数多くのカタカナ用語が登場するBtoBマーケティングの世界。よく分からずに使用している言葉も意外と多いのではないでしょうか。そこで今回は、BtoBマーケティングのなかでも「ラ〜ロ」で始まる用語について解説していきます。
ライフサイクルステージとは、購入に至るまでのユーザーの状態をステージで表現したものです。例えば「認知ステージ」、「検討ステージ」、「決定ステージ」の3区分で、ユーザーを分けたとします。自覚ステージはブログなどをきっかけに、商品を認知した段階。そして、他社と比較検討する検討ステージから、実際の導入に至る決定ステージへと移っていくのです。
ステージによって、ユーザーが欲しい情報は異なります。認知ステージであれば製品の機能に関する情報はそこまで求めておらず、導入事例や課題解決のノウハウなどを求めているかもしれません。ユーザーの状態によって適切なコンテンツを提供するために、ステージを区分する必要があるのです。
この考え方はリードマネージメントにも通じることがあり、ペルソナがどのライフサイクルステージにいるかを企業側が定義づけることにより、リードマネージメントを行うことができるようになります。
ライフタイムバリューは、日本語で「顧客生涯価値」と呼びます。
ある顧客が取引を開始してから終了するまでの期間、自社に対してどれだけ利益をもたらしたかを表す指標です。とくにSaaSなど、利用期間が長くなるほど売上も大きくなるサービスなどで用いられます。
SaaSでは一度契約して終わりではなく、その先も良好な関係を築いて顧客からの信頼を獲得することが大切。顧客が継続的に自社の製品・サービスを利用してくれることで、ライフタイムバリューも高まります。
長期的に顧客との信頼関係を構築することで、アップセル(上位サービスへの乗り換え)やクロスセル(オプションへの加入)につながる可能性もあるでしょう。
ランディングページは、フォームなどが埋め込んでありコンタクト情報を取得するために作られているウェブページのことを指します。。ランディングには「着地」という意味があり、ランディングページは、eBookのダウンロードをしたもらうため広告をクリックした後にユーザーが降り立つ場所、などの目的で用いられます。
多くの企業では、オーガニックでコンタクト情報を獲得することがうまくいっておらず、広告からコンタクト情報を取得する施策を中心に行っていることがほとんどです。結果的に、広告出稿先のページがランディングページと呼ばれることが多くありますが、あくまで本来の意味はコンタクト情報を取得することに特化したウェブページというのが正しい概念となります。
ランディングページ最適化とは、ランディングページの効果を分析し、改善する施策全般を指します。
特にライティングページから資料請求などのコンバージョンに「つながっていない」場合などに、行うべき施策と言えるでしょう。
ランディングページへの流入経路としては、主に「Yahoo!」や「Google」といった検索エンジンからの検索によるものがあり、オーガニック、広告などの経路が存在します。ランディングページが検索したユーザーのニーズを満たす内容でなかった場合、離脱へとつながるかもしれません。そのため、ライティングページの改善が必要となるのです。
LinkedIn(リンクトイン)はアメリカ発のSNS。ユーザー数は全世界で7億人以上と言われており、日本では250万人以上が利用しています。
参考元:LinkedIn(リンクトイン)
LinkedInの基本機能は以下の通り。
ビジネス上の相手に限定してつながることが、他のSNSとの大きな違い。LinkedIn上で広告も掲載できるため、特に法人企業を相手にするBtoBと相性の良いSNSといえそうです。
また、日本企業が活用することは少ないのですがLinkedIn Sales Navigatorという機能があり、見込み客や企業をターゲットにしたセールスツールも提供しています。
リアルタイム入札とは、広告が閲覧されるタイミングで広告枠の入札を行うことです。広告主はあらかじめ入札価格と広告を設定。ユーザーが広告に接触した際、最も入札価格が高い広告が表示される仕組みです。
リーチとはオンライン広告の到達率を指します。その広告がどれだけ多くの人に届いたかを表す指標です。なお、リーチはユーザーが重複しないようにカウントするのが一般的。つまり、ある広告をAというユーザーが2回見ても、リーチは1。AとBというユーザーが二人見て、リーチは2となります。
リードとは、自社の製品やサービスを購入してくれるかもしれない見込み客のこと。すでに自社の製品やサービスを認知し、情報収集や比較検討の段階に入っている状態といえます。
ただ、営業やマーケティングの現場でさらにリードの状態を細かく定義するのが一般的。例えば自社製品を認知したばかりのリードと、他社商品と比較検討しているリードでは、欲しい情報や製品への興味関心度合いは異なります。そこで、ターゲットに合わせた最適な施策を実施するために、リードの状態を細かく定義するのです。
リードナーチャリングとは、見込み客(リード)を育成することです。展示会やオンライン広告などで集めたリードに対し、メルマガやテレアポなど継続的なコミュニケーションを取っていくことで購買意欲を高める施策全般を指します。
リード獲得単価は、1件の見込み客を獲得するためのコスト。リード獲得単価が低いほど、マーケティングコストを抑えながら、1件の見込み客を効率的に獲得できている状態といえます。
リスティング広告とは「検索連動広告」のこと。ユーザーが検索したキーワードに応じて検索結果画面の上や下に表示されます。
リスティング広告が掲載されるのは「Google」「Yahoo!」などの検索エンジン上。Googleのリスティング広告は「Google広告」、Yahoo!のリスティング広告は「検索広告」と呼びます。
参考元:Google広告
参考元:検索広告
費やした広告費に対し、広告のおかげでどれくらい売り上げが上がったかを表す指標です。「広告による売り上げ÷広告費×100(%)」で求めます。広告が売り上げにいかに貢献したか、もしくはそこまで効果がなかったかを判断する際に用いる指標といえるでしょう。
投資した資本に対し、どれだけの利益を得られたかを示す指標です。収益性や投資効率を判断する際に用います。
「(利益額÷投資額)×100(%)」の計算式で求め、値が大きいほど投資した効果があったといえるでしょう。
ROIは、規模の違う事業の投資効果を比較する際に用います。利益の増減だけだと単純比較できませんが、投資に対する利益の割合であるROIを用いることで、どれほど投資効率の良い事業かを判断できるのです。
リツイートは、他人のツイートを自分のフォロワーに向けて拡散するSNSの機能の一つ。リツイート数が多いほどフォロワーから、そのまたフォロワーへと情報が拡散し、いわゆるバズる状態となります。
SNSで情報を発信する際は、リツイートしやすい、つまりは他の人にもこの内容を知ってもらいたいと思ってもらえる内容かが重要です。
リテンションは「維持や保持」といった意味で、人事領域では「人材の維持(確保)」、マーケティング領域では「既存顧客の維持」として使われます。
特に継続利用によって売り上げを積み上げていくSaaSでは、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係維持(リテンション)が大切。例えばサポート体制の充実や、ユーザー限定の会報誌といった施策を通じ、既存顧客との関係性を構築していく必要があります。
リマーケティングは、追従型広告のことです。例えばA社のサイトを訪問したユーザーが何かしらの理由で離脱し、その後B社のサイトに訪問した場合、B社のサイトに貼ってある広告枠にA社の広告を表示するというもの。離れてしまったユーザーに再度アプローチをする上で有効な施策といえます。なお、Google広告で利用可能です。
リワード広告とは、動画広告の視聴と引き換えに、アプリ内で利用できる特典を取得できるといった仕組み。広告を表示するかどうかをユーザーが決める「プル型」の広告です。ユーザーは広告の閲覧と引き換えに特典をゲットできるため、広告主とユーザー双方に利点がある仕組みといえるでしょう。
リワード広告には「Google AdMob」などがあります。
参考元:Google AdMob
離脱率とは、ウェブサイトへの訪問者のうち、どのぐらい数がそのページを最後にサイトを離れたかを示す指標です。
Googleでは以下のように定義しています。
“ユーザーが検索行動を終了してWebサイトから出ることを「離脱」といい、ページ別に離脱の割合を測ることで離脱率が算出できます”
あるウェブサイトを訪れたユーザーが2人いたとき、Aページを最後に離脱したユーザーは0人で、Bページは2人だった場合、それぞれの離脱率は0%と100%になります。離脱率が特段悪いページがあれば、導線の問題なのか、または内容なのかなど、仮説を立てて改善する際に役立つでしょう。
あるウェブサイトにどの経路から訪問したのかを意味する、流入経路。流入経路としては、例えば検索エンジンからの自然検索があげられます。そのほか「有料検索流入」といってリスティング広告などの広告からの流入や、SNSからの流入もあるでしょう。
検索エンジンからの流入を増やしたい場合、ユーザーが検索するキーワードに基づいてブログ記事を作成するなどの方法があげられます。
レコメンデーションとは、過去のユーザーの購買履歴をもとに好みを分析し、そのユーザーが興味・関心を持ちそうな情報や関連商品を提示することです。例えばAmazonで言うと「人気の商品とあなたへのおすすめ」や「お客様が閲覧した商品に関連する商品」などは、レコメンデーションの一つといえます。
記事直下に出てくる「関連記事」などもレコメンデーションの一つ。レコメンデーションを上手く使うことで、サイト内を回遊してもらい、他コンテンツの閲覧や別商品の購入につなげます。
レスポンシブデザインとは、ユーザーが使用しているデバイスの画面サイズに応じ、表示を最適化するデザイン。
従来、多くのユーザーはPC画面からコンテンツを閲覧していましたが、現在では閲覧するデバイスがスマホやタブレットなど多岐に渡ります。PC画面で見た表示とスマホ画面で見た表示が同じなら、当然スマホ画面だと「文字が小さい」など視認性が悪くってしまうでしょう。
そこでレスポンシブデザインによって、どのデバイスでもコンテンツを閲覧しやすい状態へと整えるわけです。
ロングテールとはあまり購入されることのないニッチな商品でも、アイテム数を幅広く取り揃えることで購入する顧客の総量を増やし、結果的に売上が大きくなる現象のこと。「売れ筋商品(Best Sales)」と「それ以外の商品(Worse Sales)」を並べたとき、売上の少ないほうの商品郡が、低くて長い生き物のしっぽに見えることから、ロングテール(長いしっぽ)という名称が付けられました。アメリカのWired誌編集長のChris Anderson(クリス・アンダーソン)氏が、提唱したと言われています。
例えばニッチな機能でもオプションとして取り揃えておくことで、幅広いニーズの顧客に対応するのは、ロングテールを意識した施策です。
複数の単語から成るキーワードで検索するユーザーのニーズを満たすコンテンツを作成。そして、上位表示を獲得し、Webサイトへの流入数を増やす施策をロングテールSEOといいます。
例えば、「BtoBマーケティング」というキーワードは検索数が多いですが、その分、ライバルコンテンツも多いため、上位表示を獲得するのは難しいかもしれません。そこで、「BtoBマーケティング SaaS 施策」といった複数の単語を組み合わせたキーワードで、上位表示を狙う施策といえます。
複数の単語で検索するユーザーは、ニーズが顕在化していることも多く、コンバージョンにつながりやすいなどのメリットもあるでしょう。
ロングテールキーワードとは前述した通り、「BtoBマーケティング SaaS 施策」など複数の単語の組み合わせから成る検索キーワードのこと。
ロングテールキーワードで検索するユーザーは、ニーズが具体化している可能性があります。そのため、コンバージョン率(アクセスしたユーザーが商品の問い合わせや成約などに至る確率)も良い傾向に。ただ、そもそも検索するユーザーの母数が少ないため、アクセス数は稼ぎにくいです。
とはいえロングテールキーワードで制作するコンテンツは、買い手と売り手の期待値の差を埋めてくれる役割があります。つまり導入してから「やっぱり違った」と思うユーザーの減少によって、解約率を下げるといった効果も期待できるのです。
以上、今回はBtoBマーケティングでよく使われるマーケティング用語について「ラ行編」と題し、お届けしました。続く次回は「ワ行編」のマーケティング用語を紹介していきます。