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衛星サイト(サテライトサイト)とは?SEO的な視点から解説

衛星サイト(サテライトサイト)とは?SEO的な視点から解説

自社サイトのアクセスを増やしたいとお悩みではないでしょうか?

衛星サイト(サテライトサイト)を作ると、SEOの効果が見込めるため、本サイトの検索順位向上やアクセス数増加を狙えます。この記事の内容は以下の通りです。

  • 衛星サイトを作る目的
  • 効果的な衛星サイトを作る方法
  • 衛星サイトの実例

理解が不足したまま衛星サイトを作ってしまうと、むしろ本サイトの検索順位が下がることになりかねません。失敗を避けるためにも、ぜひ最後までお読みください。

衛星サイト(サテライトサイト)とは?

(引用元:https://wacul-ai.com/blog/seo/seo-basic/satelite-site/

衛星サイト(サテライト)とは、本サイトを補助する目的で、本サイトとは別に立ち上げられたサイトのことです。ほとんどの場合、企業サイトなどに該当する本サイトでは、製品サービスの販売や成約、お問合せ、資料請求など、収益につながるコンバージョンを獲得することを目的としています。

一方で、衛星サイトは本サイトにリンクを張ることで、間接的にコンバージョンの増加に貢献します。衛生サイトとは、たとえばペルソナが同じながらも、異なる目的を持っているサイトや、将来的に製品サービスなどに関係性がありそうなサイトのことを指します。

BtoB事業であれば別の事業ごとにウェブサイトを作り、本サイトを企業サイトにする、などという形をとるのも一種の衛生サイトの形です。そのような背景から、複数の事業が存在すれば、ひとつの本サイトに対して複数の衛星サイトを作ることも少なくありません。

衛星サイトが流行した背景

衛星サイトが流行した背景として大きいのが、ペルソナに対する理解度合いに対してサイトを作り分けることと、SEOの効果が期待できたという2点があります。以前は衛星サイトを作ることで検索順位を上げやすい環境だったため、とくに大きな効果を発揮していました。

衛星サイトを作って本サイトへのリンクを設置することで、本サイトの被リンクを増やせます。するとGoogleのアルゴリズムが「本サイトは被リンクが多い優良なサイトである」と見なして、検索順位を上げていたのです。

しかし、近年繰り返されたGoogleアルゴリズムのアップデートにより「衛星サイトを作れば簡単にSEOの効果を得られる」という状況ではなくなりました。現在はGoogle のSEOスターターガイドラインに明記があるように「優良なコンテンツを作り、意味のあるリンクを張り合う」ということを重要視しています。

衛星サイトの「質」、つまりペルソナが本当に求めている情報なのか、衛星サイトを作ること自体が、検索エンジンのアルゴリズムの理にかなっているのか、という視点を持ち続けなければ、成果が得にくくなっているのです。

衛星サイト(サテライトサイト)を作る目的

衛星サイトを作る目的を3つ紹介します。自社の衛星サイトの効果を高めるためには、どの目的の達成を目指すのかを明確にしておきましょう。

目的を明確にしておくことで、衛星サイトの効果を測定できるようになり、改善するための施策を考えやすくなります。

1.本サイトの被リンクを増やし、検索順位を上げる

多くの場合、衛星サイトを作る最大の目的は「本サイトの被リンクを増やして検索順位を上げる」ことです。

前提を確認しておくと、Googleは被リンクが多いサイトを良いサイトだと判断します。Googleが公式に発表している「Googleが掲げる10の真実」でも、以下のように言及されています。

Googleが掲げる10の事実

Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。

そのため、衛星サイトから本サイトへのリンクを設置することで、Googleのアルゴリズムから「有益で優良なサイト」だと評価されやすくなるのです。するとSEOの効果が得られるため、検索順位の上昇が見込めます。

2.検索結果の表示枠を独占する

衛星サイトを作る目的としては「検索結果の表示枠を独占する」ことも挙げられます。

現在、Googleの検索結果には、原則として同じサイトから2ページまでしか表示されません。ライバルが多いキーワードであれば、同じサイトからは1ページしか表示されないことが一般的です。

そのため、もし本サイトが検索上位を取ることに成功したとしても、一部のユーザーが他のサイトにアクセスすることは避けられません。

そこで、自社が運営するサイトにユーザーを誘導するため、Googleに別のサイトだと認識される衛星サイトを複数作っておきます。そして衛星サイトでも検索上位を取れば、自社が運営するページを検索結果に3ページ以上表示させることが可能となるのです。

自社が運営するページで検索結果を埋め尽くすことで、検索したユーザーにアクセスしてもらう確率を高められます。

3.多様なニーズに対応する

(引用元:https://wacul-ai.com/blog/seo/seo-basic/satelite-site/

「ユーザーの多様なニーズに対応する」ことも、衛星サイトを作る目的です。

本サイトでは満たしにくいニーズに衛星サイトで対応することで、より多くのユーザーにアプローチできるようになります。

たとえば、本サイトでは自社が提供する「スケジュール管理ツール」について、詳しく解説しているとします。「そのツールについて詳しく知りたい」というニーズを持ったユーザーは、本サイト読むことで満足するでしょう。

その一方で、「色々なスケジュール管理ツールを比較したい」「自社の用途に合ったツールを探したい」といったニーズを持つユーザーもいます。こうしたユーザーのニーズは、本サイトでは満たせません。

また、前述したように、同じペルソナなのだが異なるツール(事業)を展開している場合であれば、さらに別のサイトが存在している方が、ペルソナの情報ニーズにはマッチしやすくなります。

こうした場合は、客観的な視点からスケジュール管理ツールを比較して紹介する衛星サイトを作ると効果的です。どのツールを使おうか迷っている人に向けて、役立つ記事を公開します。

その中で「10人規模のチームで使う方にはこのツールがおすすめ」といった形で、自社ツールを紹介して、本サイトへのリンクを設置します。すると、ユーザーを満足させつつ、自社ツールに興味を持ってもらえるでしょう。

このように、戦略を持って衛星サイトを作ることで、本サイトでは対応できないニーズにも対応できます。

効果的な衛星サイト(サテライトサイト)を作るには?

効果的な衛星サイトを作るためのポイントを3つ紹介します。なんとなく衛星サイトを作ると、SEOで良い効果が得られないだけでなく、むしろ悪影響を受けかねません。失敗を避けつつ、衛星サイトの効果を高めるために、必ず確認しておきましょう。

1.記事の質を高めて価値のあるサイトにする

衛星サイトは、記事の質を高めて価値のあるサイトにすることが重要です。そうすることで、本サイトが得る被リンクの価値を高めて、SEOに良い影響を与えられるからです。

現在のGoogleのアルゴリズムでは、リンク元サイトの価値が被リンクの価値に反映されます。そのため衛星サイトの価値を高めれば、本サイトが得る被リンクの価値も高まり、SEOに良い影響を与えられるのです。

価値のあるサイトとは、読者に有益な情報を提供しており、衛星サイトだけで存在意義のあるサイトです。たとえば以下のようなコンテンツが多いサイトは、価値が高いといえるでしょう。

  • 実体験にもとづいて意見を述べる
  • ニッチな領域で貴重な情報を提供する
  • 第三者の視点から製品サービスを比較する

逆に価値が低いサイトとは、以下のようなコンテンツばかりの量産が容易なサイトのことです。

  • 発リンクが多い
  • 更新されていない
  • 文章量が極端に少ない
  • コピーコンテンツである
  • 翻訳ソフトなどで自動生成されている

こうしたサイトからの被リンクを集めて検索上位を狙うことは、Googleが定めるガイドラインに違反しており、「ブラックハットSEO」と呼ばれる不正な行為だと見なされます。

 

Googleが定めるガイドライン

すると、Google検索エンジンからペナルティを受けて、衛星サイトのせいで本サイトの検索順位が下がりかねません。

衛星サイトを作るからには、コンテンツの質を高めて価値のあるサイトにしなければ、SEOに逆効果になってしまうのです。

2.本サイトと少しずらしたテーマを扱う

(引用元:http://www.okuramkt.com/dic/mkt/satelite_site.html

効果的な衛星サイト作るためには、本サイトと少しずらしたテーマを扱うと効果的です。

まず、衛星サイトは本サイトと関連したテーマを扱うことを前提としています。そうしなければ、ユーザーを本サイトに誘導しにくいからです。

とは言え、まったく同じテーマを扱うのであれば、わざわざ衛星サイトを立ち上げる意味がありません。衛星サイトでは、本サイトとは違った切り口でテーマを設定しましょう。

たとえば、本サイトでは自社が提供する「Webサイト作成サービス」をアピールしているとします。

そのサービスが「あらゆる種類のWebサイトが作成できる」という特長を持つのであれば、本サイトでは色々な種類のWebサイトを作る場合について、広く浅く解説することになるでしょう。

しかしこれでは、「ランディングページを作るためのツールを探している」と目的が明確なユーザーには、自社ツールの魅力が十分に伝わらない恐れがあります。

そこで対策として、衛星サイトで「ランディングページの作り方」に特化したメディアを立ち上げることが有効です。

そして、ランディングページの作り方を解説する有益な記事を掲載しつつ、記事中で「ランディングページを作るなら、このツールがおすすめ! 」と本サイトに誘導します。誘導前にユーザーの購買意欲を高めているため、コンバージョンもしやすいでしょう。

このように、本サイトが幅広いターゲットを狙っているのであれば、ターゲットを絞った専門サイトを作ることで、自然にテーマを少しずらせます。このやり方であれば、衛星サイトを複数作ることも容易です。

逆に、本サイトが狭いテーマに特化しているのであれば、衛星サイトは幅広いテーマを扱うと相性が良いでしょう。

3.ドメインとIPアドレスを本サイトとは別にする

衛星サイトを効果的にするために、ドメインとIPアドレスは本サイトとは別にしておきましょう。

ドメインやIPアドレスが本サイトと同じ場合、Googleのアルゴリズムから「同一のサイトである」と見なされてしまうからです。

>同一のサイトだと見なされると、衛星サイトからの被リンクが「内部リンク扱い」となってしまうので、SEOの効果が見込めません。

それを避けるために、衛星サイトでは本サイトのサブドメインを使わないように注意しましょう。サブドメインとは、以下のようなドメインです。

本サイトのドメイン https://abc.com

本サイトのサブドメイン https://sub.abc.com

サブドメインを使えば、新たなドメインを取得する費用をかけずに、衛星サイトを大量に作れます。そのため、サブドメインを使いたくなることもあるでしょう。

しかし、サブドメインからでは外部リンクと見なされず、本サイトへの被リンクの効果はないと言われているのです。

また、ドメインを別にしたとしても、本サイトと衛星サイトで同じサーバーを使っていると、別サイトだと認識されない恐れがあります。衛星サイトは、本サイトとはIPアドレスが異なるサーバーに分散させた方がよいでしょう。

ただし、衛星サイトを作ることにこだわらないのであれば、むしろサブドメインを使うことをおすすめする場合もあります。

製品サービスに直結する可能性が高いオウンドメディアなどであれば、サブドメインを利用することで、元となるドメイン(プライマリドメイン)のSEOの力を最大限に高められるからです。

別事業のためドメインの目的がまったく異なるなど、完全にサイトを独立させたい場合でなければ、衛星サイトにこだわらなくてもよいでしょう。

衛星サイト(サテライトサイト)の実例3つ

衛星サイトを活用している実例を3つ紹介します。

他社の取り組みの良い点を取り入れて、自社の衛星サイトを効果的にするために役立てましょう。

事例1:弥生(スモビバ!)

本サイト:https://www.yayoi-kk.co.jp

衛星サイト:https://sumoviva.jp

株式会社弥生は、「弥生」などのクラウド会計ソフトを提供している企業。弥生は2013年12月から衛星サイトとして「スモビバ! 」を運営しています。

「スモビバ! 」は、個人事業主や小規模企業の経営者をターゲットとして、業務に関する課題や疑問を解決することがコンセプトです。潜在顧客のニーズに対応することを目的に運営されています。

困りごとがある経営者が検索をして「スモビバ! 」の記事にたどり着き、記事を読む過程で弥生のサービスに関心を持ってもらうのが狙いです。

「スモビバ! 」では弥生の企業色はあまり出さず、あくまで読者への価値提供を重視しています。そのためユーザーからは「役に立つサイト」と認識され、幅広い潜在顧客へのリーチを実現しています。

事例2:サイボウズ(サイボウズ式)

本サイト:https://www.cybozu.com

衛星サイト:https://cybozushiki.cybozu.co.jp

株式会社サイボウズは、グループウェア「kintone」などのクラウドサービスを提供している企業。サイボウズは2012年5月から衛星サイトとして「サイボウズ式」を運営しています。「サイボウズ式」は若い年代の潜在層にアプローチして、新規顧客を獲得する目的で立ち上げられました。

「サイボウズ式」のコンテンツは、社員によるブログ記事や、社員の座談会などを中心に構成されています。チームワークや働き方に関する話題を、幅広く取り扱っているのが特長です。自社の製品とは直接関係のないテーマを扱いつつ、「サイボウズ式」を通してサイボウズという会社にも興味を持ってもらうことを狙っています。

「サイボウズ式」のコンテンツは、検索エンジンに最適化することにこだわらず、読者に共感してもらうことで、SNSでの拡散につなげることを重視しています。会社の価値観を伝えてブランディングするうえで、「サイボウズ式」は大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

事例3:ベネフィット・ワン(ボーグル)

本サイト:https://pr.benefit-one.co.jp/bs/

衛星サイト:https://bowgl.com

株式会社ベネフィット・ワンは、企業向け福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」などを提供している企業。ベネフィット・ワンは2017年6月から、衛星サイトとして「ボーグル」を運営しています。

「ボーグル」のテーマは『企業の働き方改革は「分かる」から「やってみる」へ』です。働き方改革やワークライフバランス、福利厚生、人材育成などの話題を扱っています。ユーザーが自社の課題を解決する手助けとなるコンテンツを提供することで、潜在層にアプローチすることが、「ボーグル」を運営する狙いです。

人事課題を解決するための手法や成功事例を数多く紹介することで、「ベネフィット・ワンは人事課題の解決に詳しい会社」というブランディングを実現しています。

また、「ボーグル」は各記事の最後で、ユーザーを本サイトの問い合わせフォームなどに誘導しており、見込み顧客の連絡先を入手する役割も果たしています。

まとめ

衛星サイト(サテライトサイト)を作ることは、本サイトが被リンクを獲得することにつながるため、SEOの効果を見込めます。本サイトの検索順位が上がることで、アクセス数やコンバージョンが増える効果も期待できます。

ただし、衛星サイトの効果を高めるためには、サイトの質を高めることが重要です。衛星サイトがGoogleのアルゴリズムから「価値が低い」と見なされれば、本サイトがペナルティを受けて、検索順位が下がることになりかねません。

衛星サイトでは、本サイトでは満たせないユーザーのニーズに対応すると、本サイトと連携して良い結果を生みやすいでしょう。

衛星サイトで潜在ニーズを持つ顧客にアプローチしたり、情報提供によってコンバージョンの確率を高めたりすることで、本サイトの効果を高められます。

他社の事例も参考にしつつ、自社に合った衛星サイトの戦略を考えてみましょう。