2022年にはインターネット利用率が84.9%に達し、多くの企業がWeb上でのマーケティング活動に注力しています。インターネットでの集客で他社に劣らないために、データに基づいてWebサイトを改善していくことは欠かせません。
Webサイトの分析を行う中で重要な指標として「PV数(ページビュー数)」と「セッション数」があります。しかし、「PV数(ページビュー数))」と「セッション数)」という言葉はよく耳にするものの、両方とも似たような指標で違いがいまいちよくわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、BtoB企業やSaaS企業のマーケティング担当者に向けて、「PV数(ページビュー数)」と「セッション数」の違いやそれぞれの利用シーンごとの使い分け、さらには「PV数(ページビュー数)」と「セッション数」を増やしていく方法について解説します。
本記事を読めば、PV(ページビュー)とセッションの違いを理解したうえで、Webサイトを改善するために何をすべきかがわかるかと思います。ぜひ最後までお読みください。
PV(ページビュー)とは、Webページが閲覧される行動のことを指します。そのため、PV数(ページビュー数)とは、ユーザーからWebページを閲覧された回数のことです。たとえば、あるユーザーが2ページ、3ページ、……と自社サイトの多くのページを閲覧すれば、PVも2、3、……と、どんどん増えていきます。
一般的に言われるWebサイトの「アクセス数」との定義はあいまいですが、PV数と同じ意味を示すことが多いようです。「月間100万PVを突破」のように、Webサイトやメディアの人気をアピールする際の指標にもよく使われます。
セッション数とは、ユーザーがWebサイトを訪れてから離脱するまでの流れの数のことです。離脱するまでにユーザーがたくさんのページを訪れたとしても、セッションは「1」とカウントされます。
たとえば、ユーザーが1度のサイト訪問の際に10ページのWebサイトの回遊(閲覧)した場合を考えてみましょう。セッション数でみると、10ページを離脱をせずサイトの閲覧をしていることになりますので1となります。
ただし、ユーザーがWebサイトを離脱してから何度も訪問すれば、再訪問のたびにセッション数がカウントされます。
PV数とセッション数は、どちらもWebサイトがどれだけビジネスに役立っているかを把握するための指標として利用されます。しかし、両方ともWebサイトの閲覧を記録を示しているという点で類似しているため、違いがわかりづらい点もあります。
PV数とセッション数の違いを再度整理すると次のようになります。PV数=Webページが閲覧された回数、セッション数=Webサイトを訪れてから離脱するまでの流れの数。PV数は閲覧されたページの数を表すのに対して、セッション数は1回のWebサイト閲覧の流れの数を表します。
たとえば以下の図のように、ユーザーが1度のサイト訪問の際に4ページのWebサイトの回遊(閲覧)した場合で考えてみましょう。セッション数でみると4ページを離脱をせずサイトの閲覧をしていることになりますので1となります。しかしページの閲覧単位では、PV数は4となります。
PV数は、必ずセッション数に含まれます。そして、1つのセッションが多数のPVを含むこともよくあるため、PV数は必ずセッション数と同じか、それ以上の数になります。
(参考:Googleアナリティクス)
PV数とセッション数は、どちらもウェブアナリティクスというアクセス解析ツールを用いて計測できます。ウェブアナリティクスの代表的なツールが「Googleアナリティクス」です。Googleが提供しており無料で使えるので、まだツールを導入していないのであれば、試してみることをおすすめします。
PV数のカウント方法は、どのツールを使用してもほぼ同じです。一方で、セッションはツールによってカウント方法が異なる場合があります。たとえば、「Googleアナリティクス4」では、同一のユーザーによる1回の訪問であっても、「30分間操作が行われなかった」場合には別のセッションとしてカウントされます。
たとえば、朝8時にユーザーが訪れ、サイト内のコンテンツを見た場合、その後30分間経過すると1回のセッションは「終了」となります。再度、午前10時ごろに同じユーザーがまた同じサイトにアクセスしたら、新たなセッションとしてカウントが加算されます。
正確なセッション数を計測する必要がある場合は、ツールごとにカウント方法を確認しておきましょう。
次のようなケースを想定しながら、PV数とセッション数の違いをより具体的に理解しましょう。
「ユーザーがある日の朝にサイトを訪問し、5ページを閲覧した。その後、しばらくしてから再度サイトを訪問し、さらに3ページを見た。」
この場合、「しばらくして」の間隔によってセッションの計算が変わってきます。
◉「しばらくして」が30分以内だった場合:
セッション数=1
PV数=8
短時間内の訪問(Google アナリティクスでは30分以内と定義)が連続した場合には、これらは1つのセッションとしてカウントされ、セッション数「1」となります。
◉「しばらくして」が30分以上だった場合:
セッション数=2
PV数=8
Google アナリティクスでは、30分間操作が行われなかった場合「セッション切れ」と定義しているため、上記の場合にはそれぞれ別のセッションとしてカウントされます。
PV数とセッション数は、Webサイト訪問者の行動を測定する重要な指標ですが、ユーザー数はこれらとは異なる側面を表します。
一方、ユーザー数は「特定期間内にサイトを訪れた個別の訪問者の数(ブラウザのCookieで判別)」を表し、同一ユーザーによる複数訪問であれば「1」として数えます。ただし、ブラウザのCookieで「1人」と判別しているので、ある人がパソコンから閲覧し、また別のタイミングでスマートフォンからも見た場合には「2人」とカウントします。
これらの指標は、サイトのリーチとエンゲージメント(ユーザーが意思を持って何らかのアクションを起こすこと)を理解するための基礎だといえます。どれだけの人にサイトの存在を知ってもらえていて、実際に訪問してくれているかがわかるからです。
PV数とセッション数の計測は、Webサイトのパフォーマンスを客観的に把握し、最適化を図るうえで不可欠です。
PV数を追うことで、「サイト内でどのコンテンツが人気があるか?」がわかります。数多くのユーザーから高い関心・支持を獲得できているコンテンツがわかれば、「今後も、同じ制作方針の記事を増やして、さらなる支持の獲得を目指そう」など、サイト運営の具体的な意思決定を後押しします。
一方、セッション数は訪問者がサイト上で行った一連のアクションをまとめて表し、エンゲージメントや、サイト内での行動パターンを理解するのに役立ちます。
たとえば、「訪問している人は多いのに、あまりページをたくさん見ずに、すぐ帰っていっている(直帰している)」などわかれば、「各ページの質を上げよう」「サイト内を回遊しやすいよう、UXを改善しよう」など、サイト改善に向けた具体的なヒントを得られるでしょう。
PV数とセッション数を追跡することで、Webサイトの利用者がどのようにサイトに対してエンゲージメントしているかを詳細に分析し、改善点を特定することが可能になるのです。
Webサイトを改善する際の指標として、PVとセッションのどちらを利用すべきか、迷ってしまうかもしれません。
そこでまずは、PVを利用すべき以下の3つのシーンについて解説します。
どのページへのアクセスが多いのかを把握したい場合は、PV数を利用しましょう。PV数は、ページごとに確認して比較できる数だからです。
たとえば、ある期間に計測した際に、PV数が以下の通りだったとします。
この場合は、他と比較してページAのPV数が特別に多かったことがわかります。その理由を考察し、ページAの優れた点を他のページにも展開することで、サイト全体のPV数を増やせるかもしれません。ページごとに比較できる点は、セッション数にはない、PV数ならではのメリットです。
ユーザーにサイト内を回遊してもらうことが重要な場合は、PV数を利用するとよいでしょう。
高額な製品サービスを扱うBtoB企業やSaaS企業であれば、ユーザーが購入を決めるまでに、情報収集に時間をかけることが多くあります。その場合、サイト内の多くのページを見てもらうことが、製品サービスの購入を後押しすることにつながるでしょう。
そのコンテンツには、詳細な製品説明ページ、ケーススタディ、利用事例、FAQセクションを充実させることなどが考えられるでしょう。また、ウェビナーのアーカイブ動画や、デモビデオを通じて製品の特徴や利用方法を深く理解してもらう手法もおすすめです。ユーザーによりサイト内を回遊してもらうためには、多くの情報を提供することが有効です。
ユーザーの回遊を促してサイト全体のPV数を増やすことで、売上げアップを目指せます。
多くの製品を取り扱うショッピングサイトを運営しているのであれば、PV数に注目するとよいでしょう。製品ページがたくさん閲覧されるほど、買い手がほしい商品を見つけて、購入してくれる可能性が高まるからです。
(ネットストア「モノタロウ」)
たとえば、株式会社MonotaROが運営する事業者向けのネットストア「モノタロウ」では、1800万点にもおよぶ商品を取り扱っています。このようなサイトでは、多くのページを閲覧してもらうことで、ユーザーが購入に移るチャンスを広げられるでしょう。大規模なショッピングサイトでは、売上げにつながる指標としてPV数を利用しやすいといえます。
PVを指標にすることで、どの製品が多くの関心を引いているかが明確になります。すると、「今後、どんな製品を訴求すべきか?」というマーケティング戦略の調整や仕入れ調整・在庫管理にも役立つでしょう。特に多様な商品を扱うショッピングサイトでは、顧客の興味の傾向を捉え、ターゲットを絞ったプロモーションを行ううえでも役に立ちます。
たとえば「PVが少ない」という課題に気づいた際には、「注目してほしい個別商品に関して、あまり露出ができていないかもしれない。SEOで上位を獲得できるようコンテンツを改善する、あるいは、サイト内の関連商品からの回遊による流入導線を作ろう。そのほか、SNS投稿や、広告出稿などで露出面を増やして、ページへの流入を獲得しよう。」など、取るべき策を具体的に検討できるでしょう。
PVよりもセッションを利用すべきシーンを2つご紹介します。
セッション数は訪問者の訪問回数を表し、Webサイトへの新規またはリピート訪問の傾向を捉えるのに適しています。訪問者を増やす施策(広告施策、SEO施策など)の影響を正確に評価するには、PV数よりもセッション数を追跡するとよいでしょう。
たとえば、2月のメディアへのPV数とセッション数の数字が、「500PV、500セッション」だったとします。それを踏まえて、翌3月の目標として、訪問者(数)を倍にするという目標を設定して、施策を実行します。3月が終わり集計してみたところ「1000PV、500セッション」という数字がでました。
この例でいうと、PV数が2倍になってメディアとしてはもちろん喜ばしい結果です。しかし、セッション数に変化がないため、3月に設定していた訪問者の目標は達成できなかったということになります。(訪問者の数は変わらず、訪問者の一人当たりのページ閲覧数が2倍になったと推測できる。)
PV数が増えていることは良い傾向ではあるので、次に考える打ち手としては「いかにして新規のユーザーや既存ユーザーをメディアに来てもらうのかの導線を考える」ことに絞ることができます。
ユーザーに頻繁にアクセスしてほしい場合には、セッションの利用が適しています。
セッションは、新たなユーザーが訪問したときだけでなく、同一のユーザーが一定の時間(Googleアナリティクスでは30分と定義)を空けて訪問する度にもカウントされるからです。
たとえば、ある会社員が出勤前、昼休み、帰宅後の3回Webサイトにアクセスすれば、セッションの数は「3」です。何度も訪れたくなるサイトを目指すのであれば、改善を進めるための指標として、セッションを利用するとよいでしょう。
セッション数の把握は、リピート訪問の行動を捉えるために有効です。ユーザーから見たサイトの魅力や、リピート訪問を促すための施策(たとえば、連載記事の公開や、キャンペーンの実施など)の成果を評価できる指標となります。
また、実際にリピート訪問しているユーザーが、サイト内でどのような行動をとっているかも洞察してみましょう。「うちのサイトによく来る人は、訪問のたびにおおむねこのコーナーを見て、平均で週2回ほどリピート訪問している」など、リピート利用者の具体的な行動パターンがわかれば、その導線をわかりやすく強調したUIに変えるのもよいでしょう。
すると、他ユーザーもサイトを訪問した際に、「ここを見れば、(製品導入検討段階などで)参考になるコンテンツがあるんだな」などわかりやすくなり、ユーザーエンゲージメントをより高め、サイトの価値の向上につながります。
ページビューとセッションのそれぞれについて、増やすための方法をご紹介します。Webサイトの目的や予算、改善にかけられる期間などに合わせて、自社に適した方法を試してみましょう。
PV数を増加させるには、以下の2つのアプローチがあります。
「セッションを増やす」方法については後述するので、ここでは「1セッションあたりのページ閲覧数を増やす方法」として、以下の2つをご紹介します。
PV数を増やすためには、ユーザーに一度の訪問でたくさんのページを閲覧してもらうことが大切です。そのためには、訪問者を自社サイト内の関連記事へと誘導するのが、有効な手段です。
関連記事への誘導は、読者が興味を持ちそうな内容を案内することで、Webサイト内での回遊を促し、PV数を増やす効果的な方法です。
記事内に、関連する他の記事へのリンクを設置することで、読者がサイト内でさらに多くの時間を過ごし、興味のあるコンテンツを探索し続けるきっかけを提供できます。この戦略は、ユーザーの滞在時間を延ばし、Webサイト全体のエンゲージメントを高めるために役立ちます。
(「おかんの給湯室」内の記事)
関連記事を活用しているサイトの事例として、「おかんの給湯室」をご紹介します。「おかんの給湯室」は、社食サービスなどを手掛ける株式会社OKANが運営するオウンドメディアです。
たとえば、メディア内の記事「社員寮の規則と運営方法とは?規定に入る事項と策定のポイントについて解説」に注目してみましょう。この記事は社員寮を導入しようか検討していたり、規則や運用方法に悩んでいたりする企業の担当者に向けて書かれています。
そしてこの記事の末尾には、この担当者が他にも興味を持ちそうな、以下の内容の関連記事へのリンクが設置されているのです。
記事を閲覧した人が、こうしたリンクから関連記事に移動することで、オウンドメディア全体のPV数が増えると期待できます。関連記事への誘導を増やすために、どの記事のリンクを設置するのがよいかを工夫してみましょう。
1つの記事を複数ページに分割することも、PV数を増やすために有効です。具体的には、最初のページに記事の途中までを掲載し、「次へ」などのボタンで続きを載せたページに誘導します。
ページを分割することで1ページあたりの情報量が減るため、読み込み速度が上がる点がメリットです。また、バナー広告を多く掲載するサイトでは、より多くの広告費を得る目的でページを分割する場合もあります。
(出典:MarkeZine)
ただし、記事を分割すると別のページに移動する手間をユーザーにかけることになるため、記事の途中で離脱される危険性が高まります。そのため、ユーザー体験を損なわないよう適切なバランスが重要です。
たとえば筆者が直近でさまざまなWebメディアを見ていて感じることですが、記事内に広告枠がある場合、ページネーションのたびに新たな動画広告が再生されたり、ポップアップ広告が出て煩わしい印象を受ける場合も。そのため、この手法にトライする際にはユーザー視点を十分に考慮し、「煩わしさがなく、読む体験を損なわないか」と配慮したうえで取り組むのがおすすめです。
BtoB企業やSaaS企業が、自社の製品・サービスを知ってもらう目的でサイトを運営するのであれば、記事の分割はおすすめしません。たとえば製品・サービスを紹介する記事を読み始めて、もしその場で関心が湧いたらすぐに「資料請求」「問い合わせ」などの動線が目に入るUIのほうが、見込み顧客にとっての体験として優れているといえるからです。
トピッククラスター戦略(サイト全体の評価を高めるためのSEO対策)を取り入れてSEO対策を強化し、検索結果での上位表示を目指すと、自然流入の増加を期待できます。検索エンジンから高い評価を受けることで、Webサイトへの訪問者数を効果的に増やす方法です。
SEO最適化に成功すると、特定のキーワードだけでなく、関連トピック全体での認知度が高まり、それが直接PV数の増加につながります。
具体的には、中心となるピラーページ(ユーザーを獲得したいキーワードを反映した、ユーザー獲得の柱になるページ)を設定し、さらにサブトピックのページを制作し、相互にリンクさせてページどうしを関連付けます。
<例>
キーワード |
|
ピラーページ |
クラウド会計ソフト |
ピラーページと関連付けるサブトピックのページ |
クラウド会計ソフト 比較 クラウド会計ソフト メリット クラウド会計ソフト 年末調整 |
この方法により、Webサイトの構造をよりクリアにし、ユーザー視点でも関連コンテンツを探しやすくなります。その結果SEO評価が上がれば、自然流入が増え、結果としてPV増加につながるといえるのです。
セッションを増やすための方法として、以下の4つをご紹介します。
これらの要素は、PV数を増加させることにもつながるので、すぐにできそうなものから取り組んでみるとよいでしょう。
SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索エンジンで検索した際に、自社サイトが上位に表示されるよう対策することです。
SEOが成功すれば、多くのユーザーが検索結果画面から自社サイトを訪れて、セッション数が増えると期待できます。
効果的にSEOを進めるためには、キーワードの選定やドメインパワーの強化など、さまざまな要素を考慮する必要があります。SEOに注力する場合は、やみくもに記事を量産するのではなく、どのようなサイトを構築するかの戦略を最初に考えましょう。
サイトの完成形を最初に決めてから、必要となる記事を1つずつ作成していくことで、効率よく検索上位を目指せます。
自社製品に関連が深く、なおかつBtoB SaaSの比較検討段階にあるユーザーが、「このサイトに行けば自分の疑問を解決できる」と、課題解決に貢献できるような、キーワード戦略とコンテンツ制作が鍵となります。
セッションを増やすには、SNSから自社サイトにユーザーを誘導することも有効です。
X(旧Twitter)やFacebook、InstagramなどのSNSを、日常的に利用しているユーザーは多いです。SNSを通じて情報発信や交流をすることで、自社に興味を持ってもらえるでしょう。
たとえばウェビナーのアーカイブ動画や、レポート記事などBtoB SaaS検討段階のユーザーにとって、魅力的なコンテンツや限定オファー(今、無料体験を申し込むと、無料期間が延長されるキャンペーンの案内など)で関心を引きましょう。
ユーザーとの関係が深まれば、自社サイトを訪れてもらい、セッションを増やしやすくなります。
(ベーシックのメディア「ferret」)
たとえば、マーケター向けのオウンドメディア「ferret」を運営している株式会社ベーシックは、SNSを効果的に活用しています。
メディアで公開した記事を、それぞれ3万人以上のフォロワーがいるX(旧Twitter)とFacebookのアカウントで拡散することで、セッションの増加につなげているのです。SNSのフォロワーを記事に誘導し、セッション数とPV数を増やすことに成功している事例として、参考になるでしょう。
広告を出稿することも、セッションを増やすために効果的です。
自社サイトにユーザーを誘導するためには、リンクのクリックだけですぐに誘導できるWeb広告の活用をおすすめします。主なWeb広告の種類を挙げると、以下の通りです。
自社が扱う製品サービスや誘導したい記事に合わせて、適切な種類の広告を選ぶのが大切です。BtoB SaaSなら、LinkedIn広告も考えられるでしょう。比較検討段階のユーザーに、自社の強みを端的に伝えられるようなメッセージングが鍵です。
いずれの広告も「1日あたり1000円」など、少ない費用負担でも出稿できるのが特徴です。複数の広告を利用してみて、最適なものを探すとよいでしょう。
こまめに自社サイトを更新することも、セッションの増加につながります。
「新しい情報が掲載されているかも」とユーザーが何度も自社サイトを訪れるたびに、セッションが増えるからです。
「毎日12時に更新」などと、決まったペースで更新すると、定期的にチェックしてくれるファンを獲得しやすくなります。毎日、同じ時間帯に更新していることがユーザーに認識されれば「毎朝見に行こう」などたびたび訪れてくれることを期待できます。ユーザーが気になる最新ニュースなどは、できるだけ早く掲載することも有効です。
新しいユーザーを集めることだけでなく、すでに自社サイトを知っているユーザーに、頻繁に再訪問してもらうことも意識しましょう。
ここでは、GA4(Google アナリティクス4)では、どのような手順で操作すれば、PV数とセッション数を確認できるのかを図解で解説します。なお、データは、Googleが提供しているデモアカウントのものを使用しています。
(出典:Googleアナリティクス)
(出典:Googleアナリティクス)
GA4でのセッション数の計測方法は、以前のユニバーサルアナリティクス(UA)から大きく変わりました。以前は、セッションは「日付が変わると終了」し、翌日になると新しいセッションが開始すると定義されていました。
しかし、GA4ではセッションの計測がよりユーザー中心に再設計されました。ユーザーがWebサイトやモバイルアプリに接触する一連の機会を「イベント」としてセッションを考えます。この考え方の変更で、セッションが切れるタイミングの定義は変わりました。
具体的には、ユーザーがサイトやアプリに接触後、30分経ったらセッションが切れるのは、前と同じです。しかし、違う流入経路から、短時間内にまたアクセスした場合(初めはスマートフォンで見ていたが、パソコンからアクセスし直したなど)や、日付が変わっても、セッションは終了しなくなりました。
よって、長期間にわたりGoogleアナリティクスでセッション数を追ってきた企業からすると、「GA4になってから、セッション数が全体的に減った」と感じているかもしれません。
しかしこの変更は、よりユーザーの行動実態を考慮したうえで、Webサイトやアプリの利用に関して分析をおこなうことを目的としているのです。
PV数、セッション数、ユーザー数はWebサイトの分析においていずれも重要です。これらの指標は互いに関連しており、Webサイトの目的に応じて分析する・重視する指標を選ぶべきです。
それぞれの指標の意義・違いを正しく理解していれば、どんなデータも価値を持ちます。Google アナリティクスでPV数、セッション数、ユーザー数の3つを追跡・レポートするのは、それぞれ異なる側面を捉えるためだからです。
ここで3つの指標の意義を改めておさらいしてみましょう。
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それぞれ、洞察できることが違います。よって、3つをバランスよく増やしていく戦略を立てることが、Webサイトの成長に不可欠だといえるでしょう。
PV数とセッション数は混同しやすいので、違いを理解しておくことが大切です。
指標の一般的な定義を理解するだけに留まらず、「この指標を追うことで、サイト改善に向けてどのような意義があるのか?」と考えを掘り下げ、洞察を得て、実際にサイト改善施策を講じるまでが重要だといえるでしょう。
BtoB企業やSaaS企業が自社サイトを改善する際には、目的に応じてセッション数やPV数を活用しましょう。