レプトのBtoBマーケティングのブログ|株式会社LEAPT(レプト)

ABテストとは?やり方とよくある間違い、マーケティングにおける活用シーンをご紹介

2021年のインターネット利用率は82.9%であり、Webサイトの重要性がますます高まっています。そのため「Webサイトを改善して売上げアップにつなげたい」と考える企業は多いことでしょう。

Webサイトを改善し、短期間でコンバージョン率や売上アップを図る際に有効な施策が「ABテスト」です。ABテストを行えば、客観的なデータに基づいてクリエイティブの改善を行っていけます。

しかし、マーケティング熟練者が少ないBtoB企業やSaaS企業では、ABテストが実施できず、Webサイトの改善が進められないことが珍しくありません。

そこで本記事では、ABテストの実施を検討中のBtoB企業やSaaS企業の方に向けて、以下の内容を解説します。

  • ABテストに関するよくある間違い
  • やり方5ステップ
  • 代表的なツール

本記事を読めば、ABテストのやり方を理解したうえで、自社のWebサイトを改善するために動き出せますので、ぜひ最後までお読みください。

ABテストとは?

(ABテストの図)

ABテストとは、2つ以上のバージョンの変数(Webページ、ページ要素など)を異なるセグメントの訪問者に同時に表示して「どのバージョンが最大の影響を残し、ビジネス指標を推進するか」を決定する無作為化実験プロセスです。スプリットテストとも呼ばれています。(引用元:VMO

ABテストの「A」と「B」は以下を意味しています。

  • A:オリジナルのバージョン
  • B:オリジナルから一部を変更したバージョン

オリジナルから変更する要素を選ぶことで、Webサイトのあらゆる箇所を検証可能です。

  • タイトル
  • 見出し
  • ファーストビュー画像
  • ボタンのサイズや色
  • フォームの入力項目

ABテストでは、各要素の変更前と変更後の「どちらがより多くの成果を得られたか」を客観的な数字で確認可能。その上で、優れている方を「勝者」として、テスト終了後に採用するのです。

ABテストは一度だけ行って終わりではありません。同じ要素を再び変更して別のバージョンを作る。あるいは、ほかの要素でテストすることが可能です。

ABテストの目的

ABテストが重要である背景には、「個人の感覚ではなくデータに基づいて判断する」という目的があります。

BtoB企業やSaaS企業にとって、ABテストの目的は多くの場合「コンバージョン率を高める」ことです。ABテストを行い、客観的なデータに基づいて、着実にWebサイトの改善を重ねられます。

  • 製品の販売
  • 有料プランへの申し込み
  • リードの獲得

これらのコンバージョンを増やしたいがために、個人の感覚でWebサイトに手を加えても「改善しようとしてむしろ悪化する」場合が少なくありません。努力のわりに成果が得られず、改善自体をあきらめてしまう企業も多いのではないでしょうか。

一方、ABテストでは「AとBのどちらが優れているのか」について、客観的なデータから「勝者」を採用するため、悪化する危険性がほとんどありません。遠回りをすることなく、一直線に改善を進められるのです。

具体的に、ABテストでは以下のようなデータを比較することが一般的です。

  • 成約率
  • 購入率
  • 開封率
  • 直帰率
  • 滞在時間
  • クリック率
  • 平均ページビュー数

これらを確認することで、個人の感覚を排除しつつ「どちらがどれだけ良い結果を得られたのか」を正確に把握できるのです。達成したいコンバージョンが何であれ、効率よくコンバージョン率を高めるためには、ABテストは欠かせません。

ABテストの歴史

オフラインのマーケティング活動におけるABテストの起源は、1900年初頭に、米Claude  Hopkins(クロード・ホプキンス)氏が始めた「クーポン付きのDM」にあるといわれています。

クロード氏は、DMに同封したクーポンの利用率を計測し、DMの効果測定に活用。複数パターンのDMで反応率を測ることで、より効果の高いDMパターンを割り出す……、というABテストの手法を作り上げ、自著『広告マーケティング21の原則』のなかで紹介しています。

その後、インターネットが普及し、Webサイトが登場した1990年代後半から2000年代初頭にかけて、オンラインでのABテストが始まりました。

例えば、オンラインマーケティングにおける初期のABテスト事例の1つとして、1990年代後半から2000年代初頭にかけて行われたGoogleの検索結果ページのデザイン最適化施策「41 shades of blue」があげられます。

(出典:Masterworks「41 Shades of Blue」)

このテストでは、リンク色を異なる41の青色で、数百万人のユーザーを対象に反応率を計測。結果として、最も効果的だった色のパターンはクリック率の向上に貢献し、Googleに年間2億米ドル以上の増収をもたらしたとされています。

ABテストの重要な考え方

ABテストを行ううえで、重要な考え方をご紹介します。勘違いをしたままABテストを進めてしまわないように、よくある間違いを確認しておきましょう。

そもそもABテストしなくていいケースがほとんど

実はABテストは、行わなくてもよいケースがほとんどです。日本のBtoB企業やSaaS企業では、ABテストに手間をかけても、効果が得にくい構造や、そもそもテスト対象になるサンプル数が少ない状態であることが多いことに起因します。

効果的なABテストを実施するには、以下の3つの条件を満たさなければなりません。

  • 「適切」なサンプルが十分な数確保される
  • 業務が分業化されており、テストする箇所の専任担当者がいる
  • 明確なKPIが設定されている

小規模な企業であれば、さまざまなマーケティング業務を担当者1人が兼任していることも多いでしょう。するとリソース不足のため、ABテストを用いた改善活動がなかなか進まない傾向があります。

あるいは、BtoB企業やSaaS企業では、WebサイトのKPIがPV数なのかリード獲得数なのかといった基本的な点さえ、あいまいなケースが少なくありません。こうした状態であれば、ABテストを行うより先に、KPIを設定するなどのマーケティング戦略を考える必要があります。

数字を大局から見ることを欠かさない

ABテストを行う際には、数字を大局から検討するようにしましょう。ABテストは、あくまでも目的を達成するための「手段」に過ぎないからです。

例えば、Eメールの開封率を上げるABテストをしようと思いついたとします。もしメールを10万件送るのであれば、サンプル数が十分にあるため、たしかにABテストを行う価値があるでしょう。

一方で、メールを10件しか送らないのであれば、母数が少なすぎて正確なデータを取れませんし、開封率を改善できたとしても売上げに及ぼす影響はごく僅か。この場合、メールの開封率を上げるよりも、より多くのリードを獲得して、メールの件数を増やすことを優先すべきでしょう。

ABテストはあらゆることに適用できてしまうため、それ自体が「目的」になってしまう恐れがあります。KPIなどの数字を向上させるために何をすべきなのか、大局から見て判断することが大切です。

ABテストの種類

ABテストには2つの種類があります。状況に応じて使い分けられるようにしましょう。

単変数ABテスト

一般的に「ABテスト」と呼ばれているのは「単変数ABテスト」のことです。

テスト対象の構成要素のうち、1つの要素だけについて異なるバージョンを用意し、テストを行います。シンプルなテストであるため、実施や分析が簡単なのが特徴です。

(ランディングページにおける単変数ABテスト)

例えば、上図はランディングページにおいて「ファーストビュー画像」だけを変更した2つのバージョンを用意した場合です。両方のバージョンをランダムに表示して、どちらの方が商品の購入率が高いかを確認します。

ABテストに慣れていないBtoB企業やSaaS企業であれば、まずはシンプルな単変数ABテストに取り組むとよいでしょう。

多変数ABテスト

多変数ABテストは、複数の要素について異なるバージョンを作り、その組み合わせの中から「勝者」を選ぶやり方です。単変数ABテストよりも複雑なので、上級者向けといえます。

(ランディングページにおける多変数ABテスト)

例えば上図は、「ファーストビュー画像」と「ボタンの色」のそれぞれについて2つのバージョンを作った場合です。この場合、組み合わせの数は「2 × 2 = 4通り」となります。4通りのページをランダムに表示させて、最も商品の購入率が高いものを選ぶのです。

多変数ABテストには主に、以下の3つのメリットがあります。

  • テストにかかる時間を節約できる
  • どの要素の影響が大きいかを判断できる
  • 各要素の組み合わせによる効果を確認できる

単変数ABテストに慣れてきたら、応用として多変数ABテストに取り組んでもよいでしょう。

ABテストの活用の具体的シーン

どのようにABテストを行えばよいかの参考として、代表的な3つの例をご紹介します。

  • トップページ
  • 入力フォーム
  • ランディングページ
  • Eメール
  • 製品価格

トップページのABテスト

トップページはユーザーが滞在中に閲覧する割合が高いため、優先的にテストを実施すべきといえます。基本的に、閲覧数が多い箇所から改善した方が、コンバージョンへのインパクトが大きいためです。

トップページでABテストを実施する場合、全体的なデザイン・レイアウトの変更が効果的といえます。具体例として、加バンクーバーのUnbounce社が公開している事例をみてみましょう。

(出典:Unbounce「How A Single A/B Test Increased Conversions by 336% [Case Study]」)

オリジナルページは「上部の分厚いグローバルナビ」「右カラムの縦長フォーム」が配置されていることより画面が圧迫されていたとのこと。そこで、元パターンとグローバルナビゲーションの削除とフォームの変形を行ったパターンでABテストを行ったところ、Aに比べてBはコンバージョン率が336%に改善したと報告されています。

トップページの改善が与えるインパクトの大きさが伺えるでしょう。

入力フォームのABテスト

BtoB企業やSaaS企業にとって、問い合わせフォームはリード獲得のための重要なセクションです。

ECサイト業界の事例になりますが、株式会社イー・エージェンシーが行った調査によると、「カゴ落ち(決済タイミングでの離脱)」による機会損失額は最大で売上の約2.4倍にもなると判明していますので、フォーム改善の重要性が伺い知れます。

入力フォームを最適化する取り組みは「EFO(入力フォーム最適化)」とも呼ばれており、以下のような点を改善するのが一般的。

  • 入力項目の数
  • 入力内容のわかりづらさ
  • 入力フォームが複数ページになっている
  • エラーの度に再入力する項目が多い
  • エラー項目がわからない

など

入力フォームのABテストについて、株式会社アッションが公開している事例が参考になります。

(出典:株式会社アッション「【ABテスト事例】EFO事例第2弾!フォーム入力時の煩わしさを軽減してCVR改善!」)

同社はサブスクリプション型動画配信サービスLPの入力フォームで「フォームが長く見えるためユーザーが手間に感じ、離脱率」が上がっていると予想。元パターンと、フォームが短くみえるように調整したパターンでテストしたところ、テストパターンの方が次ページへの遷移率が2%高い結果となりました。

以上を踏まえると、重要なのは「いかにして見込み顧客の手間を省くパターンを割り出すか」といえるでしょう。

ランディングページでのABテスト

ランディングページはABテストを活用しやすい媒体です。その理由は以下の通り。

  • 要素ごとに変更をしやすい
  • ページの目的が明確なのでコンバージョン率を測定しやすい
  • 売上げに直結しており改善のインパクトが大きい

BtoB企業やSaaS企業がABテストに取り組むのであれば、まずはランディングページを対象にすることをおすすめします。

特に、「ファーストビュー」「ページ構成」「ボタンのサイズや色」はコンバージョン率に与える影響が大きい傾向があるので、最初にテストしてみるとよいでしょう。

株式会社サパナが公開しているブログ記事では、ランディングページのページ構成でABテストを行った事例が公開されています。

(出典:WiLL Cloud Blog「WiLL Form×ABテストで問合せ数を150%増やした話」)

同社は、後述するヒートマップツールを使って、運用中のランディングページで事例部分までたどり着くユーザーが少ないことを発見。「もっと事例を読んでもらえれば、コンバージョン率が上昇するのではないか」との仮説を基にして、元パターンとページ構成を変えたパターンでABテストを実施しました。

結果として、テストパターンは、オリジナルよりもCVR(コンバージョン率)が50%以上高くなっています。ランディングページのようなテスト対象が複数ある検証材料の場合、この事例のような仮説立てが大切です。

さらに、「どのような検索クエリ経由でランディングページにたどり着いているのか」も、コンバージョン率に大きく影響を与えます。そのため、ランディングページそのものだけでなく、訪問前の広告バナーやクッションページのABテストも合わせて検討することも重要です。

EメールでのABテスト

EメールでもABテストは有効です。テストする要素としては、例えば以下が挙げられます。

  • 件名
  • 差出人名
  • 書き出し部分
  • リンクの位置
  • リンク前の誘導文

これらを変更して、開封率やリンクのクリック率を測定し「勝者」を判定します。

参考例として、エンバーポイントホールディングス株式会社は、「A:200字程度の長いコンテンツ紹介文」「B:80文字程度の短いコンテンツ紹介文」の2パターンで、メルマガのABテストを実施した事例を公開しています。

(出典:Ember Point「メルマガのクリック率をABテストで改善していこう!失敗事例から学ぶ改善のコツ」)

検証の結果、パターンBの方が、Aに比べてクリック率1.3倍になったと報告されています。

ただし、どんなにメールの中身がすばらしくても、そもそもメールが開封されなければ意味がありません。まずは「件名」「差出人名」についてABテストを行い、開封アップを図るとよいでしょう。

製品価格のABテスト

製品価格についても、ABテストを行えます。Webサイト上の価格を変更することにより、簡単にテストを実行できます。

例えば、見込み顧客に対して「8000円」と「1万円」の価格をランダムに表示し、購入率を比較することが可能です。テストの結果、購入率に大きな差が表れないと判明すれば、価格を「1万円」と決めることで、「8000円」の場合よりも売上げと利益の向上が見込めるでしょう。

ただし、価格という要素は顧客にとってもセンシティブな要素であるため、テストを行う際には心象を損ねないように慎重になる必要があります。

これについては、米VWOも警鐘を鳴らしており「同じ製品・サービスを異なる価格帯で提供する」「価格帯ごとにわずかに異なる製品を提供する」といったことは推奨されていません

その上で、製品価格のABテストを行う必要性がある場合「さまざまな製品 (またはプランやソリューション) を、多様な価格帯で提供する」ことがよいとされています。

(出典:VWO「A/B Testing Solutions to Maximize Your Website Conversions」)

ABテストのやり方5ステップ

ABテストのやり方は、大きく5ステップに分けられます。順番に解説していきましょう。

  • Step1.仮説を立てる
  • Step2.単変数か多変数か決める
  • Step3.別バージョンを作成
  • Step4.テスト開始
  • Step5.効果の検証

Step1. 仮説を立てる

まず「どの要素をどう変えればコンバージョン率が高まるのか」の仮説立てから始めます。仮説を検証することが「目的」であり、ABテストはそのための「手段」であると忘れないようにしましょう。

仮説を立てる際には、ヒートマップツールで収集したデータを参照すると効果的です。ヒートマップとは、以下のようにWebサイト上におけるユーザーの行動を「色相別」に可視化するためのツール。

(出典:VWO「Follow Your Visitors’ Trails With Heatmaps」)

「Webサイトのどの部分でユーザーが離脱しているか」を特定できれば、その箇所を改善することで、滞在時間を長くできます。

Step2. 単変数か多変数かを決める

前述した「単変数ABテスト」と「多変数ABテスト」のどちらを行うかを決めましょう。

まだABテストに慣れていないのであれば、単変数ABテストをおすすめします。もしABテストの経験があり、短期間に多くのバージョンをテストしたいのであれば、多変数ABテストを行ってもよいでしょう。

米CXLが公開しているブログ記事を参照すれば、多変量テストでは大量のトラフィックが必要であるため、十分な流入数を獲得できそうにないなら多変量テストは避けるべきといえます。

(出典:CXL「Multivariate Testing vs. A/B Testing: CXL’s Complete Guide」)

さらに、すべてのABテストツールで多変量テストを行える訳でもありません。多変量テストも行う可能性があるなら、あらかじめ多変量テスト機能が備わったツールを採用しておく必要があります。

Step3. 別バージョンを作成

仮説にしたがって、ボタンや見出しなどテストしたい要素を変更して、別バージョンのWebサイトを準備します。

この際、ツールも活用して、異なるバージョンがランダムに表示されるように設定しましょう。多変数ABテストの場合は、各要素のバージョンの組み合わせを設定するため、単変数ABテストよりも複雑な操作が必要です。

例えば、2022年4月にβ版がリリースされたDLPO株式会社の「ボタン野郎」はCTAボタンの自動ABテストツール。ランディングページや商品ページ、入力フォームなどのさまざまなCTAボタンのテストを自動で行い、コンバージョン率の改善につなげられます。

(出典:ボタン野郎

工数をかけずに、かつ信頼性の高いABテストを行いたい方は、こういった特化型の機能を持ち合わせているツールの利用も有効です。

Step4. テスト開始

ここまで準備ができたら、テストを開始しましょう。十分なデータ数を集めて統計的な正確さを得られるように、しっかりテスト期間を確保することが大切です。

「どの程度の期間ABテストを続ければいいのか」の目安については、米CXLの無料ツールなどを活用すれば目安がわかります。

(出典:AB+ Test Calculator by CXL

上記ツールは、ABテストで必要な各種数値を入力するだけでテスト期間を算出できますので、積極的に活用しましょう。

多変数ABテストでは、要素の組み合わせ数が多いほど必要な期間も長くなります。信頼できるテスト結果を得るために、データが集まるのを焦らず待つことが大切です。

Step5. 効果の検証

最後に、要素を変更した効果の検証を行います。

変更を加えたバージョンの方が、オリジナルのバージョンよりもコンバージョン率が改善していれば、ABテストは成功です。最初に立てた仮説の方向性は、間違っていなかったと確認できます。「勝者」を新たなオリジナルバージョンとして、マーケティングに活用しましょう。

英Website Planetが提供している「ABテスト計算ツール│統計学的有意差検定ツール」などを活用すれば、テストで得られた結果の信頼性を判定できます。

(出典:ABテスト計算ツール│統計学的有意差検定ツール

テストサンプルごとで得られた数値の有意差を測定することで、効果検証に役立てることが可能です。

なお、2つのバージョンの結果がほとんど同じだった場合には、以下の可能性が考えられます。

  • 各バージョンが偶然にも同じくらいの質だった
  • テストした要素がそもそもコンバージョン率に影響しない

上記のうち、原因はどちらなのかを確認するために、追加でABテストを行うとよいでしょう。AB テストを繰り返すことで、どの要素が特に重要なのかがわかってくるので、さらに効果的に改善を行えるようになります。

ABテストを行える代表的なツール

ABテストを行えるツールのうち、BtoB企業やSaaS企業が活用しやすいものを4つご紹介します。

  • Googleアナリティクス4(GA4)
  • Optimizely
  • Kaizen UX
  • HubSpot

Googleアナリティクス(GA4)のABテスト機能

URL:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/

製品名:Googleアナリティクス4(GA4)

製品価格:無料

ABテストの対象物:Webサイト、Google広告、アプリ

教育コンテンツ:Google Marketing Platform オフィシャルブログ(英語)

Googleアナリティクス4(以下GA4)は、2020年10月にリリースされた最新版のGoogle アナリティクスです。GA4ではABテスト多変量テストの機能が実装されています。

GA4でABテストを行う場合、アナリティクスで取得しているすべてのデータを基にして、テスト対象のユーザーを決めることが可能。

(出典:Google Analytics 4 ガイド

なお、Googleが提供しているABテストツールであったGoogleオプティマイズは、2023年9月にサポートが終了します。現時点で「Googleオプティマイズを使っている」「ABテストが初めてである」という方は、GA4を試してみるのがおすすめです。

ただし、GA4はあくまで「アクセス解析ツール」であるため、機能や使い勝手に不満を感じたら次項より紹介する有料ツールも検討しましょう。

OptimizelyのABテスト機能

URL:https://www.optimizely.com

製品名:Optimizely

製品価格:要問い合わせ

ABテストの対象物:Webサイト、アプリ、Apple TV、AndroidTVなど

教育コンテンツ:サポートページ(英語)

英Optimizely社が提供し、日本では株式会社ギャプライズが代理店を務めるOptimizelyでは、ソフトウェア開発キットが公開されています。コーディングの知識がなくても複雑なABテストも実施できるのが特徴です。

Optimizelyでは、大容量のデジタルコンテンツを大量配信するためのネットワーク「CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)」を介したABテストが可能。

これにより、大規模なABテストであっても、スピーディに「実行→検証」のサイクルを回せます。プログラミングによって思い通りのABテスト環境を構築したい場合は、Optimizelyを利用するとよいでしょう。

Kaizen UXのABテスト機能

URL:https://kaizenplatform.com/ux

製品名:Kaizen UX

製品価格:要問い合わせ

ABテストの対象物:Webサイト、申込み・登録フォーム

教育コンテンツ:コラムお役立ち資料

株式会社Kaizen Platformが提供する「KAIZEN UX」は、ABテストのノウハウがない企業にとっても利用しやすいツールです。

「広告の訴求軸に応じたLPファーストビューの出し分け」「フォームの詳細分析」などの機能を、タグを一行追加するだけの簡易操作で実装できます。

(出典:KAIZEN UX

ツールの提供を受けるだけでなく、専門知識を持った人材チームのサポートも受けられるため「自社にリソースが不足している」という企業にも向いているツールといえるでしょう。

HubSpotのABテスト機能

URL:https://www.hubspot.jp

製品名:HubSpot Marketing Hub/CMS Hub

製品価格:(Marketing Hub)月額12万2966円、43万2000円/(CMS Hub)月額4万3200円、14万4000円

ABテストの対象物:Webサイト、ランディングページ、Eメールなど

教育コンテンツ:ブログ無料ダウンロード資料ナレッジベース

HubSpotは、幅広い業務に活用できるCRM(顧客管理)プラットフォームです。MA(マーケティング・オートメーション)機能を利用できる「Marketing Hub」と、CMS(コンテンツ マネジメント システム)である「CMS Hub」の有料プランでABテストを実行できます。

Marketing Hubでは、ツールで作成したLPでそのままABテストを実施可能。CMSのアカウントでは、自社LPやWebサイトでABテストを行えます。

(出典:HubSpot ナレッジベース

ABテストだけでなくCRMの必要性も感じているのであれば、HubSpotの導入を検討するとよいでしょう。

まとめ

ABテストを行うことで、Webサイトのコンバージョン率の改善を進められます。テスト対象はWebサイトに限らず、応用範囲が非常に広いのが特徴です。ABテストのやり方を5ステップでご紹介しました。

  1. 仮説を立てる
  2. 単変数か他変数か決める
  3. 別バージョンを作成
  4. テスト開始
  5. 効果の検証

BtoB企業やSaaS企業がABテストを適切に行えるようになった上で、さまざまなマーケティング活動に役立てましょう。