多くの企業がSEOに取り組んでいますが、SEOは良質なコンテンツの作成さえすれば成果が出る施策と誤解されている担当者の方は多いです。確かにコンテンツの質は重要ですが、たとえそれが独自性がある素晴らしいコンテンツだとしても、ページ表示速度が遅かったり、モバイル対応していなかったりすれば、検索エンジンにも見つけてもらえず、せっかくの努力が無駄になってしまいます。
つまり、サイトの土台そのものの品質を高める「内部対策」と、サイトの価値や信頼性を外部に広くアピールする「外部対策」の両輪があって、初めて本当の意味でのSEO対策が完遂するのです。
それでは、内部対策と外部対策の取り組みにはどのようなものがあり、その違いはどこにあるのでしょうか。本記事では、SEOの内部対策と外部対策の施策をわかりやすく解説するとともに、両者の重要性や違いについても明らかにしていきます。SEOに取り組む担当者必見の内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
SEOの内部対策とは、文字通りウェブサイトの内部構造を最適化する施策のことです。具体的には、サイト内のコンテンツが目的のキーワードに適切に関連付けられているか、ページのタイトルやメタディスクリプションが適切に設定されているかなどを確認します。また、サイト内リンクの適正化、ページの読み込み速度の向上なども重要な対策です。
内部対策は、JavaScriptの使用や内部構造の分析などをする必要があることから、「テクニカルSEO」と呼ばれることもあります。技術的な側面が高い施策のため、取り組むハードルが高いのが現状です。しかし、GMO TECH株式会社プロダクトマーケティング本部部長の大澤氏によれば、コンテンツマーケティングが一通り成熟した海外では、テクニカルSEOへの注力がトレンドになっているとのことです。
また、Googleの検索チームのアナリストGary Illyes(ゲイリー・イリース)氏は、コンテンツの数が無数に増えた現代においては、無条件でインデックスされる時代は終わったと述べています。インデックスとは、検索エンジンがデータベースにウェブ上のコンテンツを保管するプロセスであり、インデックスされることで検索結果に表示されるようになるのです。
内部対策に取り組むことで、検索エンジンが適切にページ内容を理解できるようになるため、インデックス化にも期待できます。
SEO外部対策とは、主に外部サイトからの被リンク(自社ページの引用)を増やして、自社サイトのドメインパワー(権威性や信頼性)を高める施策のことです。Googleはドメインパワーが検索ランキングに直接的な影響は与えないと明言していますが、ahrefsが21万8000個以上のドメインとキーワードランキングの関係について調べたところ、ドメインパワーが高いほどランキングしたキーワード数が多くなると判明しています。
質の高い権威サイトからの被リンクを多く持つほど、検索エンジンは自社サイトを信頼できるコンテンツと判断し、サイトの権威性や信頼性が高まるのです。
具体的には、以下のようなアプローチが有効です。
良質なコンテンツの作成やSNS/プレスリリースでの発信などを通して、自社コンテンツを見てもらうことで、被リンクを得られる機会が拡大します。
(出典:QUERYY)
株式会社ニュートラルネットワークスの調査によれば、Webマーケティング担当者が最も苦手と感じる領域として「外部対策」を挙げられていますが、適切な対策をすることで効果的に被リンクの獲得を行えます。
SEOの内部対策と外部対策の主な違いを表にまとめてみました。
つまり、内部対策はサイトのユーザビリティやユーザー体験を高める一方、外部対策はサイトの評価や認知を高める取り組みと言えます。
内部対策は比較的コントロールしやすいです。また、Googleのアップデートに影響されずらいという特徴もあります。一方の外部対策は、他サイトや外部の評価次第なので、効果が現れるまでに時間を要します。
それでは、なぜSEOにおいて内部対策と外部対策が重要なのでしょうか。SEO対策では「ユーザーニーズに合致したコンテンツ制作が必要」と言われますが、実はそれだけでは効果は得られません。ここからは、SEOの内部対策と外部対策が重要な理由を見ていきましょう。
SEO内部対策が重要な理由を端的に述べれば、検索エンジンやユーザーにとって便利なウェブサイトにすることで、クローラーの巡回率やユーザーの滞在時間などを高められるためです。まずは内部対策が重要な3つの理由をご紹介します。
内部対策が重要な理由のひとつは、検索エンジンが自社サイトの内容を適切に理解し、正しく自社ページがインデックスされるようにするためです。まずはウェブページが検索ランキングに表示される仕組みを簡単にご説明します。
検索エンジンは、「クローラー」と呼ばれる高度なソフトウェアを使って、ウェブページにアクセスし、コンテンツを検索インデックスに保存します。検索インデックスとは、世界中のウェブページが集約した図書館のようなものです。ユーザーが検索をすると、検索エンジンは検索インデックスの中からユーザーにとって最適な情報を表示します。
ここで注目したいのがクローラー。クローラーはウェブサイトを解析しますが、あくまでも機械的な処理です。人間が見て直感的に内容を理解するのとは異なり、クローラーには適切な手がかりが必要となります。
そこでコンテンツ構造の適正化やSEOフレンドリーなサイトマップの作成、メタデータの最適化などをすることで、クローラーが適切に内容を理解できるようにするというわけです。内部対策を怠ると、どれだけ優れたコンテンツでも検索エンジンに正しく評価されません。
内部SEO対策を行えば、サイトのユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)が大きく改善されます。UIとは画面の見た目のデザイン性を指し、UXはユーザーがそのサイトやアプリを使った際の体験の質を指します。
たとえば、ページの読み込み速度の改善や適切なナビゲーション構成、レスポンシブデザインの導入などにより、ストレスなくスムーズにサイトを閲覧できるようになります。コンテンツの可読性を高めるレイアウト調整やフォントの最適化なども、UIの向上につながる施策です。
UI/UXが優れたサイトでは、ユーザーが求める情報にストレスなく到達できるため、満足度の向上や滞在時間の増加、他のページへの遷移などの効果を見込めます。結果、離脱率の低下やページビュー数の増加、さらにはコンバージョン率の向上といった好循環へとつながるのです。
(出典:Think with Google)
一方で、表示速度が遅かったり、ナビゲーションが分かりづらかったりするサイトでは、ユーザーは一瞬で離脱してしまうでしょう。実際にGoogleの研究では、ページ表示時間が1秒から3秒に増加すると離脱率が32%上昇し、1秒から5秒に増加すると離脱率が90%上昇することが確認されています。
ユーザーが一瞬で離脱する場合、検索エンジンにユーザーにとって価値のないサイトと判断されかねません。つまりUI/UXの改善は、検索エンジンとユーザーの双方から高い評価を得るための必須の取り組みなのです。
内部SEO対策を行えば、ウェブサイトの構造が適正化され、ユーザーが自然とコンテンツを読み進めやすくなります。つまり、サイト内を効率よく回遊してもらえる仕組みが構築できるのです。具体的には、関連記事の設置、内部リンクの最適化、重複ページの削除、サイトマップの設置などを行いましょう。たとえば、関連記事を設置すれば、記事に興味を持ったユーザーが関連記事も読むという効果を見込めます。
また、内部構造が適切であればコンバージョン率の向上を見込めます。たとえば、製品紹介ページと問い合わせページを内部リンクでつなげ、問い合わせページにはフォームだけではなく、「よくある質問」への内部リンクも設置すると、顧客が自社に対する理解を深めたうえで問い合わせができ、結果的に質の高いリードの獲得へとつながります。
このように内部SEOを講じることで、ユーザーの回遊性が自然と高まっていきます。適切な関連コンテンツの提示によって、つねにユーザーの関心を持続させられるようになるのです。結果としてユーザー体験が向上し、滞在時間や離脱率などの指標が改善され、検索エンジンからの評価アップにつながります。
SEOの外部対策は、自社ウェブサイトの評価や認知度を高める上で極めて重要な役割を担っています。ここからは、外部対策の重要性について見ていきましょう。
外部対策の中心的な取り組みは、他サイトからの被リンクの獲得です。独自性のある良質なコンテンツを作成し、多くのサイトからリンクを貼ってもらえれば、自社サイトの権威性が高まります。
それでは、なぜサイトの権威性が重要なのでしょうか。近年、Googleはサイトの専門性、経験、権威性、信頼性という4つの要素(E-E-A-T)を総合的に判断しており、その中でも「信頼性」が最重要視されています。
たとえば、サイバーセキュリティに関する情報を探す際、多くのユーザーから信頼されている専門家サイトと、匿名の個人ブログではどちらの情報に価値があるでしょうか。Googleの判断基準でも、ユーザーから多数の被リンクを獲得している信頼できるサイトが優先的に評価されます。
(出典:Google)
実際に「Googleが掲げる10の事実」でも、「膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準に、価値あるコンテンツを提供しているかを判断している」と記載されています。つまり、質の高い被リンクが多数集まれば集まるほど、そのサイトの権威性と信頼性が高く見積もられ、検索上位に表示されやすくなるというわけです。
外部対策では、自社コンテンツの積極的なプロモーションが欠かせません。なぜなら、誰にも読まれないコンテンツは存在しないに等しいためです。特にSEOの初期段階では、自社ページが検索結果の上位に表示される確率は極めて低いため、検索からの流入には期待できません。そのため、SNSやプレスリリースなどでの宣伝が重要になり、これにより自社メディア外での認知を広められます。
さらに、外部リンクや他チャネルから訪問したユーザーは、関連性が高く興味を持った状態でアクセスしてくるため、ウェブサイトのエンゲージメント率の向上やコンバージョン率の増加が期待できるでしょう。
ここまで内部対策と外部対策の重要性を見てきましたが、実際にどのような施策を進めればよいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。そこでここからは、内部対策と外部対策の主な施策一覧をご紹介します。
SEOの内部対策では、サイト構造を整えることがメインになってきます。以下で、7つの内部施策を見ていきましょう。
サイトマップとは、サイト上のページや各ファイルの情報、各ファイルの関係性を検索エンジンに伝えるファイルです。サイトマップを作成すれば、検索エンジンはサイト内のページを適切に把握し、効率よくインデックスできるようになります。
ただし、Googleによればすべてのサイトがサイトマップを必要とするわけではありません。サイトマップが推奨されるのは以下のサイトです。
一方、サイト内のページが適切に相互リンクされている場合、サイトマップは必ずしも必要ではありません。
コンテンツの階層化とは、サイト内の記事やページを体系立ててカテゴリ分けし、親子関係を明確にすることを指します。
(図は例になります。事業形態や製品・サービス形態に合わせてサイトマップを作成する必要があります。)
たとえば上記画像のように、ホームを階層の頂点にして、次のようにコンテンツを階層化します。
このようにコンテンツをわかりやすく構造化することで、ユーザーが目的のコンテンツにたどり着きやすくなります。
タグとは、ウェブページのコンテンツ内容を示すHTMLタグのことです。数あるHTMLタグの中でも、メタディスクリプションはページの概要をクローラーとユーザーに伝える役割がある重要なタグです。メタディスクリプションは、検索結果画面のページタイトル下に表示されます。もしメタディスクリプションが設定されていない、または質が悪い場合、検索エンジンが自動的に生成します。
Backlinkoが500万ページを分析した結果、メタディスクリプションを設定しているページは、そうでないページと比べて、クリック率が5.8%高いと判明しました。クリック率を高めるメタディスクリプションの作成ポイントは以下の通りです。
メタディスクリプションの作成に悩んだ場合は、Googleの広告説明文を参考にするとよいでしょう。広告はクリック率と品質によって掲載順位が決まるため、上位の広告ほど魅力的で効果的な文言が使われている傾向にあります。このような良質な広告を分析することで、ユーザーを惹きつけるメタディスクリプションの書き方を学ぶことができるでしょう。
内部リンクとは、同一ウェブサイト内で相互にリンクされているハイパーリンクのことを指します。内部リンクが重要な理由は3つあります。
1つめは、検索エンジンの理解を助けるためです。内部リンクはサイト構造を可視化し、ページ間の関連性を示します。Googleが述べるように、クローラーは既知のページの内部リンクから新たなページを発見し、インデックスすることがあるのです。適切に内部リンクを設置することで、クローラーが巡回しやすくなり、スムーズにインデックスされるようになるでしょう。
2つめは、ページの権威性を共有できるという考えがあるためです。被リンク数の多いページから内部リンクが張られていると、検索エンジンはそのリンク先ページも重要なコンテンツであると判断しやすくなります。また、多くの内部リンクを受けているページほど、そのサイト内での重要度が高いと認識されます。
(出典:HubSpot)
HubSpotが提唱したトピッククラスターも、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツを内部リンクで設置することで、権威性を共有し、トピッククラスター全体が検索エンジンに表示されるという狙いがあります。
3つめの理由が、ユーザーが関連ページに訪問しやすくなるためです。適切な内部リンクを設置することで、ユーザーが関心のある関連コンテンツに簡単にアクセスできるようになります。これにより、サイト内の回遊率と滞在時間の延長が期待できます。
ウェブサイト運営を続けていくと、重複ページや古くなった情報のページなどが蓄積されるでしょう。これらの不要なページを放置しておくと、悪影響が生じる可能性があります。
そのため、定期的にアクセス解析をして、長期間アクセスのないページや重複コンテンツ、古くなり意味のなくなったページは削除するようにしましょう。
ページ表示速度は、検索ランキングやユーザー体験に大きな影響を与える要素です。先にもお伝えした通り、ページ表示時間が1秒から3秒に増加すると離脱率が32%上昇し、1秒から5秒に増加すると離脱率が90%上昇します。離脱率を低下し、多くのユーザーにコンテンツを読んでもらうためにも、表示速度の最適化は必ず取り組みましょう。
(出典:PageSpeed Insights)
Googleが提供する無料ツール「PageSpeed Insights」を使用すれば、URLを入力するだけで、自社サイトのページ表示速度や改善ポイントを把握できます。
レスポンシブデザインとは、パソコン、スマートフォン、タブレットなどさまざまな端末に合わせて、デザインが最適化されることです。総務省の「令和5年版 情報白書」によれば、端末別のインターネット利用率はスマートフォンが71.2%、パソコンが48.5%と判明しており、ユーザーはさまざまな端末でウェブサイトを閲覧しているとわかります。レスポンシブ対応をしていなければ、サイトのコンテンツが適切に表示されないため、離脱率や滞在率の悪化へとつながります。
(出典:総務省)
また、モバイルデバイスからのアクセスが増加している現在、Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイルでのユーザー体験を重視しています。ユーザー体験を高め、Googleから適正な評価を得るためにも、レスポンシブ対応は必ず実施しましょう。
SEOの外部対策の目的は、多くの被リンクを獲得することです。このためには主に、被リンクする価値のあるコンテンツを作成する、コンテンツを多くの人に知ってもらうの2つのアプローチが考えられます。ここでは、外部対策の施策一覧をご紹介します。
外部対策で最も重要なのが、質の良いコンテンツの作成です。質の良いコンテンツとは、独自ノウハウやデータ、画像などの人々が「引用したい」と思えるコンテンツを示します。たとえば、英語圏だけではなく日本国内でも多くの被リンクを獲得しているのが、WordStreamのGoogle広告ベンチマークです。Google広告運用で役に立つ業界別のコンバージョン率やクリック率がインフォグラフィックで提供されています。
(出典:WordStream)
このように、ユーザーにとって有益で価値のある情報を提供することが、他サイトからリンクを引き付ける大前提となります。質が高ければ高いほど、自然とリンクが集まりやすくなるでしょう。
時事コンテンツや独自の調査レポートなどは、被リンクを獲得するのに向いています。特にBtoBの場合、調査コンテンツは非常に有効です。たとえば、WACUL株式会社はBtoBのマーケティング対象者向けの研究を多数発表しています。1月に発表された代表の垣内氏による「2024年 デジタルマーケティングの論点」は、2024年度のデジタルマーケティングで抑えておくべきポイントや、生成AIなどタイムリーな話題に触れていることもあり、SNS上で大きな話題を集めました。
(出典:X)
時事性の高い話題と独自のデータを組み合わせたコンテンツは、ユーザーの関心を惹きつけ、自然と被リンクが集まりやすくなります。このようなコンテンツ作成を継続的に行うことが、外部対策成功の鍵となるでしょう。
優れたコンテンツを作成したら、次は外部への露出を高めることが重要になります。コンテンツを世に広めることなくしては、被リンクは期待できません。まずは自社のSNSアカウントを活用して情報発信を行いましょう。X(旧Twitter)、Facebook、LinkedInなどのプラットフォームで、作成したコンテンツを拡散すれば、フォロワーやSNS上のつながりから、コンテンツの認知が広がっていくでしょう。
価値の高い調査レポートなどのコンテンツについては、プレスリリース配信を検討するとより効果的です。PRTIMESなどの有力なプレスリリース配信サービスを使えば、メディアはもちろん業界関係者への広範な露出が見込めます。また、専門メディアに直接プレスリリースを配信することで、的を絞った潜在顧客へのアプローチも可能になります。
このようにSNSとプレスリリースを組み合わせて戦略的な露出を図ることで、優れたコンテンツが多くの人の目に留まり、結果として被リンク獲得の可能性を高められます。
自社サイトから信頼できる権威サイトへリンクを張ることで、自社サイトのコンテンツの質の高さをアピールできます。たとえば、SEOに関する記事を書いている場合、Google公式サイトやAhrefsなどの業界で権威のあるサイトやブログへのリンクを設置するとよいでしょう。
コンテンツに関連する権威性の高いサイトへリンクを張ることで、検索エンジンに対して「このサイトは信頼できる情報源を参照している」とアピールできるのです。一方、質の低いサイトへのリンクを設置した場合、スパム行為とみなされるかもしれません。
外部の信頼できる情報源へリンクを適切に設置することは、自社サイトの信頼性やコンテンツの質を高め、結果として検索エンジンからの評価向上につながる重要な施策なのです。
外部サイトへリンクを設置する際は、適切なアンカーテキストを使用することが重要です。アンカーテキストとは、リンクをクリックした際に表示されるリンク先ページの内容を表す語句のことです。検索エンジンはこのアンカーテキストを手がかりに、リンク先ページの関連性やトピックを判断します。
たとえば、名刺管理ツールに関する記事の中で「Sansanなどの名刺ツール」と記載し、「名刺ツール」の部分にリンクを設置した場合、検索エンジンとユーザーはリンク先のページが名刺ツールに関する内容であると理解できます。
一方で「こちらをクリック」などの内容を示さないようなアンカーテキストを使うと、検索エンジンはリンク先のページの関連性を適切に判断できません。自然で内容に即したアンカーテキストを心がけることが大切です。
また、アンカーテキストを過度に設置しすぎると、検索エンジンから不自然であると判断されるリスクもあります。キーワードを詰め込みすぎたり、すべてのリンクで同じアンカーテキストを使ったりするのは避けましょう。
ウェブサイトから内部/外部リンクを開いた際、同じタブで開かれると、ユーザーは元のサイトを離れてしまいます。しかし別タブで開く設定にしていれば、元のサイトのタブがそのまま残るため、ユーザーは外部サイトを閲覧した後に、簡単に自社ページに戻れます。そのため、自社サイトでの滞在時間が長くなり、検索エンジンからの評価に良い影響を与える可能性があるのです。
リンク切れとは、リンク先のページにアクセスできない状態のことです。リンク切れを起こしている場合、ユーザー体験の低下やクローラーの巡回効率が悪化する可能性があるため、適切なリンクを張りなおさなければいけません。
自社と似た領域のウェブサイトでリンク切れを起こしている場合、メールなどでリンク切れを起こしている旨、そして自社コンテンツの設置を提案してみましょう。地道な施策ですが、海外では一般的な被リンク獲得施策です。
同業他社やパートナー企業との間で、互いのサイトを相互リンクするのもよいでしょう。過剰な相互リンクをしない限り、リンクスパムとみなされる可能性は低いです。たとえば、各ページで相互リンクをするのは不自然ですが、自然な文脈において自社コンテンツを優先的にリンクしてもらう場合は大丈夫だと思われます。
しかしながら、大前提として他社にリンクを張りたいと思わせられる良質なコンテンツ作成が欠かせません。
海外で一般的に行われているのが、メールでの被リンク提案です。メールでリンクの売り込みをするのもよいですが、Backlinkoの調査結果が示すように、単なるリンクの売り込みではなく、直接リンクの提案をしない方が効果的です。
まず、自社サイトに関連性の高いサイトを選定し、そのサイトとの関係構築を目指します。次に、無料のリソース、調査データ、メールテンプレートなど、相手にとって価値あるコンテンツを用意します。そして、相手にメリットがあることをアピールしながら、そのコンテンツの提供を打診するのです。
価値提供に対して相手から許可が得られた後に、初めてリンク設置の提案をします。こうすることで、被リンクを設置してもらえる確率が40%まで向上するとのこと。リンク獲得は一過性のものではなく、持続的な関係性の構築を目指し、お互いにメリットがある関係を大切にしていきます。
SEOの内部対策と外部対策は両者ともに重要な役割を担っており、どちらか一方を欠いてもSEO対策は不完全になってしまいます。
内部対策は家を建てる過程のようなものです。家づくりにおいては、基礎をしっかりと築き、間取りを計画し、室内の装飾や設備を整えることで、訪問者にとって快適な家が完成します。
ウェブサイトも同様で、ページの構造化や表示速度の最適化、メタディスクリプションの最適化などをすることで、ユーザーや検索エンジンにとって便利でわかりやすいサイトになるのです。内部対策を怠ると、検索エンジンがサイトの内容を適切に評価できない、ユーザーの離脱率や回遊率が悪化するなどの影響が生じ、上位表示の可能性は下がります。
一方、外部対策は家の周りの環境を整える作業に例えることが可能です。庭の手入れ、訪問者に提供するホスピタリティ、外壁の美観、近隣との関係構築などが含まれます。ウェブサイトにおける外部対策とは、他のウェブサイトからのリンク(被リンク)を獲得することや、SNSでの活動、ブランドの認知度向上など、サイト外で行うSEO対策です。良好な外部環境は、訪問者にとって魅力的な外観を提供し、家(ウェブサイト)への訪問を促します。
家においては内部が快適でも、外観やアクセスが悪ければ人は訪れにくく、外観が素晴らしくても内部が不快では長く滞在してもらえません。同様に、SEOにおいても内部対策と外部対策は相互に補完しあう必要があり、双方を適切に施すことで最大の効果を発揮します。内部対策でサイトの質を高め、外部対策でそのサイトへの道を整え、訪問者を引き寄せるのです。
SEO対策は決して容易なものではありませんが、その本質は検索エンジンとユーザーのニーズを同時に満たすことです。
検索エンジンが求めているのは、権威があり役立つ情報を提供できるウェブサイトです。一方でユーザーが望むのは、ストレスなく必要な情報にスムーズにアクセスできる使いやすいサイト。つまり、両者が求めているのは「質が高い情報を提供するユーザビリティに優れたサイト」なのです。
そうしたサイトを実現するには、「内部対策」と「外部対策」の2つの側面からSEO対策を講じなければいけません。内部対策では適切な構造やナビゲーションを用意し、外部対策では調査コンテンツなどで他サイトからの評価を高めることで、サイトの権威を醸成します。
内部対策と外部対策の両方に取り組むことで、検索エンジンとユーザーの双方から高い評価を受けるサイトを構築できるはずです。