営業手法とは?マーケ担当者が理解しておくべき営業を一覧化!

2022/02/28
BtoBマーケティング 営業手法 営業手法とは?マーケ担当者が理解しておくべき営業を一覧化!

ほとんどの企業にとって、営業による新規見込み客の獲得は重要な課題です。特に見込み客との接触機会が少なくなりがちなBtoB企業やSaaS企業では、効率的な営業を行う必要があるでしょう。

新型コロナウイルスの影響もあり、企業の営業活動を取り巻く環境は大きく変化しています。2020年12月に行われた調査によれば、買い手は「訪問営業」よりも「リモート営業」を好ましいと感じるなど、前年とは違った傾向が表れています。

とは言いつつも、日々の業務に追われている企業では、自社で行っていない営業手法について理解を深める機会はあまりないものです。「何か新しい施策を打たなければ」と思いつつも、検討が進められていないという方は、少なくないのではないでしょうか。

そこでこの記事では、最新の調査結果を盛り込みつつ、BtoB企業のマーケティング担当者が理解しておくべき営業手法を一覧でまとめました。

読み進めれば、営業手法の全体像を理解したうえで、どれに注力すべきかを検討する材料がそろえられるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

営業手法とは?

営業手法とは、新規の見込み客を獲得して、商談につなげるために用いる戦略的な手法のことです。大きく「アウトバウンド型」と「インバウンド型」との2種類に分けられます。売上げを伸ばして事業を成長させていくためにためには、2種類の営業手法の違いを理解したうえで、目的や状況に応じて使い分けることが不可欠だといえるでしょう。

そこでまずは、マーケティング担当者が知っておくべきポイントと、それぞれの型で獲得できる見込み客の違いについて解説します。

マーケティング担当者が営業手法を知っておくべき理由

マーケティング担当者は、「インバウンド型」と「アウトバウンド型」の特徴について熟知しておくべきです。両者を使い分ける意識がなければ、効率の悪い営業手法にこだわってしまい、見込み客の獲得が思うように進まなくなる可能性が高いからです。それぞれの型について、下表にまとめました。

 

特徴

代表例

アウトバウンド型

・企業から見込み客にアプローチする

・営業先をまとめた「リスト」を使用

・テレアポ営業

・飛び込み営業

インバウンド型

・見込み客から企業へのアプローチを促す

・見込み客にとって有益な情報を発信

・展示会やセミナー

・Webサイトコンテンツ

 

BtoB企業によくある失敗は、アウトバウンド型の営業手法ばかりに注力してしまうことです。アウトバウンド型の営業は、昔からずっと行っている企業が多く、勝手がよくわかっています。見込み客と直接やり取りをすることで「一生懸命に営業している」という実感が得られることもあり、「高い効果があるはずだ」と思い込んでいる企業も多いようです。

しかし、データを確認すると、アウトバウンド型の営業だけでは限界がある現状が見えてきます。

営業活動の受注率

(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000015335.html

上図は2020年2月に、BtoB営業を行う会社員・会社役員を対象に行われたアンケートの結果です。このデータからは、「テレアポ」と「飛び込み営業」を受注率が良いと感じる割合は、それぞれ25.3%と14.4%という比較的低い割合であることが読み取れます。 現場の営業担当者は、これらのアウトバウンド型の営業手法に、あまり手応えを感じていないようです。

電話恐怖症の割合

(引用元:https://saleszine.jp/news/detail/1489

また上図は、2020年5月に発表された調査結果です。電話がかかってきた際、あるいは自分から電話をかける際にストレスを感じる人を「電話恐怖症」と定義し、その割合が約40%に達すると明らかにしました。

「テレアポ」を行う際には、電話の受け手が感じるストレスも考慮すべきです。相手が電話を受けること自体をストレスに感じる場合、テレアポによって自社のイメージが悪化してしまうことがあります。

こうしたデータを見ると、飛び込み営業やテレアポといった昔ながらの営業方法は、現代には合っていない部分もあるのではと推測できます。もし現在、アウトバウンド型の営業方法にしか取り組んでいないのであれば、インバウンド型も取り入れることで、営業の成果を大きく伸ばせるかもしれません。だからこそマーケティング担当者は、営業手法を幅広く知っておくべきなのです。

アウトバウンド型とインバウンド型で取れる見込み客の違い

アウトバウンド型とインバウンド型では、獲得できる見込み客にも違いが生じる傾向があります。どのような違いがあるのか、具体的に3つ紹介します。

違い1:好意の持ちやすさ

飛び込み営業やテレアポといったアウトバウンド型の営業手法では、相手の準備ができていない状態で、面会や電話に出ることを求めることになります。そのためタイミングによっては、迷惑だと感じられてしまう危険があるのです。アウトバウンド型では、見込み客よりも自社側の都合を優先しがちであるため、見込み客に好意を持ってもらいにくい傾向があるといえます。

営業を受けて嫌な思いをした経験

(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000205.000003149.html

上図は2021年5月に行われた調査の結果です。「営業を受けて嫌な思いをした経験」をしたことがあるかを問う質問に対して、メールや電話での営業では66.0%、訪問営業では42.0%が経験ありと回答しました。アウトバウンド型の営業手法では、見込み客に好意を持ってもらうどころか、嫌な思いをさせることも多い実態が読み取れます。

一方インバウンド型の営業手法では、見込み客は自分の好きなタイミングで行動を起こせます。具体的には「Webサイトを見て気になったから問い合わせをする」「展示会で興味を持って担当者に声をかける」などは見込み客側からの行動であり、自社がそれに対応する形で営業が行われるのです。

すると見込み客は「自分の求めにきちんと応じてもらえた」と感じるため、企業に好意を持ちやすいといえます。

違い2:製品サービスへの興味の度合い

アウトバウンド型の営業手法では、相手が自社の製品サービスに興味がないことも多くあります。企業側からアプローチする際に、見込み客の興味の度合いを事前に知ることが難しいためです。まず見込み客に興味を持ってもらう必要があるため、製品サービスの購入に結びつける難易度が高い傾向があります。

辛いと思う営業活動

(引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000015335.html

上図は、前述したBtoB営業を行う会社員を対象にしたアンケートにおける「行っている営業活動のうち辛いと思うものの割合」です。飛び込み営業が77.6%でトップ、次いでテレアポの47.4%という結果でした。飛び込み営業やテレアポでは、製品サービスに興味のない見込み客も相手にするため、営業パーソンに精神的な負担がかかっていると推測されます。

一方インバウンド型ではたいていの場合、見込み客は自社にアプローチしたタイミングで、すでに興味が高まっています。見込み客は自身で製品サービスの情報に触れて、興味を持ったからこそ、問い合わせなどの行動を起こしているからです。こうした顧客は、特に売り込みなどをしなくても、購入を進めてくれることが多い傾向があります。

違い3:自社に対する関心や知識の程度

アウトバウンド型で獲得した見込み客は、自社に対する関心や知識があまりない場合も少なくありません。見込み客からすると「営業を受けたから対応している」という形であり、製品サービスを販売している会社を知っていたり、関心があったりするわけではない場合がほとんどだからです。そのため自社との関係を深めるために、多くの時間や労力を必要とする傾向があります。

AISASモデル

(引用元:https://www.chronoba.com/method/234.html

上図は消費者の購買モデルとして広く知られている「AISAS」モデルです。アウトバウンド型の営業手法では、AISASにおいて最初の「Attention:注目」のステップから、顧客との関係を始める場合がほとんどです。そのため購入が行われる「Action:行動」のステップまでが遠いことが、この図から視覚的にもわかります。

対してインバウンド型の営業手法では、見込み客は自社について関心や知識を持っていることが少なくありません。製品サービスの購入を検討する前から、WebサイトやSNSなどを通してさまざまな情報に触れており、すでに自社のファンになっている場合もあるのです。そうした見込み客は、長期的な優良顧客になってくれる可能性が高いでしょう。

インバウンド型の場合、主にAISASモデルの「Search:検索」のステップの見込み客にアプローチします。つまり、購入を行う「Action:行動」のステップのすぐ隣に、すでに見込み客はいるのです。そのためアウトバウンド型の営業手法と比較して、製品サービスの購入につなげやすいといえます。

アウトバウンド型とインバウンド型の営業/マーケティング手法一覧

アウトバウンド型

インバウンド型

飛び込み営業

展示会・セミナー

レター営業

Webサイトコンテンツ

テレアポ営業

コンテンツ制作

メール営業

SEO(Search Engine Optimazation)

お問い合わせフォーム営業

プレスリリース営業

SNSでのDM営業

SNSマーケティング

 

上表にまとめたアウトバウンド型とインバウンド型の営業手法について、それぞれ詳しく解説します。

Act-On社とDemand Metric社は、中規模のBtoB企業を対象に営業手法に関する調査を行いました。その結果、インバウンド型またはアウトバウンド型のみに依存している企業は20%未満で、84%の企業は両方を何らかの形で組み合わせて使用していることが明らかになりました。

多くの企業にとって、両方の型の営業手法をバランスよく取り入れることが重要です。ただし、業界・業種やビジネスモデルによって、効果的な比重は異なります。

自社が成果を得やすい手法を組み合わせつつ、最適なバランスを考えるために、営業手法ごとの特徴や他企業の取り組みを確認しておきましょう。

アウトバウンド型の営業手法

アウトバウンド型の営業手法を6つ紹介します。アウトバウンド型の営業手法が有効なケースもまだまだ多いので、複数の手法を試しつつ、自社に合ったものを探すとよいでしょう。

飛び込み営業

飛び込み営業は、事前にアポイントを取らずに相手企業を訪問する営業手法です。見込み客と直接顔を合わせて話をするため、信頼を得やすいという利点があります。

ただし、見込み客は「いきなり会社に押しかけられた」と感じやすいため、自社に対して悪い印象を持たれやすいでしょう。面会を求めることで、相手の時間を奪ってしまうことにもなります。

また前述した通り、営業パーソンが「辛い」と感じやすい点にも注意が必要です。こうした理由があるため、飛び込み営業を行うかは、慎重に判断することをおすすめします。

飛び込み営業は、営業パーソンを鍛える目的で、社員教育として取り入れられる場合もあります。有名なのはリクルート社の事例です。

こちらの記事では、銀座で3日間「ビル倒し」と呼ばれる営業を行ったと、元社員の方が語っています。ビル倒しとは、雑居ビルの最上階から1階まで入居している会社すべてに対して、飛び込み営業を行うことです。飛び込み営業を辛いと感じる人が多いからこそ、あえて取り組ませることで精神面を鍛える効果が大きいと、リクルート社は判断しているのでしょう。

レター営業

レター営業では、相手企業の担当者や決済者に手紙やハガキを送ってアプローチをします。電話やメールとは異なり、手紙という「形のあるもの」が見込み客の手元に残るのが特徴です。手間をかけることで誠意が伝わりやすく、相手の印象に残りやすい点がメリットです。

ただし、ひとつずつ手紙を書く必要があるため、営業する側の負担は大きくなります。たくさんの見込み客にアプローチするのではなく、ここぞというタイミングに限って使うことで、労力に見合った成果を得やすいでしょう。

こちらの記事では、従業員6人ほどのメーカーによる、レター営業の事例が紹介されています。大企業の代表取締役社長など宛に直接手紙を書いて送り、その後にフォローの電話を入れたところ、1割ほどの企業と初回商談が実現したそうです。この事例からも、知名度がない小規模企業が大企業に対して行う営業手法として、レター営業は効果的だと考えられます。

テレアポ営業

テレアポ営業は、見込み客に電話をかけてアポイントを取り、具体的な商談につなげる営業手法です。飛び込み営業と並んで昔から使われている手法で、現在でも取り入れている企業は少なくありません。見込み客の側としては、電話を受けるだけならそれほど負担に感じないため、飛び込み営業よりも話を聞いてもらえることが多い傾向があります。

とはいえ見込み客は、テレアポ営業を毎日何件も受けている可能性があります。その場合には、テレアポを迷惑だと感じられやすいでしょう。また前述したとおり「電話恐怖症」の人も少なからず存在しています。仮に現在テレアポ営業で成果が得られているとしても、その影では多くの企業からの印象を損ねているかもしれません。テレアポ営業の導入は、慎重に検討した方がよいでしょう。

人材採用支援などを行う株式会社クイックは、テレアポ営業の効率化に取り組みました。コール数や接続数などのデータをリアルタイムに把握し、情報を蓄積することで、休眠顧客へのアプローチの円滑化に成功。そして、半年間で休眠顧客と70件の商談を行い、17件の受注につなげたのです。

テレアポ営業はアナログな営業手法だからこそ、データの活用により改善する余地が大きく存在します。すでにテレアポ営業を導入している会社であれば、日々の営業で得たデータを有効に活用できているか、検証してみるとよいでしょう。

メール営業

メール営業は、見込み客にメールを送ってアポイントメントを取り、電話や対面での商談につなげる営業手法です。メールの内容は簡単に複製できて、送信するための費用もほとんどかからないため、大勢の見込み客にアプローチする際に適しています。メールは自分の好きなタイミングで開封できるので、見込み客にあまり負担をかけない点もメリットです。

メールの送信数と開封率

(引用元:https://saleszine.jp/news/detail/1731

上図は2020年におけるマーケティングメールについてのデータです。新型コロナウイルスの影響で対面営業がしにくくなったことで、メールがこれまで以上に営業で活用されるようになっている傾向が読み取れます。メール開封率が高まっているデータも明らかにされており、メール営業のチャンスは大きくなっているといえるでしょう。

メール営業をするには、あらかじめ見込み客のメールアドレスのリストを作成または入手する必要があります。自社の製品サービスに興味のない人ばかりのリストに対してメールを送っても、反応は得にくいため、リストの質がメール営業の成功を大きく左右します。また、メールは開封すらされずに放置されることも多いので、件名で興味を引くなどの工夫が大切です。

シナジーマーケティング株式会社では「私信風メール」の一斉送信によって、製品の導入やセミナー申し込みにつなげました。私信風メールとは、反応率を高めるためのメール配信手法です。見込み客に一般的なメルマガと判断されることを避け、営業担当者から直接送られたメールであると認識してもらうことを目指します。

メールに相手の名前や会社名などを盛り込むと、見込み客は「自分に向けて書かれたメールだ」と感じ、開封して反応を返してくれやすくなります。1件ごとにメールに名前などを盛り込む手間をなくしたい場合は、作業を自動化できるメール配信ツールを導入してもよいでしょう。

お問い合わせフォーム営業

お問い合わせフォーム営業では、企業のWebサイトなどに設置されているお問い合わせフォームからメッセージを送ることで、見込み客にアプローチします。見込み客のメールアドレスや電話番号を知らなくても営業できるため、リストを持たない企業でも、すぐに取り組むことが可能です。お問い合わせとして送るため、通常のメールよりも内容を確認してもらいやすいというメリットもあります。

ただし、相手企業は営業を受けるためにお問い合わせフォームを設置しているわけではありません。「お客さまの疑問を解決する」などの本来の業務を邪魔することになると、自社の印象が悪くなってしまう可能性があります。迷惑なメッセージだと思われないように、十分な配慮が必要です。

SNSでのDM営業

FacebookやTwitterなどのSNSの企業アカウントに対して、ダイレクトメッセージ(DM)を送ることで営業する方法もあります。見込み客はSNSのフォロワーと交流したいと考えている場合が多いので、DMを送ることで内容をチェックしてもらいやすいでしょう。

SNSではお互いのアカウントの投稿内容を確認できるため、メールよりも親近感を持ってもらいやすいという効果も期待できます。

SNSでDM営業をする際は、他の担当者につないでもらう意識を持っておくとよいでしょう。SNSの運用者は業務委託先であるなど、本来営業すべき相手ではない場合も多いためです。製品サービスの購入までのステップが多くなりがちな点には、留意しておきましょう。

インバウンド型の営業/マーケティング手法

インバウンド型の営業手法を6つ紹介します。現在アウトバウンド型の営業手法ばかりに偏っている企業は、インバウンド型も取り入れることで、さらなる見込み客の獲得が期待できるでしょう。

展示会・セミナー

展示会・セミナーで見込み客にアプローチすることは、インバウンド型の営業手法のひとつです。展示会・セミナーでは見込み客と顔を合わせて話せるうえ、製品に実際に触れてもらうことも可能なので、信頼を得やすい点が大きなメリットです。展示会は「名刺をとにかく集める」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、他にもさまざまな目的で利用できます。

展示会の目的

(引用元:https://b2b-marketing.co.jp/ebook-exhibition2020/

上図は2020年にBtoB企業を対象に行われたアンケートの結果です。「展示会への出展あるいは自社開催によるマーケティング・営業活動の目的は? 」という質問に対して、最も回答が多かったのが「会社・商品の知名度向上」、次いで「ブランド力の向上」です。このように展示会では、見込み客の獲得以外の効果も期待できます。

ただし、展示会に出展したりセミナーを開催したりするには、準備の段階から費用や労力の負担が大きくなりがちです。費用や労力に見合った成果が見込めるのか、事前にしっかりと検証しましょう。

情報システムの構築・運用などを行うアルプスシステムインテグレーション株式会社では、展示会と他の営業手法を効果的に組み合わせることで、受注を増やすことに成功しました。その手順は以下の通りです。

  1. 展示会で見込み客の名刺を収集
  2. メールでのアプローチを前提にデータベースを構築
  3. メール営業で有望な見込み客を絞り込み
  4. テレアポで「ホット」度別に仕分け
  5. 対面での商談で受注

展示会への出展には労力がかかるため、出展しただけで満足してしまう企業が多い傾向があります。入手した見込み客のリストを、受注につなげる仕組みを構築してこそ、展示会・セミナーでのアプローチは効果的になるでしょう。

Webサイトコンテンツ

Webサイトコンテンツを充実させることで、集客効果が期待できます。Webサイトを見た見込み客に興味を持ってもらえれば、問い合わせなどの行動につなげやすくなるからです。特に専門的な情報を発信する「オウンドメディア」を運営すれば、自社の製品サービスと相性がよい見込み客を集めやすいでしょう。

おかんの給湯室

(OKANのメディア「おかんの給湯室」)

たとえば社食サービスなどを手掛ける株式会社OKANは「おかんの給湯室」というオウンドメディアを運営し、会社の福利厚生などをテーマにしたコンテンツを発信しています。オウンドメディアで「自社の福利厚生を改善したい」といったニーズを持つ人を集めることで、自然に社食サービスにも興味を持ってもらう流れを作っているのです。

Webサイトコンテンツを充実させる際は、なぜそのコンテンツが必要なのか、目的を明確にすることが大切です。目的が明確ではないまま制作を進めてしまうと、Webサイトが雑多なコンテンツばかりになり、成果につながりにくくなるため注意しましょう。

コンテンツ制作

見込み客に配布するコンテンツを制作することも、有力なインバウンド型の営業手法です。有益なコンテンツを提供する代わりに、見込み客に以下のような情報を提供してもらうことが一般的です。

  • 氏名
  • 会社名
  • 部署名
  • メールアドレス
  • 電話番号

こうした情報に基づいて、後日メールや電話で営業することで、自社と相性がよい見込み客に効率よくアプローチできます。見込み客がコンテンツに満足していれば、自社に対して好意や信頼感を持ってくれている場合が多いため、製品サービスの購入にもつながりやすいでしょう。

たとえば前述した「おかんの給湯室」であれば「従業員満足度を高める福利厚生ガイドブック」という無料eBookが、コンテンツとして用意されています。そしてこのガイドブックをダウンロードした人は、自社の社食サービスにも興味を持ちやすいと予測できます。このように自社の製品サービスと関連性が高いコンテンツを用意することで、より成果につながりやすくなるでしょう。

コンテンツ制作では、品質に徹底的にこだわるべきです。コンテンツをダウンロードした見込み客が「この程度の内容か」「期待はずれだ」などと感じてしまうと、むしろ信頼を失いかねません。コンテンツ制作に注力するつもりがないのであれば、最初から取り組まないことをおすすめします。

SEO(Search Engine Optimazation)

SEOは日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれ、Googleなどの検索エンジンで検索された際に、自社のコンテンツが上位に表示されるようにするための手法を指します。検索エンジンで検索する人はニーズが明確であるため、製品サービスの購入につながる見込み客を集めやすいのが特徴です。

たとえば「ライブ配信 ツール」というキーワードで検索する人は、「ライブ配信で使えるツールを探したい」というニーズがはっきりしています。自社がライブ配信ツールを販売している場合、このキーワードで自社のコンテンツを上位表示させることができれば、見込み客の獲得につなげやすいでしょう。

ただし、SEOには以下の注意点もあります。

  • 必ず上位表示できる方法はない
  • 競合コンテンツが強力だと上位表示は難しい
  • 上位表示までには数ヵ月以上の時間がかかる
  • 検索アルゴリズムのアップデートの影響で順位が安定しない

SEOに取り組む際は、これらに留意したうえで長期的な戦略を考える必要があります。

初心者のためのブログ始め方講座

(エックスサーバーのメディア「初心者のためのブログ始め方講座」)

レンタルサーバー事業などを行うエックスサーバー株式会社は、オウンドメディア「初心者のためのブログ始め方講座」で、SEOを成功させています。ブログやサーバーに関連したキーワードで、メディアの記事が上位表示されることで、自社と相性のよい見込み客を集めているのです。

エックスサーバー社では、自社公式サイトのサブディレクトリでメディアを運営しています。企業が運営する公式サイトのドメインは、所有者の情報が公開されていたり、すでに被リンクを集めていたりするため、上位表示されやすい要素を備えています。エックスサーバー社はその点を考慮したうえで、既存ドメインでの運営を決めたのでしょう。

BtoB企業がオウンドメディアを立ち上げる際には、エックスサーバー社の例のように、公式サイトのドメインを活用することを検討するとよいでしょう。

プレスリリース営業

プレスリリース営業は、自社や製品サービスについて報道機関に報じてもらうことで、認知を広める手法です。大手メディアに報じてもらえれば、多くの人に製品サービスの存在や特徴を知ってもらえます。

プレスリリースを利用することで、自社のWebサイトに情報を掲載するよりも「情報の信頼性が高い」と見込み客に感じてもらいやすいメリットもあります。小規模な企業であっても、「PR TIMES」などのプレスリリースサイトを利用することで、手軽に報道機関にアピールすることが可能です。

ただし、プレスリリースを配信したとしても、必ず大手メディアに取り上げてもらえるわけではありません。プレスリリースを出すタイミングや、自社の製品サービスをどのような切り口でアピールするかなどを考え、話題を集める工夫をする必要があります。

クララオンラインのプレスリリース

(クララオンラインのプレスリリース)

クラウドサービスなどを展開する株式会社クララオンラインは、オンラインカンファレンスを告知するために、こちらのプレスリリースを配信しました。カンファレンスの開催目的は、申し込みを受け付けることで、見込み客の連絡先を取得することだと思われます。

この例のように、イベントページへのリンクを貼るだけではなく、プレスリリース自体にもイベントの詳細を記載すると、より集客効果が高まります。オンラインのプレスリリースであれば、文章量に制限がないうえ、画像や動画をたくさん盛り込むなどの工夫も可能です。

単に情報を載せるだけでなく、見込み客に直接アピールする熱量を込めることで、成果につながるプレスリリースを作りやすくなるでしょう。

SNSマーケティング

BtoCだけでなくBtoBでも、SNSマーケティングが注目されています。FacebookやTwitterなどのSNSを使って情報収集をしている企業は多いため、自社の製品サービスに関連する情報を発信することで、購入につながりやすい見込み客を集められるでしょう。

SNSは主に交流を目的として使われるので、商品を売り込むような発信ばかりしていると、うっとうしいと思われてしまいがちです。ちょっとしたお役立ち情報や、共感できるようなエピソードなどを発信すると、見込み客に好感を持ってもらいやすい傾向があります。

SNSで見込み客を集めるためには、こまめな運営が欠かせません。毎日投稿したり、コメントに返信したりして、地道にフォロワーとの関係を深める必要があります。SNSアカウントを開設するだけでは効果は見込めないことを、理解しておきましょう。

ferret

(ベーシックのメディア「ferret」)

Webマーケティングをテーマとしたオウンドメディア「ferret」を運営している株式会社ベーシックは、SNSを活用することで発信力を高めています。メディアで公開した記事を、それぞれ3万人以上のフォロワーがいるTwitterFacebookのアカウントで拡散することで、より多くの見込み客へのアプローチを実現しているのです。

ferretのアカウントでは、フォロワーとの積極的な交流は行っていないようですが、それでも多くのフォロワーを抱えることに成功しています。有益な情報を継続的に発信さえしていれば、フォロワーとの交流は必要不可欠ではないとわかる事例です。

SNSマーケティングを成功させる方法はさまざまなので、まずはアカウントを開設して運用しながら、自社に合ったスタイルを探してみるとよいでしょう。

まとめ

営業手法はアウトバウンド型とインバウンド型の2種類に分けられます。BtoB企業では、アウトバウンド型の手法ばかりに頼ってしまうケースがあるため、意識的にインバウンド型の手法も取り入れるとよいでしょう。

アウトバウンド型とインバウンド型の営業手法について、それぞれ6つ、合計12の手法を紹介しました。どれか1つの手法にこだわるのではなく、複数の手法をバランスよく組み合わせることで、大きな成果が期待できます。最適なバランスを探るためにも、自社がまだ取り入れていない営業手法を試して、効果を検証してみてはいかがでしょうか。

戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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