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URL解析をする方法とは?URLの基本と何の目的で利用されているURLかを知る方法を紹介

自社のマーケティングに役立てるために、URL解析を行いたいとお考えではないでしょうか。

総務省が2004年2月に行った調査によれば、「.jp」ドメインの総ページ数は8,590万にも達し、すべてのページにはURLが設定されています。解析を行うことで、URLに含まれている情報を読み取り、そのページがどのような狙いで公開されているのかなどを推測可能です。本記事では以下の内容を解説します。

  • URL解析で見るべき箇所
  • パラメーターの種類と意味
  • URLの安全性を解析する方法

URL解析によって、他社の参考になる取り組みが見つけられれば、自社サイトの運営に取り入れられます。Webサイトを利用したマーケティングの効果を高めることで、売上げや利益の増加につなげられるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

URLとは

URLとは、インターネットやイントラネットのWebサイトに入るために入力するアドレスのことで、「Uniform Resource Locator」の略称です。(rockcontentより引用)

URLは決められた構造にのっとっていれば、自由に設定できます。見込み客にとってわかりやすく、入力しやすいURLを設定しておけば、Webサイトへのアクセスを増やす助けになります。

URLの構造

URLは以下の要素で構成されています。ただし、以下の要素のすべてを必ず含むわけではありません。

  • スキーム:アクセス時に使用するプロトコルを示す
    • 例として「https://blog.leapt.co.jp」の「https://」の部分
  • サブドメイン:ひとつのドメインを目的や用途ごとに分けて使用する場合に使われる
    • 例として「https://blog.leapt.co.jp」の「blog」の部分
  • トップレベルドメイン:地域の種別を示す
    • 例として「https://blog.leapt.co.jp」の「jp」の部分
  • セカンドレベルドメイン:組織の種別を示す
    • 例として「https://blog.leapt.co.jp」の「co」の部分
  • サードレベルドメイン:URLの主要な部分で、社名などが設定される
    • 例として「https://blog.leapt.co.jp」の「leapt」の部分
  • サブディレクトリ:Webサイト内のページの分類を示す
    • 例として「https://leapt.co.jp/○○」の「○○」の部分

なお「allstarsaas.com」のようなURLでは、「サードレベルレベルドメイン」が存在せず、「com」がトップレベルドメイン、「allstarsaas」がセカンドレベルドメインです。

パラメーター

(URLとパラメーター)

URLの末尾には、上図のように「パラメーター」と呼ばれる部分を追加できます。パラメーターは「?」の記号から始まり、「パラメータ名」と「パラメーターの値」を「=」でつないで設定されます。

ひとつのURLに複数のパラメーターを設定することも可能です。その場合は「&」の記号を使うことで、パラメーターを追加できます。

URL解析箇所の基本を知る

URL解析において、主な解析対象となるのはパラメーターの部分です。パラメーターを確認することで、そのページの機能や用途を推測できます。パラメーターは以下の2種類に分類できるので、順に解説します。

  • アクティブパラメーター
  • パッシブパラメーター

アクティブパラメーター

アクティブパラメーターは、ページに表示されるコンテンツの内容に影響を与えるパラメーターです。パラメーターの値を変えることにより、同一のURLであっても、訪問者が求めている情報を的確に表示できます。

(HubSpotの価格表)

上図はCRM(顧客関係管理)プラットフォーム「HubSpot」の価格表のページです。閲覧者はこのページで、画面上で操作を行うことで、さまざまなパターンでの価格を表示させて比較できます。

たとえば、上図では「製品とプラン」の中でも「マーケティング」について表示されています。これはURLに「products=marketing-hub-starter_1」というアクティブパラメーターが付与されているためです。また「term=annual」も付与されているため、「年次でのご購入」での価格が表示されています。

このように、複数の製品サービスやプランについてひとつのページで表示させたい場合は、アクティブパラメーターを活用すると便利です。

パッシブパラメーター

パッシブパラメーターは、訪問者についての情報を収集するために使われるパラメーターです。コンテンツの内容には影響を与えないため、「ダミーパラメーター」と呼ばれることもあります。Web解析ツールやマーケティングオートメーション(MA)ツールで、訪問者の属性やアクセス経路を把握するために使用されます。

他社が使っているパッシブパラメーターを確認することで、どのような情報を集めているのかを分析可能です。自社のページにどのようなパラメーターを付与すべきか迷う場合は、競合他社のWebサイトのURLを参考にするとよいでしょう。

URL解析の対象となることの多いパッシブパラメーターを知る方法

パッシブパラメーターの中でも使用される機会が多く、URL解析の対象としやすいのが、「Googleアナリティクス」のパラメーターです。Googleアナリティクスは、Googleが提供する無料のWeb解析ツールであり、パラメーターは以下の5種類があります。これらについて、順番に詳しく解説します。

  1. utm_source
  2. utm_medium
  3. utm_campain
  4. utm_term
  5. utm_content

パラメーター1:utm_source

utm_sourceが収集するのは「参照元」についてのデータです。訪問者がどの媒体を経由して自社サイトにたどり着いたのかを確認できます。

パラメーターの値は任意で設定できますが、Googleアナリティクスのレポートで確認しやすくするため、よく使われる値があります。例を挙げると、以下の通りです。

  • utm_source=google(Google広告)
  • utm_source=yahoo(Yahoo!広告)
  • utm_source=facebook(Facebook広告)

URL解析の際に「utm_source」の値を確認すれば、どの媒体からのアクセスを想定しているページなのかを、ある程度は推測できます。競合他社がどの媒体に広告を出しているのかを探るヒントになるでしょう。

(SmartHRのページ)

URL解析の例として、SaaSの人事労務システム「SmartHR」のページについて解説していきます。

(SmartHRのページのURL)

このページのURLは上図のように表示されています。URLに「utm_source=google」のパタメーターが付いているため、Google広告向けのページではないかと推測可能です。

パラメーター2:utm_medium

utm_mediumは「メディア」のデータを収集します。よく使われるパラメーターの値の例は以下の通りです。

  • utm_medium=cpc(検索広告)
  • utm_medium=display(ディスプレイ広告
  • utm_medium=email(メールマガジンのリンククリック)

utm_mediumの値を見れば、「ディスプレイ広告からこのページにアクセスさせようとしているのではないか」などと推測できます。前述のSmartHRのページであれば、「utm_medium=cpc」というパラメータが付与されているため、検索広告からの流入を狙っていると考えられます。

(Campaign URL Builder)

なおGoogleアナリティクスで利用するパラメーターをURLに付与する際には、「Campaign URL Builder」を利用すると便利です。これはGoogleが提供しているツールで、入力欄にURLとパラメーターの値を入力すれば、パラメーター付きのURLが自動で出力されます。無料で使えるので、パラメーターを付与する際には積極的に利用しましょう。

パラメーター3:utm_campain

utm_campainが収集するのは「キャンペーン」についてのデータです。広告のキャンペーンの名称などが設定されます。

「utm_source」や「utm_medium」とは異なり、よく使われるパラメーターの値は、明確にはありません。そのためURL解析の際には、理解しやすいパラメーター名が使われていないかを注意して見ましょう。たとえば、「utm_campain=summer_sale」と設定されていれば、「夏季限定のセール用のページなのでは」と推測可能です。

前述のSmartHRのページの場合、「utm_campaign=search-11-renkei」というパラメーターが設定されています。「search」や「renkei」という単語が含まれていることから、「検索広告と何かを連携させてキャンペーンを行っているのではないか」などと考えられます。

なお、ここまで紹介した「utm_source」「utm_medium」「utm_campain」の3つは、Googleアナリティクスのパラメーターを設定する際の必須項目です。3つのパラメーターはセットで使われるので、URL解析をする際にはあわせて確認しましょう。

パラメーター4:utm_term

utm_termは「キーワード」のデータを収集します。検索広告を出稿する際に、ページへの訪問につながったキーワードを特定する目的で使われることが多いです。

たとえば、前述したSmartHRのページであれば、「utm_term=c-勤怠管理%20ツール-b」というパラメーターが付与されています。このことから、「勤怠管理」や「ツール」といったキーワードからの流入を狙っているのではないかと推測可能です。

競合他社が検索広告で重要視しているキーワードがわかれば、自社は戦略を真似したり、あえて他のキーワードで広告を出稿したりできます。utm_termが設定されている場合は、パラメーターの値の意図を考えてみるとよいでしょう。

パラメーター5:utm_content

utm_contentが収集するのは「コンテンツ」についてのデータです。コンテンツごとにパラメータの値を設定することで、どのコンテンツからの流入が多いのかを計測できます。

たとえば、ディスプレイ広告で画像Aには「utm_content=image-a」、画像Bには「utm_content=image-b」のパラメータが付いたURLを設定するとします。一定期間の広告出稿後に、それぞれの画像での成約率を比較することで、どちらが優れているかの判断材料に使えるのです。

前述したSmartHRのページには、「utm_content=125462199317-574814648819」というパラメーターが付けられています。このようにコンテンツごとに番号を付けて管理することも可能です。数字だけで設定されている場合は、URL解析をしても読み取れる情報は少ないといえます。意図を推測しやすいパタメーター名が設定されているかどうか、確認してみましょう。

URLの安全性を解析する方法

Webサイトの安全性を確認するために、URLを解析したい方もいらっしゃるでしょう。Webサイトに有害なプログラムが含まれていないか心配な場合には、事前にツールを使って解析を行うと安心です。URLの安全性を解析できる代表的なツールとして、以下の3つを紹介します。いずれも無料で利用可能です。

  • トレンドマイクロ サイトセーフティセンター
  • ノートン セーフウェブ
  • カスペルスキー  Threat Intelligence Portal

トレンドマイクロ サイトセーフティセンター

(トレンドマイクロ サイトセーフティセンター)

トレンドマイクロ サイトセーフティセンターは、セキュリティソフト「ウイルスバスター」などを販売するトレンドマイクロ株式会社が提供しています。URLの安全性を、以下の4種類の評価で確認できるのが特徴です。

  • 安全
  • 危険
  • 不審
  • 未評価

トレンドマイクロ サイトセーフティセンターのWebサイトにアクセスして、解析したいURLを入力するだけで使えます。手軽にURLの安全性を解析したい場合に、利用するとよいでしょう。

ノートン セーフウェブ

(ノートン セーフウェブ)

ノートン セーフウェブは、セキュリティソフト「ノートン」などを販売するノートンライフロック株式会社が提供しています。ノートン セーフウェブはWebブラウザの拡張機能であり、以下のブラウザで利用可能です。

  • Google Chrome
  • Mozilla Firefox
  • Windows Edge

自社で使用するブラウザにあわせてソフトをダウンロードし、インストールして使用します。一度インストールすれば、アクセスするすべてのWebサイトの安全性を確認できる点が便利です。

カスペルスキー Threat Intelligence Portal

(カスペルスキー Threat Intelligence Portal)

カスペルスキー Threat Intelligence Portalは、セキュリティソフト「カスペルスキー」などを販売する株式会社カスペルスキーが提供しています。トップページから「Lookup」のタブに移動し、URLを入力するだけで、Webサイトの安全性を確認可能です。

「File Analysis」のタブでは、ファイルの安全性をチェックできます。メールの添付ファイルを開くのが不安な場合などに、利用するとよいでしょう。

まとめ

URL解析を行うことで、そのページがどのような狙いで公開されているのかを、読み取れる場合があります。他社が使用しているページのパラメーターをチェックして、広告の戦略などを推測し、自社のマーケティングの参考にすることが可能です。

URL解析の対象としてとくに重要なのが、Googleアナリティクスのパラメーターです。以下の5種類があるので、それぞれのパラメーターが収集するデータを理解しておきましょう。

  1. utm_source(参照元)
  2. utm_medium(メディア)
  3. utm_campain(キャンペーン)
  4. utm_term(キーワード)
  5. utm_content(コンテンツ)

また、URL解析によってWebサイトの安全性を確認できます。有害なプログラムが含まれていないか不安な場合には、アクセスする前にツールを使ってチェックするとよいでしょう。