多くの専門用語が登場するBtoBマーケティングの世界。よく分からずに使用している言葉も意外と多いかもしれません。そこで今回は「サ〜ソ」で始まるマーケティング用語について解説していきます。
Googleなどで、ユーザーが特定のキーワードで検索を行ったときに、作成したWebコンテンツを上位表示させる施策のこと。いわゆる「SEO」と呼ばれるアプローチです。検索結果で上位表示され、検索結果がクリックされることによりWebサイトへの訪問数を増やせます。
SEOで最も大切なことは、ユーザーの意図を満たすコンテンツをオリジナリティをもたせて作成しているかどうか、です。では、どうやって意図を満たすかというと、一つは上位表示されているコンテンツの分析が挙げられます。
例えば「BtoBマーケティング」と検索すると、以下のような記事が上位に表示されます。
基本的に検索エンジンは、ユーザーのニーズを満たす情報が載っているコンテンツを、上位表示する仕組み。とすると、「BtoBマーケティング」と検索する人は、最近のトレンドや手法などの情報を求めていると予想できます。
また、「他の人はこちらも検索」も、そのほかにどんな情報を求めているのか把握する際に役立つでしょう。
検索エンジンを使用するユーザーにアプローチする、マーケティング施策の総称です。Googleを使って特定のキーワードを検索したユーザーを、自社のサイトに呼び込むことを目的としたアプローチで、前述したSEOや、検索エンジン連動型広告(リスティング広告)などが代表的な手法です。
基本的に、検索エンジンを使うユーザーは、ある程度明確な目的を持って情報にたどり着きます。例えば「BtoBマーケティング 効率化」と検索するユーザーは、効率化の方法を求めています。このユーザーのニーズを満たすコンテンツがあれば、上位に表示されるでしょう。
そして、そのコンテンツを閲覧したユーザーが、効率化の手段としてMAツールの導入が挙げられることを知ります。さらに、MAツールがどういうものか、またおすすめのMAツールを紹介するコンテンツなども用意。自社でMAツールを取り扱っているのであれば、上位表示したコンテンツをきっかけに成約にもつながり可能性もあります。
サービスレベル合意書(SLA)とは、サービスを提供する側が利用するユーザーに対して示す「品質保証」の基準です。SLAを下回った場合、サービスを提供する側は何らかの保証を行う旨を定めて、契約を交わします。
たとえば、SLAは、購入後、何かしらの不具合が見つかったときにサポートしてもらえる「アフターフォロー」なども含めることもあります。
本来は、品質基準を定義する際に用いられるSLA。ただ、BtoBマーケティングにおいては、マーケティング部門と営業部門のそれぞれが、目標を設定する際に役立ちます。
例えばマーケティング部門が、SLAをもとに目標を設定するとしたら「どのような状態で、どのくらいの件数の見込み客を営業部門に渡すか」など。質と量で定義するのがポイントです。
一方で営業は、「どれくらいの期間をおいて見込み客に再アプローチするか」「2回目の電話はいつ行うのか」などの目標を設定。マーケティング部門と営業部門がそれぞれ目に見えるかたちで目標を設定します。すると、部門同士の連携もスムーズにいく可能性があります。
サイトマップとは、その名の通りWebサイト内にどういったコンテンツがあるのか、全体像を見える化したものです。サイトにどのようなコンテンツがあるか、ユーザーもしくは検索エンジンに伝える役割があります。
サイトマップを大きく分けると、次の2つ。
つまり、検索エンジンかユーザー、どちらに伝えるかで種類が分かれるわけですね。
XMLサイトマップは検索エンジンにのみ知らせるので、ユーザーは確認しません。一方でHTMLサイトマップは、ユーザーが実際に目にします。例えば以下のように、本で言うところの目次のような役割を果たすのです。
参考元:サイトマップ|バズ部
ちなみにGoogleは、サイトマップが必要かどうかに対し、以下のように回答しています。
“特にサイトが次のいずれかの条件に該当する場合に、サイトのクロールを改善する手段としてサイトマップが役立ちます。
・サイトにどこからもリンクされていない、または適切にリンクされていないコンテンツ ページのアーカイブが大量にある。
・サイトでリッチメディア コンテンツを使用している、サイトが Google ニュースに表示されている、または他のサイトマップ対応アノテーションを使用している。”
サブスクリプションとは、サービスの利用期間に応じて毎月もしくは毎年といった単位で利用料を支払ってもらうビジネスモデル。SaaS(Software As A Service)などのインターネットを通じて提供・利用する形態のビジネスで多く導入されています。
売り切り型のビジネスモデルとは異なり、一度売って終わりではなく、長期間サービスを利用してもらうことで利用料が継続的に積み上るのが特徴。有名なサービスとしては、Netflixなどの定額制動画配信サービスが挙げられるます。
以下でサブスクリプションと従来の買い切りとの違いをまとめてみました。
比較項目 |
買い切り |
サブスクリプション |
支払い |
一括 |
月額、年額 |
顧客 |
新規開拓を重視 |
ニーズ対応で関係構築を重視 |
企業収入 |
バラつきあり |
安定的 |
利用データ取得 |
売上ベースで把握する |
利用状況などを細かく見られる |
CSSとは「Cascading Style Sheets」 の頭文字を取った言葉。「スタイルシート」とも呼ばれ、Webページの構造を形成する際に使われる言語の一つです。
HTMLは、見出しや本文など、Webページの構造を形作る言語。対してCSSは、HTMLで作られた構造にデザインを加える役割を担います。
つまり、WebページはHTMLとCSSが組み合わさって作成されているのです。
例えば、Webページがスクリーンに表示される際の色やサイズ、レイアウトなどをCSSで指定します。
CTAとは、Call to Actionの頭文字を取った言葉で、日本語に翻訳すると「行動喚起」という意味。Webサイト訪問者にさらなる行動を促すために設置する「問い合わせ」ボタンなどが、CTAに該当します。
参考元:起業家を支援するベンチャーキャピタル「ALL STAR SAAS FUND」メンター就任のお知らせ|LEAPT
そのほかにも、資料請求が目的であれば、「いますぐ資料請求をする」といったボタンが当てはまるでしょう。CTAはWeb訪問者の態度変容に合わせて異なる内容を見せることがポイントで、資料請求を行うとは思えない訪問者には内容が少し軽めなeBookをダウンロードしてもらうCTAなどを見せる様にします。
JavaScriptとは、Webページを「動かす」ための言語。例えば、Webサイトを訪問したとき、表示されるポップアップ画面は、JavaScriptが機能しているためです。
参考元:Q. ポップアップブロックって何ですか?|NTT西日本
Webページに組み込むことで、HTMLやCSSだけでは再現できない表現が可能となり、動的なウェブサイトを作ることが可能です。
上記の様にウェブサイトから離脱する訪問者に対してポップアップでブログ購読を促す、アンケートを促す、こういった動きをになっている言語がJavaScriptです。。
指名検索とは、サービス名や企業名(ブランドワード)などのキーワードを検索すること。自社のサービスをすでに知っているユーザーの検索行動といえ、見込み客に該当します。
基本的に自社をすでに知っているユーザーですから、サービスの機能や導入事例といったコンテンツの提供で、ニーズを満たします。
一方で、新しいユーザーを獲得したい場合、これまでサービスを利用したことはありません。そのため、社名やサービス名は知らないと考えるのが自然。つまり自社の製品を名指しで検索するのではなく、自分の困り事を解決してくれるようなキーワードで検索する「非指名検索」による流入が一般的です。
つまり新規顧客の獲得では、非指名検索を行うユーザーのニーズを満たす、コンテンツの提供が必要となるでしょう。
そのうえで、以下のように指名検索へと導き、見込み客へ育成する必要があります。
◼️「ABCチャット」というビジネスチャットが「指名検索」されるまでの流れ |
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非指名検索 |
「リモートワーク コミュニケーション 課題」 |
潜在見込み客 |
↓ |
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「ビジネスチャット おすすめ」 |
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↓ |
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指名検索 |
「ABCチャット 導入事例」 |
見込み客 |
なお見込み客獲得の具体的な方法については、以下の記事で解説しています。
スマーケティング(Smarketing)とは、営業(Sales)とマーケティング(Marketing)が連携することを指します。
BtoBのよくある話として、マーケティング部門と営業部門の仲が悪い、ということは知られていることかと思います。事業活動を行うにあたり、隣あう部門が協力し合わないことは大きな問題で、その不仲を解消するためにスマーケティング(Smarketing)を取り入れ、定期的な両部門での打ち合わせを行います。
また、それらを測る指標として、前述したように営業部門とマーケティング部門それぞれが、SLAを設定するのも有効な方法です。
スモールキーワードは、検索回数が少ないキーワードのこと。ビッグキーワードと組み合わせて検索されることもあります。
検索数が少ない分、競合コンテンツもあまりないのが特徴。つまり、スモールキーワードで作成するコンテンツは、上位表示しやすいといったメリットがあります。
ビックキーワードと比べるとユーザーのニーズが顕在化しており、コンバージョンに繋がりやすいキーワードともいえるでしょう。
例えば「BtoBマーケティング 手法 SNS」がスモールキーワードであれば、ビッグキーワードは「BtoBマーケティング」。ビッグキーワードは、自社への流入を大きく増やす可能性があります。しかし、競合コンテンツが多いため、上位表示に時間がかかる可能性も。
また、ニーズが具体化していないユーザーのアクセスがほとんど。つまり、訪問数は多くとも、コンバージョンになかなかつながらないといった可能性があります。
一方でスモールキーワードは、買い手と売り手の細かな認識の違い(期待値の差)を埋めてくれる役割を果たすことも。認識の差異が小さくなれば、サービス導入後、使い続けてもらえる可能性が高まります。BtoB SaaS企業であれば、スモールキーワードで検索するユーザーのニーズを満たすコンテンツは、必要不可欠といえそうです。
セグメントとはターゲットをまとめて区分したもの、あつまりのことです。ターゲットとなるユーザーを定義する際に役立ちます。
例えばBtoCであれば、「地方在住」や「都心で一人暮らし」などの属性が当てはまるでしょう。一方でBtoBの場合、次のような切り口で区分していきます。
BtoCであれば、個人のプロフィールで区分していきます。一方でBtoBの場合、企業のプロフィールで検討。さらに、企業のなかでもどういった立場にある従業員をターゲットとするのかまで、決めると良いでしょう。
セグメントは定性的な情報をまとめて区分したもので、課題軸に焦点を当てるペルソナとは似て異なるものです。
セッションとは、Webサイトにアクセスして行う一連の行動のこと。一連の行動とは、あるWebサイトにアクセスしたユーザーが、そのサイトから出て行くまでを指します。「訪問数」ともいえるでしょう。単純にセッションが多いほど、サイトを訪問するユーザーの数が多いことになるわけです。
基本的に1回のセッションで、1ページしか閲覧しない場合もあれば、何ページも閲覧されるケースもあります。例えばあるWebサイトに訪問したユーザーがAページを閲覧後、Bページを訪れ、サイトから離脱したとします。この場合、セッションは1。一方でページを閲覧したのは2回なので、PV(ページビュー)は2となります。
SaaSとはクラウド上で提供される、ソフトウェアのことを指します。ユーザー側はパソコンにソフトウェアをインストールするのではなく、ネットワーク経由でサービスを利用できるのが特徴。毎月、もしくは毎年という単位で利用料を支払うことで、サービスを使い続けることができます。
例えばGmailといったメールサービスや、Dropboxなどのストレージサービス、またSalesforceなどの顧客管理システムが該当します。
参考元:Salesforce
インターネットにつながる環境であれば、複数台のパソコンで情報共有が可能。また使いたい機能だけを契約したり、初期費用が抑えられるといったメリットがあります。
ソーシャルプルーフとは、「社会的証明」を意味する心理学用語の一つ。「多くの人が賛同しているなら、信用に足る商品だ」と認識する行動を指します。つまりユーザーにソーシャルプルーフをいかに感じてもらうかが、サービスの契約に大きく影響するわけです。
例えば、「顧客満足度No.1」や「業界売上No.1」などのコピー。さらにソーシャルメディアにおける「いいね」や「シェア」の数、またフォロワー数などもソーシャルプルーフを感じる指標の一つです。導入事例やレビューなども、有効な施策といえるでしょう。
ソーシャルメディアとは、双方向のコミュニケーションが可能で、人々の情報発信が作り出すメディアです。誰でも閲覧できる情報がシェアされることで、コミュニティの輪がどんどん拡大していくといった特徴があります。
FacebookやTwitterなどのSNSと呼ばれるサービスは、ソーシャルメディアを構成する要素の一つです。
FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアを用いたマーケティング手法のことです。
「シェア」機能によって、提供するコンテンツ次第では、爆発的な拡散力が期待できます。
また、ソーシャルメディアはユーザーが本音を自由に投稿できる場。そのため、既存顧客の口コミなどは信用性が高く、新規顧客の獲得につながる可能性も。一方で情報をコントロールできない部分も多く、「炎上」してしまうと、ブランドの失墜に結びつくリスクもあります。
日本独自に呼ばれている「SNSマーケティング」と意味は一緒。ただ、発祥の地であるアメリカでは「ソーシャルメディアマーケティング」が正式名称です。
送信者スコアとは、メルマガなどの送信元が「どれだけ信頼できるか」を数値化した評価。メールサービスを提供する事業者が、独自の基準で評価しています。この評価が低いと、迷惑メール扱いされてしまい、受信者にメールが届かないといった事態に。
長期間使用していないアドレスにメールを送信し続けたり、また一度に大量のメールを送ったりすると評価が落ちてしまいます。そのため、メルマガの配信リストを見直し、反応がなかったアドレスを除外するといった対策が必要でしょう。
以上、今回はBtoBマーケティングでよく使われるマーケティング用語について「サ行編」と題し、お届けしました。続く次回は「タ行編」のマーケティング用語を紹介していきます。