数多くのカタカナ用語が登場するBtoBマーケティングの世界。よく分からずに使用している言葉も意外と多いのではないでしょうか。そこで今回は、BtoBマーケティングのなかでも「た〜と」で始まる用語について解説していきます。
タイトル&ディスクリプション(TD)とは、Googleなどで検索したときに表示される「タイトル」と「説明文(ディスクリプション)」のこと。
言わば、キーワードを検索したユーザーが初めて目にする部分です。そのためTDをいかに工夫するかで、作成したコンテンツを見る人の数も変わってきます。
例えば説明文に「〇〇って知っていますか?」など、ユーザーが知らないような新たな情報を提示して興味を持たせたる。そのほか、「今だけ」「限定」のように特別感を出すと、その先のコンテンツを見てくれる可能性も高まるでしょう。さらに、TDで訴求する内容とコンテンツの中身に親和性を持たせることで、「問い合わせ」などのコンバージョン率も高くなるとも言われています。
ダイレクトレスポンス広告とは、顧客に商品の購入やサービスの問い合わせなど、具体的なアクションを起こさせるために行う広告のこと。
Web広告やメルマガ、DMなどがこれにあたり、効果検証を行いやすい広告です。企業やサービスのブランド向上を目的とする「ブランディング広告」と対比されます。
顧客の反応(レスポンス)が、広告主にダイレクトに伝わるといった意味でダイレクトレスポンス広告と言われることもあります。
ダイレクトマーケティングとは、外部の流通チャネルを介さず、顧客と直接やり取りを行うマーケティング手法です。
CMや新聞など多数の顧客に一方的に発信するマスマーケティングとは異なり、顧客の反応やレスポンスをふまえて、相手のニーズに合わせた施策を実現可能。ECサイトで訪問者が使えるチャット機能やレコメンド機能、ダイレクトメール、メルマガなどがこれにあたります。
ダイレクトマーケティングを成功させるには、顧客との接点で得たデータ(購入履歴や金額、属性データなど)を分析し、今後のマーケティングに生かすのがポイントです。
チャーン率とは、解約率のことで一般的にはSaaSビジネスなどのサブスクリプションモデルのビジネスで用いられる用語です。チャーン率には、顧客数をベースにする「カスタマーチャーンレート」と、収益をベースにする「レベニューチャーンレート」の2種類の計算方法があります。もっともよく使われているのがカスタマーチャーンレートで、計算方法は以下です。
チャーン率=一定期間で失った顧客数 ÷ その期間の直前に維持していた顧客の合計数 ✕ 100
チャーン率を把握することで、商品やサービスが顧客にとってどの程度必要とされているか、また事業が継続的に成長できるかを見える化することができます。
中小企業とは、生産、販売などを行う企業のなかで、その規模が比較的小さい会社のこと。
中小企業基本法という法律で「資本金の額または出資の総額」と「常時使用する従業員の数」によって定義。ただ、業種ごとにその定義は異なります。
例えばサービス業における中小企業の定義は「資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社」または「常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人」です。
一般的に中小企業は、「組織が未成熟」「資金力、人材不足」などマイナスな面が強調されます。しかし「経営行動が迅速」「環境変化への対応が柔軟」など、中小企業ならではの強みもあるでしょう。
直帰率とは、サイトを訪れたユーザーが直帰した割合を表す指標。直帰とは、サイト内で1ページしか見ずにそのままサイトから出る、というユーザーの行動を指します。つまり直帰率とは、全体の訪問数のうち何%が1ページしか見なかったか、を表わした指標と言えるでしょう。
直帰率が高いということは、せっかくサイトを訪問しても1ページしか見ていないユーザーが多いということ。サイトへ集客しても、問い合わせや購入といったアクションに繋がりにくい可能性が考えられます。
その原因として、検索結果とコンテンツの中身の親和性が低いことや、他ページへの導線が少ないことがあげられるでしょう。
検索結果とコンテンツの中身を合わせるのはもちろん、最適な位置にページ内リンクを入れることでサイト内を回遊してもらう工夫が必要です。
なお直帰率とよく混同される指標が「離脱率」です。直帰率と離脱率はユーザーの動きに違いがあります。離脱率は、該当するページを最後に、サイトから離れてしまったユーザーの割合のことです。
例えばAページの閲覧数が4で、そのうち2回はAページを閲覧した後にサイトを離れてしまったとすると、2÷4×100=50%が離脱率というわけです。
チャネル・マーケティングとは、企業の商品やサービスが消費者に届けられるまでの経路に働きかける施策のこと。
「販売チャネル」「コミュニケーションチャネル」の大きく2つの経路に分類することができます。
「販売チャネル」とは、消費者がサービスや商品を購入する場所。商談場所やECサイトなどがそれにあたります。
「コミュニケーションチャネル」とは、商品やサービスなどの情報を消費者に知らせるチャネル。情報伝達経路とも呼ばれ、マスメディア、SNS、WEBサイトなどが該当します。
マーケティングにおいては、どのチャネルに注力して施策を行っていくかが重要です。例えば最初は自社WEBサイトのコンテンツを拡充。制作したコンテンツをより多くの人に広めるために、その後はSNSでのマーケティングに注力するなど。基本的には販売場所と近いチャネルから、施策を強化していくのが一般的です。
チャットボットとは、「対話(chat)」する「ロボット(bot)」という2つの言葉を組み合わせたもの。ユーザーと企業を直接つなぐ、コミュニケーションツールです。
ユーザーからの問い合わせに自動で回答を行うことで、これまで人間が対応していた「お問い合わせ対応」「注文対応」などの作業効率化につながります。
企業側は問い合わせコストを削減でき、顧客はいつでも好きなときに疑問を解消できるといったメリットがあるでしょう。
Twitterとは、140文字までのテキストを投稿できるSNS。現在、国内では約4500万人が利用しており、世界全体でいえば3億人を超えている利用者の多いSNSの一つです。
ユーザーと近い距離間でコミュニケーションを行い、ファンを獲得する「カンバセーショナルマーケティング」の手段として、Twitterを利用する企業は多いといえます。企業とユーザーが会話を通じて関係性を構築し、信頼を高め、顧客満足度を強めていくことが目的です。
なお、Twitterにはオーガニックツイート(通常のツイート)以外にも広告があります。年齢・性別などのターゲットを設定し、該当するユーザーのTwitter操作画面に広告を出せる仕組みです。
ディスプレイ広告とは、Webページの広告枠に表示される広告です。
画像や動画、テキストと画像などを組み合わせて表示し、「バナー広告」とも呼ばれています。
ディスプレイ広告のサービスは、GoogleとYahoo!のそれぞれが提供しており、訴求したいターゲットに向けた配信が可能。Webサイトの訪問履歴をもとにユーザーにとって最適な広告を表示するリマーケティング(リターゲティング)機能や、特定のコンテンツに広告が配信できるコンテンツターゲティングの機能などを利用できます。広告主は商品やサービスに興味を持つユーザーへとピンポイントで届くような、条件設定が可能なのです。
インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや、自社で管理している顧客データなどを一元管理して分析するプラットフォームのこと。
DMPは「オープンDMP」「プライベートDMP」の2種類に分かれます。オープンDMPは、さまざまな企業が保有するWebサイト上の行動履歴や年齢、性別といった情報を蓄積して管理。プライベートDMPは、自社独自で保有している購買履歴や行動履歴といったデータを、外部データと組み合わせて管理します。
自社で拾いきれなかった情報を収集・分析することにより、ユーザーの興味・関心を把握。そして、商品の改善・開発につなげることができます。
また、集めてきた情報を区別し、ターゲットを絞り込むことも可能。絞り込んだターゲットに合わせた、マーケティング施策も実施できます。
テキスト広告とは、ディスプレイ広告の枠にテキストのみ表示させる広告のことです。
キャッチコピー・説明文・URLの要素で構成。広告枠に文章を載せ、その文章から広告主のWebサイトにリンクさせる仕組みです。
通常広告文は15〜30文字程度ですが、GoogleとYahoo!で入稿規定が異なります。
テキスト広告は、文面を考えるだけですぐに配信ができるので、手軽にスピード感をもって始められます。
下記をポイントに、広告文を数パターン用意し、ABテストを繰り返していくことで最適なテキスト広告を配信しましょう。
デジタルマーケティングとは、とくにWebサイト、Eメール、SNS、スマートフォンアプリ、IoTなどのデジタルツールを活用して行う施策のこと。
基本的なデジタルマーケティングの手法として、Webサイトの作成、ブログ、SEO、WEB広告、メールマーケティングなどがあげられます。
デジタルデータの活用により、ユーザー一人ひとりのニーズをより細かく把握することが可能。ユーザーの抱える問題を特定したうえで、ニーズに沿った情報の提供が可能になるのです。
ユーザーの反応を計測し、施策に活かすといったPDCAサイクルを素早く回すことで、スピード感を持ってマーケティングを行うことができます。
トラッキングとは、ユーザーがサイト内のどこを閲覧しているのかを追跡し、データを収集するアクセス解析方法の一つです。
どの流入経路から、どんなページを見て、コンバージョン(商品購入、資料請求など)に結びつくのかを追跡。そして、コンバージョンにつながる経路のマーケティング施策を強化するなどの目的があります。
仮にコンバージョンに至らなくとも、離脱したサイトやユーザーの行動特性を分析することで、どこに問題があったのかなどの把握に役立てます。
見る人や見るタイミングによって、表示される内容が変わるのが動的コンテンツです。
例えば、Googleで「お米」と検索したとき「google.com/search?q=お米……」というURLが生成され、キーワードにあったコンテンツを表示します。このように、ユーザーが何かしらの要求を行ってから生成されるコンテンツが、動的コンテンツです。
Googleのように検索するキーワードが利用者によって異なる場合や、メールフォーム、掲示板やブログなどで実装されています。
動的コンテンツは、リアルタイムでページを生成するため、常に最新の情報を表示することが可能。ユーザーの要望に合わせた情報を提示できる、といったメリットがあります。
一方で、サーバだけでなく、スクリプト言語を実行するプログラムやデータベースシステムが必要となるのでシステム構成は複雑。応答速度も遅くなります。ユーザーがアクセスするたびにページを生成するため、アクセス集中によるサーバーダウンといったリスクがあることも知っておきましょう。
また、自社のウェブサイトにダイナミックコンテンツをおきたい場合は、HubSpotのようなマーケティングCMSであればDMPやCRMと連動してダイナミックコンテンツを表示することが可能です。
以上、今回はBtoBマーケティングでよく使われるマーケティング用語について「タ行編」と題し、お届けしました。続く次回は「ナ行編」のマーケティング用語を紹介していきます。