BtoBマーケティング用語集をアイウエオ順 | 「ナ」行編

2021/07/06
BtoBマーケティング マーケティング用語 BtoBマーケティング用語集をアイウエオ順 | 「ナ」行編

数多くのカタカナ用語が登場するBtoBマーケティングの世界。よく分からずに使用している言葉も意外と多いのではないでしょうか。そこで今回は、BtoBマーケティングのなかでも「ナ〜ノ」で始まる用語について解説していきます。

「ナ」から始まるマーケティング用語

ナーチャリング(Nurturing)

ナーチャリングを直訳すると「育成」という意味です。とくにビジネスの世界では「顧客を育成する」という意味で使用されます。

たとえばメルマガの配信やインサイドセールスなどを通じ、見込み客がサービスを購入する状態まで育成すること。また、カスタマーサクセスを通じて既存顧客をリピーターのように、優良顧客へと育成することを指します。

企業活動というと、どうしても新規顧客の獲得に注力しがちです。そのため、見込み客がサービスを購入する状態になるまで、育成に力を入れる現状もあるでしょう。ただ、新規顧客の獲得と同じぐらい、既存顧客を育成することも大切です。

なぜなら、マーケティングには「1:5の法則」があるためです。これは、新規顧客の獲得には、既存顧客との契約金額を上げるよりも5倍のコストがかかるという法則です。つまり既存顧客を育成するほうが、新規顧客の獲得に比べて手間やコストをかけず、売上の上昇につながる可能性があるのです。

既存顧客の育成は契約金額の増加だけでなく、継続的にサービスを利用してもらうことにもつながります。

とくにBtoBのSaaS企業のように、継続課金のビジネスモデルの場合、継続利用こそ売上にインパクトを与える大事な要素です。だからこそ、他社サービスへの乗り換えを阻止し、長期的に優良顧客へとなってもらうことが大切。そのために、カスマターサクセスなど、ナーチャリングによって信頼関係を築く方法が有効だといえます。

ナビゲーションメニュー(Navigatio Menu)

ナビゲーションメニューとは要するに、Webサイトの目次です。

 

ナビゲーションメニューの例

 

目次を設置しておくことで、Webサイトを訪問したユーザーは、欲しい情報を迷わずに見つけられます。結果として、離脱率の上昇を抑えることなどにつながるでしょう。

基本的に、ナビゲーションメニューはどのページにも同じ場所に表示されるように設置します。なぜなら、ユーザーが最初にたどり着くページが必ずしもトップページとは限らないためです。ユーザーの最初の訪問先がどのページであっても、ナビゲーションメニューが表示される状態にしておきましょう。

なお、目的のコンテンツには少なくとも3クリック以内でたどりつけるのが理想だといわれています。もちろんナビゲーションメニューをクリックすると、すぐに目的のページに行けるのが理想です。

ただ、コンテンツ数が多いと、そういうわけにはいきません。コンテンツ数が多い場合はナビゲーションメニューをクリックした先に、さらに目次ページがあるなど、ユーザーがたどる導線を工夫する必要があります。

 

ページ遷移の例

 

「ニ」から始まるマーケティング用語

ニュースフィード(News Feed)

ニュースフィードは、Facebook機能の一つです。自分や友達、またフォローしているページが投稿したテキストや画像、それに対するコメントなどが表示されます。

利用者の関心が高いものを優先的に表示する仕組みです。Googleの検索エンジンのように、独自のアルゴリズムによて表示する情報を決めています。

人脈づくりを目的としたビジネスパーソンによく利用されるFacebookは、BtoB企業と相性が良いといわれます。ビジネス系の情報を求める人にとって関心の高い広告であれば、ニュースフィードの上位に表示される可能性も高いでしょう。

ニッチ(Niche)

「ニッチ」とは大企業がターゲットとしておらず、規模がそこまで大きくない市場(ニッチ市場)や、万人受けではないものの一定の需要がある商品(ニッチ商品)などを指す言葉として使われます。

ニッチな商品の場合、基本的にターゲットとなるユーザーはオンラインで情報を集める傾向にあるでしょう。なぜなら、大衆向けをターゲットとしている書籍や雑誌、テレビなどの媒体では情報が提供されないためです。

それゆえBtoB企業向けのニッチ商品を展開している企業なら、施策として取り組むべきは、Googleの検索エンジンや広告で見つけてもらうこと。ブログ記事のSEO施策や、ネット広告などに注力し、まずは商品をオンライン上で見つけてもらう必要があるでしょう。

「ネ」から始まるマーケティング用語

ネイティブ広告(Native Advertising)

ネイティブ広告とは、テレビCMのように明らかに広告と分かる表現ではなく、媒体の通常コンテンツに自然と溶け込むような広告です。

たとえば、Yahoo! JAPANのトップページに「PR」と表示される広告や、Facebookのニュースフィードに「広告」として表示されるコンテンツなど。基本的に、広告を配信する媒体のフォーマットに合わせ、ほかのコンテンツと同じかたちで表示されます。

 

ネット広告の例

参考:Yahoo! JAPAN

 

ネイティブ広告の目的は、ユーザーの興味関心に合わせて、他コンテンツと同じ様に広告をクリックしてもらうこと。通常のコンテンツと同じ枠に表示されるため、ほかのコンテンツを閲覧するのと同様の興味関心を提供する必要があります。

ネット プロモーター スコア(NPS:Net Promoter Score)

NPSとは「Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)」の略で、顧客ロイヤルティを測る指標のことです。顧客満足度に並ぶ新たな指標として注目されています。

「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化することで、顧客との関係を改善する際に役立てています。

NPSは事業の成長率との高い相関があるといわれ、欧米では3分の1以上の企業が活用しているそうです。

ベイン・アンド・カンパニーによると、NPSでトップを走る企業は、競合他社の2倍の成長率を上げているという調査結果もあります。

 

NPSと企業成長の関係性

参考:BAIN&COMPANY 「How is Net Plomoter Score related to groewth?

 

顧客満足度と大きく異なる点こそが、この「業績との相関性」。これまでの顧客満足度は「満足」の度合いがあいまいで、「満足している」という評価を下した顧客でも、必ずしもリピート購入につながるとは限りません。つまり、顧客満足度と業績に相関性があるとはいい難い状況があったわけです。

そこでより業績との相関性があるといわれる、NPSを新たな指標として採用する動きが出てきています。

NPSの計測方法は「あなたはこの企業(製品やサービス、ブランド)を友人や同僚に薦める可能性は、どのくらいありますか?」という質問を行い、0~10の11段階で評価するというもの。

 

NPSの計測方法

 

アンケートの回答に応じて、「推奨者」「中立者」「批判者」の3タイプに顧客を分類。このなかでも推奨者は、再購入比率が高く、また口コミでほかのユーザーへと商品を広めてくれる可能性があります。

推奨者にいかにファンとなってもらい、事業成長に貢献してもらうかが鍵を握るでしょう。

「ノ」から始まるマーケティング用語

No-Followリンク(No-Follow Link)

nofollowリンクは「このリンクはサイトの所有者がリンク先ページを推奨してはいない」という指示を検索エンジンに伝えるため、HTMLファイルに記載する指示のこと。

以下のような場面で主に使用します。

  • 信頼できないコンテンツにリンクする
  • クロール最適化をして重要なページの評価を上げたい

たとえばブログに対するコメントには、ユーザーが自由に投稿できます。なかには自社サイトへのリンクを獲得したいがためにURLを記載したり、あまりおすすめしたくはないリンク先の記載があったりするかもしれません。

そこで、ブログのコメント全体にnofollowリンクの設定を行うことで、Googleなどの検索エンジンに推奨していない旨を伝え、自社サイトの評価が落ちることを避けるのです。

通常のリンクにnofollow属性を付与するためには、HTMLソースに「rel=”nofollow”」を付け加えます。

  • <a href="http://www.example.com/" rel="nofollow">link to a page</a>

一方でページ全体にnofollow属性の効果を適用したい場合、headに以下の記載を加えましょう。

  • <meta name=”robots” content=”nofollow” />

ちなみにWordPressを使っている場合、「All in One SEO Pack」を入れることで設定できます。

まとめ

以上、今回はBtoBマーケティングでよく使われるマーケティング用語について「ナ行編」と題し、お届けしました。続く次回は「ハ行編」のマーケティング用語を紹介していきます。

著者情報 戸栗 頌平(とぐりしょうへい)

株式会社LEAPT(レプト)の代表。BtoB専業のマーケティング支援会社でのコンサルティング業務、自社マーケティング業務、営業業務などを経て、HubSpot日本法人の立ち上げを一人で行い、後に日本法人第1号社員マーケティング責任者として創業期を牽引。B2Bの中小規模企業のマーケティングに精通。趣味で国外のマーケティングイベント、スポーツイベント、ボランティアなどに参加している。

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