CMS利用の必要性とメリット・デメリットとは?有償マーケティング専用CMSがおすすめな理由を解説

2022/05/13
BtoBマーケティング CMS CMS利用の必要性とメリット・デメリットとは?有償マーケティング専用CMSがおすすめな理由を解説

「CMSを利用すべきだろうか」「導入するCMSをどう選べばよいのか」とお悩みではないでしょうか。

Webサイトのうち7割弱は何らかのCMSを導入しているというデータがあり、自社に合ったCMSを選ぶことは、業界・業種を問わず多くの企業にとって重要な課題です。

しかし、マーケティング熟練者が少ないBtoB企業やSaaS企業では、CMSを選ぶ基準がわからなかったり、導入しても使いこなせていなかったりするケースがよくあります。

そこで本記事では、CMSの活用を目指すBtoB企業やSaaS企業のマーケティング担当者に向けて、以下の内容を解説します。

  • CMS利用のメリット・デメリット
  • 有名な無償CMS
  • マーケティングに活用できるCMS

本記事を読めば、CMSのメリットとデメリットを理解でき、自社に合ったCMSを選ぶ考え方も身につけられるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

CMSとは?

CMSは「Contents Management System」の略称で、Webサイトを構築し、運用していくためのシステムのことです。

CMSを利用することで、HTMLなどの専門知識がない方でも、コーディング後のWebページの追加や更新といった作業を簡単に行えるようになります。また、近年ではno-codeやlow-codeと言われる、コーディングが必要なかったり、部分的に不要になったりするCMSも登場しています。

CMSの発展と歴史

CMSの歴史

(画像引用:https://opensource.com/article/20/7/history-content-management-system

1991年に「World Wide Web」が生まれてCMSが発展するまでは、パソコン内にWebページのデータが保存されており、それを更新の度にアップロードする必要がありました。そのため、特定のパソコンからしか更新ができなかったり、複数人での管理が難しかったりといった課題があったのです。

それに対して、現在使われているCMSは「クラウド型」が一般的です。クラウド型のCMSでは、データはすべてWebサーバー上に保管されています。そのため、場所を問わず誰でもWebサイトの更新が可能になりました。

また、CMSが登場した1990年代には「フルスクラッチ型」で企業が自社専用に開発するか、システム会社が提供する「商用パッケージ型」を購入するのが一般的でした。フルスクラッチ型のCMSの構築は非常に高額であり、商用パッケージ型もある程度の費用がかかります。

しかし2000年代からは、無料で利用できる「オープンソース型」のCMSが急速に発展し、機能も充実していきました。オープンソース型のCMSの代表例が、2003年に登場したWordPress(ワードプレス)です。

現在では、オープンソース型の無償CMSも多くの機能を備えているため、BtoB企業やSaaS企業が利用するうえで十分に候補になります。

CMS利用のメリット・デメリットとは?

CMSを導入すべきか迷う方に向けて、CMS利用のメリットとデメリットを紹介します。

CMS利用のメリット

CMSを利用するメリットは、主に以下の3つです。

  • テンプレが利用可能
  • プラグインが豊富
  • no-codeでサイトを構築可能

テンプレ利用が可能

CMSに用意された「テンプレート」を利用することで、簡単な操作で短時間のうちに記事を追加できます。

あらかじめデザインが整えられているため、文字を入力したり画像を追加するだけで、読みやすいコンテンツが完成するのです。

現在はスマートフォンでWebサイトを閲覧するユーザーが多いので、画面サイズに合わせてレイアウトを整えることが欠かせません。パソコンとスマートフォンで自動的にデザインが切り替わるテンプレートもCMSに用意されているため、レイアウトを自分で考える必要がなくて便利です。

プラグインが豊富

プラグイン

(プラグインの役割の例)

WordPressなどのCMSには「プラグイン」が豊富に用意されています。プラグインとは、機能を増やすためのソフトウェアのことで、簡単な操作でCMSに追加できます。

たとえば、以下のような機能を持つプラグインが利用可能です。

  • 目次の自動生成
  • スパムコメントの削除
  • データのバックアップ
  • 問い合わせフォームの設置

必要に応じてプラグインを導入することで、Webサイトを思い通りにカスタマイズできます。

no-codeでサイトを構築可能

CMSならno-codeでサイトを構築できるので、プログラミングの知識がなくても問題ありません。

HTMLのコードを直接編集しなくても、ほとんどの作業はクリックやドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で完了します。

コーディングが苦手な方にこそ、CMSの利用をおすすめします。

CMS利用のデメリット

CMSを利用するデメリットは、主に以下の3つです。

  • セキュリティ面での脆弱性
  • ツール癖により対応可能なデザイナーが限られる場合がある
  • テンプレがあるとはいえある程度のコード知識が必要

セキュリティ面での脆弱性

WordPressなどの人気のCMSは、多くのユーザーに利用されているがために、サイバー攻撃の標的にされやすい傾向があります。

オープンソース型のCMSでは、セキュリティ面での脆弱性に運営者が十分に対応していない場合が少なくありません。そして、セキュリティの問題で何か損害を受けたとしても、あくまでも「利用者の自己責任」になってしまうのです。

セキュリティ面に不安があることは、CMS利用のデメリットだといえます。

ツール癖により対応可能なデザイナーが限られる場合がある

CMSはそれぞれがオリジナルのテンプレートを利用しており、デザインに独自の癖があります。

そのため、デザインをカスタマイズしたくても、そのCMSに精通しているデザイナーでなければ、対応できない場合があるのです。デザイナーが自由に手を加えられる「フルスクラッチ型」とは、この点が異なります。

デザインにこだわりがある場合は、CMSを利用することで、自由な変更がしにくくなってしまうかもしれません。また、CMSによっては独特の言語があることがあります。そのため導入を考える際は、必ずコーディングをどのようにすべきかを確認することが大切です。

テンプレがあるとはいえある程度のコード知識が必要

CMSでは、ほとんどの操作をno-codeで行えますが、コードの知識が必要になる場合もあります。

せっかく時間をかけて途中までサイトを作っても、コーティングが行えないために、サイトに必要な機能を実装できないこともありえます。

コード知識を突然求められることがある点は、CMSのデメリットです。

有名な無償CMS

できるだけCMSに費用をかけたくない、BtoB企業やSaaS企業の方も多いでしょう。そこで、有名で実績のある無償CMSを3つ紹介します。

  • WordPress
  • Wix
  • Drupal

WordPress

WordPress

URL:https://wordpress.org

WordPressは、世界で最も利用者が多いCMSです。Web調査会社の「W3Techs」のデータによれば、2022年4月の世界でのシェアは64.2%であり、日本でのシェアは84.4%に達しています。

WordPressの最大の特徴は、豊富なプラグインが利用できることです。多数の利用者がいることから、開発者がWordPress向けのプラグインの開発に注力し、便利になることでますます利用者が増えるという好循環が生まれています。

デザインのテンプレートである「テーマ」も豊富に用意されています。テーマやプラグインは、無料・有料のどちらも充実しており、費用をかけずに高機能なWebサイトを構築することが可能です。

Wix

Wix

URL:https://www.wix.com

Wix(ウィックス)は、無償CMSの中でも手軽にWebサイトが作れる点に特徴があります。

WordPressでは、サーバーやドメインの準備が必要になる場合がありますが、Wixでは不要です。サーバーやドメインの費用をかけることなく、Webサイトを構築できます。

無料で利用を始められる一方で、有料のプランも複数用意されています。必要に応じてプランを選ぶことで、余計な費用負担なしでサイトを運用可能です。

Wixには「ビジネス」「イベント」など、用途に合わせたテンプレートが豊富に用意されています。選ぶだけでサイトの大枠ができあがるため、短時間でWebサイトを完成させられるでしょう。

Drupal

Drupal

URL:https://www.drupal.org

Drupal(ドルーパル)は、「モジュール」を追加することで機能を増やせるCMSです。大手企業に導入されている実績があり、大規模なサイトにも対応可能です。

DrupalでWebサイトを作る際には、まずWebサイトに最低限必要な機能がセットになった「コアモジュール」を導入します。そのうえで、目的に応じて「拡張モジュール」を追加していくことで、思い通りのWebサイトを構築していく仕組みです。

また、複数のモジュールがあらかじめ組み合わされた「ディストリビューション」を利用する方法もあります。「コーポレートサイト」や「コミュニティサイト」など、よく利用される型どおりのサイトであれば、規模のわりに少ない手間で作業が完了するでしょう。

BtoB企業が検討すべきマーケティングに活用できるCMS

G2 Grid

(「G2 Grid」によるCMSのマッピング)

CMSは非常に種類が多いので、どれを使うべきか迷ってしまう方は多いでしょう。

そんな方が参考にできるのが、CMSを特徴ごとにマッピングする「G2 Grid」というサービスです。上図の通り「市場での存在感」と「満足度」の2軸でマッピングされており、各CMSの立ち位置を確認できます。

ここでは、BtoB企業やSaaS企業がマーケティングに利用できるCMSを、厳選して3つ紹介します。

  • HubSpot CMS
  • WordPress
  • Sitecore

HubSpot CMS

Hubspot CMS

URL:https://www.hubspot.com/products/cms

月額料金:Starter:2,700円、Professional:43,200円、Enterprise:144,000円

HubSpot CMSは、HubSpot内に用意されたCMSです。HubSpotはCRM(Customer Relationship Management)プラットフォームとして世界的に広く使われているツールで、Webサイトを通じて製品サービスの買い手との関係を築くために利用されます。

HubSpot CMSは、システム開発者やマーケティング担当者が期待する豊富な機能を備えている点が特徴です。

たとえば、Webサイトの訪問者を一人ひとり識別したうえで、ページの内容をパーソナライズできます。過去に問い合わせをした人や製品サービスを購入した人に向けて、最適な内容を表示することで、売上げアップにつなげられるでしょう。

HubSpot CMSには3つのプランが用意されており、利用したい機能や予算に合わせて柔軟に選べます。

WordPress

URL:https://wordpress.org

月額料金:無料から利用可能

WordPressは、BtoB企業やSaaS企業のマーケティングにも利用できます。

ただし、無料のテーマやプラグインだけで求める機能をすべて実装するのは、難しい場合が多いです。有料のテーマやプラグインを導入したり、メール配信スタンドなどの外部ツールを組み合わせたりして使うのが一般的です。

有料のものを複数組み合わせたとしても、マーケティングの専門ツールを導入するよりは安価になる傾向があります。費用を低く抑えたい企業は、WordPressの利用が適しているでしょう。

Sitecore

Sitecore

URL:https://www.sitecore.com

月額料金:要問い合わせ

Sitecoreは、買い手の「デジタル体験」を向上させることに注力しているCMSです。パーソナライズやマーケティングオートメーションなど、高度なマーケティング機能を利用できます。

Sitecoreのライセンスは以下の3種類に分類されます。

  • Experience Management(XM):基礎となるコンテンツ管理機能
  • Experience Platform(XP):マーケティング機能
  • Experience Commerce(XC): ECサイト構築機能

それぞれ、必要とする機能によって費用が大きく変動するのが特徴です。そのため料金がわかりにくい点は、Sitecoreのデメリットといえます。

費用をかけてでも高機能なマーケティングツールを使いたい場合は、Sitecoreの導入を検討するとよいでしょう。

マーケティング専用CMSを強く勧める訳

BtoB企業やSaaS企業がマーケティングのためにCMSを導入するのであれば、専用CMSを選ぶことをおすすめします。

WordPressなどの汎用的なCMSは、さまざまな目的のWebサイトに対応できる一方で、高度なマーケティング施策への対応は難しいからです。

すでに自社でCMSを運用している場合は、それを利用してマーケティングも行いたくなるかもしれません。しかし長期的に見ると、導入費用をかけてでもマーケティング専用CMSを利用したほうが、会社の利益が増えることがよくあります。

例えば、BtoB企業でよくあるのが、CMSをWordPressにし、マーケティングオートメーション(MA)を有償のツール、顧客管理システム(CRM)を別の有償ツール、もしくは連携が可能なツールにするというツギハギのツール利用状況です。

こういった運用の仕方は筆者の経験上、運用コストが非常に高くなります。

その理由は、各ツールを全て利用できるマーケティング担当者は日本の市場にほとんど存在しておらず、ツール数が増えると運用に関わるマーケターの数が多くなる傾向が高くなり、運用が軌道に乗らなくなることが多いからです。

また、ツール間のデータの連携などが複雑になり、運用のオンボーディングに時間が必要になっていきます。CMSがマーケティング専用でないと、データを見るツールがウェブ解析やウェブ分析視点のツールになってしまうことが多く、リードを獲得するために時間を費やすべきところが、自社の運用プロセスを作り上げるために時間を費やすことになってしまいます。

そのような理由から、マーケティングの専用CMSを利用することをお勧めすることが多いです。

まとめ

CMSの利用には、以下のメリットがあります。

  • テンプレが利用可能
  • プラグインが豊富
  • no-codeでサイトを構築可能

一方で、デメリットは以下の通りです。

  • セキュリティ面での脆弱性
  • ツール癖により対応可能なデザイナーが限られる場合がある
  • テンプレがあるとはいえある程度のコード知識が必要

代表的なCMSの特徴も紹介しました。BtoB企業やSaaS企業がマーケティングに利用しやすいCMSは限られています。CMSの選定で失敗しないために、ぜひ本記事を参考にしてください。

戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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