SEOにおいて共起語対策はあまり意味がないと言われるようになってきました。共起語だけでなく、サジェスト、関連用語などキーワードを詰め込むこと自体、評価されなくなってきています。
これは、ある意味喜ばしい進歩でしょう。Google検索をしても似たようなサイトばかり並んでいる現状が、ユーザーにとってよいわけがありません。
しかし、これはあくまで過剰な共起語などの使用に意味がないということで、共起語を知ってコンテンツの企画をたてること自体は変わらず有効です。
本記事では、無料で利用できる共起語ツールと簡単な使い方をご紹介します。
共起語分析ツールを活用して、思考の幅を広げ、ユーザーに役立つコンテンツ制作のヒントにしてください。
共起語とは、ある単語と一緒に文中にひんぱんに出てくる言葉を指します。
例えば、「雨」という単語と一緒によく出てくるのは「しとしと」「ザーザー」「土砂降り」という言葉があります。このように、誰もが会話や文章などで自然に使っているのが共起語です。
SEO施策における共起語は、Webサイトなどである単語と一緒によく出てくる言葉です。
共起語を調べる場合、「対象の母集団」と「どの単語の共起語」を調べたいかを決めてリサーチします。
例えば、「クラウドサービス」の共起語を、ある共起語検索ツールで調べると、「サービス」「解説」「情報」「導入」「メリット」と出てきます。こちらのサイトは、Google上位30サイトの共起語を調べた結果を出してくれます。
その他、Yahoo!の上位サイトを調べたり、スマートフォンでの上位サイトを調べられる共起語ツールもあります(後述)。
SEOにおいて共起語対策は、サジェスト対策と同じようにこれまで重要視されてきました。これは、Googleが共起語を組み込んでおくことで、そのコンテンツがあるテーマについて詳しく説明していると判断し高く評価するからだとされていました。
しかし、近年のGoogleのアルゴリズムは進化し、共起語であれサジェストであれ、キーワードを詰め込むことではコンテンツを高評価しないどころか、むしろキーワードの乱用(同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと)について警笛を鳴らしています。
SEOのための共起語対策は、あまりハマりすぎないほうがよいでしょう。
だからといって共起語が役に立たないわけではありません。編集者やクリエイターがユーザーのために役立つコンテンツを作成しようとするときに、自分の知見だけでなく、共起語を知っていると、アイデアや発想が広がります。
共起語は考慮しつつも不必要に使わず、自然なコンテンツにすることがポイントです。
今回は、無料で活用できる共起語ツールを紹介します。共起語ツールには「共起語を検索するツール」と「共起語をカウントするツール」があります。簡単に違いを解説します。
※中には両機能を持つツールもあります。
(出典:共起語検索ツール)
現時点のGoogle上位30サイトのコンテンツを対象に、共起語を自動的に抽出してくれるのが、こちらの共起語検索ツールです。
使い方はとてもシンプル。検索ワードを入力して検索するだけで、上位サイトで使われている共起語のリストと各共起語の出現回数が表示されます。
例えば、「SEO」の共起語を調べると、以下のように26個の共起語が出現頻度の高い順に表示されて、とても便利です。
(出典:https://www.tsuyoshikashiwazaki.com/tools/cognate/)
日本のSEOコンサルタント柏崎剛さんのサイトが提供する共起語ツール(テスト開発版)です。調査するプラットフォームを「スマートフォン」「PC」から選択できるので、モバイルフレンドリーなサイトが評価される昨今、とても役立ちます。
会員登録は不要。新しいパスワードが、柏崎剛さんのTwitterで毎週金曜日のAM10:00に公開されるので、それを入力すれば活用できます。
(出典:SEO研究所サクラサクラボ)
サクラサボ共起語ツールは、GoogleとYahoo!の検索上位サイトのコンテンツを解析して共起語を抽出してくれるツールです。共起語以外にも、関連語やキーワード調査、上位サイト分析などのSEOツールを無料で活用できます。こちらは簡単な会員登録が必要です。
使い方はメニューから「共起語ツール」を選択し、キーワードの欄に調べたい単語を入力するだけ。共起語一覧と出現回数、平均出現回数が表示されたら、そのままCSVデータとしてダウンロード可能です。
(出典:MIERUCA公式サイト)
ミエルカSEOツールは、共起語の抽出もできるツールです。こちらは無料ツールではないのですが、1700社に導入された実績があり、ツールの無料トライアルができます。
ユーザーの検索意図を深掘りできるツールなので、小手先のテクニックではなく本格的にユーザーの検索意図を把握したコンテンツ作成をしたい場合、おすすめのツールです。
次に、共起語カウントツールを2つ紹介します。
(出典:共起語カウンター)
こちらの共起語カウンターは、「特定のコンテンツ」の共起語の数をカウントしてくれるツールです。
使い方は、まず「チェックしたい本文」の欄に調べたい対象のコンテンツをコピペ。次に、右側の共起語リストのところに、調べたい共起語リストを入力(複数可能)。検索開始をクリックすると、各共起語の出現回数が表示されます。
(出典:ラッコキーワード)
ラッコキーワードとは、共起語、サジェストキーワード、類語・同義語などが無料で調査できるツールです。1回で共起語調査もカウントもできます。こちらは、Google上位20のサイトの共起語を表示してくれます。
「SaaS」の共起語を調べてみました。以下のように共起語の数を単純に表示するのではなく、ページ全体、タイトル、見出しにそれぞれどの程度共起語がつかわれているのか、出現サイトが何個だったかも一目瞭然にわかります。
※1日に調査できる上限回数は5回までです。
(出典:ラッコキーワード)
本来共起語とは、あるテーマについて十分な知見をもった執筆者が書く場合、おそらく自然に適切な量が含まれます。
しかし現実問題、企業のコンテンツ制作は分業されており、書くのは多くの場合外部ライターです。また、BtoBのように専門性が深い業界で、業界の事情を深く理解して書けるライターはあまり多くありません。
社内のスタッフが書く場合もありますが、こちらは専門知識があるゆえに自分たちにとって当たり前の知識が、外部の人にとって興味深いと気づかないことがよくあります。ゆえに、構成案作成時点で、共起語を意識することはやはり意味があるのです。
SEOにおいてはそれほど重要でなくなりました。しかし、共起語を知ってコンテンツの企画を考えたり、新たな表現方法を使ったり、より丁寧な解説をしようと試みたりすることは、変わらず重要です。