オンライン上にメディアが増えるにつれ、広告にもいろいろな新しいタイプが登場してきました。記事広告もそのひとつだと言えるでしょう。
メディア一般記事と同じフォームの記事広告は、広告の表示があったとしてもユーザーの閲覧体験を妨げないため、自然に目をとめて読んでもらえます。上手に活用すればリード獲得にもブランディングにも効果を発揮します。
近年は、ダイヤモンドオンライン、東洋経済オンラインなどの一流メディア、SaaS関係者がよく読むITmedia ビジネスオンライン、MarkeZine、ferret、海外でもForbes、The New York Times、The Wall Street Journalなど多くのメディアが記事広告に力を入れています。
しかし、記事広告について一般ユーザーの理解が追いついているとまでは言えない状況なので、メディア選びもコンテンツ制作にもそれなりの注意が必要です。
本記事では、BtoB担当者が理解しておくべき、オンライン記事広告のメリット・デメリット、記事広告の種類と特徴などを紹介します。
記事広告とは、掲載するプラットフォーム(メディア)の記事と同じ体裁で作られる広告であり、いわゆるネイティブ広告の一種です。
記事広告という名称のとおり、基本的に第3者が取材したスタンスの記事コンテンツであり、純広告のように派手なキャッチコピーやクリエイティブなデザインはありません。
メディアにもよりますが、一般記事と同じようにトップページ上部にも見出しが表示されます。ただし、「広告」「PR」「AD」などの明記がされています。
例:ダイヤモンドオンラインのAD表示
(出典:ダイヤモンド・オンライン)
純広告とは、特定のWebメディアなどの広告枠を企業が買い取り、その枠内にバナーや動画広告などを掲載するものです。
(出典:TechTrends )
純広告と記事広告は、
においてそれぞれ異なる特徴があります。
オウンドメディアとは、企業などが所有するメディアのことを指し、例えば公式Webサイトやブログなどが含まれます。オウンドメディアの記事と、記事広告の大きな違いを表で対比して示します。
記事広告は、近年のデジタルマーケティングの中で注目される広告手法です。その理由は、ユーザー体験を損なうことなく、なおかつ広告効果を高められるからです。
まず、記事広告はユーザーの興味関心に沿った「記事」の形式で情報を提供するため、受け手にとって自然な情報伝達手段となります。
従来のバナー広告などは、ユーザーのサイト閲覧体験を中断することが多く、広告としての煩わしさを感じるユーザーも少なくありませんでした。しかし、記事広告は自然にメディア内に溶け込むため、ユーザーの体験を損なうことなく情報を伝えることができます。
さらに、記事広告は掲載先メディアの記事群との関連性が高い内容になります。そのため、ユーザーの関心を引きつけやすくなり、従来の広告よりも高いクリック率(CTR)を実現可能です。結果的にコンバージョンの向上に寄与します。
記事広告はユーザーの体験を尊重しつつ、広告主にとっても高い効果をもたらす手法として、その重要性が増していると言えます。
オンラインメディアの記事広告は、コンテンツのパターンや配信方法も多種多様です。
ここでは、記事広告の基本的な種類を紹介します。
記事広告は、第3者が取材しているパターンの記事ですが、内容は商品紹介、イベントの案内、事例紹介などバリエーションが豊富です。BtoBで多いのは、社長インタビュー、タイアップ記事、対談記事、事例記事などです。
Diamondオンライン社長インタビュー記事広告
記事広告の中でも社長インタビュー記事は、ブランディング、プロダクトの宣伝、採用力の向上など、全方位に効果が期待できるコンテンツです。
一般に広告であれ記事であれ、他社との差別化は難しいものですが、社長の個性はオンリーワン。相貌、発するコメントなどから企業姿勢やカルチャー、プロダクトへの自信などが伝わります。また、信用を何より重視するBtoBの場合、社長がどんな人かわかる内容は関心を引きやすいコンテンツでもあります。
広告を出す側としても、一般記事のように発言を切り取られて誤解されるリスクもなく、画像や記事内容の最終確認までできるので、トップを露出させる安心な手法と言えるでしょう。例え口下手な社長であっても、魅力的な記事に仕上げられる点も長所です。
(ITmediaビジネス online Special ×NTTビジネスソリューションズ)
タイアップ記事広告とは、プラットフォームメディアの特別企画などに、メディアとタイアップして出す広告です。メディアにとっては記事コンテンツに近い意味合いを持つので、どの企業でもよいというわけでなく、あくまで企画とマッチする企業が掲載対象となります。
一般にタイアップ企画はトップページで派手に打ち出されるので、メディアのブランドパワーの恩恵を受けることができます。記事作成は基本的にメディア側ですが、広告主として伝えたいことを伝えることで、記事として読者も面白く、自社にとってもリード獲得やブランディングになる内容の広告に作り上げることができるでしょう。
(出典:MarkeZine)
記事広告には、対談パターンもよくあります。著名人との対談、ベンダーと顧客企業の対談、同業界の対談、社員同士の対談など2人~数人での対談が一般的です。上記はマーケティングメディア「MarkeZine」の記事広告で、会社の違う7名のアプリマーケターが対談しています。
対談記事広告のメリットは、何と言っても対話が生み出すダイナミズムにあります。一人を取材した記事と異なり、対談中に話の展開が予想外に発展し、面白い発言、アイデアなどが出てくるので、結果的に面白く役立つコンテンツに仕上がることがよくあります。対談がもりあがった広告記事はリアリティ、臨場感が出ます。
お互い他社のユーザー層に訴求できるため、潜在顧客層を広げるきっかけにもなるでしょう。
(出典:ITmedia Online)
BtoBの鉄板コンテンツは事例。記事広告でもそれは同じです。
上記は記事の出稿主が、ベンダー:株式会社ブイキューブの記事広告例です。
テキスト中心の堅実な記事で、取材は運営企業のITmedia NEWS編集部とあります。
広告とはいえ、第3者がベンダーと顧客企業を取材して制作した記事広告は、スタンスが客観的であり説得力のある、読ませるコンテンツになっています。
ここでは、記事広告の配信方法の種類を解説します。記事広告は、大きく分けると以下のように「インフィード型」と「レコメンドウィジェット型」があります。
インフィード型の記事広告は、一般記事の間に差し込まれるかたちで表示されます。
上記のように、記事タイトルの横に小さくPRやADと表示されたり、背景の色を変えたりすることで、広告であることを明示します。
それでも広告の体裁は基本的に記事と同じなので、読者のメディア閲覧の邪魔にならず、見出しの内容に関心をひけば自然に閲覧してもらいやすいメリットがあります。
インフィード広告と一般記事とのバランスはメディアによって異なります。ビジネスメディアの場合は記事の割合が圧倒的に多く、例えば上記HarvardBusinessReviewでは、広告比率が少なく1ページに1~2点しか記事広告が出ていません(2022.8)。
(出典:MarkeZine)
レコメンド型の広告は、記事中や記事下部に「おすすめ」として記事広告が表示される形式です。上記はMarkeZIneのレコメンド型記事広告で、一番下までスクロールすると「Spotligt」という見出しで記事広告が3件掲載されており、特別感があります。
ちょうどコンテンツを読み終えたタイミングで出てくる記事下のレコメンドコンテンツは、それ以上スクロールする必要もないので、読者に注目されやすいのが長所です。一方記事中に表示されるレコメンドは、読みながら自然に目に入るメリットがあります。
(出典:BIZHINT)
リード獲得型の記事広告とは、例えば記事を一部だけ公開して、すべて読むためにはメールアドレスなどを登録してもらうなどしてリード獲得につなげる広告です。詳細事例やガイド、ホワイトペーパーなどのコンテンツの概要だけ掲載し、ダウンロードする際に個人情報をフォームに入力してもらうパターンもあります。
上記はビジネスメディア『BizHint』の成果報酬型記事広告ですが、資料掲載は初期費用なしで始められ、獲得リード数に応じて課金される価格体系なので、リスクが少ないところが長所です。
記事広告はさまざまなメリットがある一方、広告としての歴史が浅く発展途上なところがあるためデメリットもあります。
まず、記事広告のメリットから解説します。
記事広告はメディア記事と同じような形式で、トップページの特集の見出しに表示されるため、ポップアップ広告や、やたらとスペースをとる大型広告のように読者の集中力をとぎれさせません。広告という印象が強くないので、記事を読んでいたユーザーが、自然に目をとめて閲覧する傾向があります。
記事広告はネイティブ広告(プラットフォームと同じ形式の広告)の一種ですが、米国のネイティブ広告のサプライヤーSharethrough 社のレポートによると、ネイティブ広告は、バナー広告よりも 18%多くの顧客を引き付けると報告されています。
記事広告は、第3者が取材したスタイルで一般に最低でも1ページ以上のコンテンツを作成するため、情報量が豊富です。対談であれ、事例であれ、インタビューであれ、自社が伝えたい内容をストーリーを持たせて伝えることができます。
一般に純粋な取材記事でも、スペースに限りがあったり、記者の知識が浅かったりすれば、プレスリリースそのままの表層的な記事や、誤解されるような記事になることがあります。
この点、記事広告は掘り下げた濃い内容の情報を十分な量届けられるため、たった1回の記事広告掲載でも、自社および商品・サービスを理解してもらえるメリットもあるでしょう。
一流メディア、業界で誰もが知っているメディアに記事広告を出すと、自社のブランド力向上につながります。一般に、中小企業を取材でとりあげてくれるメディアはあまりないので、記事広告でまずメディアの読者に知ってもらう手っ取り早いアプローチだと言えるでしょう。
もちろん、ブランディングにつなげるには、メディアの編集方針、メディアに出ている他社の広告の品質も見て、良いメディアを選ぶ必要があります。また、メディアの取材スタッフ、あるいはプロの制作会社に依頼して記事広告コンテンツをメディアの記事と同等のクオリティに仕上げる必要があります。
記事広告の最後のあたりに、自社のURLを記載することで、メディアからの読者の流入が期待できましっかりしたメディアはドメインパワーがあるので、リンクをもらうだけでもメリットがあります。メディアによっては記事広告に掲載期限がない場合もあり、ずっと公開してくれますので、長期的なSEO効果を期待できるでしょう。
記事広告は、前述のようにいろいろな記事コンテンツを作成できます。つまり、ファネルの興味・関心段階の人に訴求をすることもできれば、事例などを打ち出し検討段階の人を後押しすることもできます。
広告とは言えしっかりしたメディアに掲載されている事例は、自社HPよりも信頼感が増すため、検討段階の人により訴求できるでしょう。
記事広告は、依頼したメディアの権威性や認知度、信頼度を最大限に活用することができます。特に、そのメディアが持つブランド力やフォロワー数、集客力は、新製品・サービスの認知度を一気に高める大きな武器となるでしょう。
また、依頼先のメディアのライターや編集者が制作するため、自社の商品やサービスを客観的な視点から紹介することができます。
第3者視点での客観的な評価は、消費者の信頼を得る上で非常に有効であり、納得して商品を購入するきっかけとなります。そして、ターゲット層に合わせて内容をカスタマイズすることも容易です。読者の興味関心に沿った内容で制作できるため、高いクリック率やコンバージョン率が期待できます。
すでにほとんどの、と言っては大げさですが、多くのオンラインメディアが記事広告を取り扱っています。記事広告はBtoB領域ではかなり認知されているでしょう。しかし、もちろん知らない層もいます。
いわば発展途上中の広告タイプなので、デメリットにも注意が必要です。
やや古いデータですが、2015年の米国のカリフォルニア大学の研究者の調査では、「スポンサー付きコンテンツ」ラベルがあっても、27%の消費者はジャーナリストまたは編集者が広告を書いたと考えていました。
そもそもメディアを読むときに真剣に読む人は少ないため、恐らく必ず何割かはそのように受け止める可能性があるでしょう。日本では昔から広告情報誌が存在し、比較的理解は進んでいると思いますが、オンラインメディアでは記事と広告が混在しておりわかりづらいのです。
現状では一般社会から市民権を得ているかと言われれば、微妙だと思われます。BtoBメディアの読者は比較的理解されているとは思いますが、そのような立ち位置の広告であることは理解しておきましょう。
記事広告は効果的なマーケティング手法として注目されていますが、実施にあたっては、ステルスマーケティングにならないように注意が必要です。ステルスマーケティングとは、広告であるにもかかわらず、それを隠して行うマーケティング手法を指します。特に、企業が第3者に依頼・指示して行うものもこの範疇に含まれます。
令和5年10月1日から、ステルスマーケティングは景品表示法違反となり、罰則が科される可能性も。この法律の対象は、インターネット上の表示だけでなく、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌などの全てのメディアに及びます。
そのため、記事広告施策を行う際には、広告主と掲載先の関係性をわかりやすく明示することが求められます。具体的には、「プロモーション」「PR」「宣伝」「広告」と記事内に明記することが必須です。
記事広告を効果的に活用するためには、適切な方法で広告主と掲載先の関係性を明示し、ステルスマーケティングを避けることが不可欠です。適切な情報提供を心がけることで、消費者の信頼を得るとともに、法的なトラブルを回避することができます。
記事広告については、良い意味でメディアも非常に慎重です。変な企業を掲載してタイアップ記事で持ち上げて、もし後々不祥事や内容に虚偽があって問題になれば、メディアの信頼も失墜するからです。
そのため、記事広告に力を入れているメディアの多くは、執筆をメディア編集部が担当したり、厳しいチェックを入れたりします。広告制作にもそれなりに時間がかかりますし、自社の訴えたいことが100%出せるとは限りません。枠にも限りがあり、良いメディアほど依頼が集中するので、配信スケジュールを待たなければいけない可能性があります。
このように、記事広告はさまざまなメリットがありますが、活用方法が発展途上であること、一般ユーザーの認知度が低いことから、媒体選び、コンテンツ作成には重々留意しましょう。
記事広告は、費用が比較的高額になる場合が多いと言えます。Google広告やSNS広告といったデジタル広告では、広告主が自らの予算に合わせて少額から自由に設定できるのに対し、記事広告は掲載先のメディアによって金額が予め決められていることが一般的です。
また、掲載料はメディアの影響力(日頃からの集客力)や読者数によって大きく変動すると理解しておくとよいでしょう。高品質なコンテンツや、一定のPV数を担保できるメディアは、その価値を反映した高額な料金を設定する傾向があります。
記事広告の成果と違い
記事広告は、求める成果によっても種類があります。以下に3つの代表的なパターンを紹介します。
掲載期間保証型とは、記事広告を決まった期間に掲載する契約です。掲載期間は一般に1週間から1カ月で、掲載期間によって料金が変わります。PVやリード数を保証するわけではないので、タイミング、広告コンテンツのできによって成果がわかれます。
目をひくような内容であれば、短期間でPVを稼げますが、凡庸なコンテンツだと成果があまり望めません。もちろん、事前の媒体資料で予測はできますが、ある意味博打的な要素もあります。広告の中では低価格な部類ですが、成果があろうがなかろうが一定の費用がかかります。
PV保証型は、事前にPV数を指定してその数に達するまで掲載を保証する広告です。
比較的ローリスクなパターンです。しかし、ペルソナ設定がしっかりしていないと、必ずしも見込み客が読んでいるとは限らないため、こちらも記事広告のコンテンツ次第だと言えるでしょう(メディアの読者が見込み客とマッチしていることが前提です)。
記事を一部公開しておき、記事の続きを読むためには個人情報の登録などが必要な方式にして、リード獲得につなげる広告です。前述のBizhintのようにフォームを用意して、記事の閲覧や、資料などのオファーを提供してリードを獲得します。
メディアによっては、記事広告をコンテンツとみなし、掲載期間の制限なく長期的に掲載してくれるところもあります。新着情報などには掲載されなくても、検索クエリからたどりついて見えてもらえるので、広告主にはメリットがあります。
実際に記事広告を配信可能な媒体例をいくつか挙げて紹介します。
【ビジネス系】
【マーケティング系】
記事広告は、読者にとって質の高い情報提供と、広告効果を同時に狙う手法です。そのため、出稿や作成の際には以下5つのポイントを押さえることが重要です。
記事広告が効果を発揮すれば、ブランドや製品・サービスの認知度向上、購買促進など、さまざまな目的を達成することができます。成功の第一歩は、明確な目的や目標の設定です。
出稿前に、何を最終的なゴールとするのかを明確にしましょう。目的や目標が明確でないと、どのメディアを選ぶべきかの判断が難しくなります。例えば、新製品の認知度を高めたい場合、ターゲット層が頻繁に利用するメディアや、製品特徴を強調したコンテンツを配信する必要があります。
また、目的や目標を設定することで、広告の効果測定も容易になります。どれだけのユーザーが広告を閲覧したのか、どれだけのユーザーが問い合わせのアクションを起したのかなど、具体的なKPIを設定し、それをもとに広告の効果を分析することができます。
次に重要なステップは、設定した目標に合わせて、最適なメディアを選定することです。
一般的には、規模の大きなメディアから検討することをおすすめします。大きなメディアはトラフィックが大規模で、多くのPV数を獲得できます。ニッチなメディアにも目を通すユーザー層も含め、さまざまなユーザーの来訪を期待できるため、リーチ拡大を望めるからです。
なお、メディアの「規模」だけが選定の基準ではありません。そのメディアの読者層が自社のターゲットといかに合致しているか、また、その読者の情報感度が高い(先進的なものに高い関心を示す、など)かどうかも検討することが重要です。
記事広告の大きな特徴は、「メディアの読者の興味関心に合わせたコンテンツを作り込んで、関心を引ける点」です。「刺さる」コンテンツにするためには、自社製品・サービスと、メディア読者の親和性も十分に検討しましょう。
次に、コンテンツの企画や内容の検討が不可欠です。掲載先媒体の読者層について理解するだけではなく、配信形式(掲載期間や、掲載場所など)も把握しましょう。どのようなコンテンツならば読者に受け入れられやすいのか、また、どのような配信形式がベストか定まってきます。
この検討プロセスでは、メディア側の担当者との連携も重要だと言えます。打ち合わせを重ねることで、メディアの方針や読者の嗜好をより深く理解することができます。さらに、メディア側からの企画提案を受け入れることで、読者に新鮮な驚きや興味を持ってもらうことも可能でしょう。
読者に強力なインパクトを与え、記事広告の効果を最大限に引き出すためには、訴求したいポイントやメッセージを明確にすることが大切です。
例えば新製品の認知度向上が目的であれば、その製品の特徴や利点を中心にコンテンツを構築することが考えられます。一方、ブランドのイメージ向上を目指す場合は、ブランドの背景や哲学を伝えるストーリーを組み込むことなどが効果的でしょう。
記事広告の制作フローには、以下のようなステップが含まれます。最短で約1カ月程度見積もっておくとよいでしょう。
まずは掲載先と打ち合わせをして目的を精査し、記事の切り口を決定したり、記事執筆の構成を準備したりします。
インタビュー記事など、取材工程を伴う場合には取材対象者とのスケジュールを調整します。日程や場所、取材の方法(対面、電話、オンラインなど)の確認を含みます。
写真撮影を行う場合、場所や機材、撮影スタッフの手配などの準備が必要です。
取材対象者へのインタビューを実施します。ここで得られた情報やコメントが記事の主要な内容となります。
取材内容をもとに、記事を執筆します。広告の目的・目標を念頭に置きながら、読者に伝わるような内容にしましょう。
執筆された記事の校正・修正を行います。誤字脱字や情報の正確性を確認することが重要です。
記事のデザインやレイアウトを行います。写真や図表の配置など、視覚的な要素も考慮しましょう。
すべての工程が終了した後、最終的な確認を行います。取材先がある場合、記載内容の正確性について、取材対象者による最終確認もしてもらいましょう。
記事広告の公開後も、PV数などの分析を行い、必要に応じてタイトルやアイキャッチ画像の入れ替えなどの改善を加えると、広告効果の最大化のためによいでしょう。
効果測定は、広告の目的・目標を達成しているかを確認するための不可欠なステップです。以下のポイントをあらかじめ考慮しましょう。
広告の目的に応じて、適切な指標を設定します。例えば、認知度向上を目的とする場合は、PV数やページ滞在時間、読了率、リーチ数などが考えられます。一方、製品・サービスの購入促進が目的ならば、コンバージョン率や購入件数などが重要な指標となるでしょう。
正確に効果測定ができるよう、データ収集の仕組みを整えます。アクセス解析ツールの導入や、専用の計測タグの設置などが必要です。
収集したデータをもとに、広告の結果を評価します。目標とのギャップや、予想以上の成果など、さまざまな観点から結果を分析。広告の効果や改善点を把握しましょう。
分析の結果、改善が必要な点が見つかった場合は、具体的な改善策を検討します。これにより、次回の広告配信時にさらなる効果を期待できます。
昨今はさまざまなメディアが記事広告を取り扱っています。また、大手企業、一流企業も記事広告を出しています。昨今のBtoBオンラインメディアの記事広告のレベルはかなり高く、正直一般記事より読み応えのあるコンテンツも少なくありません。
実際、SaaSのような先端業界やニッチな業界に詳しい記者はそう多くはないので、最新の情報、読者に役立つ情報を届けるのに、ベンダー発の記事広告が有用な面もあるでしょう。情報量が多くて、濃い内容を打ち出せる記事広告はBtoB向きです。
とはいえ広告は広告。メディアが自腹を切って取材した記事のような視点とは立ち位置が異なります。また、一般の人の認知度はまだ高いとまでは言えず、微妙なポジションであることも事実です。
現時点で記事広告を活用する場合は、しっかりとしたメディアを選び、アピールに終始するのではなく、メディアの魅力にも貢献し読者に価値提供できる記事広告を作ることに留意しましょう。優れたコンテンツであれば、広告表示があってもペルソナは支持してくれるはずです。