SEOにおいて、検索順位はサイトパフォーマンスを評価する重要な指標のひとつです。上位に表示されることで、サイトへのトラフィック増加やビジネスの成長に直結します。しかし、検索順位を正しく把握し、それを基に効果的な施策につなげきれていないと感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SEOにおける検索順位の調べ方、順位を把握する際に注目すべき指標、そして効率的に検索順位を測定するための無料・有料ツールをご紹介します。ぜひ本記事を参考に、検索順位を単なる指標ではなく、次なるアクションにつなげるための手段として活用できるようになっていただければ幸いです。
検索順位とは、ユーザーが特定のキーワードを検索した際に、あなたのWebサイトが検索結果ページでどの位置に表示されるかを示すものです。たとえば、「SEO」というキーワードで検索した場合、サイトが1位に表示されるのか、それとも50位なのかによって、検索エンジンがそのコンテンツをどの程度価値があると判断しているかがわかります。
検索エンジンは、サイトのコンテンツの質、検索キーワードとの関連性、情報の信頼性など、多くの要素を基に検索順位を決定します。SEOにおいてこの順位は、成功の指標のひとつです。上位にランクインするほど、サイトへのアクセス数が増加し、ビジネス成果にもつながる可能性が高まります。
(出典:Backlinko)
特に、検索結果の上位3位に表示されることが重要です。Backlinkoの調査によると、検索結果1位のページの平均クリック率は27.6%、2位は15.8%、3位は11.0%です。一方、10位になるとCTRは2.4%にまで低下します。このデータからも、検索順位を上げることがどれほど重要かがわかります。SEO対策を講じる際には、上位3位以内を目指すことが、トラフィックと成果の向上に直結するのです。
SEOで検索順位を把握することで、効果的なSEO戦略の策定およびSEO施策の効果分析を行えます。ここでは、検索順位を把握するべき2つの理由を見ていきましょう。
SEO戦略を効果的に策定するためには、まず自社サイトの現状把握が欠かせません。特に検索順位の確認は、サイトがどのキーワードで評価されているか、どのページが上位に表示されているかを把握するための第一歩です。
たとえば、自社が狙っているトピックに関連するキーワードで上位表示されている場合、そのキーワードやページをSEO戦略の中心に据えて、さらに強化するべきでしょう。一方、期待していたキーワードの順位が低い場合は、ページ構造やコンテンツの質を見直す必要があります。ユーザーにとって有益な情報を提供し、検索エンジンが評価しやすい形に改善することで、検索順位の向上が見込まれるためです。
また、競合他社の検索順位の分析も重要です。競合がどのキーワードで高い順位を獲得しているかを調べることで、自社との差を浮き彫りにし、改善の方向性を見つけられます。
たとえば、競合が特定のキーワードで上位を占めている場合、その理由を分析し、自社コンテンツと比較します。コンテンツの質が劣っている場合は、リライトや追加情報を盛り込むといった対応が必要です。また、コンテンツの質が同等でも順位に差がある場合は、外部リンクの数やページの読み込み速度といった技術的な要因をチェックし、改善を図ります。
このように、自社サイトと競合サイトの分析を基にした戦略を練ることで、検索エンジンからのトラフィックを効果的に増やすことが可能です。上位表示されるページが増えればサイトの露出が高まり、結果として問い合わせや売上げの増加といった具体的なビジネス成果につながる可能性が高まります。SEO戦略は単なる検索順位の向上だけでなく、ビジネスの成長を促進するための重要な要素です。
SEO施策を実施した後、その効果を正確に把握するためには、検索順位の変動を定期的にチェックすることが重要です。SEOの効果は、特定のキーワードにおける検索順位の変化に現れることが多く、たとえば新たなコンテンツの追加や、既存ページのリライトをした結果、順位が上昇すれば、その施策が成功していると判断できます。
まず、施策前後の検索順位を比較し、どのページやキーワードにポジティブな変化があったかを確認します。順位が上がった場合、検索エンジンがページのコンテンツや内部リンク構造を高く評価した可能性が高く、施策が効果を発揮したことを意味します。一方で順位に変化がない、または下がってしまった場合は、問題がある可能性があります。この場合、どの部分が原因かを再度分析し、改善が必要です。
たとえば、キーワード選定が適切でなかったり、競合が同じタイミングでSEOを強化したりしていた場合、期待していた結果が得られないことがあります。このような場合、キーワードの再選定やコンテンツのリライト、外部リンクの強化、ユーザーエクスペリエンスの改善といった新たな施策を検討しなければいけません。
このようにSEO施策の効果分析をするためには、定期的に各キーワードの検索順位を測定する必要があるのです。また効果分析は、単に順位変動を見るだけでなく、次の施策へとつなげるためのステップという点を心がけましょう。
検索順位を定期的に確認することで、Webサイトのパフォーマンスに関するさまざまな示唆が得られます。ここでは、検索順位を把握することでわかる4つのポイントをご紹介します。
SEOの世界では、トラフィックの減少は検索結果における順位変動と関連していることが多いため、順位の把握が不可欠となります。特定のキーワードで以前よりも順位が下がっている場合、それが原因で検索からのアクセス数が減少している可能性が高いです。
たとえば、以前は上位に表示されていたキーワードが10位以下に落ちてしまった場合、そのキーワードを使ってサイトに訪問するユーザー数も大幅に減少するでしょう。しかし、検索順位が低下したからトラフィックが減少したと結論付けるのではなく、なぜ検索順位が低下したのかも解明しなければ、次の施策にはつなげられません。検索順位が低下する主な原因は以下の通りです。
一方で、検索順位に大きな変動が見られない場合でも、トラフィックが減少することがあります。このようなケースでは、他の要因を考慮しなければなりません。たとえば、キーワードの検索ボリュームが季節やトレンドの影響で減少した場合や、ユーザーの検索意図が変化したことによって、以前は有効だったキーワードが現在はあまり使われていない可能性があります。
こうしたケースでは、まずキーワードの需要や市場のトレンドを再確認し、新たなキーワードの最適化やコンテンツの方向性を見直すことが必要です。
自社だけではなく、競合他社のSEO順位も確認しましょう。
競合他社の検索順位を確認することで、競合がターゲットとしているキーワードやそのコンテンツ戦略が浮かび上がります。たとえば、競合が特定のキーワードで上位を占めている場合、そのキーワードに関連するページの構成やコンテンツ内容、外部リンクの質と数などを分析することが有効です。このような情報から、競合がどのようなSEO施策を展開しているかを推測し、自社の戦略にも反映させることができます。
また、競合がまだ取り組んでいない、または効果的に活用できていないキーワードの隙間を発見することも可能です。たとえば、特定のニッチなキーワードやロングテールキーワード(より具体的な検索語句)で競合があまり強化していない領域を発見することで、その分野で上位にランクインするチャンスが生まれます。
競合がフォーカスしていないキーワードは、難易度が低いため、比較的容易に順位を上げられる可能性があります。これにより、自社のサイトへのトラフィックを増やし、新規顧客の獲得や既存ユーザーのエンゲージメントを高めることが可能です。
このように競合のSEO戦略を詳細に分析することは、単なる順位の確認に留まらず、競合の成功パターンを理解し、それを自社の強化につなげるための鍵となります。
検索順位を定期的にチェックすることは、SEO戦略において重要なステップです。順位の動向を把握することで、まだ十分に最適化されていないキーワードや分野を発見できます。
たとえば、以前は40位にとどまっていたキーワードが20位以内に浮上してきた場合、それは検索エンジンがそのコンテンツの価値を認識し始めたサインです。このタイミングでリライトや内容の強化を行うことで、さらなる上位表示が期待でき、10位以内への到達も視野に入ります。
(出典:Ahrefs)
さらに、Googleのアルゴリズムは、特定のキーワードで評価されたページを、他の関連キーワードでも上位に表示させる傾向があります。Ahrefsの調査によると、1位にランクインしているページは、他の約1000の関連キーワードでもトップ10に入る可能性が高いことが示されているのです。この現象は、検索エンジンがそのページを「総合的に価値の高いコンテンツ」と判断していることを意味します。
こうしたチャンスを逃さないためのひとつの方法として、関連するキーワードをターゲットにした新しいコンテンツの作成が効果的です。既存のページに直接関係がないキーワードであっても、検索意図に沿った新しいコンテンツを追加することで、サイト全体の評価を向上させることが可能です。
また、内部リンクを適切に活用することで、SEO効果をさらに高められます。関連するページ同士をリンクで結ぶことで、Googleはサイトの構造をより理解しやすくなり、結果としてサイト全体の順位向上に貢献します。
モバイルとデスクトップでの検索順位は、Googleが「モバイルファーストインデックス」に移行したことにより、異なることが一般的です。これにより、両方のデバイスでの検索順位を追跡することは、効果的なSEO戦略を策定するために欠かせません。モバイルとデスクトップでは、ユーザーの検索体験が異なるだけでなく、検索エンジンが結果を表示する基準も異なるため、双方のランキングを確認する必要があります。
まず、Googleのモバイルファーストインデックスとは、検索エンジンが主にモバイル版のコンテンツを基にサイトの評価を行うという方針です。これは、モバイル端末からの検索が増加し、モバイルでのユーザー体験が検索エンジンにとって重要な要素となったためです。
このため、モバイルでの検索順位はデスクトップとは異なる結果を示すことがあります。特に、モバイル対応のページの有無、ページの読み込み速度、タッチ操作の使いやすさ、パーソナライズされた検索結果が大きく影響を与えます。
たとえば、モバイルではページの読み込み速度が特に重要視され、遅いページは順位が下がる傾向にあります。また、デスクトップでは問題ないレイアウトやコンテンツが、モバイル端末では適切に表示されず、結果としてモバイル検索での順位が下がることがあります。このため、モバイルフレンドリーなデザイン、画像やコンテンツの軽量化が必須です。
モバイルとデスクトップの両方で検索順位を追跡することは、SEOにおいて必要不可欠ですが、それにはいくつかの課題も伴います。たとえば、モバイルとデスクトップの両方のランキングを追跡する場合、特に大規模なサイトやブランドでは、数千、数百万ものキーワードを管理することが求められる場合があります。これにより、キーワードのランキングを追跡するためのコストや、データを分析するための帯域幅が大きく必要となるかもしれません。
検索順位は、定期的に確認するだけでなく、特定のタイミングでも確認する必要があります。特に、検索エンジンのアルゴリズムが更新された際や検索ボリュームに変動があった際には、検索順位の確認が重要です。ここからは、SEOの検索順位を調べるべきタイミングを見ていきましょう。
Googleは検索エンジンの精度やユーザー体験を向上させるため、アルゴリズムを定期的に更新しており、特に大規模なアップデートが行われると、検索順位に大きな影響を及ぼすことがあります。こうしたアップデートは、検索エンジンがサイトの評価基準を変えるため、上位にランクインしていたサイトが突然順位を下げることもあります。
アルゴリズムのアップデートは多くの場合、特定のコンテンツの質やユーザー体験、技術的なSEO要素をより厳しく評価するようになるため、これに対応しなければいけません。特に「コアアップデート」と呼ばれる大規模な変更が行われた場合、多くのWebサイトが大きな順位変動を経験するでしょう。このため、アップデートが行われた際には、まずは自社の検索順位の変動を迅速に確認し、その影響を把握することが重要です。
もしアップデートによって順位が下がった場合、その原因を特定し、対応策を講じる必要があります。一般的に、順位が下がる主な原因としては、次のような要素が考えられます。
アルゴリズムアップデートに伴う検索順位の変動は避けられないものですが、適切な対策を講じることで順位を回復し、場合によってはさらに高い位置にランクインするチャンスにもなります。特に、アップデート後に順位が下がった場合は、その原因を冷静に分析し、コンテンツや技術面での改善を進めることが大切です。
ただ、アップデートによる一時的な変動である可能性もありますので、最新の情報や他メディアの影響度合いなども情報収集しながら、どのような対応をするべきかは吟味する必要があります。
検索ボリュームに大きな変動があった際、迅速に検索順位を確認することは、SEO対策で重要です。特に検索ボリュームが急激に増加しているキーワードで上位にランクインしている場合、その機会を逃さずに対応することで、大量のトラフィックを獲得できる可能性が高まります。こうしたタイミングを活かすことは、コンバージョン率の向上にも直結します。
たとえば、筆者が関わったSEOプロジェクトでは、過去の検索データを分析した結果、特定のトピックに関して5月から6月にかけて検索ボリュームが大幅に増加する傾向が見られました。これを踏まえ、増加が見込まれるタイミングに合わせて、関連する新規記事を集中して公開し、既存の記事もリライトして最新情報を追加しました。その結果、大量のトラフィックとコンバージョンを獲得し、プロジェクトの成功につなげることができました。
一方で、検索ボリュームが減少した場合、これはそのキーワードの需要が低下していることを示します。こうした状況では、順位が上位であっても流入が減るため、既存の戦略を見直す必要があります。トレンドが変わる背景には、季節的な要因やユーザーの興味・関心の変化などがあるため、これに応じた柔軟な対応が重要です。まずは、減少しているキーワードに代わる新しいキーワードをリサーチし、今後の需要に合ったコンテンツを作成することが効果的です。
SEO担当者として、定期的に検索順位を確認し、その結果を社内に報告することは、SEO施策の進捗を把握し、全体的なマーケティング戦略を効果的に進めるうえで重要です。検索順位の変動は、SEO施策がうまく機能しているかどうかを判断するための指標であり、これを適切に把握し、社内で共有することで、さらなる改善策を迅速に講じることが可能になります。
報告が目的の場合、以下の要素を含めるようにしましょう。
社内のメンバーや部署によって、報告形式のニーズは異なります。技術部門やマーケティング部門に向けたレポートは、より技術的な詳細や具体的な施策の影響を深掘りする一方、経営陣に向けた報告では、KPI(主要指標)を中心に簡潔でインパクトのある情報が求められることが多いです。このため、相手に応じた形式での報告書作成が重要です。
定期的な検索順位の確認と社内報告を継続することで、SEOの進捗を可視化し、社内全体で一貫したSEO施策の強化を図れます。これにより、効果的な改善策が常に実行され、Webサイトのパフォーマンス向上を継続的にサポートできる環境が整います。
SEO対策において、定期的に記事をリライトすることは、検索順位を効果的に向上させる手段のひとつです。既存の記事をただ放置するのではなく、コンテンツの質や情報の最新性を高めるためにリライトを行うことで、検索エンジンからの評価が向上します。
たとえば、弊社のブログで「パイプラインとは」というキーワードをターゲットにした記事がありましたが、競合サイトの上位記事を分析したところ、より充実した内容が必要であると判断しました。そこで、タイトルの変更やパイプライン管理における注意点、便利なツールなどを追加し、記事全体をリライトしたのです。その結果、検索順位がリライト前は23〜30位の位置に停滞しておりましたが、リライト後は平均2〜6位まで上昇しました。
さらに、リライトは一度きりではなく、定期的に行うことでサイト全体のパフォーマンス向上に貢献します。特に検索順位が安定しないキーワードや競争が激しいテーマでは、継続的なコンテンツ更新が必要です。これにより、検索エンジンのアルゴリズム変化に対応しつつ、競合に対して優位性を保つことができます。
リライトにより、新たな関連キーワードの発見やユーザーの検索意図により適合した内容を提供できるため、結果としてクリック率の向上や滞在時間の延長など、サイト全体のSEO指標も向上するのです。
検索順位を調べる際、単に順位の高低だけを確認するのではなく、関連する複数の指標も一緒に見ることが重要です。これにより、より包括的にサイトのパフォーマンスを把握し、次の施策に役立てることができます。
オーガニック検索結果での順位は、SEOの効果を示す基本的な指標です。
特定のキーワードで自社サイトがどの位置に表示されているかを把握できますが、特に注視すべきは「平均検索順位」です。平均検索順位は、特定の期間における平均的な検索順位のこと。一時的な変動に左右されず、サイトが長期的にどのように評価されているかを示す指標となります。
たとえば、あるキーワードで短期的に順位が変動することがあっても、平均順位が徐々に向上しているならば、そのSEO施策は成功していると判断できます。このため、定期的に平均検索順位を確認することで、施策の成果を長期的に追跡することが重要です。
検索順位は定期的に変動するため、その動向を追跡することが不可欠です。特定のキーワードで順位が上がるか下がるかは、SEO施策が成功しているかどうかの指標となります。たとえば、重要なキーワードでの順位が急激に下がった場合、その原因を迅速に特定して対応しなければなりません。逆に、意図せずに順位が上昇した場合、その成功要因を把握し、他のページやキーワードにも応用することで、さらなる成果を得られます。
キーワードの月間検索ボリュームは、そのキーワードがどれだけのユーザーに検索されているかを示す重要な指標です。検索ボリュームが大きいキーワードでは、多くのトラフィックを獲得するチャンスがある反面、競争が激しくなるため、高度なSEO対策が求められます。
検索ボリュームが多いキーワードに対しては、質の高いコンテンツの作成はもちろんですが、それだけでは不十分です。さらに、被リンクの獲得を通じてドメインパワーを強化したり、内部リンクを効果的に配置してサイトの構造を最適化することが重要です。たとえば、信頼性の高い外部サイトからの被リンクを増やすためにリサーチ記事や独自データを提供するなど。また、検索エンジンがサイトのテーマや関連性をより理解しやすくするため、関連するページ同士の内部リンクを意識的に設置することも効果的です。
一方で、SEOの初期段階では、検索ボリュームが少ないものの競争が比較的少ない「ロングテールキーワード」に焦点を当てることが効率的です。検索ボリュームが数百程度のキーワードでも、特定のニッチなトピックに絞ったコンテンツを作成することで、競合が少なく上位表示を狙いやすくなります。ロングテールキーワードは、検索意図が明確であることが多く、コンバージョン率の向上にも期待できます。
SEOにおいて、どのページがどのクエリで順位付けされているかを把握することは重要です。
筆者が支援したプロジェクトでは、狙っていなかったキーワードで予想以上に高い順位を獲得したページがありました。そこで、そのキーワードに合わせてコンテンツを最適化することで、さらなるトラフィックの獲得に成功したのです。
さらに、複数のキーワードで上位に表示されているページは、サイト全体にとって重要な役割を果たしている可能性が高いです。このような「強いページ」は、他の関連キーワードにも最適化を行うことで、より多くのトラフィックを引き寄せるポテンシャルがあります。
強いページをさらに強化するためには、関連する内部リンクを充実させるだけでなく、外部リンクの獲得も検討すると効果的です。外部リンクは、そのページのドメインパワーを向上させ、検索エンジンからの評価をさらに高める要因となります。
このように、各ページがどのクエリで評価されているかを詳細に分析し、意図せずランクインしているキーワードに対応したり、すでに複数のキーワードで評価されているページをさらに強化したりすることで、より効果的なSEO施策を展開できます。
検索順位が高いからといって、必ずしも多くの流入が期待できるわけではありません。検索順位と流入数は必ずしも比例するものではなく、検索ボリュームやクリック率など、他の要素も考慮する必要があります。
たとえば、検索順位1位のページがあるとして、1位の平均クリック率が27%だと仮定すると、月間検索ボリューム500のキーワードで1位を獲得しても、予測される流入数は135にとどまります。
一方、検索ボリューム1万のキーワードで6位を獲得し、6位の平均クリック率が6.3%であれば、630の流入が見込めます。この例からわかるように、検索順位が必ずしも流入数に直結するわけではなく、ボリュームの大きいキーワードにおいては順位が多少低くても大きな流入が期待できる場合があります。
つまり、SEO施策においては、単に検索順位だけを追い求めるのではなく、検索ボリュームやクリック率を加味した総合的な流入数の予測が必要です。ツールを活用して、各キーワードの検索ボリューム、順位、そしてクリック率のデータを分析することで、より正確な流入予測が可能になります。
検索順位を調べる方法には、いくつかの手段があります。最も手軽なのは手動での検索ですが、より正確で効率的に順位を追跡するためには、専用ツールの活用が必要です。ここでは、検索順位を調べる3つの方法をご紹介します。
検索順位を確認する最も簡単な方法は、直接キーワード検索をし、検索結果を確認することでしょう。特定のキーワードの順位を素早く確認したい場合、この方法は手軽で効果的です。
(パーソナライズ化された検索結果)
ただし、検索結果はパーソナライゼーションの影響を受ける点には気を付けましょう。検索エンジンは、検索履歴やブラウザの使用履歴に基づいて、各ユーザーにあった検索結果を提供します。そのため、実際の順位が正確に反映されず、個人の興味に基づいた結果が表示されてしまうのです。
(プライベートモードでの検索結果)
客観的かつ正確な検索順位を確認したい場合は、プライベートモードでブラウザを使用し、検索エンジンで検索をしましょう。これにより、履歴やクッキーの影響を受けない状態での検索結果を確認でき、パーソナライゼーションの影響を避けることができます。
Googleサーチコンソールは、SEO担当者にとって欠かせない無料ツールで、Webサイトの検索順位やキーワードごとのパフォーマンスを詳細に確認できます。
まず、サーチコンソールではクリック数やインプレッション数、平均掲載順位といった基本的なデータ分析が可能です。どのような検索クエリで自社サイトが表示されているのか、またそのパフォーマンスがどのように推移しているかを把握できます。たとえば、あるページが検索結果に表示される回数(インプレッション)は多いがクリック数が少ない場合、そのページのタイトルやメタディスクリプションの改善が必要かもしれません。
また、Googleサーチコンソールの強力な機能のひとつは、長期的な順位の推移を確認できる点です。これにより、各ページが特定のキーワードで順位を上昇させているのか、下降しているのか、または変化がないのかを確認できます。
さらにサーチコンソールではさまざまなフィルターを設定し、特定の期間やデバイスごとのパフォーマンスを分析できます。たとえば、モバイルとデスクトップの検索結果を比較したり、特定の国や地域でのパフォーマンスを絞り込んで確認したりすることが可能です。
このように、GoogleサーチコンソールはSEOにおける強力な分析ツールであり、検索順位の追跡からパフォーマンスの改善策まで、幅広い情報を提供します。
検索順位追跡ツールを使用することで、さらに詳細かつ正確なデータを取得できます。これらのツールは、自動的に検索順位を追跡し、リアルタイムで変動を確認できるため、大量のキーワードやページを管理している場合に特に有効です。また、競合の検索順位も追跡できるツールも多く、競合分析にも役立ちます。次の項では、おすすめの検索順位ツールをご紹介します。
検索順位を効果的に追跡するためには、目的や規模に応じたツールの選定が重要です。以下に、代表的な無料・有料ツールを紹介します。
(出典:Google)
Googleサーチコンソールは無料で利用でき、検索順位を把握するための基本的な機能を提供しています。個別ページにおける検索表示キーワード、同一キーワードでの表示される複数ページなどさまざまな角度でキーワードを分析できます。主に確認できる項目は以下の通りです。
Googleが提供するツールだけあり、SEO対策の定番ツールです。ユーザーインターフェースは分かりやすく、ITに精通していない方でも簡単に使いこなせるでしょう。ただし、自社サイトの分析は可能ですが、競合他社分析は行えません。より本格的にSEO対策を実施したい場合は、サーチコンソールと他の競合分析ツールの利用が必要です。
(出典:SEOラボ)
検索順位チェッカーは、SEO対策専門会社の株式会社ディーボが提供する無料の検索順位確認ツールです。
使用方法は簡単で、URLと確認したいキーワードを入力するのみ。競合のURLを入力すれば、競合の検索順位も確認できます。しかし、1度の操作で確認できるキーワード順位は1つまで、1日の使用回数は最大10回までと大きな制限があります。
少ないキーワードを確認したい場合は有効ですが、大量のキーワードを継続的に追跡するには不向きであり、必要に応じて有料ツールへの切り替えを検討する必要があります。
(出典:Ahrefs)
Ahrefsは、世界中で60万人以上が利用している有料のSEOツールで、SEO戦略に必要なデータを包括的に提供します。このツールは、単に検索順位を追跡するだけでなく、被リンク分析、競合サイトの調査、キーワードの難易度分析など、多岐にわたるSEO機能を備えています。これにより、サイトパフォーマンス向上に必要な詳細なデータを得ることができ、SEO施策の効果を最大化できます。
Ahrefsの検索順位追跡機能では、自社サイトや競合サイトの順位の推移を長期間にわたって確認することが可能です。この機能により、特定のキーワードでの順位変動を詳細に把握し、どの施策が成功しているか、または改善が必要かの判断を行えます。また、レポートの自動送信設定もできるため、定期的に順位の変動やSEOの成果を簡単に追跡でき、時間を効率的に使えます。
競合分析もAhrefsの強力な機能のひとつです。競合他社のサイトがどのキーワードで上位にランクインしているのか、またどのようなリンク戦略を採用しているのかを分析し、競争力のあるSEO戦略を構築するための示唆を得ることが可能です。
SEO対策に必要な機能が網羅的に備わっているため、SEO担当者の業務効率を大幅に向上させてくれるでしょう。
(出典:Rank Tracker)
RankTrackerは、リーズナブルな価格で提供される有料のSEOツールで、幅広い機能を備えながらも使いやすさが特徴です。自社または競合サイトのドメインを入力するだけで、ドメインランクやキーワードの可視性、さらに競合サイトが狙っているが自社が対応していないキーワードなどのデータが一目で確認できるのが大きなメリットです。
(LEAPTブログの設定をしてみた例)
検索順位のチェックにおいては、入力したキーワードの検索ボリューム、GoogleやYahoo!でのランキング、そのキーワードに該当するページの情報、可視性、そしてキーワードの難易度などを詳しく確認できるため、SEO施策の進捗状況や改善点が明確になります。さらに、ドメインやトピックを指定することで、競合他社が自動で抽出され、競合がどのキーワードで上位表示されているかも把握できるため、自社が見落としているチャンスや改善すべき部分を見つけやすくなります。
ただし、RankTrackerは海外製ツールであるため、一部の日本語訳が分かりにくい部分がある点には注意が必要です。しかし、その機能性や使い勝手の良さを考慮すれば、言語の問題は大きな障害にはならないでしょう。
価格面では、最安プランが年間299ドルとリーズナブルに設定されていますが、無料版も提供されています。無料版には、機能制限やプロジェクトの保存ができないといった制約があるものの、キーワードランキングの調査は無制限に行うことができるため、まずは無料版で試してみるのもよい選択肢です。
(出典:Serpwatcher)
Serpwatcherは、直感的なインターフェースを特徴とするSEOツールで、キーワードの検索順位やその変動を詳細に追跡できる点が大きな魅力です。実際に弊社でも使用しており、検索順位に関するデータを分かりやすく整理してくれるため、SEO施策の進捗を迅速に把握できます。以下は、Serpwatcherの主な特徴です。
月額29ドルの最安プランでも、月に7500個のキーワード順位の追跡や50個の被リンク調査、1万個のキーワード調査が可能です。コストパフォーマンスが非常に高いため、初めてSEOツールを使用する方や、小規模なビジネスにも最適です。
(出典:Semrush)
Semrushは、Ahrefsと並ぶ人気の高いSEOツールで、多機能かつ精度の高いデータを提供する点で知られています。検索順位の追跡、競合分析、キーワードリサーチといったSEOに必要なほとんどの機能が揃っており、特に競合分析に強みがあります。
Semrushの競合分析機能では、たとえ自社の競合が明確でない場合でも、ツールが自動的に競合を抽出し、その競合が対策しているキーワードや、逆に競合が未対策のキーワードを把握することが可能です。これにより、競争相手が取り組んでいない市場の隙間を見つけ、SEO施策の効果を最大化するための戦略を立てやすくなります。
また、キーワードの難易度も数値化されるため、競争の激しいキーワードと狙いやすいキーワードを簡単に比較し、対策するべきキーワードの優先順位を付けやすいのも特徴です。この機能は、SEO施策の効率を高め、リソースの最適な配分を可能にします。
価格は他のツールに比べてやや高めですが、その分機能が豊富で、より詳細なデータ分析を行える点で、多くの上級者に支持されています。最安プランは月額約140ドルで、500個のキーワードの検索順位が毎日更新されます。このプランでも十分にSEO施策の強化を図ることができるため、SEO担当者や企業にとっては投資価値の高いツールです。
検索順位を手動で調べることは技術的には可能ですが、特に多くのキーワードを管理する場合は時間と労力がかかりすぎ、非効率です。このため、SEOツールを活用して検索順位を自動的に追跡することが重要となります。ツールを使用することで、検索順位のチェックが効率化され、他の重要な業務や分析に時間を割けるようになります。
SEOツールの主なメリットは、データの自動収集と定期的なレポート作成が可能になる点です。これにより、順位の変動を自動的に把握し、素早く対応できるほか、グラフやチャートを活用してデータを視覚化し、進捗や結果をチーム内で共有するのも簡単になります。レポートが自動で生成されるため、担当者はデータ収集に時間をかけることなく、分析や施策の改善に集中できます。
さらに、ツールを使用することで、迅速な意思決定が可能です。検索順位の変動にすぐに気づき、競合が強化しているキーワードやトレンドの変化に対して迅速に対応できます。これにより、検索順位の低下やチャンスの見逃しを防ぎ、効果的な施策をタイムリーに実行できるようになるでしょう。
つまり、SEOツールは検索順位を効率的に追跡するための基本的な手段であり、そのデータを基に実際の施策の分析や改善に注力することが、SEOの成功に欠かせません。ツールの活用はSEO施策の前段階であり、その結果を踏まえた具体的なアクションが、最終的な成功への鍵となります。
検索順位を追跡するツールを選定する際には、いくつかの重要な要素を確認する必要があります。まず、費用対効果を十分に考慮することが大切です。ツールにはさまざまな価格帯のものがありますが、費用が高いからといって必ずしも自社にとって最適な選択とは限りません。自社のSEO施策に合ったツールを選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。
SEOツールによって、追跡できるキーワードの数には制限があります。大規模なサイトを運営している場合、数千以上のキーワードを追跡できるツールが必要ですが、小規模なサイトや個別のプロジェクトの場合、それほど多くのキーワードは必要ないでしょう。自社のニーズに合わせて、適切なキーワード数をカバーできるツールを選びましょう。
データの更新頻度は、競合が多い業界や頻繁に検索順位が頻繁に変動する業界では重要な要素です。毎日データが更新されるツールが必要な場合もあれば、週に数回の更新で十分なケースもあります。たとえば、ローカルビジネスや安定した業界では、頻繁な更新が不要なこともありますので、自社の状況に合わせて更新頻度を選択しましょう。
検索順位のデータは正確であることが求められますが、ツールによってはデータの精度に差があることがあります。特に、ローカル検索やモバイル検索など、特定の条件に基づいた順位データが必要な場合、ツールがそのデータをどれだけ正確に提供できるかを確認することが重要です。
高価なツールであっても、自社にとって必要な機能がなければ無駄な出費となります。まずは、無料版やトライアル版を利用してツールの使用感を確認し、自社のニーズに合っているかを確かめましょう。たとえば、SEOに取り組み始めたばかりならば、まずはコンテンツ数を増やして流入データを収集し、無料で使えるGoogle Search Consoleでの分析で十分でしょう。キーワード数が増加したら、より高機能の有料ツールへの移行を検討するとよいかもしれません。
検索順位の追跡以外にも、ツールによっては競合分析、キーワードリサーチ、被リンクチェック、Google Analyticsとの統合などの機能が提供されています。たとえば、SEMrushやAhrefsは、競合サイトの戦略を分析できる機能が豊富で、より高度なSEO施策を進める際に役立ちます。自社のSEO戦略にとって有益な追加機能があるかどうかを確認し、最適なツールを選ぶことが大切です。
SEOの検索順位は重要な指標のひとつですが、単に順位の上下に一喜一憂するだけでは十分ではありません。大切なのは、検索順位が変動した背景や理由を分析し、適切な改善策を講じることです。たとえば、どのページが順位を上げたのか、どんなキーワードでトラフィックが増えたのか、競合サイトの動向はどうかなど、データに基づいて次のステップを考える必要があります。
そのため、まずは定期的に検索順位を確認することが重要です。少なくとも月に一回はチェックし、Googleアルゴリズムのアップデートや検索ボリュームの変動があった際には、追加で確認することで素早く対応できる体制を整えましょう。こうした積み重ねが、SEO施策の成果を最大化し、リスクを最小限に抑えることにつながります。
検索順位の調べ方はさまざまですが、基本的にはツールの活用が効率的です。初心者はまず、Google Search Consoleを使いこなすことから始めましょう。もし、さらに詳細なデータ分析や高度なSEO対策が必要になった場合は、有料のSEOツールへの移行を検討するとよいでしょう。
ぜひ本記事を参考に、自社サイトの検索順位を調べて、有益な改善策を導いていただければ幸いです。