レプトのBtoBマーケティングのブログ|株式会社LEAPT(レプト)

企業ホームページとは?BtoB企業HPの役割の変化と目的を例を添えて解説

企業の顔であり重要な集客ポイントとなるのが「企業ホームページ」です。買い手と接点を持って商談へとつなげるために、必要不可欠なツールだといえます。

BtoBビジネスの場合、買い手の70%が企業ホームページから直接コンテンツにアクセスしているという調査結果があります。

BtoCと比較すると、衝動的な購買行動が行われづらく、SNSでのコンテンツの拡散が期待しづらいこともあり、企業ホームページの役割が相対的に大きいのです。企業ホームページの効果を高めるためには、サイトのコンテンツやデザイン、情報の伝えやすさなどに気を配る必要があります。

そこで本記事では、企業ホームページの活用方法について、以下の内容を具体例を交えながら解説します。

  • 企業ホームページが担う役割の変遷
  • BtoB企業が保有すべきホームページコンテンツ
  • ホームページ構築・運用におすすめのツール

読み進めることで、企業ホームページがBtoBマーケティングに必要な理由と、具体的にとるべき施策について理解できるでしょう。企業ホームページを改善して、訪問者を製品の購入に導くことで、売上げや利益の向上が見込めます。ぜひ最後までお読みください。

企業ホームページとは

(株式会社LEAPTホームページ)

企業ホームページは、買い手に企業の理念や製品の情報などを伝えるために欠かせないものです。LEAPTでも、サービスの魅力を端的に伝え、買い手に興味を持ってもらえるようにホームページを作成しています。

企業ホームページはただ作ればいいわけではなく、Webマーケティングの中の集客ポイントと、買い手との信頼構築の重要なチャネルのひとつとして位置づけるべきものです。また、製品を購入してもらうためには、Web上で獲得した見込み客を商談へとつなげなければなりません。この流れをデマンドジェネレーションと呼びます。

(デマンドジェネレーション)

デマンドジェネレーションは、見込み客を獲得して商談へと発展させていくマーケティングプロセスです。

<商談までのマーケティングプロセス>

企業ホームページは、これらのプロセスすべてに関わります。

訪問営業や展示会などのオフライン集客がメインの企業であっても、ホームページの存在は重要です。特にBtoBビジネスの場合、買い手の70%は企業のホームページから直接情報を収集しています。企業ホームページをリードジェネレーションの手段のひとつと位置付け、ホームページへの訪問が商談へと発展するように作り込むことで、有力な集客ポイントになるでしょう。

効果を最大化するために、企業ホームページはCMS(Contents Management System)やCRM(Customer Relationship Management)との連携が欠かせません。

CMSはWebサイトを構築して運用するためのシステムです。CMSを利用することで、コーディングの知識がなくても、Webサイトへのコンテンツの追加や変更などの操作が、簡単に行えるようになります。

CRMは買い手の情報の管理や分析を行うシステムです。企業ホームページとCRMを連携することで、たとえば以下のことが可能になります。

  • ホームページからの問合せ管理
  • ホームページ内の行動分析
  • 営業担当が取得したデータとの連携

企業ホームページは単に情報提供に利用するだけでなく、リード創出のひとつの手段として位置づけ、商談獲得に役立てるべきものなのです。

企業ホームページの歴史

日本でインターネットが普及しはじめて以来、企業ホームページは以下のような流れで発展してきました。

  1. 看板型(1995年ごろ〜)
  2. カタログ型(1999年ごろ〜)
  3. 問題解決型(2003年ごろ〜)

1995年はインターネットが普及して間もないころです。ホームページで情報提供を行っている企業は24%と少なく、看板のように自社名と事業内容を簡単に載せたホームページが主流でした。

その後、インターネットの普及とともにホームページを持つ企業の割合も増え、1995年の24.0%から翌年1996年には39.6%に増加しました。

1999年ごろになると、企業ホームページに掲載されている内容が充実しはじめます。事業内容や製品の情報を詳細に載せ、カタログのように閲覧してもらうことを目的としていました。

ネット回線の高速化が、ホームページの内容が充実した原因のひとつだと考えられます。従来のダイヤルアップ回線から、1999年に登場したADSLへの移行が進んだことで、高速通信が可能になりました。データ量が以前より大きくても問題なく閲覧できるようになり、企業はより多くの情報をホームページに掲載するようになったのです。

2003年ごろからは、訪問者が企業ホームページ上で目的を達成できることが、求められるようになりました。訪問者にとって「見やすい」だけでなく、「使いやすい」ことが重要になったのです。より多くの人にアクセスして使ってもらうことを目指すため、以下の要素が重要視されるようになりました。

  • ユーザビリティ
  • アクセシビリティ
  • 検索エンジン最適化

2012年には、企業のホームページ開設率は大企業で95.6%、中規模企業で80.4%に達しました。現在では、ほとんどの企業が自社ホームページを開設しています。

BtoB企業ホームページの役割の変化とその例

BtoB企業ホームページの役割は、年代とともに変化してきました。日本有数のBtoB企業である株式会社神戸製鋼所のホームページを例に解説します。

看板型(1996年)

(神戸製鋼の企業ホームページ_1996年)

1996年ごろは、看板型の企業ホームページが多かった年代です。神戸製鋼当時のホームページも、会社概要と事業概要を簡潔に掲載しており、看板型サイトとしての役割を果たしています。

(事業概要ページ_1996年)

表示速度が重くなりがちな画像は少なめにして、テキストコンテンツがメインとなっているのが特徴です。

カタログ型(2000年)

(神戸製鋼の企業ホームページ_2000年)

1999年ごろは、カタログ型の企業ホームページが主流だった年代です。2000年の神戸製鋼のホームページも、以前よりコンテンツが充実しており、カタログ型になっています。ADSLが普及したことを背景として、通信容量が大きい画像を多用できるようになりました。

(神戸製鋼の企業ホームページ_DIGITALTECHNO BOOK_2000年)

(耐熱材料の製品詳細)

DIGITAL TECHNO BOOKというコンテンツでは、神戸製鋼の製品である金属や機械の情報を、カタログのように詳細に掲載しています。購入意欲の高い見込み客は、自身で製品の詳細な情報を探し出して閲覧できます。取り扱う製品サービスが多いBtoB企業やSaaS企業であれば、こうしたコンテンツを掲載することで、販売のチャンスを増やせるでしょう。

ユーザビリティの追求(2003年〜2006年)

(神戸製鋼の企業ホームページ_2003年)

2003年ごろからは、トップページのデザインが一新されました。写真を大きく配置しつつ、情報を探しやすいデザインになったと感じられます。

(神戸製鋼の企業ホームページ_2006年)

2003年以降は、ユーザーがホームページ上で問題を解決できるように、ユーザビリティが追求された年代です。

2003年〜2006年ごろの神戸製鋼のホームページは、毎年のようにトップページのデザインを変更するなど、試行錯誤が繰り返されています。メニューや画像の配置、文字の大きさなども、訪問者が見やすいように工夫されたことがうかがえます。

動画コンテンツの登場(2007年)

(神戸製鋼の企業ホームページ_2007年)

2007年には神戸製鋼のホームページに動画コンテンツが登場しました。訪問者に楽しんでもらい、直感的に企業理念を伝えるために、動画が有効だという判断があったのでしょう。

2003年にデザインを刷新して以降、企業ホームページをWebマーケティングの一環として位置付け、訴求力や集客力を高める工夫をしていることが感じられます。

海外版サイトの登場(2011年)

(神戸製鋼の企業ホームページ_2011年)

2011年には、中国語版のWebサイトが登場しました。神戸製鋼は2010年、自動車サスペンション用のアルミ鍛造部品を製造・販売する会社を、中国の江蘇省に設立しました。事業の中国進出にともない、Webマーケティングの活動範囲もグローバルに広がったのです。

ランドイメージの確立(2015年〜現在)

(神戸製鋼の企業ホームページ_2015年)

2015年のホームページは、神戸製鋼のロゴと同じ青いカラーでサイト全体を統一しており、ブランドイメージを確立する狙いがあるのだと考えられます。

(神戸製鋼の企業ホームページ_2022年)

2022年現在のホームページでは、「サステナビリティ経営のためのマテリアリティ」というメッセージを、トップページで打ち出しています。製品情報よりも企業としての社会貢献活動をアピールする点には、従来からの変化を感じます。

1996年以降、神戸製鋼のホームページはさまざまな役割を担ってきました。単に情報を提供するだけだった初期から、買い手の課題を解決し、企業の価値を訴求するという立ち位置へと変化してきたのです。

BtoB企業ホームページが持っておくべきコンテンツ

BtoB企業やSaaS企業は、以下のコンテンツをホームページに用意しておくべきです。

  • サービス説明
  • 事例・お客さまの声
  • 料金・プラン
  • セミナー・ウェビナー
  • お役立ち情報
  • お問合せ
  • 会社概要

それぞれどのようなコンテンツを作成すればよいのか、株式会社ブイキューブのホームページを事例として紹介しつつ、ポイントを解説します。

サービス説明

(V-CUBEサービス一覧)

企業ホームページに欠かせないのが、自社の製品やサービスを説明するページです。ニーズが顕在しており、製品の購入を検討している買い手が、意思決定することを助けます。

株式会社ブイキューブは、BtoBでテレワークやウェビナーのツールを提供しているSaaS企業です。同社のホームページでは、トップページからすぐに製品一覧を閲覧できます。初めての訪問者でもわかりやすい構成になっている点が、参考になるでしょう。

製品一覧ページでは、名称だけを記載したのでは、どのような製品なのかが伝わりにくいです。各製品のページに移動する前に、訪問者がホームページを離脱してしまうことも考えられます。製品の魅力を端的に表現する画像をアイキャッチにすると、買い手に関心を持ってもらいやすくなるでしょう。

事例・お客さまの声

(V-CUBE導入事例)

企業ホームページに導入事例やお客さまの声を掲載することで、製品の利便性や魅力に説得力を持たせられます。ニーズが顕在化していない買い手に対しても、導入事例を通して製品の魅力を伝えることが可能です。

ブイキューブは、ホームページに非常に多くの導入事例を掲載しています。目的や課題に応じて検索できるようにしており、買い手が自社にあてはめて考えやすい事例を、簡単に見つけられる配慮がなされています。

(V-CUBE導入事例_NTT東日本)

導入事例のページでは、上図の事例のように実際に製品を利用しているシーンを画像や動画で撮影し、掲載するとよいでしょう。買い手に自社での利用シーンを想像してもらうことで、購入の検討を進めるきっかけを作れます。

また、「手厚いサポート」や「親身に相談に乗ってくれる」など、お客さまの声を掲載すると、自社に対して信頼感を持ってもらいやすくなります。すでに製品サービスを提供してきた実績があるのであれば、お客さまの声を積極的に集めて、ホームページに盛り込みましょう。

料金・プラン

(TELECUBE料金プラン)

企業ホームページから製品の購入を促したい場合は、料金・プランの記載も欠かせません。製品の購入を決定する段階に入った買い手に対して、特に有効なページです。

企業の予算は決まっている場合が多いため、担当者はまず料金で絞り込んでから、予算の範囲内の製品を詳細に検討します。料金がわからない製品の検討は後回しにされてしまいがちなので、料金ページは必ず作成しておくべきです。

BtoBやSaaS製品では、オプションなどで料金が変動することも多いでしょう。その場合は、料金・プランのページには基本料金だけ記載しておき、より詳細に知りたい買い手は、見積もりや問合せのページに誘導するのがおすすめです。購入意欲が高まっている買い手との接点を増やすことで、販売を伸ばしやすくなります。

セミナー・ウェビナー

(V-CUBEセミナー・イベントページ)

セミナー・ウェビナーは、製品の魅力やメリットを伝えられるだけでなく、買い手と直接コミュニケーションが取れる重要な集客ポイントです。

製品に興味を持ち始めた段階でセミナーやイベントのページを見つけて、まずは参加してみるという買い手は少なくありません。参加してセミナーの内容を有益だと感じてもらえれば、製品の購入につなげやすくなります。

定期的にセミナーを開催することは、自社が市場の最新動向に関する知見を持っていることを、アピールする機会にもなります。ホームページの見つけやすい場所に開催スケジュールを掲載し、買い手にセミナー・ウェビナーへの参加を呼びかけましょう。

お役立ち情報

(V-CUBEのテレワークナビ)

企業ホームページには、お役立ち情報を掲載するのがおすすめです。

  • ブログ
  • ebook
  • ホワイトペーパー
  • お知らせページ

このようなメディアを持つことで、まだ購入意欲が高くない潜在層にも関心を持ってもらいやすくなります。

たとえばブイキューブでは、オウンドメディア「テレワークナビ」を運営し、企業のテレワークに関する記事を掲載しています。テレワークの運用に課題を感じている企業の担当者が、インターネット検索で「テレワークナビ」の記事にたどり着き、製品の購入につながる導線を用意しているのです。自社製品のことを知らない買い手にアプローチするために、有効な手段だといえます。

提供している情報が有益だと感じてもらえれば、自社に対する信頼度が上がり、スムーズに商談が進む可能性も高まります。お役立ち情報はこまめに更新して、充実させておきましょう。

お問合せ

(V-CUBEのお問合せ先)

せっかくホームページのコンテンツを充実させても、お問合せ先の情報がないと買い手との関係を深められず、商談につながりにくくなってしまいます。お問合せページへのリンクは、トップページの上部など、わかりやすい場所に配置しましょう。

(V-CUBEお問合せページ)

お問合せページにはフォームを用意し、買い手の企業名や部署名といった情報を記入してもらうと、商談のための戦略が立てやすくなります。

会社概要

(株式会社ブイキューブの会社情報)

企業ホームページには、会社概要を掲載するページも必要です。会社概要がないと企業の実態がわからず、不信感を与えてしまいます。

会社概要ページには、以下の情報を記載するとよいでしょう。

  • 会社名
  • 本社・事業所の住所
  • 代表取締役・役員名
  • グループ会社名
  • 資本金
  • 従業員数
  • 企業の歴史や沿革
  • 経営理念やミッション

これらの情報を記載することで、訪問者に信頼できる企業だと感じてもらいやすくなります。採用ページや役員の略歴など、見込み客以外で自社に興味を持つ人向けの情報を、会社概要のページにまとめる場合もあります。

BtoB企業ホームページを作るためのおすすめツール

企業ホームページは重要な集客ポイントであるため、見た目の良さや使いやすさも不可欠な要素です。専門知識がないBtoB企業でも、簡単にホームページを構築できるツールを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

HubSpot CMS

(HubSpot CMSのホームページ)

企業ホームページを構築・運用するためのツールとして、最もおすすめなのがHubSpot CMSです。ホームページを簡単に構築できるだけでなく、以下の機能も利用できます。

  • ウェブサイトテーマ
  • SEOアドバイス
  • CRMとの連携

Webデザインの知識がなくても、あらかじめ用意されたホームページのテーマを使えるのは大きなメリットです。専門知識や手間が必要となりがちな以下の項目の設定についても、簡単な操作できれいに仕上げられます。

  • ホームページのカラー
  • フォントの大きさ
  • ボタンのデザイン・大きさ

ホームページへのアクセスを増やすため、検索エンジン最適化(SEO)もWebマーケティング担当者の課題です。HubSpot CMSは、検索エンジンに評価されやすくするためのSEO対策についてアドバイスをしてくれるので、知識や経験がない場合にも頼りになります。

HubSpot CRMと連携させて使える点も、大きな魅力です。デマンドジェネレーションのための情報分析を進めるために、CRMは欠かせません。HubSpot CMSとHubSpot CRMを連携することで、企業ホームページをWebマーケティングの一部として強化できます。

WordPress

(WordPressのホームページ)

WordPressもおすすめのツールです。個人から企業まで、さまざまなホームページを構築・運用するために利用されています。

HubSpot CMSと比較すると、WordPressは低コストで運用できる点が魅力です。サイトテーマや機能を追加するためのプラグインも、無料で使えるものが充実しているため、費用を抑えやすいでしょう。

ただし、本格的なCRMの機能を利用するためには、外部ツールとの連携が必要となる点がデメリットです。WordpressとCRMのそれぞれで管理担当者が必要となり、運用人数が多くなってしまう原因にもなります。また、機能を増やすためにプラグインを多数導入すると、管理しきれなくなる場合があるため注意が必要です。

(Wixのホームページ)

WixはスモールビジネスやEコマース向けのホームページ作成ツールです。

HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、手軽にホームページを構築できます。さまざまなアプリと連携させて、機能を追加することも可能です。低コストで運用できる場合が多く、WordPressに似たツールだといえるでしょう。

ただし、容量制限があったり、CRMツールとの連携に手間がかかったりする点は、Wixのデメリットです。低コストで取り急ぎ企業ホームページを立ち上げたい場合に、適しているツールだといえます。

まとめ

買い手と接点を持って商談へとつなげるために、BtoB企業にとって企業ホームページは必要不可欠です。以前は企業の看板としての役割が中心でしたが、現在では買い手との信頼関係を築くための場として利用されています。

企業ホームページでは、以下のコンテンツで情報を提供することで、潜在層にもアプローチできます。

  • お役立ち情報
  • 事例、お客さまの声
  • セミナー・イベント情報

企業ホームページを構築・運用する際には、デマンドジェネレーションを進めるため、CRMとの連携が不可欠です。HubSport CMSなどのツールを使いつつ、企業ホームページを活用していきましょう。