定義自体はほぼ同じと解釈されることもあります。
ただ多少の違いはあります。リカーリングビジネスは定額制、もしくは消耗品の場合従量課金型であることが大半です。電気代、水道代なども使った分の費用が請求される仕組みなので、使われない場合請求は0円になることもあります。
サブスクリプション型ビジネスの場合、一つの固定のプランを選ぶと、そのサービスを活用しなくても一定の費用は発生します。その代わりマックスまでつかい放題です。あまり活用しない場合下位のプランにダウングレードすることができます。
リースとは、車やコピー機のリースがわかりやすいかと思いますが、提供企業が物理的に存在する商品を一定期間で貸し出して、その期間の利用料を課金するビジネスモデルです。機械、車両、設備などのリースがあります。
商品は提供企業のもので、ユーザー企業は一定期間使用するだけである点は共通していますが、リース契約は物理的な商品を貸し出すこと、一般に長期間の契約である点が異なります。車なら3〜5年、コピー機なら5年が一般的です。
サブスクリプションの場合、物理的な商品だけでなくサービスも対象であり、かつ期間のしばりは強くなく、1カ月単位からの使用が一般的です。そして、気に入れば使い続けることができます。
ここでは、サブスクリプション型ビジネスのメリットを、提供企業側、ユーザー側それぞれの視点で説明します
サブスクリプション型ビジネスは、企業にとって新規顧客獲得がしやすく、長期利用してもらえれば買い切り型よりも大きな収益をあげられるビジネスモデルです。
また、売上げ予測が容易であること、顧客とのコミュニケーションがとりやすいこと、サービスの拡張・縮小が容易などのメリットがあります。
サブスクリプションは、継続課金型のビジネスモデルであるため、現在の顧客数と利用サービスプランの単価をベースに売上げ予測をたてることが容易です。ある程度の期間のデータがあれば解約率も予測できるため、かなり精度の高い収支予測が可能です。
買い切り型のビジネスの場合、一時的に大きな売上げを上げられても、次の購入のタイミングまでに期間がかかるので、売上げを新規営業に依存する分予測がむずかしい面があります。
既存顧客のニーズがそれなりにある業界でも、各顧客の売上げがどれほど伸びるかは担当営業の力量によっても左右するため、サブスクリプション型ビジネスほど固い予想はできません。
サブスクリプション型ビジネスは、売るまでよりも取引を開始してからの既存顧客の維持がカギとなります。一部の売り切り型のビジネスによく見られる売ったもの勝ちにはならず、サービス利用期間中の顧客とのコミュニケーションが何より重要になります。
自社のサブスクリプションを充実したものにするためにも、常に顧客の声に耳を傾け、コミュニケーションをとり続ける必要があります。そのため、顧客とのリレーションシップが強固になり、長期的な信頼関係が構築されやすいところが長所です。
結果的に顧客エンゲージメントが高まり、サービスのアップグレード、アップセルやクロスセルにつながりやすいとも言えます。
サブスクリプション型ビジネスは、顧客数が膨大になるため、多くの場合デジタルツールで顧客の運用状況や活用状況を管理しています。そのため、データ分析が容易です。
BIツールやCRMなどを活用し、各顧客の使用頻度などからサービスの満足度、解約リスクなどを分析できます。顧客を何種類かのグループに分けて異なるマーケティングを展開することも可能。このようなデータを分析することで、さらに機能やサービスを向上させることができます。
サブスクリプション型ビジネスでは、ユーザーはあくまで一定期間サービスを利用しているだけであり、提供企業は同じ一つのサービスを多数の顧客に使ってもらっているだけです。
そのため、一社ごとにカスタマイズする必要はありません。あくまで最も多くの顧客に支持されるように、自社サービスに拡張していくことができます。そもそも納品という概念がありません。
ストリーミングサービスであればラインナップを増やすことで魅力を向上させ、SaaSなどのソフトウェアサービスであれば、新しいテクノロジーをいち早く取り入れ機能を拡張することで、顧客満足度を高められます。一方、不人気な機能やサービスは縮小することも容易です。
ユーザー側にとって、サブスクリプション型サービスのメリットは多彩です。
サブスクリプション型ビジネスでは、高額な商品が月額単位でおどろくほど低価格で利用できます。高級車や、自社開発すれば何千万円もかかるようなソフトウェアなども月々わずかな費用で使用可能です。
フリーミアム(無料サービス)を設けている企業も多く、まず、無料でサービスの品質や自分に合うか合わないかを試せます。フリーミアムだけでも相当多種類のサービスが使えます。
20年前くらいまでは富裕層でなければできなかった暮らし、例えば高級車に乗り高級な時計やバッグ、スーツを身に付け、好きなだけ映画や音楽を楽しみ余暇は別荘で過ごすといったライフスタイルを、一般のビジネスマンが楽しめるようになったのは、サブスクサービス普及のおかげでしょう。
企業も同じで、メールシステム、顧客管理システム、電話受付システム、クラウドストレージ、労務計算などのシステムを安価で使うことができるようになりました。さまざまな事業コストが低くなったため、導入のハードルも下がりました。
サブスクリプションは、ユーザー側に面倒な管理が不要なこともポイントです。
例えば、CD、本などがオンラインのサブスクに置き換われば、部屋に物があふれなくなります。いらなくなったときに廃棄する必要も生じません。
ソフトウェアの場合、オンプレミス型のシステムであれば専任の管理者が必要ですが、SaaSならすべてベンダーが管理します。多大な神経とエネルギーを使って管理せずとも複数のシステムを活用でき、人件費や時間コストも削減できます。
サブスクリプション型サービスは始めやすく止めやすい点が長所です。買い物に失敗したことがない人は恐らくいないでしょう。個人の買い物であれ、企業の購買であれ「買って損した」「高い買い物をした」という失敗はよくあります。
たくみなセールストークにつられ、あるいはブランドに眼がくらみ勢いで買ってしまうこともあるかもしれません。買い物のときは独特の心理状態になりますし、売る方もプロなのでつい間違います。しかし、違法な売り方でない限りクーリングオフはできません。
BtoBの場合は、購入する商品・サービスの専門性が高いゆえに、使ってみないとわからない面があります。世の中には、大枚はたいて作った自社開発システムによって業務がより面倒になったケースはよくあることです。購買部門と活用部門が異なると、予想外に従業員が活用してくれないケースもあります。
この点、サブスクリプションサービスは短期間使ってみて自分たちのニーズ、リテラシーに合わなくても、更新さえしなければ解約が可能。月次契約なら翌月から解約できることも多いため、買い物の失敗が格段に減るでしょう。
サブスクリプション型サービスは提供企業が継続的にサービスをアップデートしてくれるため、ユーザーは常に最新版のサービスを利用できます。
買い切り型の場合、購入したら多少古くてもコストをかけないために、そのまま使い続けざるをえないときもあります。また、人は変化を好まない傾向があるため、新しく便利な商品に興味を示さず古い仕事のやり方を延々と続けて時代に遅れるリスクもあります。
この点、サブスクリプションなら提供企業が最新のサービスを提供してくれるため、自然に既存の業務プロセス内に組み込こんでいくことができます。
ここでは、提供企業、ユーザーそれぞれにとってのサブスクリプション型ビジネスのデメリットを解説します。
提供企業側のデメリットは、ユーザー側のメリットと対をなす面があります。使いやすく止めやすいサービスとは、新規開拓は容易ですが顧客が去るリスクが高いということでもあります。他にも以下のデメリットがあります。
サブスクリプション型ビジネスは、大量の人が月額使用料を長期間払うことで成り立っているビジネスモデルです。ユーザーに提供する価格は月額単位にすると驚くほど安い設定。だからこそ、一気に顧客を集めることができますが、ある程度顧客数が増え時間が経過しなければ利益は出ません。
使い始めて3カ月や半年でサービスを辞める人が多いと収益はなかなか増えません。継続してサービス開発にも投資する必要があり、コストはかかり続けます。したがって黒字化までに相当の時間がかかります。
以下は、米国のbacklinko.comのサイトに掲載されたSalesforceの2001年からの年次収益の進捗グラフ。2010年から2015年までは非常にスローペースです。
(出典:backlinko.com)
ただし、商品・サービスに満足して使い続ける顧客が多ければ、買い切り型よりも収益をあげられるビジネスモデルなので、赤字状態であっても、顧客数が多く解約率が低い企業は投資家に注目されます。
サブスクリプション型ビジネスでは、提供企業は常に解約のリスクを抱えています。顧客に満足し続けてもらわなければいつでも彼らは去ってしまうので、常にサービスを改良し、顧客の満足度、成功に貢献し続けることが必須です。
とはいえ競合が次々と増える世界で、顧客満足度を高い状態で保ち続けるには、たゆまぬ投資と努力が必要になります。
顧客のニーズは常に変化し、要求は高くなることはあっても低くなることはありません。業界内だけでなく業界外にも代替になりえる魅力的なサービスがどんどん増える時代、期待値は上がる一方です。常に自社の商品・サービスをアップデートしなければ、選ばれなくなります。
BtoCであれば、常に新しさや楽しさなどプラスアルファの魅力を加え続ける必要がありますし、BtoBであれば、新しいテクノロジーを積極的に取り込んで他社に先んじて優れた機能を作る必要もあります。
サブスクリプションビジネスは、新規参入しやすいビジネスです。物品の提供であれば、現在ある商品はそのままに、売り方、配送方法、課金方法を変えればスタートできます。ソフトウェア業界の場合も、リソースは主にエンジニアなどの人がメインなため、オンプレミス型のシステム提供からSaaSに転換するのは比較的容易です。
新規参入する企業が増えてくると、当然、過当競争が起きてきます。レガシーな大手企業が後から参入し、資本にものをいわせ素晴らしいサービスを安価で提供してくるかもしれません。
先行きの見えない時代になると、企業は減らせるコストはとことん減らそうとします。その中で勝ちぬくには、自社なりの独自性を打ち出し続けなければなりません。
ユーザー側にも、実は意外なデメリットがあります。
サブスクリプションは安価なため気軽に申し込みがちですが、忙しくて本を読めない、映画もみれない、いつでも使えると思ってそのままという結果になることは少なくありません。
しかし、サブスクリプションは利用しようがしまいが契約期間中の料金は発生します。かなりの数を利用すると、予想以上に費用がかかってしまうかもしれません。これは「サブスク貧乏」と呼ばれる事態です。たまにしか使わないサービスであれば、むしろサブスクリプションはコスト高になるでしょう。
企業であっても同じことは起きます。サブスクリプションはたしかに解約は容易ですが、サラリーマン社会において購入したものをすぐ解約すると購買の是非を問われかねないので、どうにか使おうと努力しがちです。結果やはり合わないということであっても、その期間の支払いは発生します。
サブスクリプションも、活用している数が増えると管理が面倒になります。
フリーミアムから自動的に有料になってしまっていたり、解約しようと思っても解約の方法がわかりづらいサービスがあったりもします。もしかしたら使わないサービスに費用が発生しているかもしれません。
企業でも「野良SaaS」という言葉があり、便利だからと各部署が導入したSaaS数が増えるにつれ、宙にういてしまったSaaSが出てくることがあります。
例をあげると、マネーフォワード社は野良SaaSが半分を占めるほどになり高額のコストが発生し、IT部門に野良SaaS対策の専門チームを設置することになったそうです。
だからこそ、しっかりサブスクリプションを管理する必要があります。
サブスクリプションを解約すると、データにアクセスできなくなります。例えば、電子書籍を紙の本と同じくらいの価格をかけて購入しても、解約以降読むことはできなくなります。
企業の場合、営業情報、経理情報、人事情報などの蓄積されたデータは重要な資産ですが、解約するとアクセスできなくなります。データ移行にもコストがかかるため、多少値上げされてもコストや手間を考えると二の足を踏むケースもあるでしょう。最悪なケースでは、提供企業が業績不振でサービスをやめてしまう場合があります。
ここでは、BtoCとBtoBの代表的なサブスクリプション型ビジネスの例を3社ずつ紹介します。
BtoCのサブスクリプション型ビジネスは、電子商取引、ストレージサービス、ストリーミングサービスなどをはじめ、衣類、食料、自動車、宝石などさまざまな領域に広がっています。
(出典:Netflix公式サイト)
Netflix(ネットフリックス)は、インターネット上で映画やドラマなどの動画を視聴できる定額制動画配信サービスです。190カ国以上で2億4700万人の会員数を抱えています。
視聴できるコンテンツは受賞歴のあるドラマ、映画、アニメ、ドキュメンタリーまで幅広く、Netflixでしか見られないオリジナルなコンテンツも多数あります。さらに、毎週のように新規作品が投入されます。
このような充実したサービスにもかかわらず、価格は月790円〜1980円というリーズナブルさ。しかも、デバイスにダウンロードしておけば、インターネット接続のない場所で視聴することもできます。解約も数クリックで可能です。
(出典: SUITUP)
『 SUITUP 』は、2021年にスタートしたビジネス&フォーマルファッションのスーツのサブスクリプションサービスです。月額料金はわずか3630円で、12種類の中から好みのスーツを着ることができます。サイズの組み違いやジャケット+パンツスタイルもあります。
オンライン上で好きなスーツを選び、サイズやその他必要事項を入力するとサブスクの申込は完了です。7日間程度で手元にスーツが送られてきます。スーツチェンジをしても料金は変わりません。スーツの返却手数料はかかるものの、返すときの洗濯やクリーニング費用は不要なので管理が楽です。
スーツ代はビジネスマンにとって決して安くはない経費。信用を得るためにあまり安物を着るわけにもいきませんし、最近はカジュアルデーなどもあるので多少種類も欲しいところ。年間4万円程度の費用で、いろいろなスーツを着用でき、保管するスペースもいらないスーツのサブスクは、ユーザーにとってメリット大でしょう。
アパレル系サブスクはまだ歴史が浅いため、企業の黒字化がどのタイミングになるか見えづらいのですが、上質の衣服は寿命がかなり長いためサブスクリプションに適している商材だと言えるでしょう。サスティナブルでもあります。
(出典:Kindle Unlimited)
Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)は、Amazonが提供する電子書籍読み放題のサブスクリプションサービスです。月額980円という新書1冊分程度の価格で、200万冊以上の書籍が読み放題になります。
ビジネス書、実用書のような一般書籍はもちろん、漫画や雑誌など多彩なラインナップがあり、同時に20冊まで読むことができます。申込後の解約もワンクリックで可能と手軽。忙しくなったら退会してまた復活することも簡単です。
常に新たな電子書籍が投入されるため、トレンドにも敏感になれますし、個人の出版物も多いため、リアルな情報収集にも役立ちます。パソコン、スマートフォン、Kindle端末で読めるため、隙間時間に読書を楽しめます。
BtoBサブスクリプション型ビジネスは非常に増えています。市場予測を何社かが出していますが、NTTコミュニケーションズ社は、サブスクリプションサービスの国内市場規模は2024年50兆円規模であり、その約48兆円がBtoBという独自予測をしています。
ここでは、3社のBtoBサブスクリプション型サービスの例を紹介します。
(出典:Salesforce)
Salesforceは、1999年にMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏が創業したSaaS企業です。当初クラウドベースのCRMソリューションプロバイダーとして登場し、徐々に営業、サービス、マーケティング向けにService Cloud、Marketing Cloudなどを提供していきました。
また、M&AによりMuleSoft(統合プラットフォーム)、Tableau(データセキュリティ化)、Slack(コミュニケーションとコラボレーション)、Einstein Analytics(AIを利用した分析ツール)など継続的にサービスを拡張しています。
さまざまな領域のビジネスをサポートするSalesforceは、BtoBサブスクリプション市場をけん引する企業として確固たる地位を築いています。
(出典:HubSpot)
HubSpotは2006年にBrian Halligan(ブライアン・ハリガン)氏、Dharmesh Shah(ダーメッシュ・シャア)氏によって設立されたSaaS企業です。
HubSpotはインバウンドマーケティングの提唱者として知られ、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、SEOなどを組み合わせて顧客を引き寄せる戦略を強調し、おもにスモールビジネス市場でサービスを展開しています。
初期の頃はマーケティングオートメーションを提供する企業として知られましたが、高機能な無料CRMをはじめ、徐々に周辺領域にサービスを拡張し、現在は多様なクラウドサービスを提供するスモールビジネス市場のプラットフォーマーとして認知されています。
(出典:SANU 2nd Home for Business)
一時は数千人が予約待ちといわれたサブスクリプション別荘「SANU 2nd Home」は、個人向けだけでなく法人向けにもサービスを提供しています。
軽井沢や白樺湖など都心から車で1〜3時間以内の10拠点61の別荘を、月会費5万5000円〜で1年間、活用できます。
福利厚生サービスとしてプライベートで使ってもらったり、ワーケーション先として使ってもらったり、チームの合宿に使うなどさまざまな活用法があります。
契約口数にかかわらず、何名でも利用者登録が可能です。
あっという間に幅広い業界に普及したサブスクリプション型ビジネスモデル。ブームになり始めたころ「衣食住すべてを飲み込み最新ビジネスモデル」というフレーズで登場しましたが、BtoCについては、その予想が現実味を帯びてきていると言えるでしょう。
現状、BtoBではSaaSなどのソフトウエアサービスが主流なものの、今後さらにバラエティに富んだサブスクリプションが登場するのではないかと思われます。
人口減少が著しい日本において、顧客数を広げやすいサブスクリプション型ビジネスは、案外手堅い戦略になりつつあるかもしれません。ただし、取り組む際は、売り切り型ビジネスと違って新規開拓よりも顧客維持が重要なこと、継続して開発コストやカスタマーサポートのコストがかかること、顧客とのリレーションシップマーケティングに力をいれることを意識しましょう。ビジネスモデルを変えると同時に、マインドセットも変えることがポイントです。