米国の6sense Insights社の2023年のレポートでは、BtoBにおいては購買プロセスの約70%が、ベンダーと合う前に終わっているというデータが出ています。
今や、多くの企業にとってインバウンドマーケティングはスタンダードな施策になっていますが、今後ますます重要性が増すことは間違いないでしょう。
インバウンドマーケティングは、軌道にのれば半永久的にリードを生み出し続けてくれる点が魅力。本記事では改めてインバウンドマーケティングとは何か? アウトバウンドマーケティングとの違い、成功企業の事例を紹介します。
インバウンドマーケティングとは、見込み客に売り込むのではなく、見込み客に見つけてもらい、自らの意思で問い合わせてもらうことで、ビジネスにつなげていくマーケティングです。
具体的には、見込み客の関心を惹きつけるコンテンツをオンライン上に用意し、見込み客が検索するときや、SNSで何かを調べようとしたときに見つけてもらいます。
そして、コンテンツの有益さによって見込み客から信頼できるパートナーと認識してもらい、関係性を深めていく流れです。コンテンツには、ブログ、ホワイトペーパー、事例、動画、SNSの投稿などがあります。
問い合わせ後は、見込み客の状況に合わせてメール、カスタマーサポート、インサイドセールスなどが適切にサポート。商品を見込み客に客観的に検討してもらいながら、受注につなげていきます。
インバウンド マーケティングの発展の背景には、インターネットやスマートフォンの普及による、人や企業の購買行動の変化がありました。
近年は消費者も企業担当者も、何か課題があるとき、まずインターネットで解決手段を探します。そして商品・サービスを絞り込み、購入したり見積依頼をかけたりするでしょう。
オンライン上には多数のメディアがあります。見込み客はSNSや評価サイトなどから購入した人の意見を入手することもできるので、昔のように企業の広告宣伝を鵜呑みにしません。自分で正しい情報を得ることに貪欲になりました。
そのため前述のように、購買プロセスの約70%がベンダーと合う前にオンライン上で終わってしまうようになり、企業は見込み客に早期に認知してもらうためにも、インバウンドマーケティングに力を入れるようになりました。
アウトバウンド マーケティングとは「広告」「営業電話」に代表される以下のような伝統的なマーケティングです。プッシュ(押す)型ともよばれ、幅広い対象に向けて積極的にアプローチします。
まったく商品に関心がない人も対象に含まれるため、邪魔に感じる人も多いものの、アウトバウンドをきっかけに関心を持つ人も一定数いるため、現在も実効性のある手法として使われています。
一方、インバウンドマーケティングは徹底してお客様主導のマーケティング。オンライン上で情報収集している見込み客にコンテンツを見つけてもらい、継続して価値ある情報を提供することで信頼してもらい、最終的に問い合わせてもらいます。
とはいえ、昨今はテレアポをすると見込み客はすぐ社名検索し、それをきっかけにオンライン上のコンテンツを読んで後から問い合わせることもあります。広告で知りブログを読む、ブログを読んだ後に広告に目をとめ問い合わせるなど、両者の相乗効果が生まれています。
インバウンドマーケティングは、商品を購入する側が情報収集力、情報発信力を持つ現代にマッチングするマーケティングスタイル。しかし、メリットは多いもののデメリットも多少あります。
インバウンドマーケティングは、実施する企業にも、見込み客にもメリットの多い施策です。
インバウンドマーケティングでは、いきなり電話をかけて見込み客の仕事の集中力を途切れさせたり、お問合せフォームから営業メッセージを送り、仕事の依頼を待っていた人をがっかりさせたりしません。お客様の邪魔をするようなことは一切ありません。
インバウンドマーケティングは、あくまで見込み客が何かを検索したり、必要な情報を探したりするためにメディアを見ているときに、見つけてもらえるようにコンテンツを用意します。押しつけがましいことはせずサポーターに徹し、見込み客の自主性を尊重する手法です。
近年は、Z世代などの若手人材は電話でのアプローチに忌避感を持つ傾向が高くなっています。理由は「手を止めて対応する必要がある」から。現在も、BtoBにおいてアウトバウンドテレマーケティングはかなり行われていますが、時代とともにインバウンドマーケティングがさらに支持を集めるでしょう。
インバウンドマーケティングは、価値あるコンテンツを提供し続けることで見込み客から信頼を得るマーケティングです。価値あるコンテンツとは、自社商品に関係するコンテンツだけでなく、見込み客の仕事に役立つノウハウ、よくある悩みのヒント、業界のトレンドなど、見込み客が日ごろ知りたがっているテーマのコンテンツです。
そのようなコンテンツを発信することで、仕事上のいろいろな悩み、疑問にこたえる見込み客のよきアドバイザーといったポジションをとります。返報性の法則はオンラインでも同じ。見込み客は次第にコンテンツの発信者である企業にエンゲージメントを持つようになります。何か購入する際は、この企業からという心理になるのです。
広告もCMも期間限定ですし、毎回予算がかかります。一方、インバウンドマーケティングはコンテンツの制作費は発生するものの、Webにずっと無料で掲載し続けられます。
ブログ、動画、ホワイトペーパーなどのコンテンツが大量に蓄積されると、検索エンジンに高評価されるメディアになるでしょう。さまざまな知識が集約されているため、いろいろな課題を持つ見込み客を惹きつけてくれるオンライン上の資産となります。
とはいえ、インバウンドマーケティングが完璧なわけではありません。弱い領域もありますし、インバウンドマーケティングの本質を理解せずに取り組み「こんなはずではなかった」となるケースもよくあります。
見込み客に見つけてもらうマーケティングとは、言い換えれば見込み客が課題に気づいてアクションを起こさない限り、見つけてもらえない可能性が高いマーケティングです。また、コンテンツを見つけてもらえたからといって1回で信頼されるわけではありません。継続的によい情報を発信し続ける必要があります。
つまり、成果が出るまで時間と予算が先行します。長期で見ればROIは高くなるものの、テレアポを1000件かけて今月に商談をいくつか入れるようなアウトバウンド的機動力はありません。ここを理解していないと「費用が安くつくと聞いたのに全然安くない!」と感じてしまうでしょう。
オンライン上のメディアは日々増え続けています。SNSだけでも、X、Facebook、LinkedIn、動画ならYouTube、Tik Tokなど、チャネルはさまざまです。
すべてのチャネルにコンテンツを用意する必要はありませんが、主要なプラットフォームを選んでクロスチャネル戦略をとる必要は出てきます。
そうなると、たとえ同じ内容のコンテンツであっても、プラットフォームの表現形式にあわせてそれぞれ作成する必要があり、制作の手間暇もかかります。各チャネルの運営、効果検証などのタスクも発生します。
Webで情報を探していて、役に立ちそうだと思った記事を見つけたらデータが2015年と古くてがっかりした経験はないでしょうか? 一般に見込み客が探しているのは最近の情報。そのコンテンツが、最新統計の数字にアップデートされており、内容もリライトされていたら、見込み客は喜ぶでしょう。
情報を探している見込み客の立場を考えると、コンテンツは定期的にメンテナンスする必要があります。もちろん、本質的なテーマやその時代の記録として残すべきコンテンツはありますが、大半はメンテナンスしたほうが役立ちます。ブログ、ホワイトペーパーのリライト、動画の一部編集などメンテナンス作業が定期的に発生するということです。
(出典:HubSpot)
インバウンドマーケティングにおける企業と顧客の関係性を表す概念が「フライホイール」。上記の図のように円形であることに注目しましょう。「Attract(惹きつける)」「Engage(信頼関係を築く)」「Delight(満足してもらう)」の3ステージが循環しています。
Attract(惹きつける)。見込み客に見つけてもらうステージです。そのきっかけとなるのはブログ記事、ショート動画、SNSなどさまざまなコンテンツがあります。
たとえば、見込み客が興味を持ちそうなトピックについてSNSで発信したり、彼らが検索エンジンで検索しそうなキーワードの回答になるようなコンテンツを作成したりします。
課題を認識していない潜在顧客に見つけてもらうために、日ごろの仕事に役立つ知識、ノウハウや用語集、業界トレンドの解説、便利なテンプレート、ガイドなども作るとよいでしょう。
この段階では、売り込むためのコンテンツは必要ありません。むしろ、役立つコンテンツを量産し「存在に気づいてもらう」ことが大事です。
エンゲージは愛着という意味。見込み客に信頼してもらうステージです。ふとしたきっかけでコンテンツに触れた見込み客は、ここのコンテンツを役立つと思えば、また訪れます。
何回か訪れてコンテンツの品質を評価すると、メールマガジンに登録したり、SNSのフォロワーになったり、継続して新しいコンテンツを入手しようとします。一歩信頼度が高まった段階です。
「このブログ、SNS、動画にはいつも助けられる」「おかげで仕事が効率化できた」「最新情報が入手できた」などの経験が重なると、見込み客はコンテンツを制作している企業を信頼し愛着を持つようになります。
そして、具体的なニーズが発生したときに「相談してみよう」という心理になり問い合わせます。見込み客が問い合わせやすいようにメール、チャット、電話、SMS、簡易な入力フォームなど複数の手段を用意しておくことが大切です。また、問い合わせ後も見込み客の関心度に合わせてメールを送付するなど、きめ細やかな情報提供を行っていきます。
Delight(喜び)とは商品の購入後に満足してもらうステージ。商品の機能、操作性、パッケージデザインのカッコよさ、カスタマーサポートの丁寧さなどによって、購入したことに喜びを感じてもらいます。
特にSaaSなどのような難易度の高いサービスは、初期に顧客が迷ったときにいかに適切な対応できるかが重要。この段階ではメール、チャット、またカスタマーサポートによる電話サポートが重要な役割を果たします。
現在はSNS社会なので、サービスに満足した顧客の何割かはレビューサイトやSNSで高評価を拡散します。それが、今度は別の新しい見込み客を「Attract(惹きつける)コンテンツ」になります。
フライホイールはこのような循環を表現したモデルです。フライホイールが循環し続ける=見込み客が発生し続けます。
インバウンドマーケティングは、見込み客を惹きつけてエンゲージメントを高めていくマーケティング手法。お客様に見つけてもらい、信頼関係を作るのに有効な施策を紹介します。
オウンドメディアとは、「自社で保有しているメディア」。広義ではWebメディア、SNS、カタログ、広告などすべての媒体を指します。狭義では、オンライン上の自社運営のブログサイト、ニュースサイトなどのWebメディアを指します。ここでは狭義の定義で解説します。
2023年に、テクロ株式会社がBtoBオウンドメディア運営担当者に行った調査では、92%の担当者がオウンドメディアを今後も運営し続けたいと語っています。もっとも感じている効果の1位が「認知拡大」、2位が「リード獲得」でした。
オウンドメディアは自社の運用目的に沿って、自社で編集が自由にできるところが長所です。拡散性はさほどありませんが、良質なコンテンツにより見込み客を惹きつけることや、多様なコンテンツで理解を深めてもらい自社への信頼度を高めてもらうことができます。
また、既存顧客向けのコンテンツを作り、日々の顧客の仕事を手助けすることができるなど、いろいろなステージの顧客に向けてコンテンツを発信できます。
オウンドメディアのコンテンツ例:
公式HPやオウンドメディアを訪問し、さらに深い情報を必要な見込み客に提供するのが「ダウンロードコンテンツ」です。一般に、ダウンロードする際にはメールアドレスや氏名を入力してもらいます。ここで、見込み客→リードへの転換が行われます。
ダウンロードコンテンツには、見込み客に個人情報を提供してもよいと思ってもらえるような魅力的なコンテンツを用意することが必要です。以下のタイプがあります。
例:
SNSマーケティングとは、企業がFacebook、X(Twitter)、YouTubeなどのSNSの投稿で見込み客や顧客と交流していくマーケティング手法です。企業アカウントからの投稿、プラットフォーム上のコミュニティ形成、キャンペーンやアンケートの実施などを行うことができます。
SNSは膨大なユーザー数を持っており拡散性が長所。一つの投稿がバズれば大量の人に社名を認知してもらえます。ユーザーには潜在リードも顕在リードも既存顧客も存在するため、Attract~Delightの3ステージで有効です。
継続して投稿していくのは大変ですが、現在のインバウンドマーケティングに欠かせない施策です。SNSごとにユーザー属性が異なり、XやYouTubeは年代幅が広く、Facebookは中高年が多め、Instagramは女性ユーザーが多いなど特徴があるので、自社にあうSNSを選びやすいでしょう。
ウェビナーとは、オンラインで開催するセミナーです。自宅にいながら視聴できる気軽な学びのチャネルですが、YouTubeなどの動画よりも内容が専門的なので、その領域に強い関心のある人たちが参加します。
ウェビナーは、まずAttract(惹きつける)ステージに適しています。定期的に開催することで信頼関係も構築できるので、Engageのステージにも適しています。ウェビナー申込段階でリードの基本情報を得ることができるので、リード獲得にも有効です。
集客はメールマガジン、SNS、ニュースリリース、オウンドメディアなどで実施。ウェビナーは四半期に1回でもそれなりに印象に残ります。また、ウェビナーコンテンツをブログなどで公開し、参加できなかった人たちに見てもらうことができます。
小規模なウェビナーなら、ZoomやTeamsのようなWeb会議ツール、大規模なウェビナーは上記ネクプロのようなウェビナープラットフォームを活用します。
メールマーケティングとは、メールを活用したマーケティング施策であり、Engage段階以降においてなくてはならない施策です。
具体的には、自社にメールアドレスを提供してくれたリードに対し、メールマガジンを発行したり関心度に合わせてメールで定期的に情報提供したりして、信頼関係を作っていきます。
オウンドメディアの新規記事、ウェビナー開催、新動画の紹介、会社のニュース、コミュニティへの招待などいろいろな情報を案内することで、徐々に会社や商品の魅力を知ってもらうことができます。
HubSpotの2024 年マーケティング戦略およびトレンド レポートでは、メールマーケティングはマーケティング担当者が「最も活用する手法の第1位 (33%) 」になっています。他の調査においてもROIの高さでは定評があります。
インバウンドマーケティングの考え方を学べる書籍を紹介します。2冊ともインバウンドマーケティングが台頭してきた時期の本ですが、今読んでも多くの学びがあります。
(出典:Amazon)
HubSpotの会長兼共同創業者Brian Halligan(以下、ブライアン・ハリガン)氏、最高技術責任者(CTO)のDharmesh Shah(以下、ダーメッシュ・シャア)氏が2004年に書いた本です。本書には、インバウンドマーケティングの考え方、進め方がすべて書かれています。
ブログはなぜ広告より有益なのか? ブログは売り込みすぎないことが大事、力を入れるべきことは何で、必要以上に入れなくていいことは何かなど、インバウンドマーケティング初心者が迷いそうなことについても、明確な指針を述べています。
現在、インバウンドマーケティングについてもいろいろな情報があふれ、マーケティング担当者は選択肢がありすぎるからこそ判断に迷うことが多いと思います。そんなときにこの本を読み返すと、インバウンドマーケティングの哲学にそったアプローチに立ち返ることができるでしょう。
(出典:Amazon)
本書は、日本初のインバウンドマーケティングエージェンシーで、2013年にHubSpotのAnnual Partner Awardsにおいて最優秀代理店賞(国際部門)を受賞した株式会社マーケティングエンジン創業者の高広 伯彦氏の書籍です。
HubSpotの代理店として、現実にさまざまな日本企業への導入支援をしてきた経験から、インバウンドマーケティングの考え方や方法論を解説しています。
見込み客にどのように自社のコンテンツを見つけてもらうのか? その後どのように関係性を築いていくのか? どうやって自社商品を推奨してもらえるようになるのか、などの手順が書かれている実践的な本です。
(出典:HubSpot)
マーケティング担当者なら、HubSpotの記事に助けられたことが1回はあるのではないでしょうか?
2006年、HubSpotを創業したブライアン・ハリガン氏、ダーメッシュ・シャア氏の両者は、マーケティングソフトウェアを売り出しますが、「参考になる情報が詰まったリッチコンテンツを作成すれば、多くの人が関心を寄せ、好きになってくれる」という思想のもと、自分たちでインバウンドマーケティングを実践してきました。
とにかく見込み客の仕事に役立つコンテンツを作成し、知名度を広げ、信頼性を高めていったのです。ブログ、ホワイトペーパー、動画、SNS、ウェビナーと時代とともに表現形式も多彩になりました。
また、ペルソナ作成ツール、マーケティングROI計算ツールほか無償で多数のツールも提供していきました。
営業・マーケティングの担当者や個人事業主は、HubSpotのコンテンツに助けられ、そのコンテンツやツールの有益さからHubSpotを信頼するようになり、無料CRMなどの無償ツールを使い始めます。
そしてますますHubSpotのファンになり、多くのユーザーが有料版も活用するようになりました。その結果が、上の画像のようなHubSpotの成長につながっています。
無料ツールの例:
インバウンドマーケティングを実行するステップを解説します。
目的とは何のためにインバウンドマーケティングを行うかで、目標は具体的な仕事の数値目標です。
一般に、インバウンドマーケティングは、「リード獲得」「問い合わせ数増加」「ブランディング」などが目的です。そのための目標として、たとえば以下のような数値目標があります。
しかし、これからインバウンドマーケティングをスタートする場合、すぐリード獲得につながるわけではないので、上記の手前側の目標を設置する必要があります。前述のデメリットのところで触れたように、ある程度コンテンツが蓄積されなければ成果が出ないためです。
初期は以下のような目標が望ましいでしょう。
どのような見込み客に向けてインバウンドマーケティングを実施するかを明確にするため、ペルソナ(典型的な顧客像)を設定します。ペルソナ作成のシンプルな方法は以下のとおり。
1.現在のロイヤル顧客インタビュー、営業担当者からのヒアリング
↓
2.ロイヤル顧客の特徴まとめ、ペルソナについてディスカッション
↓
3.ペルソナシートに、顔写真、名前、個性、本人の持っている理想、抱えている課題などをまとめる
ペルソナシート
次にカスタマージャーニーを作成します。テンプレートにペルソナが課題に気づき始めたときどのようなメディア、コミュニティで情報収集するのか、どのような資料を必要とするのかを、購買心理のステージごとに書き込んでいきます。
この作業により、実際のチャネルにどのようなコンテンツを配置していけばよいかがイメージしやすくなります。
カスタマージャーニーのテンプレート
カスタマージャーニーを参考に、実際に活用するプラットフォームを決めます。上記のアトラクト、エンゲージ、デライトステージごとに、プラットフォームとコンテンツを動線にもれがないよう配置してみましょう。
SNSなら、YouTubeやXのように全フェーズに効果が見込めそうなプラットフォームは便利です。オウンドメディアも同様です。レビューサイトのように検討段階に強いプラットフォームもあります。
現在の人は、SNSも動画もブログも読んでおりユーザーが重複しているため、最も使いそうなプラットフォームをいくつか絞り込みマッピングします。
配置例:
プラットフォームが決定したらコンテンツの計画を立てます。コンテンツを作成するのは、主にアトラクト、エンゲージのステージ(デライトステージはユーザー生成コンテンツが中心)です。
コンテンツマッピング、コンテンツカレンダーなどのいろいろなテンプレートも出ています。自分が計画を立てやすいものであれば何を使ってもかまいません。
以下は、当社が人事系SaaSの企業様に提供したコンテンツマップの例です。ペルソナが複数いる前提で、メディアのドメインも複数なのでやや複雑ですが、このような例もあります。https://blog.leapt.co.jp/what-is-a-content-map-an-easy-to-follow-introduction-with-specific-examples-and-a-template-on-how-to-create-one。
いろいろな検証ツールはありますが、2022年のStatista の調査によると世界の企業がコンテンツマーケティングのROIの測定に使用するツールの1位はGoogle アナリティクスでした。Googleアナリティクスは無料版も高機能。有料版だとさらに詳細なデータが把握できます。
たとえば、Googleアナリティクスでインバウンドマーケティングの以下のような指標が測定できます。
このような数値によって、検索キーワードの反応、コンテンツごとのコンバージョン率などがわかります。訪問数が多く滞在時間も長いのにお問合せが少ない場合は、お問合せボタン(CTA)を適切な位置に配置したり、問い合わせフォームの項目を簡略化したりするなど対策をとります。
インバウンドマーケティングでは、施策の効果を数値で確認できるため、改善ポイントを明確にしやすいのが特徴です。そのデータを活用し、継続的に改善を重ねることで、成果を最大化していきましょう。
インバウンドマーケティングは、現在はスタンダードな施策になっており多くの企業が手掛けています。しかし、あまり成果が出ていない企業も少なくありません。
コンテンツをただ量産したり、ツールを入れたりすることを先行するのではなく、目的を明確にし、ペルソナとカスタマージャーニ―を定義してコンテンツの企画を立てましょう。なぜなら「訪れてほしい人を絞り込み、その人に向けたメッセージをコンテンツで発信できる」のがインバウンドマーケティングの長所だからです。
そして、見込み客に役立つコンテンツを提供し続けること、giveし続けることが重要。ここは、従来の営業活動と本質は同じです。今はかつて営業担当者が行っていた役割をコンテンツが担っています。